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『切手文化』の復刊 [文献]

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僕の好きな郵趣誌の1つに『切手趣味』がある。戦前から刊行されていた雑誌なのだけど、特に戦後の記事には重要なものが多く、今でもランダムに取り出しては読むことが多い。

戦争を挟んで一時期『切手文化』と改題されて刊行が続けられていたけど、戦争の激化に伴い休刊となってしまいましたが、戦後の昭和22年1月号より『切手文化』の名前で復刊し、『切手趣味』の名前に戻ったのは昭和26年。

画像の復刊号の表紙は、ちょっと郵趣誌らしくないデザインが印象的です。本文16ページで巻頭には木村勝氏「日本郵便切手史論以後」や、山下武夫氏「満州切手想ひ出すまま」など、終戦直後らしい記事が掲載されています。
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ハンガリー・1874年シリーズ5Fr [外国切手]

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画像のハンガリー1874年シリーズは、印刷方式と透かしの違いで大きく4シリーズに分類されます。
この切手の時代は、日本切手で言えば、桜切手の後半〜小判切手の時代ですね。
収集の基本は、目打と色調にあるわけなのですが、意外な盲点が版欠点なんです。不思議と、版欠点に力を入れた作品って、皆無ではないものの全体から見たら少ないです。

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上の画像は、最初に見せた横ペアの右側の一部なのですが、縦の細線が一部太くなって、しかも曲がってリタッチされているのがわかりますかね?
こんなのが探すとけっこうあるのです。ただし、ポジションとかはさっぱりわからないので、今のところは「こんなのがあるよ」程度の提示にとどめる段階です。

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塔30銭私製ルレット目打 [日本切手]

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画像の塔30銭は、一見しただけでルレット目打というのがわかります。
塔30銭のルレット目打と言えば、秀山堂と決っていますね。だけど画像の切手は、秀山堂とはちょっと雰囲気が違います。

そもそも画像の切手の紙は、白紙で糊無し。もし、秀山堂なら糊の影響を受けて薄茶色になった灰白紙。インクの色調も秀山堂とは全く違います。そして、ルレットのゲージも秀山堂より細かくて、着色がありません。

こんな私製ルレットがあるのですね。手元には、この田型が1点しかなくて、他には見たことがありませんが・・・。
まぁ、ルレットは簡単に入れられるし、これで切り離しが便利になるのですから、多量に消費する事業所ならすぐに思いつくのでしょう。
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つい、うっかり? [日本ステーショナリー]

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画像の葉書、なんか変だと思いませんか?
葉書印面と速達料金の加貼切手に抹消印がありませんね。だけど、左下の配達印はきちんとあります。

普通郵便だと消印漏れは珍しくありませんが、この使用例は速達扱いです。
少なくとも、左下の消印を押した局員は消印漏れに気がついてもよさそうというか、逆に気がつかないとおかしいですね。

処理するのが沢山ありすぎて、目にも止まらない早さで消印を押していたのでしょうか?
確かにプロの押印は早いですが・・・。
うっかりミスですね。
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壁抜け男 [雑記]

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劇団四季を最初に見たのは、三十数年前の中学生の時で、それ以来のリピーターです。
今、東京の四季劇場「秋」で上演中なのが、日本では珍しいフレンチミュージカル「壁抜け男」。四季と言えば定番の「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などロングラン公演が幾つもありますけど、「壁抜け男」はそうした意味では定番の演目ではないですね。これまでの公演は、比較的短期間なのが続いています。

で、なんでそんなミュージカルの話しをしているのかと言うと、主人公であるさえない下級役人デュティユルの趣味が切手収集という設定なんです。
楽しいミュージカルなので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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文献集めの大切さ [文献]

文献をいろいろと集めています。
なぜかと言うと、研究史を大切にしたいからというのが、大きな理由ですね。
これは、仕事とも直結していることなので、研究史の大切さが身にしみているのです。

郵趣の世界でも、先行する他人の業績が少部数であったり、マイナーな雑誌で発表されたがために、後学のくせに、さも自分のオリジナルだと言わんばかり(中には、オリジナルと言い切っている輩もいる)に、先学の業績には一切触れずに雑誌に発表する人がいます。
また、雑誌の記事やネット上で書込みでも、よく調査をしないで事実誤認の書込みをしている人を見かけますね。これなどは特定の人に多いように見受けられます。

こうしたことが起こるのは、過去の資料などに目を通さないから起こるのだと思います。つまり、先学の業績などを原典にあたって調査しないということです。

普通の人のばあい、書かれていることをそのまま無批判に受け入れてしまうというのが実態でしょう。ですから、間違った内容がそのまま拡散してしまうのです。そして、一端拡散してしまうと、あとからの修正がほとんど不可能な状態になってしまい、これが一番怖いことです。
例えば、僕が子供の頃に出版された『図解切手収集百科事典』に掲載されていたモーリシャスのポストオフィス切手についての話しは、その好例だと思います。

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画像は、『フィラテリック ダイジェクト』No, 120 1968年1月25日号に掲載された、旧富士鹿20銭の目打11発見の記事。
この切手発見の第1報は、伊藤由巳氏編集による本誌であり『郵趣』1968年3月号ではありません。
文献を集め、そして目にしてるからこそ、こうしたことがわかるのです。
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福井の震災葉書(往復葉書編) [日本ステーショナリー]

他の葉書も同じ傾向だけど、震災葉書も往復葉書となると極端に使用例が少なくなります。
だから、手元にある資料数もとても限られていて、その中で使えそうなのが下の画像のもの。

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データは「福井・勝山/13, 3, 21/前0-9」。
震災の往復葉書が市中に出回るのは、東京などの都市部でも13年に入ってからなので、そう考えるとこのデータはそこそこ良い感じがしますね。
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福井の震災葉書 [日本ステーショナリー]

誕生の経緯から見て、震災葉書が各地方でどのように出現したのか興味を持っています。
そのようなわけで、地元の使用例に出会えばなるべく入手するようにしていて、下の画像もそんな入手品からの1枚です。

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データは、「福井・麻生津/13, 1, 10/前9-12」。
今のところ手元にある中では最も古いデータです。12年11月使用なんてのは期待していませんが、なんとか12年12月の使用例がないものかと思いますが、どうでしょうかね?
データとしては、ド田舎の割にはいいものだと思っています。

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解散 [雑記]

2日程前に、郵趣会を解散した、あるいは、するというニュースが立て続けに2件入ってきました。
高齢化が進んでいる地方では、特に郵趣会の維持が難しいのだと思います。

都市部の人から「若い人がいなくてねぇ」と聞くことがあるけど、都市部はまだまだマシな方だと思います。
郵趣会の平均年齢を見ると、田舎に行けば行くほどドンドン年齢が上がって行きます。
当たり前ですけど、市町村の平均年齢が田舎の方が飛び抜けて高いのと同じです。

もう、どうにもなりませんねぇ。
あなたの郵趣会、またはJPS支部の平均年齢はおいくつ?
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南方占領地フィリピン [日本切手]

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南方占領地切手入門として最初に正刷切手から始めたことは前にも書いたけど、その頃に作ったのが画像のリーフ。

テキストは、紙に印字したのを貼ってある懐かしい手法のもの。25年ほど前のリーフだから四半世紀も経ったのですね。
あの頃は、正刷切手は取りあえずカタログコレクションとして集めたら、それで上がりのテーマだと考えていました。つまり余り発展性のないテーマだと思っていたわけ。

そんなふうに思い込んでいたのだけど、数年前の全日展で、この分野の専門コレクションを見て驚きました。「マジメに取り組むと奥行きの深いテーマなんだなぁ」とね。
やっぱり、まだまだ修行が足りないことを改めて認識させてくれたのが、南方占領地の正刷切手でした。

皆さんの中にも、この分野を意外とバカにしている人っていませんか?
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孔版印刷の芸術品 [文献]

縁あって、有名郵趣誌である『呉ポスト』のバックナンバーを揃えることができました。
下の画像は、その中から昭和39年10月に発行された『呉郵趣会創立10周年記念:呉ポスト100号記念 記念文集』からの1ページです。

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昭和30〜40年代には、郵趣誌に限らずいろいろな雑誌が孔版印刷で刊行されており、それらの総称をガリ版文化と呼んでいます。

この手の雑誌で有名なのは中川長一氏による『消印とエンタイヤ』で、その図版の出来は素晴らしいものですが、今日ご紹介した『呉ポスト』の図版は『消印とエンタイヤ』と同等か、それを凌ぐものでしないでしょうか。

手作りの味のする芸術品の域だと思います。

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黄色の消印 [外国郵便史]

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画像のカバーは、ハンガリーのプレスタンプカバーで、1832年9月17日の使用例。
左上に押されている消印の印色が黄色なので見難いと思いますが、局名は "Okolicsna" で、現在のスロバキアの都市です。

この局の開局は早くて1749年なのですが、消印の使用開始は遅く1818年になってからで、画像の消印が最初の消印タイプです。
ハンガリーでは、消印の使用開始が全国一斉におこなわれたわけではないので、使用開始が早い局もあれば、遅い局もあるのです。

ここの局では、通常は黒の印色を使用しているのですが、稀に黄色が使用されています。ここまでは知っているのですが、どのような時に黄色を使用するのかなどは、わかっていません。
黒の印色は普通品として安価なのですが、黄色はそれなりのお値段になります。

明日は、お酒を飲みに行ってしまうので更新はありません。
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選挙郵便 [日本郵便史]

もう、5〜6年前に地元のイベントでの入手品。
切手が貼ってないからタダ同然のような値段だったので、取りあえず買っておいたものです。

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県議会議員選挙に伴う選挙郵便で、開封便になっています。
中身が入っているので見てみると、議員候補本人の名刺と挨拶文、それに推薦状が入っていました。推薦状の日付は、昭和14年9月13日と入っているので、これで時期が確定できます。

戦前のこうした選挙郵便って、それなりの数が残っているのでしょうかね?
全くの素人なので、よくわからないです。
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農耕切手 [日本切手]

むかし、むかし、大胆にも「南方占領地切手を集めてみよう」なんて思ったことがありました。
でも、本命の加刷切手は多少安価なものもありましたけど、総合的に見たらまともに集められる対象ではないことに気がつきました。
そこで取りあえずは、正刷切手のカタログコレクションを目指して細々と買い揃え始めた頃に、切手商で見つけたのが画像の切手。

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「ビルマ」の「ビ」の字の濁点もれ。この切手はポジション1にあるらしいです。
切手商も、知ってか、知らずかわからないけれども、普通品のものと同じ値段で並べてストックブックに入れていました。
カタログなんかにも採録されていなかったので、別に気にしていなかったのでしょうね。

明日は、家内と京都に「マンマ・ミーア」を見に行くので更新はありません。
次回は日曜日ということで!



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ギリギリ [雑記]

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画像のカバーはネパール発、米国宛の大形カバー。
カバーの右側が画像では切れていますが、これはスキャナに収まり切れなかったので切れちゃったしだいです。
この画像で何が見て欲しいのかと言うと、このカバーの大きさで、ギボンズのDEVONリーフにちょうどピッタリなんです。というか、あまりにピッタリすぎて書き込みができないほど。
仕方がないので綴じ込みの部分に、しかも美観上はよくないのはわかっていながら、タイトルとデータを横転させて記してあります。
明らかにリーフよりも大きければ折り込むしかありませんが、なんとかこれで収めることができたので、これでもいいかなと。
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童話シリーズ [メータースタンプ]

僕が小学生の頃に「昔話シリーズ」が発行されていましたが、なんと、それ以前に「童話シリーズ」というのがあったのです!
下の画像がそれで、残念ながら切手ではありません。メータースタンプです。

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上の方に小さく「童話シリーズ(10)」なんて書かれていますから、他にもいろいろな話しがあったのですね。画像のは「おむすびころりん」だそうです。
使っていたのはJPSで、考えてみると「世界の珍品切手シリーズ」なんてのがあっても良いかもしれません。
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『500号を越えた郵趣誌について』 [文献]

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本書は、著者である関利貞氏よりご恵贈いただきました。
もともとは、JPS岡山支部の『おかやま・500号記念誌』に掲載されたものを、同書がCD版だったので、抜刷りとして発行したものだそうです。
『500号記念誌』ということで、500号を達成または達成しそうな郵趣誌を集大成したもので、なかなかユニークな視点で書かれています。こうして見ると、500号を越した郵趣誌ってけっこうありますね。

週刊誌のばあい500号は、約10年弱で達成できますが、月刊誌だとコンスタントに出せても41年と半年ということになります。これを、もし個人の編集でするとなると、25歳で始めたら66歳となってしまいますから、一生の仕事みたいなものです。
今回、収録されている中にもそのような雑誌が幾つかありますが、本当にすごい仕事をされているものだと思います。

本誌の「まえがき」の中で、関氏が電子媒体の保存性について永続性が無いという視点で言及されていますが、これは僕が常々思っていることと全く同じこと。
電子媒体のばあい安価であり、再版も簡単、ページ数の柔軟性など良いところも多くあるのですが、肝心のデータの読み出しの永続性という点に、一抹の不安がつきまといます。

関さま、お送り下さいましてありがとうございました。

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桜葉書の加貼使用例 [日本ステーショナリー]

昭和22年4月1日に、それまで15銭だった通常葉書料金が一挙に50銭に値上げされました。
この値上げに対応した新料金の葉書は、昭和22年5月15日に発行された稲束葉書。ということは、改正初日から新額面の葉書があったわけではなくて、1ヶ月半ほどは、旧料金の葉書しかなかったわけ。
つまり、その間は旧額面の葉書に切手を貼り足して使っていたわけで、そのために発行されたのが第2次新昭和35銭数字図案切手で、15銭葉書にこれを貼れば50銭の新料金。

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上の画像がその使用例なのだけど、この使用例はデータがよいのです。データは「織田/22. 5. 9/福井県」。
ここまで来れば、もうおわかりですね。
この使用例は、50銭稲束葉書が発行される前のもので、旧料金葉書に35銭切手を加貼した使用例にピッタリのもの。
僕の探し方が悪いのか、この期間外は沢山あるのだけど、期間内になると途端に少なくなります。
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『英国切手部会報』186号 [文献]

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今日、メール便で『英国切手部会報』が到着。
そう言えば、国際展やジャペックスでお会いした方の中に、「ブログで紹介されている、英国部会に入ろうかな。紹介されているのを見ていると面白そうだし」と言ってくれた方が数人いらっしゃいました。
こんなプログで雑文ばかりですけど、少しは役に立っているみたいでよかったです。

今号は1泊例会やジャペックス報告の他に、メインは画像右の「ダウニーヘッドのあらまし」。この辺になると自分としては全くの守備範囲外。ということで、書かれていること全てが新鮮です。これが英文だと書かれている内容の数割しか理解できないのだけど、日本語で読めることが有り難いですね。

こうした硬い解説の他に柔らかい解説も取り混ぜてあって、今号では「鳥・イギリス・そして世界の鳥」リーフによる作品をメインとした記事もあります。

最終ページを何気に眺めていたら、役員名簿が面白い。安藤・遠藤・遠藤・藤森・佐藤と「藤」の字がズラッと並んでいました。こんなの今まで気がつかなかったなぁ。
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今頃ですが横浜国際展ネタ [切手展]

今でも、なんかサッパリとしない今年の横浜国際展。
その原因が、やっぱりブースとオークションなのはわかっています。

作品は震災と原発がらみで大量のキャンセルが出て、その穴埋めでなんとか形になったのは良かったのだけど、ブースとオークションはどうにもなりませんでしたね。
元々オークションの予定は無かったので、震災とかの影響はなかったのですが、その元々予定が無かったというのが、ちょっと物足りない。

画像は、71年展(FIP展ではない)の時に開催されたロバート・シーゲルのオークションカタログからの2ページです。
このオークションでは、手彫から現行まで幅広く出品されており、しかも、それぞれの分野で面白いマテリアルを散りばめられています。
幅広い客層を狙ったシーゲルの思惑が見えますね。

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この時には、数回のオークションが開催されています。
81年や91年の時には数社が合わせて合同オークションを開催したり、単独のものもあったりして、やはり会期中に数回のオークションが開かれています。

今回は、JPSのが1回だけでしたから、なんとも寂しい感じがしたのは、僕だけではなかったと思います。外国切手メインの僕でさえそうなのですから、日本切手メインの収集家はなおさら感じたのではないでしょうか。

気持ちとしては、物足りない感じがしたのですが、順調に(?)年収がダウンしている身には、散財しなくて良かったのかもしれません・・・。

でも、やっぱり切手展というのはお祭りみたいなものですから、派手な方が良いですよねぇ。
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戦後の初期の選挙葉書 [日本ステーショナリー]

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画像の葉書の表面だけを見ただけだと、普通の使用例にしか見えませんが、裏面を見るとその素性がよくわかります。

裏面の文面は選挙の推薦文で、消印を見ると「土浦/21/4. 7」と読めます。
ということで、選挙葉書であることがわかるのですが、それが何の選挙に伴うものかを調べると、昭和21年4月10日の第22回衆議院議員選挙のものであることがわかります。
この選挙は戦後最初のもので、今では当たり前の男女普通選挙の記念すべき第1回目のものでもあります。

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糸綴じ切手帳 [外国切手]

画像は、イギリスの切手帳。

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1936年発行の古い切手帳なので糸綴じです。
もっとも、イギリスではマーチンになっても糸綴じがありますが・・・。

僕は糸綴じ切手帳のばあいは基本的に解体して、画像のように綴じてある順番にリーフに貼っています。そうでないと、切手は同じなのに広告が違っているものがあるからです。
完本で保存している人も居ますけど、やっぱりリーフに貼って鑑賞することが原則なので、解体することに躊躇はしませんね。そのかわり、綴じてある順番を間違いないようには気を使っています。

子供の頃に、金井オークションだったと思うけど、菊だったか田沢だったかの切手帳の表紙に50万くらいの値段がついたことに対して、『郵趣』の記事で「バカバカしい」みたいに書かれていたのを読んで、「そんなことはないんじゃない。表紙だって郵趣品だと思うけど」と思いました。
最近では、菊も田沢も切手帳のリーフには表紙も貼られていますね。

今の段階でペーンだけが遊離して流通しているものは仕方がないですけど、やっぱり「どのようになっていたのか」という完全性を専門コレクションの中で示すことは重要だと思います。
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国際郵便切手展 大阪 1965 [雑記]

昭和40年8月10〜15日の日程で、難波の高島屋で「国際郵便切手展」が開かれました。「国際」と付いても、いわゆるFIPの国際展とは全く関係なく、単に名称の一部として付けたものなのは言うまでもありません。
その時の目録が下の画像です。

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この切手展の様子については『全日本郵趣』昭和40年9月号に掲載されているのですが、最大の呼び物は、金井コレクションの大桜20銭「イ」の展示で、目録では他の出品物とは別格の扱いで下の画像のように記されています。

この切手展の小型印にも、この大桜20銭が使用されているのですが、見つけてもなかなか見当たらないのです。あれば欲しいのですがねぇ。
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フィンランドM-75 [外国切手]

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フィンランドは1975年に、通常切手の低額面シリーズとして、それまでのライオンタイプであるM-54シリーズに変えて、M-75シリーズを発行しました。

このシリーズはタイプ違いや、用紙、切手帳、印刷方式などに色々なバラエティがあって、現代物の中では、世界的に見ても大変面白いシリーズになっています。

画像の切手帳は、1988年に開催された "FINLANDIA 88" 記念の切手帳で1987年に発行されたもの。同切手展を参観した時に、現地でM-54の切手帳と共に切手帳を各種取揃えて購入したものの1つ。
切手帳好きには、フィンランドの切手帳が興味深い収集対象の1つであることを知った、記念すべきマテリアル。
タブのデザインが、フィンランドの森を想像させる好ましいデザインですね。
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『Zumstein』ヨーロッパ版 [文献]

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いつの間にか手に入らなくなってしまった『Zumstein』ヨーロッパ版。
今となっては、「そんなカタログあるの?」と思われる方も多いと思います。

『ミッヘル』や『ギボンズ』の親版ほどは詳しくはないけれども、2分冊(東と西で分冊)とコンパクトにまとまっていて、『スコット』なんかよりは詳しいから、気合いを入れて調べる程ではないけど、「どんな切手だったかな?」程度の時には重宝していました。なにしろ、切手の図版は小型シートも含めて全て採録されていますから。
そんな感じで、そこそこ使ってはいたのだけど、新版を毎回買うわけではないから、気がついた時には刊行が止まっちゃっていたわけ。

ハードカバーで糸綴のしっかりとした装丁なので、今でも現役です。

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フェラリのコレクション [雑記]

昨日、フェラリオークションの日本の部について、ちょっとだけ記したのだけど、そのオークションには、1921〜1925年のパリ開催と、1929年のチューリッヒ開催の2つの系統にわかれていることを紹介した。

ではなぜ、全てがパリ開催ではなかったのか?
第1次世界大戦が始まると、フェラリがフランスからスイスへ移住したことはよく知られていますが、この時に全てのコレクションを持ち出せればよかったのですが、なにしろ膨大な量なので、最も好きだったギリシャのコレクションのみをスイスへ持って行き、1917年にそのままスイスで亡くなります。

フランス政府はドイツ系であったフェラリのコレクションを競売にかけることを決定し、実行します。その時のものがパリ開催のものです。つまり、フェラリがパリに置いて行ったコレクションです。

そして、間を置いて1929年に開催されたのがスイスへ持って行ったコレクションなんです。つまりフェラリが最も好きだったギリシャ切手の部ですね。

フェラリコレクションを一言で表現すると「巨大な全世界のカタログコレクション」と言えます。
ですから、オークションカタログを見るとパリ開催のものは、たしかに凄い珍品があっちにも、こっちにもあるのですが、深みという点ではちょっと見劣りがします。
しかし、最後のギリシャ切手の部(チューリッヒ開催)のカタログでは、それまでとは印象がガラリと変わるのです。
初期切手のエッセイやプルーフに始まり、専門コレクションとして大変に充実した内容になっています。このギリシャ切手の部と他の部を比較すると、フェラリがいかにギリシャ切手に魅せられていたのかがよくわかります。

よくフェラリコレクションについて語られることがありますが、ギリシャの部と他の部では全く収集傾向が違っているので、本来はそれらは切り離して語られるべきでしょう。
オークションカタログを見ていると、巷でよく語られるフェラリ論には無理があるように思えます。
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フェラリ日本の部 [雑記]

フェラリと言えば、ちょっとした初歩者向けの郵趣書には世紀の大コレクターとして紹介されています。もちろん、僕が子供の頃に読んだ何冊かの入門書にも紹介されていました。

そのフェラリコレクションが競売にかけられたのが、1921〜1925年のパリと1929年のチューリッヒです。
日本の部は、パリ開催の方に入っており、ロット分けがどのような基準でなされたのかはわからないのですが、4回目に1ロット、10回目に10ロット、13回目に1ロット、14回目に1ロットとブツ切り状態での出品でした。
各回のカタログを丹念に見ていくと、日本切手はなんと1ロットしか写真版に掲載されていないことがわかります。すなわち10回目の競売のロット230がそれで、下の画像がそのロットです。

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この10回目の主要品は、カナダ(あの12ペンスカナダも含む)、英領ギアナ、オーストラリアステーツ、ニュージーランド、スイスカントン、トリニダードなどの超大物ばかり。その間で日本がなんだか肩身が狭い感じで挟まっています。

フェラリ日本の部は、全てがロットものに組まれていて、単品での売立ては1つもありませんでした。当時の状況を考えれば、日本はカタログ評価の低い東洋の一国程度にしか思われていなかったのでしょうから、「まとめてどうぞ」みたいな感じだったのでしょうね。
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不謹慎ながら [外国切手]

僕が25年前に初めて福井県に引越してきて、職場の先輩が巡検ではないですけど、あちこちと県内の視察に連れで行ってくれました。
その時に、海岸線の所々に「スパイに注意!」と立て看板があるのに気付いて、「一体あれ何なんですか?」と聞いたところ、「北朝鮮のスパイが上陸することがあるから、そのための注意の看板だよ」と答えが返ってきて、まぁ、びっくりしたのなんのって。「ここは日本でしょ!なんで??」みたいな感じで。僕の生まれ育った鎌倉や江ノ島の海岸にはそんな看板無かったからねぇ。正直なところ「とんでもないところに来ちまったな」と。まぁ、今となっては馴れちまって、逆に脅かす立場です。

下の画像の切手は、不謹慎ながら北朝鮮の切手です。2004年から始めた「収集日誌」でも北朝鮮の切手は初めてのはず。

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1976年10月10日発行の「金日成主席の革命史切手」と言うのだそうです。左の切手は「作男に家を与える父なる主席」で、右の切手は「雨降る深夜にも見回る金日成主席」というタイトルの絵が題材です。これらの切手は他の額面と一緒に6種セットになっていて、目打有りと無しがあって、手元にあるのは目打無しのセットです。ホントがどうか知りませんが、目打無しは5000セットの発行と言われています。そうは言っても、なんか怪しそうです・・・。

「家を与える」の切手の方は、ちょっと真実みがありそうですが、くれるのはボロボロの家でしょう。「深夜に見回る」なんてのは、あり得そうもありません。たぶん深夜は側近連中(Yesマン)を従えて、大宴会でしょうから。

それとも、最初の頃はマジメに絵のようにしてたのでしょうかねぇ・・・。
信じろと言われても無理ですが。
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