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加貼切手をよく見ると [日本切手]

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好きで集めている楠公葉書。
画像の使用例は特に珍しいものではなく、よくある加貼使用例です。
ただ、第3次昭和30銭と第1次新昭和15銭の新旧組み合わせが、なんとなく気に入っています。
そんな何気ない理由で、10年ほど前に地元の即売で入手したのですが、よく見るとオマケがありました。

下の画像は、加貼されている30銭の拡大で、赤丸の部分がミソ。

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上の赤丸は「郵」字の欠損で、下の赤丸は鳥居の屋根の欠損です。
そして、印面の右側には耳紙があるので、シートの右端列であることがわかります。
この特徴を持つ切手がα版の80番切手であることが、新井紀元氏の研究で古くから知られており、昭和49年に刊行された昭和切手随一の名著『昭和切手研究』にリストされています。

この使用例、楠公葉書から昭和切手のアルバムに異動となりました。
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オーストリア・建物シリーズ [外国切手]

色々な国で建物シリーズの通常切手が発行されています。
例えばドイツやスイスの建物シリースは、日本でもポピュラーな存在なので外国切手に縁がない方でもご存知ではないでしょうか。

それに対して、1957年からオーストリアで発行が始まった建物シリーズは、知名度が今ひとつだと思います。
切手展でも見た記憶がありませんしね。

このシリーズ、知名度が低いにも関わらず意外とイケてるんですよ。
題材の選び方が素晴らしい。
城はもちろんのこと、農家、噴水、管制塔、橋、門、教会、穀物計量人の家に至るまで、古建築から近代建築に至るまで、様々の建物が取り上げられています。

下の画像はピンツガオの古い農場

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下の画像はマリアゼル教会ですが、なぜか凹版、凸版、平版の3種類の印刷があります。
画像では、最初の印刷である凹版の切手を載せました。

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そして、最後に紹介するのはチロル地方の造幣塔です。

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単色で、どの切手も素晴らしい出来栄えです。
この切手を集める基本は用紙で、灰黄紙と呼ばれる普通紙から、白紙と呼ばれる螢光紙へと変化し、それに若干の色調分類が必要です。

オーストリアでは、ちょうどこの切手の時期に郵便番号制度が導入されたので、それ以前と以後の使用例を集めるなど、1額面に1〜2リーフを当てるとそれだけでも50リーフ以上の大きなコレクションになります。
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鉄郵印・米原魚津線 [日本郵便史]

先日、葉書の束の中からこんなのを見つけました。
C欄発車時刻入りの鉄郵印です。
ちょっとシワがありますが、面白い使用例なので我慢です。

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消印部分を抜き出して、見やすいように拡大したのが下の画像で、消印データは下記のとおり。

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米原魚津線/明治(42)年10月17日/米原発前4時34分/下二

差出人は武生駅前に店を構える商人ですから、目の前にある武生駅の構内ポストに投函したのでしょう。
宛先の丹生郡立待村は鯖江局の配達区域なのですが、この鯖江は武生の隣駅で所要時間6〜7分程度のもの。
それにしても忙しい手紙ですね。
郵便車に積み込んだと思ったら、すぐに消印して、もう次の駅では降ろすのですからね。

僕の知る限りでは、米原魚津線の下二便は初データだと思います。
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福井局の櫛形印 [日本郵便史]

昨日、京橋局の櫛形印に丸二形印の日付が流用されている例をご紹介しましたが、地元の福井局にもその例があります。
下の画像がそれで、明治42年11月30日の使用例です。
見ての通り、月表示が流用されていますね。

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けっこう福井局は注意して探しましたが、今のところ入手した流用例は全て明治42年のもので、3・9・10・11・12月のものが7例集まりました。
不思議と他の年号は見当たらず、42年限定のようです。
42年でも正常な櫛形印と混在して使用されているので、局内の櫛形印数本のうち1本に何らかの不都合があり、丸二形の月数字を流用したような使われ形をしています。

地方局では、他に信州の松本局の使用例を見たことがありますが、他局ではどうなのでしょうか。
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京橋局の櫛形印 [日本郵便史]

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画像は、横浜から東京の京橋へ宛てられたカバーから、消印部分を抜き出したもの。
菊2銭切手を満月印の形で抹消しているのが、横浜局の櫛形印で明治41年3月10日の使用例。
このカバーには珍しく到着印も押されていて、それが京橋局41年3月11日。

で、この京橋局の櫛形印をよく見て欲しいのですが、日付部の区切りが点ではなくてバーなんですね。
つまり櫛形印の日付部を使わないで、共通した構造を持つ丸二形印の日付部を流用(誤用?)したもの。

櫛形印の初期には、稀にこうした使用例を見ますね。
どの程度の局で、こうした使い方をしたのかは知らないのですが。
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『日本の郵便消印』 [文献]

国内で売られた消印関係本の数は、かなりの冊数になります。
皆さんも、最低でも数冊はお持ちなのではないでしょうか。
それらの多くは、消印を形式・型式別に分類して解説を加えたもの、つまり収集に直接役立つ文献だと思います。
例えば『日本切手百科事典』であったり、『初期消印集成』であったりするわけです。

今日ご紹介する『日本の郵便消印』は、それらと比べるとちょっと系統が異なる消印本です。

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著者が吉田景保氏であることから、本書は歴史的な視点からまとめられています。
ですから、目次を見ても布告ごとの章立てになっていることから、形式別分類により何かを調べようとする方には不向きな内容です。
それとは逆に、ある消印の制定記録を知るには、極めて有益な内容になっています。恐らく、そうのような事を簡単に調べるには、本書が最も適しているのではないでしょうか。

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上の画像は、大形地名入り検査済印に伴う駅逓司から各郵便役所へ宛てた記録で袋井のものです。本書には、こうした地方の記録も必要に応じて収録されています。

また、僕が明治43年4月22日に出されたローラー印(逓信広報では「コルク日附印」となっている)の告知内容を初めて知ったのも本書によってです。

消印好きの方には、1冊備えられることをお勧めいたします。
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切手趣味週間「洛中洛外図」 [日本切手]

4月20日発行の、今年の切手趣味週間切手の題材は上杉本「洛中洛外図屏風」。
僕としては嬉しい題材でしたが、出来上がった切手については「う〜ん。なんだかなぁ」という感じで、点数を付けると30点かな。

洛中洛外図屏風は、京都の街中と郊外を俯瞰した形で描いたもので、中世末〜近世初頭の研究には欠かせない絵画資料です。
現存する洛中洛外図屏風は30〜40点ほどで、数年前も旧家から新出の作品が発見されています。
僕も過去に展示資料として3回ほど扱ったことがありますが、間近で丁寧に見ていくと全く飽きない、そして時間を忘れさせてくれる作品です。

今回の切手では、上杉本の国宝を題材に選びましたが、一般的には無難な選択だと思います。

僕がこの切手を30点にしか評価しないのは、洛中洛外図の見どころを無視した、つまらない切手にしてしまったことです。
その原因は右隻全体を見せるために、画面が縮小され過ぎてしまい、ルーペで見なければ「一体なんなの?」みたいな仕上がりになってしまったからです。
恐らく、肉眼でこの切手を見て、屏風の本質がわかる人はいないと思います。

下の画像は、今回発行された切手の全体画像ですが、洛中洛外図屏風の楽しさをご紹介するために、シート下列中央の切手に拡大ヶ所の丸印と番号を振ってあります。(切手はクリックで拡大します)
この切手をお持ちの方は、ぜひルーペ片手に切手を見ながら下の記事を御覧ください。

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下の画像は1の部分の拡大図。
公家の小さな子供がどこかへ出かける列なのですが、オシッコが我慢できなかったのでしょうね。
輿から降りて、付き人に抱き抱えられながら町家の壁に向かって用を足しています。つまり立ち小便をしている図。
ユーモラスな一場面です。

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下の画像は2の部分の拡大図。
室町通りに面した町屋で、屋根の葺き替えをしているところです。細長い板を使ったこけら葺きの屋根であることがわかります。
室町通りは、今では裏通りのように見えますが、当時は店が並んだ賑やかな通りでした。洛中洛外図では、通りに面した店屋を一軒一軒丁寧に描いているので、よく見るとそこが何の商品を扱っていた店なのかがわかります。
切手では縮小され過ぎてしまい、全くわかりません。

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最後は3の部分の拡大図。
小橋を渡る2人の商売人。天秤カゴに入っているのはカワラケと呼ぶ素焼きの小皿。食器の小皿としても使うし、エゴマ油などを入れて灯りを灯す灯明皿としても使います。縄で縛って10個単位で販売していました。京都の北白河付近で作られたものかも知れませんね。

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洛中洛外図屏風のホンの1コマだけを見ても、こんなに楽しいのですが、画面が小さくてはそのリアルさは伝わって来ません。
せっかく実像の京都を描いた洛中洛外図を題材としたのですから、屏風全体ではなくて部分部分の拡大図にすべきだったと思うのですがねぇ。
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戦前の風景印 [風景印]

戦前の風景印には秀作が多いですね。
最近のものよりも集めていても楽しいし、惚れ惚れします。

下の画像は、北海道の倶知安局の風景印。

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図案には、羊蹄山と登山者、そしてニセコ温泉にスキー場が描かれています。
直径3.2センチという小さな円の中に、これだけの題材をしかもバランスよく配置しているのは流石ですね。

こういうのを見てしまうと、最近の風景印がつまらなく見えてしまうのは僕だけではないでしょう。
まぁ、これは切手にも言えることですが・・・。

それにしても、最近は戦前の風景印を集めている人が少ないですね。
サブコレクションとして、楽しみながら集めるにはよいテーマなのですがねぇ。
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桜15銭葉書の2タイプ [日本ステーショナリー]

桜15銭葉書をルーペをで覗くと、こんなのがありました。

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黒丸の中の桜の花弁が完全なもの(上)と、切れている(下)のと。
手元の葉書を見直すと、どちらかに分かれることが分かったので、何か製造上に由来するものなのでしょうか?

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ブルー・フランクリン [外国切手]

2月15日の日誌でも紹介したブルー・フランクリン。
この時の切手は『スコット』ナンバーで言うところの9番でした。

今日、ご紹介するブルー・フランクリンは下の画像で7番のもの。

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この切手は、状態がとても良くって気に入っています。
ブルー・フランクリンはガッター幅がとても狭いので、ほとんどのばあい4辺の印面のどこかがカットされてしまっています。
中には、4辺ともカットされちゃっているものもあるくらいですからね。

この切手のばあいはワイドマージンなので、上下のマージンに隣の切手の一部が見られます。

ところでこの切手は、先に紹介したものと一緒に米国クラシックのカタログ・コレクションの一部を飾っているものなのですが、『スコット』カタログではブルー・フランクリンは、5、5A、6、7、8、8A、9のメイン・ナンバーを与えています。
この中で、特に専門コレクションを目指していない、僕のような一般的な収集家ならば7と9を入手して、その後にちょっと無理をして8Aを目指すところまででしょうか。
なにしろ、米国のクラシックものは高いですからねぇ・・・。
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桜葉書15銭の使用例 [日本ステーショナリー]

何か無いかと葉書の束を見直していたら、こんなのが出てきました。
桜葉書15銭の使用済み。
まぁ、一見してどこにでもありそうな使用済みに見えます。
値段も100円とか200円で、段ボール箱の中にいくらでもありそうですよね。

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データは、小石川局の昭和22年3月28日の機械印。

この葉書の使用済って大部分が櫛形印で、機械印はとても少ないのではないでしょうか?
これは、あくまで櫛形印との相対的な印象の話なのですが・・・・。
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震災葉書の北海道使用例 [日本ステーショナリー]

2012年2月6日の日記で、震災葉書の大正13年2月29日の稚内局での使用例を北海道における初期使用として紹介しました。

今日ご紹介するのは、上記ほど速くはないのですが大正13年3月22日のものです。
使用局は、手塩・遠別局。

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印刷所は、もちろん精美堂印刷のもの。
手元には、同じ遠別局3月22日、稚内局4月15日の使用例がありますから、先に紹介済みのものと合わせて考えると、北海道には大正13年2月の段階で確実に震災葉書が配給になっていたものと考えられます。
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日本橋局のユニバーサルD型機械印 [日本郵便史]

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上の画像は、ユニバーサルD型機械印の日本橋の使用例。
そして、日付部の拡大画像が下です。

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拡大するとよくわかると思いますが、この消印には時刻表示がありません。
このことに着目したのは、管見によれば『いずみ』170号(1978年5月)に掲載の新津岩樹氏による「時刻なしのD型横7本」が最初のものと思います。

本使用例は、大正9年8月21日ですが、9月の使用例には時刻が入っていたかと思うと、11月末〜12月には再び欠落しているなど、不安定な時刻表示であったようです。
使用例として集めると面白そうな気がします。
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ミニ専門誌の必要性 [雑記]

「ミニ専門誌」。
これは、あくまで便宜上つけた名前です。
話の上で想定しているのは、有名どころだと『消印とエンタイヤ』とか『てつゆう』など、1号あたり数ページから10ページ程度で、内容は多くがデータの紹介や1〜2ページの小報告、そして当該分野の動向などで構成されているもの。

最近では、こうした特定分野のミニ専門誌がなくなってしまい、多くの方が不便に思っているのではないでしょうか。
例えば、希少データや新データを入手した場合に「はて、どこに報告すれば??」と迷ってしまうわけで、僕自身もその一人。
専門誌があれば、迷わずにそこに発表するのですが・・・。
例えば、以前だったら鉄郵印関係なら『てつゆう』誌に発表すれば、郵趣界へのデータ提供として済んでいたわけです。
また、その逆に「どんなデータがあるのかな?」と思った時には、専門誌を見ればデータの蓄積を見ることができました。

郵趣には、どのような分野であってもデータの蓄積が必要です。
その蓄積先として投稿者が選ぶのは、その分野の収集家が多く集まり、それらの方の目に触れる専門誌だったわけです。
そうすることによって、郵趣界でそのデータが認知されるわけですからね。
特に消印分野では1年の間にデータの更新が多くありますし、最古、最新データの他に中間データが重要なばあいもあります。

専門誌、特に消印分野の専門誌の必要性を思っていらっしゃる方は、多いのではないでしょうか。

画像は、『消印とエンタイヤ』と並んで、今でも座右の書として活躍している『てつゆう』誌から切りの良い100号です。

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本号には、菊切手上の時刻入り鉄郵印の集成や、丸一型鉄郵印の新資料などの報告が掲載されています。
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ポスタリア計器 [メータースタンプ]

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久しぶりのメータースタンプネタです。
切手は集めているけど、メータースタンプには全く興味ナシ。
という収集家が多いですね。
まぁ、僕も十数年前まではそうでした。

実は、僕のメータースタンプとの出会いは以外と古く、小学校2年生まで遡りますから、今から四十数年前になります。
切手を集め始めてまだ間もない頃のことだと思いますが、家に来た小包にメータースタンプが貼ってありました。
とりあえず、小包に貼ってあるものだから切手の仲間だろうと思い、剥がしてストックブックに入れていたのですが、それを母親(収集家ではありません)に「それは切手じゃないよ」と言われ、ややショック(?)を受けました。
この事件以後、メータースタンプは集めるものではないと・・・。

こんなきっかけがあって、メータースタンプとはご縁のない収集を続けていたのですが、十数年前にちょっとした気の迷いで何気に買ってしまった1枚をきっかけに、手の届く範囲で収集に加えているしだいです。

画像は、ドイツから輸入されたポスタリア製のD2型タイプ2。
ポスタリアの製品は、民間用と郵便局用のものがありますが、民間用のものの方が古くから使用されています。
画像も民間用のもです。
さほど珍しいものではありませんが、かといって駄物というものでもありません。
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イギリス・切手発行100年 [外国郵便史]

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画像は、イギリスが1940年5月6日に発行した「切手発行100年記念」切手からの1枚。
1/2d は6種セットの中でも最低額面です。
この切手は好きな切手でもあるので、ゆくゆくは1フレーム作品に仕上げたいとは思ってはいるのですが、気ばかりが先行して実際は何年も放置状態という体たらくな状態です。

データは下記のとおり。
4 1/2d の書留切手付封筒+1/2d 切手が2枚で合計5 1/2d。
Lincoln 局1940年5月18日 → Rickmansworth 局

ということで、発行後間もなくの使用例ということがわかります。
さて料金の内訳ですが書留料金が3dで、重さ1oz までの基本料金が2 1/2d。
これで、5 1/2d のピッタリ料金になります。
この料金は1940年5月1日からなので、本例は料金改正後の早い時期の使用例でもあります。

切手が2枚貼ってあって賑やかしいし、発行後そして料金改正後も早い時期の使用例として気に入っているカバーです。
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手彫証券印紙10戦 [印紙]

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画像は、手彫証券印紙で一番最初に発行されたグループから10銭朱色。
いわゆる第1次発行と呼ばれているもので、1873年の発行です。

この印紙、一見すると無目打のように見えるのですが、実は細かいルレット目打。
僕も最近は老眼で、ルーペで覗かないと無目打に見えてしまいます。

この第1次発行は色調で2分されていて、10銭の場合は朱と赤に分かれます。
手彫切手で言えば松田印刷と政府印刷の分類みたいなものでしょうか。
ただ、印紙の世界ではこうした呼び方はしていないようですね。

手彫切手と手彫印紙。
親戚同士というか兄弟みたいな関係だと思うのですが、従来は別々に調査研究が行われていました。
細かな研究は個別に詳細に進めていけば良いと思うのですが、両者を合わせて総合的考えていく必要性もありますね。
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樺太・久春内 [日本郵便史]

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画像は、樺太の久春内局の大正11年1月1日の消印。
やや不鮮明なのだけど、ガマンです。

久春内村は、樺太が最も狭まった所の西海岸に面しています。
鉄道の開通も遅く、西海岸線が延びてきたのも昭和12年になってから。
昭和3年の人口が5627名ですから、大正11年当時も似たような数だったのではないでしょうか。

大正12、15年の郵便線路図を見ると、沿岸部を小まめに回る郵便航路と陸送の線路が記されています。
通常は航路を利用し、荒天時の補助線路として陸送があったのではないでしょうか。
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JAPEX2015記念出版『年賀郵便』 [文献]

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先月配本になったJAPEX2015記念出版『年賀郵便』。
皆さんもお買いになったものと思います。
JAPEX記念出版で年賀がテーマとなったのは2冊目ですね。
1冊目は1985年でしたから、30年前になります。そう考えると早いですね月日が経つのは。

1冊目の時は、まだ特別展示の時代で色々な人から選りすぐりのマテリアルを徴収して構成したものでしたから、一点一点は素晴らしいものでしたが、全体として魂の入っていないものでした。
これは、当時の記念出版を見直してもわかります。

今回の出版物は、ここのところ定番となった一つの展示クラスとしての出品作品がベースになっているので、大変に興味深いものとなっています。
正直なところ、85年の時は年賀をテーマに収集する楽しさは伝わってきませんでしたが、今回は違います。 
やはりコレクションとしての形が見えてくることが重要なのでしょう。

本書は、第1部が解説、第2部がマテリアル精集、第3部が各出品作品のリーフ図版となっており、それぞれが興味深く、この内のどれか一つでも脱落してしまうと興味半減となってしまう構成です。
特に第2部はカラーで収録されており、解説を読みながら知識を深めることができます。
ただ一つ残念なことは解説が均一ではなく、例えば「外地からの年賀状」では、なぜ独立した項目であるのかが不明な点が幾つか見られたことです。
しかし、これらは全体から見れば些細な点であることから、本書の価値を左右するものではありません。

本書は、地味なテーマである「年賀」を楽しむ本として、有益なものと言えます。
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越前・疋田局 [日本郵便史]

下の画像は、敦賀市郊外に所在する疋田局のKG型印。
手紙に書かれた日付から、両者ともに明治15年の使用であることが特定できます。

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両者ともに、局名は申し分なく鮮明に押されているのに、国名・郡名・日付部が揃って不鮮明というか、ほとんど押されていないと言ってもいいような状態です。

単発的な日付なら、たまたま何かの具合でそうなったように思えますが、異なった日付で同じような現象が見られることから、構造上の問題がこの日付印にはあったものと考えられます。

疋田局のKG型印の残存数は極めて少なく、この2例以外にあと1例しか知りませんから、類例を集めて比較できるような局ではありません。
ただマテリアルというのは、いつひょこっと姿を現わすかわからないもの。
取り敢えずはあと1〜2例欲しいところなのですが・・・。
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