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『切手研究』創刊号 [文献]

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日本で刊行されている郵趣雑誌の中で、最も硬派に位置づけられるのが切手研究会の『切手研究』。
画像は、その創刊号で1950年10月の発行です。
A5判6ページの小粒なスタートで、記念すべき創刊号の巻頭は三島良績氏による「二枚の勅額切手」の短文で、2ページ〜4ページ上半に理事長である三井高陽氏の「現行独逸切手の分類」と題して、建物シリーズのアウトラインを紹介。その他のページに用語辞典、設立趣旨、会員名簿(この時点では12名のみ)、事業概要などが記されています。

この頃の雑誌の多くがそうなのですが、今となっては発行から60年以上が経過し、さほど良い紙を使ったものではないので酸化が著しく、パリパリの状態です。
取扱要注意の文献の1つです。
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『北陸郵趣』4月号のお詫びと訂正(ブログ番外編) [雑記]

本ブログは、『北陸郵趣』の購読者の多くの方にもアクセスいただいているので、ブログの番外編として、お詫びと訂正をさせていただきます。

『北陸郵趣』4月号がそろそろ皆様のお手元に届く頃と思いますが、4月号の巻頭記事には斉藤環氏による二つ折りはがきを主題とした記事を執筆していただきました。ところが、印刷から上がって来た本文を見るとタイトルが欠落してしまっており、本文と名前のみとなっておりました。

作業工程上の全ての確認を関係方面としたところ、最終校正の段階までは確実にタイトルが入っいることから、その後の作業工程で脱落したものと考えられます。

上記のような経緯で皆様のお手元に届く4月号には、巻頭解説のタイトルのみが脱落した状態であります。正式なタイトルは下記ですので、ご了解ください。

タイトル:「二つ折りはがき」収集の楽しさ

執筆者である斉藤環氏、ならびに読者の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
正式には『北陸郵趣』5月号にて、訂正文を掲載させていただきます。

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『スコット・カタログ』2013年版 [文献]

『郵趣』4月号を見てビックリ。『スコット・カタログ』2013版の全巻予約価格が73,200円+送料が1回600円ですから、合計で76,800円
僕はアマゾンで全巻予約して51,621円で送料はタダ。その差なんと25,179円です。
この差は大きすぎ!郵趣サービス社から買う人って、このこと知っているのでしょうかね?

アマゾンの方がかなり安く買えるので、『ミッヘル』や『ギボンズ』などもアマゾンで買っていますが、ここまでこんなに価格差が開くとは思っていませんでした。

僕が新刊で『スコット・カタログ』を最初に買ったのは1977年版だったので、ちょっと古い『郵趣』の広告を見たら4巻で11,000円でした。それでもその当時は子供だったので大変な買物だったことを覚えています。

あのカタログで50,000円程度なら納得価格ですが、70,000円を超えるとなると普通の収集家ならば10年に一度の買い替えですね。
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" NORWAY NUMBER ONE " [文献]

北欧切手は好きな切手ばかりなのだけど、手持ちは少なくて貧相なコレクションのまま二十数年が経過しています。
まぁ、そのうちにノルウェーの1番切手でカバーを入れて1リーフを作りたいという構想を持っているので、そいういう時に役立てば良いかもと買ったのが本書です。

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内容はタイトルの通り、ノルウェーの1番切手のみを取り扱った専門書で、印刷、プレーティングの詳解、カバーの解析例、消印(局名別の評価表付)、リプリント、偽造品などについて総合的に書かれたハンドブックです。

本書はイギリスで出版されているので、当然英語で書かれているのですが、やっぱりこういう事って大切だと思います。ノルウェー語で書かれてしまうと日本人には理解できませんが、英語だとなんとかなりますよね。これって、そのまま日本切手にも当てはまるのではないでしょうか。英文で書かれた安価な日本切手のハンドブックがあれば、日本切手の海外での認知度も上がるのではないでしょうか。
日本切手、特に戦後ものの認知度が低いというのは、実は我々に問題があるのかもしれません。

本書は、豪華本ではなくて実用的な文献として作られているところが好感がもてます。価格も良心的な8ポンド。

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『竜切手 スペシャライズド・コレクション』 [文献]

新橋のファインスタンプと言えば、外国切手専門店みたいな感じで、学生の頃からよく出入りしていました。今でもここで入手した外国切手がたくさんコレクションに入っています。

でも、意外と言っては失礼かも知れませんが、昔は手彫切手などもけっこう突っ込んで商売をしていたという話しを、古くからの収集家から聞いています。

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上の画像のオークションカタログは、1966年10月9日に開催されたファインスタンプによる龍切手のみのオークションカタログ。
内容は、1966年5月にワシントンで開催された国際展 "SIPEX" 参観時に米国で入手した専門コレクションで、48文の単貼カバーが数通、200文1版銭字点落ち初期印刷貼カバー、小田原・沼津・浜松・岡崎・その他の大形地名入り検査済印カバーなど、素晴らしいマテリアルがズラリと並んでいます。

全62ロットの売上げが600万円強ということですから、今の感覚だと5,000万円程度になりますかねぇ。

この時には、オークションにて売られなかったロットが即売品として、オークション終了後に販売されおり、その即売目録も作成されています。こちらには263点が掲載されているので、かなり大きな龍切手の専門コレクションであったことがわかります。
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「会津の事故延着印」 [文献]

会津若松で刊行されていた『会津郵趣』という雑誌があります。手元にある創刊号を見ると昭和29年3月とありますから、こうした地方誌が相次いで創刊された時代の1誌であることがわかります。

その『会津郵趣』の昭和36年9・10・12月号に、下の画像のような「会津の事故延着印」という興味深い資料紹介が掲載されています。

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事故印というのは各種ありますけど、一番ポピュラーなのが「川支延着」印で、これなら全国どこにでもあります。
僕が雪国に引越して興味深かったのが「雪支延着」印。もともと、湘南生まれの湘南育ちなので「雪支延着」なんて、頭にありませんでしたから・・・。
それが雪国では、戦後になっても使用された例があるから驚きです。議事堂葉書なんかにも押されているのですからねぇ。

そんな事故印の会津での使用例を集積したのが、表題の報告。ローカル誌ならではの資料紹介で、こうしたものが報告されるのでローカル誌を大切にしなければいけません。
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『手彫印紙の話』 [文献]

手彫印紙の文献って少ないですね。
比較的ポピュラーな存在なのは『印紙カタログ』程度だと思います。
欧米諸国に比べると日本の印紙収集層はかなり薄いのではないでしょうか。印紙専門という人は論外としても、切手が主で印紙が従という人もかなり少ないと思います。僕の周囲でも印紙を少しでも集めている人は1人・2人みたいな感じです。

そんな少ない印紙人口の中で、絶大な人気があるのが手彫印紙で、確かにこれは面白いです。
そんな楽しい手彫印紙の解説書として役立つのが『手彫印紙の話』。

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『印紙』という雑誌の第21号で、1979年の刊行。
B5判125ページのボリュームに手彫印紙の解説が詰まっています。図版も多くこの分野の入門編としては、現在でもこれ以上の本はありません。
最初に各発行グループごとの解説があり、その後に額面ごとの詳説へと続いています。

欠点と言えば、70部発行と言う少なさでしょうか。まぁ、これは当時500部とか刷っても売れないでしょうから適正な部数だったのかも知れません。僕が本書を入手してから20年弱になりますが、その後は数回しか売り物を見た記憶がありません。
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"Minkus" カタログ [文献]

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廃刊になってしまった世界カタログの中で一番残念なのが、この『ミンクス』カタログ。
伝統ある『スコット』に比べて遥かに後発であったので、日本でも限られた人しか使っていなかったみたいですね。僕の周辺には『ミンクス』を使用している人はいませんでした。
『ミンクス』の代理店は、たしか泰星スタンプじゃなかったかな?あそこに行くと『ミンクス・スタンプ・マンスリー』もバックナンバーが置いてあった記憶があります。
価格も後発組らしく低く抑えて設定されていて、『スコット』よりも数千円安く揃ったと思います。調べれば値段はすぐわかるのですが、面倒なのでそこまではしませんのであしからず。

このカタログの特徴は何と言っても『スコット』よりも詳しいこと。特に人物関係の図案解説には定評があったと思います。
画像は日本のページから一部分を抜粋してスキャンしました。本文は3段組なので1段抜かしてあります。「日清戦勝」の部分を見ると図案解説がどのような感じかわかると思いますが、このような感じで全世界が網羅されています。そのほか、通常切手はもちろんのこと、記念切手だって目打バラエティが採録されていますね。

今となっては『ミンクス』なんて名前は、よっぽと文献好きでないと忘れちゃってるのではないでしょうか。
なんか寂しいですね。
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" The Robert Levy JAPAN " 1964 [文献]

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3月19日にご紹介した第1回セールに続いて、2年後の1964年11月に開催された第2回セールです。時期的には、東京オリンピックが開催された直後ですね。

この時に現地でフロアに参加した日本人は5人。市田左右一博士、服部清、畑中厚、金井宏之、橘喬一の各氏です。
カタログの取り次ぎ価格は前回は2,000円でしたが、今回はかなり下がって1,300円。国家公務員1種の初任給が19,100円の時代です。

最高額は、ロット464の1,150ポンド。龍〜桜切手の消印コレクションで桜切手を主としたアルバム1冊のもの。手数料入れると120万円を越える額だったのだと思うので、今の感覚からすると1,000万円強ぐらいでしょうか?
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タスキ落ち [印紙]

手彫証券印紙は、切手ほどに高価でないから、僕のような貧乏人にはちょっとは優しい収集対象になっています。とは言うものの意識的に集めているわけではないので、いつまでたっても勉強中みたいなもの。

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上の画像は、明治16年4月18日付の30円の借金証文に貼られた洋紙1銭印紙。
これだけだと、ごく普通のつまらないマテリアルなのだけど、一番上の印紙が「銭」字タスキ落ちというオマケつき。
拡大画像で見えるでしょうかね?

版別、ポジションともに修行中なのでよくわからないのです。
手彫印紙の版別って切手よりも数段難しく思えるのは、僕だけでしょうか?
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『郵趣論文集』外国切手研究会 [文献]

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外国切手研究会と言うのは、オープンな会ではなかったけれども、外国切手収集家の間では著名な会でした。
会の発起人は金井宏之・山田藤治・坂輔男氏。発足は1973年で例会場所は金井重要工業の本社や、系列の有馬古泉閣でした。発起人3人以外の主なメンバーだけでも、石原実氏、池田稔氏、小林章男氏など、関西外国切手収集界の重鎮が名を連ねています。

本書は、その外国切手研究会10周年を記念して刊行されたもので、A5判113ページに上に示した目次の内容で各種解説が収録されています。

日本語でスラスラと外国切手の解説がまとめて読めるというのは、大変に助かります。
僕は、本書で知らなかったことを色々と勉強させてもらいました。特に石原実氏による「セント・ビンセントのシップレターとパケットレター」は郵便史的な視点であり、名著と言えるかもしれません。

本書は、外国切手収集家、必読の一書です。
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米国パンアメリカン博2セント逆刷り [外国切手]

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米国が1901年に発行した「パン・アメリカン博覧会」の記念切手には、何種類かの中央逆刷り切手があります。
もちろん画像の2セント切手にもあって、米国切手のちょっとしたオークションにはカラー図版で掲載されることが多いですね。
まぁ、世界的に著名なエラー切手の仲間だと思います。

日本では戦前から外国切手の収集が盛んでしたが、意外と著名なエラー切手は日本に入って来てはいませんでした。
普通に国内に輸入されるようになったのは、戦後の外貨事情が好転してからですね。

タイトルの逆刷り切手が日本人によって初めて買われたのが、1963年2月のロンドンでのハーマー・オークションでした。2月26日付のロンドン・タイムスには、その落札記事が報道されているとのこと。落札価格は1,400ポンド。

日本人による著名エラー切手購入の嚆矢ではないでしょうか。
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" The Robert Levy JAPAN " 1962 [文献]

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ここに引越し前の旧ブログや、更にその前の旧々ブログなどでも取り上げたことがある1962年のレビー・オークション。

最近になって、このカタログの国内での取次ぎ価格がわかりました。2,000円です。
1962年の2,000円ですから、けっこうなお値段。

大卒の平均初任給が14,817円ですから、その約7分の1という、ちょっと驚きの価格です。平成22年の平均初任給は199,949円だから、今の感覚では約28,000円!これは、なんかちょっと変ですね。
では、身近なところで米価で比較すると約5,636円になりました。うん、なんかこっちの方が感覚的にはあっているかも。

でも、実際には大卒初任給の7分の1ではあったわけで、誰もが気軽に取り寄せられるカタログではなかったのでしょう。
国内での残存率が少ない理由がよくわかります。
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大学生活と郵趣 [雑記]

今日は、郵趣会の例会日。
久しぶりに出勤日とは重ならなかったので、なんと4ヶ月ぶりの出席。
そうしたら、大学受験のために例会を休んでいた某君も久々の出席です。聞いてみると、目出度く関西の難関国立大学法学部に見事に合格したとのこと。よかったです。嬉しいですね。
彼は、小学生の時から例会に父親に連れ出来てもらっていましたが、早くも大学生です。特に田沢切手を熱心に集めています。

4月からは関西なので、切手収集にはプラスになるでしょう。ぜひ、地の利を生かして収集を継続してもらいたいと思います。
ただ、今日の例会でも話題になりましたが、僕が学生の頃は主要大学にあった切手研究会が皆無になってしまっていること。つまり、大学に行ってもロンリー・コレクターになってしまうことです。
ここが今は厳しいですね。

できることなら、離れていてもサポートできればいいなと思います。
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全日展の要項 [雑記]

今日到着した『全日本郵趣』3月号に、全日展の要項が入っていました。
このブログをご覧の方の中にも、そろそろ準備を始めている方がいらっしゃるのではないでしょうか?僕も少しずつですがリーフを作り始めています。

全日展がその審査においてジャペックスと大きく異なるところは、FIP審査員に審査してもらえることで、これは大きな特徴ですから、最終的に国際展を目指す方は、全日展において国際展審査員の目で審査してもらうことが大切だと思います。

7月に皆様の作品を拝見させてもらえることを、楽しみにしております。

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ヤフオクの『スタンプレーダー』 [雑記]

今日の夕方締切のヤフオクに、このブログでも再三触れている『スタンプレーダー』が出品されていました。
1974〜81年の合本でちょっと中途半端なまとまり方なのですが、スタート値は2000円。数日前から見ていたのですが、値が動かず「スタンプレーダーに失礼やなぁ〜」と思っていたら、終了間際に動き出し、最終的には7010円で終了。
まぁまぁの値段かな。もう少し伸びてもバチはあたらないと思うけど・・・。

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上の画像は、僕が持っている「スタンプレーダー」で一番古い1968年1月号でNo,101。これ以後は完揃いなのだけど、これ以前がなかなか入手できないでいます。
どなたか、創刊号から譲ってくれる人いませんかねぇ・・・。
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これも付録「日本の南方占領地切手」 [文献]

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昨日に続いて、これも付録です。
第1次『関西郵趣』159号〜166号までと、『全日本郵趣』創刊号〜59号までに付いて来たものです。
画像の目次を見ればわかるように、南方占領地切手のハンドブック的な構成になっており、1962〜67年当時としては画期的な内容だったのではと思います。

僕が南方占領地切手に興味を持った頃には、日本語で詳細な概要を知ることができる唯一の文献として熟読しました。
近年になり郵趣出版から南方占領地概説本が2冊本として出ていますが、内容的にはこちらの付録の方が細かいのではないでしょうか。もちろん、その間の調査研究の深化は別ですが・・・。

本付録の刊行には、金井スタンプ商会とその社長であった金井宏之さんが紙代を捻出してくれるなど、資金面での協力があったそうです。
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郵趣雑誌の付録「郵便線路図」 [文献]

郵趣雑誌にも、ごく稀に付録が付く時があります。
地方郵趣誌と言いながらも、全国誌的な内容を誇った『関西郵趣』には、過去に有益な付録が付いていた時があります。

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上の画像がそれで、明治10年『日本帝国郵便線路国郡全図』が昭和48年8月号から付いていました。
本文とは切り離した別刷りで、きちんと綴じられるように工夫されていて、今でも郵便史や入手したマテリアルの経路などを調べる時に重宝しています。

『関西郵趣』のバックナンバーを市場で見かけるときがありますが、意外とこの付録が紛失されているものがあるので、入手に際しては気をつけて、可能な限り付録が揃っているものを入手するべきと思います。
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『郵趣とわたしの歩んだ道』 [文献]

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面白い内容なのに、余り読まれていない本が何冊かあります。
タイトルの本もその1つですが、日本語訳でありながら、日本ではなく中国の出版社から出版されたことも、その一因かもしれません。
このタイトルを聞いて「知っている」とか「読んだことある」と答えてくれる人は、本当に少ないですね。

本書は、中国の旧世代タイプの収集家である姜治方氏の収集遍歴を記した自叙伝で、戦前から文化大革命期の中国収集界のことが、つぶさに記録されています。僕が特に興味深く読んだのは新中国成立辺りから文化大革命期にかけての内容で、特に文化大革命期のことについては、生の体験談としては初めて接したものでした。

本書は、一読をお勧めできるものです。
国内の切手商でもときどき古本として売られているのを見ることがありますので、注意深く探せば入手可能です。
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" THE UNITED STATES STAMPS 1847〜1869 " [文献]

石川良平氏と言えば、数々の著名コレクションを作られた方として伝説的な方です。郵趣界から遠ざかって随分と経ちますが、それでもなお、そのコレクションについて語られることが多い、日本では数少ない収集家。

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上の画像の本は、その石川氏のコレクションでも最も有名であった米国クラシックのコレクション本。縦35.5cm、横26.5cmと大形なので、A4スキャンには収まり切れず、画像は周囲が切り取られています。

残念ながら、僕はこのコレクションの全容を見たことがなくて、かろうじて81年の東京国際展のコート・オブ・オナーで最初期の部分だけを見た記憶があります。
とはいうものの、その時は米国クラシックよりも石川氏が同時に出品されていた、龍500文逆刷りの方のインパクトが強かったですね。
まぁ、勉強不足だったということかも知れません。

この本は、オールカラーで先にも紹介したように大形本なので、数あるコレクション本の中でも圧倒的な存在感があります。しかも収められているマテリアルは超美品ばかり。まるで美術書みたいな感じです。

本書は、世界中の米国クラシック切手の収集家から現在でも需要のある本らしく、市場でも値崩れのしない安定的な価格を維持しています。
この本が出版されて10年ほど経ったある日、たまたまサンフィラテリックセンターで本書の話題になったのですが、「今でも在庫の問合せがあるんだよね」と言われたのを覚えています。

まぁ、とにかく素晴らしいコレクション本なので、一度ご覧ください。
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趣味も生き残りをかけて・・・ [雑記]

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画像の記事は、昭和12年8月15日発行の『慢歩』76号に掲載されたトップページの記事です。
内容は、手持ちの不要絵葉書を集積して、それに「武運長久祈願」と「軍事郵便」を印刷して、陸海軍恤兵部を通じて中国戦線の兵士に慰問品の1つとして送ろうという企画。

この時代、趣味はまだまだ活動的であったはずですが、銃後の趣味のあり方を考えて「趣味も戦争に役立っていますよ」というアリバイ作り的な発想のように思えます。
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" 1967-1973 CANADA " [文献]

昨日、実物貼付の文献のことを書いたので、今日はその流れです。

カナダの1967-73年の通常切手シリーズと言えば、有名な Cenetennial Definitives Issue's ですね。この切手は好きなシリーズで、以前にこのシリーズの切手帳のみのアルバム数冊のコレクションが海外のオークションに出ていたので、かなり自分としては強気のビットをしたのですが、みごと持って行かれちゃったことがありました。今、思い出しても惜しいコレクションです。

この切手は紙とか糊とか、この時代の各国の切手に見られるような数々のバラエティがあるのですが、こうした分類は実物に触れて覚えないとわかりませんよね。でも、教えてくれる人がいないと、なかなか勉強がはかどらないのが実情です。

そんな不便をしないようにと、親切に実物の未使用が添付されているのが本書なんです。

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上の画像を見てもわかるとおり、未使用がグラシン袋に入れられて挿入されています。
こうした工夫をした本は他にも散見されますが、日本には無いですね。日本の現行切手の糊の分類を示すのにあってもよいと思うし、破れた二級品でもかまいませんから、小判切手の入門書に紙質の分類見本として添付するのもよいと思いますが。
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「千住初代局長と記番印々顆の発見」『郵和』No,92 [文献]

『郵和』という雑誌をご存知でしょうか?
郵和会の会報で編集人は、郵便史家として有名な田辺卓躬氏が発行していた雑誌です。その92号に表題の報告が掲載されています。著者は、千住と言えば、あの人と決っているようなもので村田守保氏。

本文は、村田氏自身が発見した千住局の記番印の紹介がベースなのですが、大手誌だったならば印刷ですませてしまう印影紹介が、本誌では和紙に押印された実物が貼られているところが嬉しい報告になっています。

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本誌のような少部数の雑誌では、しばしば実物やプリント写真が貼付されていることがあります。
こうした資料類は、印刷ではインパクトが弱く印象に残り難いのですが、実物貼付となると資料性も高まりますし、なかなか得難いものだと思います。
実物の持つ存在感、説得力とでもいうのでしょうか。
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『KOREA』近藤一郎コレクション [文献]

随分前と言っても1990年代なのだけど、旧韓国切手に異常に関心を持ったことがありました。
早速、文献をいろいろと買い漁っているうちに、David Feldmanで近藤一郎氏の旧韓国切手が競売にかけられるという話しを聞いて、入手したのが画像のカタログ。1994年のことですね。

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あの当時は、まだパソコン通信をしていた頃でインターネットを利用する数年前だったから、超アナログ的に手紙を書いて購入方法を聞いて入手したものです。

近藤氏のコレクションは、前年のバンコク展で見てメモなどを作ってはいたのですが、こうしてカタログで見ると、改めて強いインパクトを受けました。
カタログにはキーとなるマテリアルは拡大写真により掲載され、その他はリーフでの掲載でしたから、文献として現在でも十分魅力のあるものに編集されています。
収集家たるもの、こんなカタログを作ってもらえるとは全く名利につきます。下手をすると作品集よりも良いかも知れません。なにしろ、懇切丁寧な解説付ですから・・・。

この競売の翌年に開催されたシンガポール展に行ってブースを覗いていたら、どこの国の業者だったか忘れちゃいましたけど、加刷切手の偽物をズラリと並べて売っていました。
あの頃は、まだまだ旧韓国切手は一部の専門収集家が集めるもので、業者の知識も中途半端なことが当たりまえという時代でした。
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「手彫切手の話題」『スタンプ・レーダー』 [文献]

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手彫切手の文献はいろいろとありますが、「手彫切手には公式が無くて、自分で考えながら集める」ということを最初に教えてくれたのが、この連載でした。

『スタンプ・レーダー』は金井スタンプ、後のカメリアが発行していたものですが、月に一度オークション誌と一緒に配達されるのが楽しみでしたね。これを楽しみにしていた人って、けっこう居たと思います。小粒だけど硬派な雑誌で、良い記事がたくさんありました。

「手彫切手の話題」もそんな良い記事の1つで、35回の長期連載。当初は佐倉龍雄というペンネームでしたが、3回目から白井二実さんの実名での執筆。
手彫切手をこれから集めようとしている人にとっては、必読だと思います。もっとも原本を入手するのが難しいかも知れませんが。
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『フランス消印史』 [文献]

僕がフランスのクラシック切手に興味を持ったのは、たぶん中学生の頃だと思う。それまでは、パケット中心のサージュ以後のものが対象だった。
なぜ中学の頃かと覚えているのかというと、セレスを最初に買ったのが新宿にあった郵趣会館地下の切手商で、たぶん中川スタンプの貼込帳だったと記憶しているから。1人で買った記憶があるので、小学生だったら必ず父が一緒なので、1人だとすると中学生なのである。

初めて買ったセレスの安さには驚きました。日本のクラシックでは考えられない値段でしたからね。たぶん200円とか300円だったのではないかな。
その後、切手商で安物のセレスやナポレオンを少しずつ手に入れていったものの、ちょっと集ると押されているハンコに興味が出てきます。まぁ、当然の成り行きですね。

興味が出て来たからと言って、子供にはそんなリサーチ能力はないし、しばらくはなす術もなかったのですが、ある時に話しには聞いていた『フランス消印史』を郵趣会館地下で見つけました。この頃はもう高校生だったと思います。
42ページの冊子なので、細かいことまでは分かりませんが、それでも入手したときにはドキドキしたものです。なにしろ日本語で書かれています。

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この本には、本当に世話になりました。
新しく入手した切手に押されている消印も、細かいことまではわからなくても、大枠の分類はけっこうできましたし。後年、切手研究会による番号印のリストも入手したのですが、それとともに洋書を知るまでは百科事典のように使わせてもらいました。

本書は、1962年の刊行です。
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『北陸郵趣』3月号 [文献]

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そろそろ購読者の皆さんのお手元に、上の画像の『北陸郵趣』3月号が届く頃と思います。
創刊以来六十数年に渡ってA5版で刊行してきましたが、この版形では最後の刊行となり、それと同時に印刷場所もより安価な所に切り替わります。

次号からは、B5版に大形化され、それとともに文字も大きくなります。
購読者層の高齢化により、しばしば文字の小ささが指摘されていたのですが、文字を小さくすると限られた誌面では情報量が少なくなってしまうので、どうしても文字を大きくすることができませんでした。
テスト的に組版したところ、B5版でも文字量は従来とほとんど変わらないので、それだけ大文字化されたことになります。段組みも横2段になるので、読んでいる時に目の動きが横方向に流れることもないと思います。

次号の出来上がりがちょっと楽しみです。
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" The Postage Stamps of Nepal " [文献]

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僕がネパールを集め始めて2冊目に入手したのが、この本です。
本当は、一番最初に入手して読みたかったのですが、ちょっと入手に手こずって2番目になっちゃいました。

1959年に刊行されたものなので、決して最新の情報が載ったものではないのですが、現在でもネパールの総合的解説書としては唯一のものです。まぁ、日本でいうならば『日本切手とその集め方』みたいな本と言えば、わかりやすいでしょうか。
他のものとなると、各シリーズに特化した専門書が数冊あるのみなのが、ネパール切手収集界なのです。

この本はニューヨークのコレクターズクラブが刊行しているフィラテリック・ハンドブック・シリーズの中の1冊なので、128ページというコンパクトな中に要領よくまとまっているのが特徴です。

郵趣書というのは、なにも最新書が最も優れているとは言い切れないので、一見したところ、こうした時代遅れと見える古書でも大切に読むべきですね。
やはり、年代を追って読んでいくと、最新の考え方がどのようにして生まれて来たのかが理解できるので、現在の研究成果の穏当性が自分でも判断できます。

単にノウハウのみを追っかけるのではなく、こうした勉強も必要だと思います。
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