SSブログ

『郵趣』12月号 [文献]

先日、『郵趣』12月号が到着。
12月号と言えば、年間記事総目録です。

一応目は通しましたが年間の記事内容を見ると、改めて「なんだかなぁ・・・」という気になります。
これは、僕だけが思っていることでは無くて、色々な所の郵趣の集りで同じ事が話題になると言うことは、多くの郵趣家の皆さんも同じ事を思っているようです。

『郵趣』は創刊号から揃っているので時おり見直すのですが、時代により編集内容に変化があることがわかります。
しかし、いつの時代も「郵趣の根幹」は、曲げずにありました。

年間総目録を見て、リーフ作りを主題とした記事が一編も見当たりません。
そう言えば、去年も無かったような・・・。
そう、近年そうした記事を目にしませんよね。

「読み捨ての記事を載せるな」とは言いません。
でも、総記事ページの5分の1程度は、郵趣の根幹であるリーフ作りや、整理のヒントになる記事を載せてもらえないでしょうかね。

そもそも、日本を代表する切手展を主催する団体の機関誌に、リーフ作りに関する記事が何も無いというのは、全く理解できませんね。
これから切手展に挑戦しようと考えている人達の指針は、誰が示せばよいのでしょうか?

郵趣家の間で『郵趣』の低迷が囁かれるようになって何年にもなります。
そろそろ、考え直す時期ではないかと思いますが。
コメント(1) 

『呉ポスト』708号 [文献]

14289.jpg

『呉ポスト』708号が到着。
私の愚文「外国切手収集家の日本切手コレクション」は11回目で、「がん征圧」切手。
たまたま超格安で入手した「熊谷・荒川間」の鉄郵印カバーを中心に話しを展開。

日本切手専門収集家ではないから、極めて限られた予算内でいかにコレクションを育てるのかが、本連載の目的。
つまり、無理をしないでもここまでなら格安で日本切手を楽しめます。ということですね。

この連載は、ベテラン収集家には全くの愚文で申し訳ないのですが、コレクションを育てることが出来ない言い訳を、市場価格の所為にしている弱気な収集家には、ちょっと読んでもらいたいかな。
コメント(3) 

ネパール1907年シリーズの使用済 [外国切手]

14288.jpg

画像は、ネパールのセカンド・シリーズから1907年発行の16 pice 切手で、最近になって eBay で即売に出ていたもの。

これは、掘出し物でした。
ドイツからの出品だったのですが、押されている消印の重要性を全く無視したお値段でした。
つまり、日本で言えば『組合カタログ』とか『さくらカタログ』の使用済価格で売っているようなものと言えばよいでしょうか。
ネパールについては専門カタログと呼べるものが無いので、専門収集家でないと切手と消印の関係を考えるのは無理かも知れません。

押されている消印は、Standard Hexagonal Cancellation と呼ばれるタイプで、通常はファースト・シリーズとの組合せで見られるものですが、セカンド・シリーズの極めて早い使用例だと、画像のような組合せになるのです。
不統一印の押された小判切手みたいなものと、思ってもらえればよいですね。

次回のネパールの出品作品に、威張って使えます。
コメント(0) 

大正時代の収入印紙 [印紙]

14287.jpg

画像の収入印紙を見て何型かわかる人は、かなりの印紙ツウだと思います。
答えは、明治型。

明治型は、幾つかのグループに細分できるのですが、画像のタイプは明治型毛紙と呼ばれるもの。
大正4年4月30日が発行日。
切手で言えば田沢切手の時代ですね。
なので、透かしはジグザグの「大正透かし」と同じもの。但し、田沢切手は縦透かしですが、印紙は横透かしです。
用紙に着色繊維が入っている、いわゆる毛紙という点で田沢切手と同じ。
そして、銘版も「大日本帝国政府印刷局製造」で、これも田沢切手と同じです。

印面は切手よりも一回り大きいので、なかなか貫禄があります。
コメント(0) 

長野へ(その2) [雑記]

昨日の長野郵趣会の参加で、書き忘れたことが。
長野郵趣会には、手彫切手の重鎮である谷喬先生がいらっしゃいます。
収友に例会参加を誘われたのに「谷先生も居るから」というのがありました。

そんなことで、例会では谷先生の隣に座らせていただきました。
なにしろ、ドクター谷ですからね。
郵趣に関係ない話では、ご専門のロケット工学の話をお聞きして、これが中々面白い。
なにしろ、日本のロケット工学の草分け的な方ですから、「○○の時はどうだったんですか?」なんてお聞きすると、「あの時はねぇ、こうやって解決したんですよ」なんて、まさに技術史の生き字引みたいなお話。

郵趣の話でも、昭和30年代の米国留学時代の、今から見ると手彫切手の古き良き時代みたいなお話をしてくださるし、桜和紙30銭にMLL目打を施した、いわゆるビュルス・シートの当時の日本での評価の話をお聞きすると、手彫切手研究の黎明期であった当時の日本での認識の甘さや、後年になってそれを買い戻す時の苦労話など、興味深いお話をしてくださいました。

そこで思ったのが、こちらでお聞きしたいことを整理して、個人的に半日ぐらいお話をお聞きするのはどうだろうかと。
つまり、手彫切手研究史のようなインタビューができるのではないかと考えたのです。
あの時代を知っている収集家としては、谷先生が最後の方だと思います。
記録お残すのは、後学のためにも大切ですからね。
コメント(4) 

長野へ [雑記]

昨日、今日と長野へ行って来ました。
一番の目的は、今日の長野郵趣会の例会への参加です。
というのも、今日はタカハシ・スタンプの社長が例会に来られるというので、友人に誘われての参加でした。

昨日は、昼前に長野駅に着いて戸隠へ蕎麦を食べに連れで行ってもらい、なんと2時間待って蕎麦にありつけました。
店の近辺でブラブラしながら、順番が来るのをひたすら待つだけなのですが、収友というのはいいもので、切手の話しをしていれば時計の針は勝手に進んでくれます。
下の画像が、その蕎麦屋さんです。

IMG_0356.JPG

前にも連れで行ってもらった所なのですが、ここは蕎麦だけではなくて、天ぷらも美味いのです。
ぜひ、皆さんも一度どうぞ。

蕎麦屋で時間を食い過ぎたので、直ぐに夕飯です。
馬刺が美味かったな〜。
鶏肉のコース料理も、肉厚で美味い。
というわけで、散々飲み食いしたあげくホテルへ。

も〜腹一杯と思いながら、パンツ1枚でテレビを見ていたら、グラグラと。
あれ〜、よく揺れるなぁ。ホテル潰れるかな〜。なんて思っていたら十数秒で収束。
取りあえず、身の回りで事件が起こらず良かったですね。

そして、翌日曜日は長野郵趣会例会へ。
まぁ、タカハシの話しはどけといて、塔30銭の貴重な秀山堂関係の資料コピーとコレクションを見せていただきました。
僕が塔30銭に興味があるので、特に用意してくださったのだと思います。
やっぱり収集家というのは、良いコレクションを見ると「自分も、もうちょっとがんばろう」という気になります。
それにしても、素敵な使用例が幾つもありました。全く羨ましいなぁ。

例会後の昼食は、信州牛を食べになんとかというお高そうな専門店へ。
牛を育てるのにリンゴを食べさせているとか。だからかどうかは知らないけれど、これまた美味いすき焼き。昼から、こんなものを食べてていいのかという気になります。

計画当初のお題目は1泊2日の郵趣旅行だったのですが、気が付けば飲み食い三昧に終始していたわけ。
やっぱり長野は何回行っても良い所だね。
さて、次はいつにするかな。
コメント(4) 

昭和11年用年賀切手 [日本切手]

14283.jpg

昭和11年用年賀切手は、富士山の図案が良いですね。
戦前の年賀切手3種の中で、最も好きな切手です。

画像は、年賀印が押された使用例で、データは「光化門/11. 1. 1」。
光化門ですから、朝鮮の京城での使用です。

特に珍しいものではありませんが、他人の真似事で日本切手を集めていた四半世紀ほど前に、どこかのオークションで入手したもの。
今でも気に入っているマテリアル。
コメント(0) 

取引高税印紙 [印紙]

14282.jpg

昭和23年9月1日発行の取引高印紙。
印紙の中でも超地味な存在なので、ご存知ない方もいらっしゃると思います。

一応「印刷局製造」の銘版が入っているので、切手の親戚みたいなものと考えていいと思います。
用紙は毛紙で、透し無し、糊無し、一部を除いて目打無し、印刷は平版印刷です。

こういう印紙は、切手屋でも扱う所が少なくて閉口しますね。
まぁ、売れるとも思えませんが・・・。
コメント(1) 

第1次新昭和「前島」15銭からの1枚 [日本切手]

手元の第1次新昭和切手の「前島」15銭の中に、こんなのがあります。

14281.jpg

用紙は灰白紙で。刷色は薄緑色のもの。
この切手。画像では単片で写っていますが、右下コーナーの8枚ブロックなのでポジション87であることがわかります。

画像をみても分かる通り、一枚の切手上に複数の大きな変種が含まれており、かなり特異な切手だと思います。

87番切手の特徴が『昭和切手研究』の1版とも違うし、「じゃあ2版なのかしら?」とも思うのですが、残念ながら2版のシート写真を持ち合わせていないのでわかりません。
『昭和切手シート写真集』に収録されているのは、たしか1版だったはず。

どなたか、この切手の版をご存知の方いっしゃいませんか。
コメント(1) 

フェロー諸島の歴史的風景 [外国切手]

14279.jpg

上の画像は、フェロー諸島が1985年2月4日に発行した絵画切手で、1789年にスタンレー探検隊が、フェロー諸島を訪れた時の光景を描いたもの。

印刷は、平版と凹版の掛け合わせで、素晴らしい出来映えだと思っています。
凹版彫刻者は、スラニア。
スラニアの作品を集めたアルバムからの1つです。
コメント(0) 

パケット作り [外国切手]

ジャペックスで、「これからチェコの切手を集めたい」というお姉ちゃんと知り合いました。
「それなら、重品がたくさんあるから送るよ」と気前のいい約束をしたので、今日はパケット作り。

もう二十数年前に、イギリスのフィリップス・オークションで、廃業切手商のチェコのデッドストックを入手しました。
プラハ城〜1960年くらいまでの切手が、大形ストックブック数冊はあったと思います。

戦前のものは、新しいストックブックにカタログ番号順に入れたのですが、ほとんど興味の無い戦中以後のものは、カタログ番号で分類して小袋に入れ空缶に収納。
今日は、それを引っ張り出して来てパケットを作る作業でした。
一々小袋から1枚取り出して残りを戻す作業を、3時間弱ほどしましたかね。
それで出来上がったのが下の画像です。

14276.jpg

これでも数百枚になりました。

明日からは、戦前編のパケット作りです。
でもこちらはやり易い。ストックブック8冊に整理済ですから抜き出すだけ。
こうした切手が、役に立つとデッドストックを持っていたかいがあります。
コメント(0) 

マーチン・プレ・デシマルの初日カバー [外国切手]

14275.jpg

画像は、マーチン・プレ・デシマルの初日カバー。
超ロング・シリーズのマーチンの中で、一区切りし易いのがプレ・デシマルで、事実、このシリーズのみを扱った切手展出品作品をよく見かけます。

画像は、1968年2月5日発行分を行儀よく一列に並べたもので、一目で初日カバーとわかりますが、実逓の派手ではない、こうした初日カバーをリーフに貼るのは意外と好きですね。
競争展では、間違っても使いませんが・・・。個人の楽しみってやつです。
コメント(0) 

リンクに追加 [雑記]

左にある「リンク集」に「郵趣手帖の収集日記(二代目)」を追加。
これは、gooブログに公開していた時代のもので、2005年5月〜2009年9月までのもの。
全部で1315編の記事があります。

この他に2003年12月〜2005年4月までは、今は閉鎖してしまった「郵趣手帖」のホームページの中で公開していた初代日記と、2009年10月〜2011年4月までAppleのサーバーに置いていた三代目日記がありますが、この2つは現在では見ることができません。

よく考えると、この日記ももうすぐ12年目を迎えます。
我ながらよく続いているなと。
コメント(0) 

ネパール初期の電信消 [外国切手]

久しぶりに、メイン収集のネパールねたです。

ネパール初期切手の難しさは、市場に選り取り見取りできるほどのマテリアルが無いこと。
そのため、このテーマを始めた頃は、手に入るマテリアルは取り敢えず入手していました。
例えば、下の切手もそうです。

14274.jpg

この切手、田型でマージンもしっかりしていますが、それは当たり前の話。なぜなら電信使用のシートを切断したものだからですね。
この電信使用がくせ者なんです。

最初の頃は、国際展に出てくる作品だって電信使用をある程度含んでいるので、電信使用が大部分であるネパール初期なら、それが入るのは仕方がないこと。と、勝手に思っていました。
この考えは、間違えでしたね。ある方にきっぱりと「電信はダメだよ。こんなの入れてちゃ」と指摘されました。

そう、たとえ少なくとも郵便消が存在する限り、電信消は排除するべきだと。
確かに初期切手のうち、ある特定のセッティングに関しては電信消しか存在しないものがあります。こうしたものは、この世に電信消しか存在しないので仕方がありませんが、それ以外のものは郵便消で表現するべきですね。

ある時、米国のオークションにネパール初期の朱色の刷色エラーが出ていました。
出ていたのは、未使用と電信消なのですが、極めて稀にしか市場に姿を見せないもので、未使用は手が出ないような参考値でした。
海外のネパール切手の知人もビットするようなことを言っていますので、僕は身分相応の電信消の方にビットしました。電信消と言っても自分が出せるギリギリの額を入れました。
結果は、なんとか落札できたのですが、今となっては次のチャンスがあれば未使用に交換したいですね。
(このエラー切手には、電信消と未使用しかなく、例外的にペン消のカバーが1通だけ知られています)

やっぱり、論理的に考え基本を押えることが大切です。
コメント(0) 

" ROBSON LOWE in Tokyo " 1980 [文献]

1970年代〜80年代は、海外のオークションが日本関係を中心に、日本でオークションを開催することが定着していました。
どのオークションも日本側の提携先があったのですが、ロブソン・ロウはJPSと組みました。
下の画像は、1980年2月16日開催のもので、日本の部が入っているもの。このカタログは新宿のショウルームでも扱っていました。

14271.jpg

表紙に切手を持って来ないで、富士山というところが、在り来りではなくて印象的ですね。
表紙に扱い品目として、中国、日本、タイ、チベット、ハワイ、フィリピンと出ていますが、意外にもハワイが充実したオークションでした。
カタログを見ても、ハワイに大きなウエイトを割いています。

14272.jpg

上の画像の旧小判6銭エスパルト紙の目打10の田型は、参考値7万5千円に対して10万円。今だとどの程度の値になるのでしょうか?
今回のオークションでは、「飛行試行」関係のロットが多く目についたのですが、そんな中に下の画像のような、ご愛嬌のあるロットも。
作る方も、よくこんなの作りましたよねぇ。

14273.jpg

なかなか面白いロットで、意外と欲しいかもです。
コメント(0) 

『切手画家 木村勝の遺した資料』戦後切手 1962〜1984 [文献]

14270.jpg

毎年、ジャペックスにあわせて刊行されて来た木村資料も、今回で3冊目。そして最終巻だとか。
本年も、切手制作時に集められた参考写真や、下絵、不採用原画など、これまでに一般の目に触れることが無かった貴重な資料がオールカラーで見られます。

この木村資料3冊は、近年に刊行された郵趣書の中で最も重要なものであると言っても過言ではないでしょう。

福島市が所有する木村資料は、古くから著名でしたが、それを実際に見たことのある方は極めて少数に留まっていました。
今回の公開により、多くの方の目に触れたことは、極めて有意義なことであったと思います。

次のステップとして、福島市には全ページの公刊をお願いしたいと思います。
地方史である『市史』とか『県史』には、『○○家文書』として重要資料が公刊されるのですが、ぜひその要領でお願いできないものかと。

編集された資料には、その編集者の主観が入っているため、未掲載となった資料の中には他の方にとって重要な資料が入っていることが多くあります。
つまり、Aさんにとって重要な資料が、編集者が重要と考えなかったため未掲載となってしまい、資料の存在自体を知ることができないわけですね。
そうならないためにも、全文の公刊が必要なわけです。

木村資料の全文公刊、なんとかならないですかね。
コメント(2) 

マリアンヌ [外国切手]

フランス切手には、幾つかの「マリアンヌ」がありますが、1997年から発行が始まった下の画像の「マリアンヌ」は、デザイン的に「ちゃっとな」という感じ。

14269.jpg

シートの下1列なのですが、右に「25. 06. 97」と印刷日が入っています。
この表記がフランス切手にあるのが、有難いですね。当然、古い切手になると、お高くなって僕の手には負えませんが、製造上のバラエティを追う時には、重要なポイントになります。

中央ガッターには「RGR-1]と入っているので、これで印刷機の特定も可能です。RGR印刷機というのは、凹版高速輪転印刷機のことですね。

この部分を入手したくて、パリ中央局2階にある郵趣窓口で頼んだら、アッサリと拒否られちゃいました。まぁ、そうかも知れません。こんな注文ばかり聞いていたら、半端な切手の山になってしまいますからね。

それで後日、郵政博物館内局で再チャレンジしたところ、美人局員(ホントに美人でした。郵便局員じゃなくて、モデルになればいいのにって、マジで思うくらい)さんが、あっありとOKしてくれて、各額面の在庫を見ながら揃えてくれたものの1枚がこれです。

ただし、こういう部分は資料としては役立ちますが、コレクションには向きません。
コメント(0) 

マーチン 1/2 p [外国切手]

昨日、マーチンの話しをしたので、久しぶりにマーチンのアルバムを出してみました。

14268.jpg

画像は、デシマルの最低額面である 1/2 p 。
色彩的に見ると、プレ・デシマルはちょっと暗めの落ち着いた感じが多いのに対して、デシマルは明るい色が多いですね。

この水色の切手も好きな1つ。なんともいい色合いだと思いますね。
このリーフは、もう20数年も前に郵趣会の切手展で、タイトルは忘れてしまいましたけど、マーチンの基礎整理みたいな作品を数フレーム作ったものの中からの1リーフです。
次のリーフが切手帳のページで、2リーフで 1/2 p を紹介してあります。

それで思ったのですが、「誰もが楽しめるマーチン・シリーズ」みたいな無競争作品が作れないものかと。
コメント(0) 

「戦後の切手で国際展を戦えるか?」 [文献]

14267.jpg

日本で、もっともコストパフォーマンスに優れた郵趣雑誌である『Philatelic Journal』が今年も刊行されました。
オールカラー、A4版145ページでたったの1000円。『郵趣』なんてのが、あれだけの広告が入って700円もしますから、超お買い得です。しかも、内容がとても濃い!
たぶん、皆さんもうお買い求めになっているとは思いますが、1冊なんて言わずに、最低2冊はお買い求めいただきたいと思います。
編集も、1号目は正直なところ「なんだかなぁ〜」と思った部分が若干ありましたが、4号目となるとそれも解消され、よい仕上がりです。

今号には6本の読み物が収録されていますが、この中で必読なのが「戦後の切手で国際展を戦えるか?」という記事。
著者であるアンソニー・オォーカーさんは、「マーチン・プレ・デシマル」で国際展金メダリストとして著名な方。
本稿には、クラシックやセミ・クラシックが目白押しの国際展の中にあって、いかに論理的に組立て、そして審査員を納得させなければならないか。という視点を彼の作品を紹介しながら解説しています。
ここで、述べられていることの根底にあることは、伝統郵趣や郵便史といった部門に関係無く等しく共通するものだと考えます。

僕が仮にこの解説に値段を付けるとしたら、本書の定価以上の値付けをしたいと思います。
切手展への出品をお考えの方で、本稿をまだお読みでない方がいらしたら、絶対に読まれることをお勧めいたします。
コメント(0) 

ニュージーランドの継目印刷 [外国切手]

IMG_0344.JPG

画像は、英国のロイヤル・コレクションの豪華本より、ニュージーランドのページからの1枚。
シャロンヘッド、いつ見ても美しい切手ですね。

で、この切手。よく見るとなんだか変だと思いませんか?
変なんです。実に・・・。





わかりましたかね。
印面の最下部が印刷が途切れちゃっているんですね。
本来ですと "POSTAGE" の下に額面文字が英文で入るのですが、それが途切れて無いのです。

ではなぜか?
すぐに頭に浮かぶのは、原版の破損。それと実用版を作る際の転写不足。
まぁ、そんなところだと思います。

でも正解は違って、紙の継目印刷が原因なのです。
全く同じというわけではないのですが、秀山堂印刷にも継目印刷がありますが、イメージ的には似た感じです。
本来は印面ガッターに現われる継目が、ズレるとこのようなバラエティになるのです。従ってズレた継目が印面内の上に現われたり、下に現われたりするわけで、特殊な例として横に現われているものもあります。

今回のジャペックスで、この印刷バラエティについて、日本語で平易に解説された私家版をいただきました。
こうした切手が存在することは、ロイヤル・コレクション本などで知ってはいましたが、今回いただいた私家版で詳細にわかりました。
こいうレポートをいただけると、本当に有難い。
コメント(0) 

「タイトルリーフ作成時の基本的な考え方」 [文献]

「タイトルリーフを改善すべき」と、切手展の度にここで指摘しますが、今回も同じことを言わなければなりません。

切手展で重要なのは、もちろんマテリアル。これは当たり前ですね。でもそのマテリアルを入手するのには、現実問題として実弾(資金)が必要です。
この実弾がどれだけあるのかは、個々人を取り巻く環境によって異なりますから、どうしようもありません。
極端な話しですが、資金が有り余っている人は、切手商に勧められるままにお高いマテリアルを大人買いしていればよいのです。作品の組立てが悪くても、そこは得難いマテリアルのオンパレードですから、その下手な作品作りの大部分はカバーしてくれるはず。

では、実弾が少ない人はどうすれば良いかと言うと、貧弱なマテリアルしかないのですから、あとは資金0円でできることを考えれば、そこで多少のポイントは取り戻せます。
そのポイントを取り戻す手段として、論理的な展示構成や適切なテキストの作成、そしてタイトルページの十分な活用があるのです。

このタイトルページの作成方法に付いては、20年前にはそれなりの数の解説があったのですが、ここ10年ほどは、皆無に近いものがあります。
切手展でも「タイトルリーフの作成に留意して・・・」なんて講評で言ったり、審査評で指摘したりしているのですが、「では、どうすれば良いのか」という実際の指導となると皆無であると言わなければなりません。

『全日本郵趣』603号掲載の伊藤昭彦氏による「タイトルリーフ作成時の基本的な考え方」は、テーマチクとトラディショナルの実例を交えながら、タイトルリーフの作り方や考え方について、平易に書かれた好著です。
切手展出品をお考えの方は、必読と言っても過言ではないでしょう。
コメント(0) 

ジャペックス [切手展]

今回のジャペックスは、バラエティ豊かな作品が集っていました。
その中で一番驚きを持って興味深く拝見したのが、イギリスから出品された昭和切手コレクション。
これが、手彫だったら驚かないのですが、昭和切手ですからね。意外性バツグンです。

でも、よく考えると、驚く方がおかしいのです。
だって、日本でルーマニアとか、ネパール、トルコなどなど、マイナーな国の収集家って沢山いますよね。日本でもそうなのですから、イギリス人昭和切手収集家がいたってきわめて普通です。
作品の組立ては、最近の日本での収集傾向をよくご存知で、勉強をされているのがよくわかりました。
そして、何といっても個々の切手が美しい!
郵便局から今買って来ました。なんて言われても信じてしまうような美しさ。
それに引き換え、僕の昭和切手コレクションは「トホホ・・・」な状態でございます。
出品者にはこの作品をイギリスはもちろん、機会があればユーロ国際展などにもドンドン出して欲しいと思います。
そうしたことが、ヨーロッパの収集家や審査員に、幅広く日本切手を知ってもらうことになりますから。日本切手の地位向上のために!!

あと、オープン・クラスが楽しかった。
場所的には切手商ブースに良い場所を使われてしまい、ブースコーナーの端っこに追いやられた格好でしたが。
「琵琶湖の汽船と郵便」「新幹線開業の50年史」「アルフォンス・ミュシャ生涯と芸術」。
1作品に要した時間の中では、全作品中これらが一番長かったと思います。
コメント(0) 

外国切手出品者の会セミナー [雑記]

お江戸行きのおかげで、久しぶりの更新です。
ジャペックス終了後の昨日は、9時から13時までみっちりとお勉強でした。

外国切手出品者の会のセミナーは、2年前に続いて2回目。
今回は、今春スウェーデンで開催された「世界郵趣サミット」の内容について、これに参加された吉田敬氏から4時間に渡りレクチャーを受け、要所要所で適宜問題点について参加者で議論するというもの。

この4時間は、次々と重要な課題が出て来るので息が抜けないのですが、中でも一番勉強になったのが、シノプシスの提出ということ。
もちろん、その存在はその制度が出来た時から知っていましたが、義務ではないので「面倒だし、まぁいいや」と思っていたのが正直なところ。
ハッキリ言って、これは間違いでした。
今回のセミナーに参加して、なぜ必要なのか。どのように作成したら良いのか。作品のタイトルページとの関係はどうなのか。などなど、目からウロコとはこのこと。
今回、もし欠席していたら、こんなに有効な手段を今後も自ら放棄していたことでしょう。

今回のお江戸行きは、ジャペックス参観よりも、それに合わせて日程を作ったセミナーの方が、僕としては有意義でした。

ここで宣伝。
外国切手出品者の会に興味がある方は、左のリンク先から会のホームページをご覧になって下さい。
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。