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フランスのプリ・キャンセル [外国切手]

プリ・キャンセルと言うと、すぐに頭に浮かぶのは米国でしょうか?
あの、上下の直線に挟まれて局名が書かれたタイプです。

意外と知られていませんが、フランスにもプリ・キャンセルがあります。
画像のように、半円形のものが歴代の中では多いタイプで、他には文字が直線に並んだだけとか、1/4円形のタイプなどもあります。

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日本では、フランス切手を集めている方は比較的多いとは思いますが、意外と皆さんプリ・キャンセルには冷たいのではないでしょうか。
日本人には馴染みが無いので、どうしてもオマケ程度に思ってしまうのだと思います。僕もそうですね。

フランスでは、日本とは違いプリ・キャンセルも普通に集められているようです。
例えば "CERES" というカタログを見ると、航空切手の次にプリキャンセルが掲載されています。
評価で言うと、無加刷切手の数倍〜数十倍は普通で、中には数百倍というのもあります。

日本ではフランス切手収集家や切手商の間では、日陰者扱いのプリ・キャンセルですが、本来は一緒に集められるべき性格のものなのでしょう。
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多度津ボタ印 [日本郵便史]

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カバーからの拡大画像です。
多度津のボタ印は、ボタ印全体から見ると価格的には、中堅の上といった位置づけでしょうか。
メチャメチャ高いわけでもないのですが、特別にボタ印に思い入れが無い収集家には、ちょっと買う気になるような価格でもありません。

『駅逓局統計書』という駅逓局が明治19年に刊行した、各種データを採録した本があります。
もちろん、編纂当時でさえ失われてしまった記録があるので、完璧な統計書では無いのですが、それでも見ていると面白いことに気がつきます。

その中に、「駅逓区別内国郵便物月別」という項目があり明治17年の実績が載っています。
多度津という見出しがあるので見てみると、月別統計の後に年間総数が808,667通とあり、その後ろの月平均数は、67,389通となっています。
もちろんこれは多度津局管内の数字なので、多度津局そのものではないのですが、傾向はわかると思います。

似たような数字だと甲府が64,228通、松本77,301、盛岡57,955、鹿児島64,775、函館65,275になります。
このように見ていくと、多度津と似たような取扱規模で、なおかつ多度津よりも短期間のボタ印使用局の方がカタログ値が低かったりします。
面白いけど、単なる数字遊びの話しです。
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『○○作品集』の失礼な使い方 [雑記]

個人的に頂いたコピー集であったり、切手展の作品集であったり、手元にはかなり多くの方の作品集があります。

この作品集ですが、見る人の受け取り方で様々な見方や利用の仕方があると思います。
僕のばあい、国際展の上位作品は「あぁ、凄いな」で終ってしまいます。
では、何が一番参考になるかと言うと、国際展上位作品の過去の作品ですね。
例えば、今では国際展金賞なのだけど、10年前に国内展金銀賞だった作品などです。

何しろ国際展上位の作品となると、見ているだけで目がクラクラしてしまい、やる気がなくなるのですが、そうした作品の過去を見てみると、失礼ながらも「おっ、なんだこんな程度だったのか」と元気が出てきます。
つまり、階段を登って行く最初の一段目を見ると、「自分でも、このスタートなら出来るのではないか」という気にさせてくれるわけです。

他人の作品の成長過程を見て知ることは、自分の収集を発展させるのに、意外と力になるものだと思います。
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たまには見直すと・・・ [外国切手]

画像は、もう20年以上も前に、大阪の某メール・オークションで落札したロットからの1枚です。
この業者は、元々、記述に不安定なところがあって、何度か返品(サケという致命的な状態すら見落としている)したことがある業者だったのですが、その時も記述に半分はダマされての入札。

フランス・タイプ・サージュのカバーロットだったのですが、ほとんどが使えないシロモノ。
入札した自分がおバカだったと考えて、そのまま放置というか、袋ごと仕舞い込みです。

久しぶりに袋を覗いてみると、堂々とはリーフに貼れないけど、苦し紛れになら貼れそうなカバーが何通かありました。

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画像のカバーは、米国行きの適正使用例。
データは、パリ、1899年10月27日の抹消印で、裏には何やら読めない消印が2個と、鮮明な11月7日のニューヨークの到着印があります。
これで、発と着の日付は完璧にわかるので、取りあえずはリーフに貼れます。

1度はボツになったマテリアルでも、時間が経ってから視点を変えて見直すと、意外と無駄にはなりませんね。
ちょっと得した気分です。
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桜和紙半銭のカバー [日本切手]

桜和紙半銭のカバーと言うと、一般的なのが小判5厘はがきへの加貼使用例。
この使用例を余りに一般的すぎて嫌う人も居ますが、僕は逆に最も一般的な使われ方として収集するべきだと思います。
とは言いながらも、今日ご紹介するのはそれと比べると極端に少ない使用例で、半銭4枚貼りです。

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一見すると、縦4枚ストリップに見えますが、実はペアが2組。
プレート1のポジション1・9と、2・10です。
和紙半銭は、プレーティング入門として最適な切手だと思います。
プレート1〜4がありますが、Nのタイプにより2グループに分かれますから、単片でも80の位置を確認すればよいだけですし、半銭切手は各切手の特徴を掴み易いので、シート写真さえあれば、プレーティングに悩むことはありません。

上の画像のポジション1の切手の印面下には、下の画像に見えるような小さな点が幾つもあります。

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そして、ポジション10の切手は、もっと解り易くて右側額面の「銭」字の下に大きな点が付いています。

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ところで、このカバーのデータですが、見てのとおり半銭を多量に押し付けられた大阪局の使用例で、この切手では嫌われものの大阪ボタで抹消されています。
日付は明治15年12月16日ニ便。

大阪ボタでも、4枚貼りならちょっとは自慢できる(?)。
と言うよりも、使用例に苦労する和紙半銭のリーフには、ちょっとしたアクセントになっています。
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スイス・建物切手シリーズ [外国切手]

スイスと言えば、クールボアジェ社のグラビア切手が思い浮かびますが、それだけではありません。
画像は、ベルンの連邦印刷局の凹版切手で、1960年から発行が始まった「建物切手シリーズ」。
そう、スイスは凹版切手でも有名なのです。

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画像の切手は「建物切手シリーズ」なのに建物が描かれていませんね。
でも、シリーズの大部分が建物切手なので「建物切手シリーズ」と呼ばれています。

2枚の同じ切手が並んでいますが、左の切手は「白紙」で、右の切手が「蛍光紙」なのです。
そこで「蛍光紙」の見分け方ですが、普通だったら蛍光反応を見ますが、この切手はルーペで覗けば、それで分類ができるので、面倒臭くない易しい切手なのです。
下の画像がそれ。

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紫色の細い繊維がわかりますよね。
これが入っていれば、「蛍光紙」と分類出来ます。

使用済で、各国のこうした通常切手を集めるのも、サブコレクションには面白いですよ。
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" THE POSTAGE STAMPS OF GREAT BRITAIN " PART ONE [文献]

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Royal Philatelic Society による4分冊の解説書の第1分冊。
本書は、イギリスの代表的な郵趣文献として、とても有名ですね。

第1分冊はビクトリア凹版の中から無目打シリーズを扱っています。ですからペニー・ブラックと、ペニー・レッドの一部です。
初版は戦前の1934年に出版され、第2版が1950年、第3版が1967年です。

イギリスのクラシックを集め始めると、最初に手にするのは入手のし易さから『ギボンズ専門カタログ』第1巻ビクトリア編だと思いますが、その次に入手される本としてお勧めしたいのが本書です。

本書は図版が豊富で解り易い編集なのですが、それでも日本人には万能ではなく、実際の切手を手にしながら色々と調べるには難しいところがあります。
しかし、それは日本人がドクター市田の『青一』を見ながら、青一のプレーティングを始めても、馴れるまでは大変な苦労をするのと似ていると思います。
本書を使いこなすコツは、根気だと思います。

また、豊富な図版で版欠点が紹介されている点はとも有難いですね。
ただし、そういう切手に巡り会うには運も必要。
ネット・オークションで最初から版欠点が明記されている切手を入手し、本書を見ながら再確認するのが現実的かも知れません。
そのようなことを繰り返すと、自然と目が養われるものです。

本書は、古書市場で容易に入手できるので、この分野にご興味のある方は、確実に入手された方がよいと思います。
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青島軍事 [日本切手]

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金井スタンプ第108回パブリック・オークション。
昭和49年10月25日開催です。

この号のロットF1には、青島軍事のカバーが出ています。下の画像がそのロット。

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宛先は、青島軍事と言えばすぐに思い浮かぶ岐阜県宛。
画像でもわかると思いますが、消印がちょっと薄いのが難点と言えば難点でしょうか。ノートによると「青島/10, 4, 25/后8-12」だそうです。

最低値は125万円でしたが、落札値は180万円。
当時の180万円ですから、大したものですね。手彫以外ではなかなか届かない落札値だったのではないでしょうか。
この年の日本関係高額第3位だったそうです。ベスト5のうち、本品以外は手彫切手でした。

青島軍事。永遠の花形なのかも知れません。
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フィンランドの鉄道郵便車 [外国切手]

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画像は、フィンランドが1987年5月8日に発行した国際切手展「フィンランディア88記念」の小型シート。
一見したところ単なる鉄道切手に見えますが、国際切手展に関する記念切手なので、ちゃんと鉄道郵便車を描いています。

どこかの国では、切手展記念と称して切手とは全く関係の無い、単なる鉄道図案切手を発行していたりしますが、さすがフィンランド郵政だけあって、理由のある題材を採用していますね。

上段右の切手は、1871年製のフィンランド最初の郵便車ということで、レニングラードまで乗入れていた車両らしいです。古いだけあって2軸の台車ですね。

下段左の切手は、1899年製の郵便車ということで、今と同じ4軸の台車になっています。
ということで、上下の切手を見比べると時間の流れがわかります。

マージン部分の地図は、ヘルシンキからレニングラードまでの鉄道郵便の経路が記されていますが、たった1枚の小型シートが発信する情報量の多さに驚きます。
考え抜かれた、コンセプトではないでしょうか。
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見栄えは悪いけど・・・ [日本切手]

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画像は、オープンカバーの右側半分。
旧小判5銭が2枚と新小判2銭を貼った、書留3倍重量便で、消印データは「大坂/17年5月16日」。残念ながら便号はちょっと読めません。

アルバムの中では、旧小判5銭の使用例として貼っています。
3倍重量なのでよほど分厚い手紙だったらしく、全体的にゴワゴワで一部破損などしているのですが、僕としてはお高い5銭のカバーなので、この程度が精一杯なところですね。

地方の即売会で、超ローカル価格にて入手。
持っている唯一の旧小判5銭のカバーです。
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逓信総合博物館新収蔵品展 [雑記]

逓信総合博物館の郵政展示コーナーの一角で、新収蔵品展を開催していました。

目についたのは、レッド・ペニーのリーフ貼りコレクション。状態は今一つのものが多かったのですが、寄贈者は版を丹念に見ていらっしゃるらしく、定常変種も丁寧に記録されていました。書込みは英文で流れるような筆記体。全体としては、1840〜1948年のイギリス切手コレクションだそうで、常設展の方にも一部が展示されていました。

東京中央郵便局の「切手見本帳」はとても分厚く、開いてあるのは「きじ航空」の部分だったのですが、手に取って全てのページを見てみたいなぁ・・・。
こういうのは、資料として貴重ですね。

郵趣文献も何冊かありました。
その中で気になったのが『日本郵楽会創立60周年記念 郵趣鶏助集』と『稲門フィラテリー』CD版。もちろん展示品なので手に取ることができず表紙を見るだけ。
中身が見たいよー。

ミニ展示でしたが、それなりに面白かったですね。
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タタキ売り [文献]

所用で東京に行った帰りに新幹線の時間まで1時間ちょいあったので、逓信総合博物館へ。
鳴美が運営しているミュージアム・ショップを覗くと中古の文献が色々とあるのですが、所持しているものばかりなので目新しい商品は1冊もありません。
しかしですねぇ、その値段にビックリなのです。

・方寸会『帯封』・・・500円
・いずみ切手研究会『丸一型日付印 その誕生と物語』・・・500円
・池田進『櫛型日付印詳説』上下セット・・・1,000円
・R・サール『フランス横浜郵便局』・・・300円
・大柴峰吉『日本郵便切手詳解』・・・100円

まさにタタキ売りって感じです。
既に所持していても、ここまでタタキ売られていたら買いです。
有難く頂いてきました。

過去に、その何倍〜10倍とかで買っているので、軽いショックと言えばショックでしたね。
大柴さんなんて、あのダイソーと同じ100円ですよ。100円!ある意味、失礼なお値段です。
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どこの局でしょうか? [日本郵便史]

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新小判1銭2枚貼りのカバーで、消印は小樽のKGです。
北海道ということで、無条件に気に入っているカバーなのですが、残念ながら配達印が読めません。
押した時にスリップして、印影がボケてしまっています。
その画像が下です。

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どこでしょうかねぇ・・・。
何とか読みたいのですが、なかなか読めません。
なんか、消化不良みたいな感じがして、気持ちが悪いですね。

小樽の抹消印は「六・三〇」で、不明局の配達印は「七・一一」と読めますから、送達時間が掛かっています。
それも含めて、ちょっと気になっているカバーです。

明日は出かけてしまうので、更新はお休みです。
次回は、土曜日の更新です。
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釜山局 [日本郵便史]

下の画像は、在朝鮮日本局の1つ釜山の丸一型印。
入手したのは、学生時代に中野の喫茶店で行われていたオークション。
と言えば、どこのオークションかおわかりですね。

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台はがきは「菊青枠はがき」ですから、普通の使用例ではつまらないので、ちょっと変わった物ということで入手したのだと思います。

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消印データは、「韓国釜山/丗四年一月一日イ便」ですから、年賀状ですね。
宛先は、今の島根県。

国名が「朝鮮」ではなくて「韓国」ですが、これは明治30年10月12日に、国名を「大韓帝国」へと改めたことによるもの。
「朝鮮」表記よりも「韓国」表記の方が見ることが少ないような気がしますが、本当のところはどうでしょうか?
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ペニーレッド・プレート50の使用例 [外国切手]

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ごく普通のペニーレッド目打付のカバーで、貼られた切手は古い版のグループであるプレート50。
このカバー、見た目にスッキリと綺麗に見えるので、気に入っています。
お値段はと言うと、もちろん僕が買うのですから安物と決っていて、日本円で1500円程度。
1500円程度ですから、ちょっとした昭和のカバーなんかより遥かに安いですね。しかも、150年も前の使用例です。

消印を見ると、" Dumfries " というスコットランドの局で抹消されたことがわかります。日付は、1862年3月17日。
宛先は " Annan " で、同じスコットランド内です。裏面にちょっと薄い到着印があるのですが、翌18日になっています。

自分の手の届く範囲での、版別使用例収集の1枚です。
手彫の青一ではとてもできませんが、ペニーレッド目打付ならそれなりに楽しめます。
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肉屋郵便 [外国郵便史]

昨日の大学郵便は、今の感覚からすると変なものですが、今日ご紹介する肉屋郵便は、更に一段と変な存在だと思います。

肉屋郵便の肉屋とは、そう、あの食べる肉を扱う肉屋です。
肉と郵便、そんなもの、普通に考えると結びつきませんよね。
ところが、そう考えるのは、現代の発想に独占されているからなのです。

15〜16世紀と言えば、もちろん冷蔵庫も冷凍庫もありません。
でもヨーロッパの人達は肉をよく食べます。これはその時代の絵画にも食卓上に肉の塊がよく描かれていることからもわかります。
では、その肉を各地に配送するには、どうしたでしょうか?
そこで登場するのが、肉屋独自の輸送手段なのです。馬であったり、馬車であったり。

特にこの肉屋郵便はドイツで発達しました。
手紙を一緒に運ぶ契約を肉屋組合が受けるのですが、その各地の肉屋組合は各々が事務所を持ち、相互に連絡を行い手紙の受け渡しをするので、全国的な逓送手段となるわけですね。
肉屋組合は、この逓送を請け負う代わりに、数々の組合義務から免除されていたと言われています。

今でも郵便マークとしてポストホルンが使われていますが、このラッパの起源も肉屋郵便だそうで、郵便逓送を請け負う前から、立ち寄った場所で肉屋到着を知らせるために角笛を吹く習慣があったとのこと。

この肉屋郵便は、17世紀の終り頃まで存続していました。
肉屋と郵便の関係。言われてみると納得出来ます。
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大学郵便 [外国郵便史]

日本切手の専門家には、初めて聞く言葉かも知れませんが、外国切手収集家、特に郵便史関係の収集家には知られた存在。

この言葉から想像するのは何でしょうか?
たぶん、ちょっと考えて頭に浮かぶのが、大学宛の郵便物を歴史的・制度的に集める郵便史収集。または大学をテーマとしたテーマチク収集。ではないでしょうか。

ところが違うのですね。
答えを言うと、大学を発着する郵便を運ぶ郵便組織のことなのです。

ヨーロッパでは、中世になるとそれまでの教会を中心とした教育機関から発達した大学が生まれます。
12〜13世紀にかけて、フランスやイタリアには幾つもの大学が出来、そこには、ヨーロッパ各国の良家を中心とした子弟が入学することになります。
彼らは、親元から遠く離れた所で生活するので、家と大学にいる子弟との間に手紙や荷物を送る必要性が出てきました。
そこで、各国の人々の間で作られた逓送システムが大学郵便となるわけです。

特にこのシステムはフランスで発達し、ドイツにも存在したのですが、フランスほどは発達しなかったと言われています。
ハイデルベルク大学には、1397年の大学郵便の任命書が残されているそうです。
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オーストリアの勧め [外国切手]

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僕は、外国切手が好きで安価なところを中心に色々と集めています。
もちろん精粗の差はありますが、ある程度まとまったコレクションとしては、ネパール、イギリス、フランス、オーストリア、スロベニア(チェーンブレイカーズのみ)、トルコと言ったところでしょうか。
トラディショナルではありませんが、ハンガリー郵便史も外国と言えば外国ですね。

で、この中でお勧めなのは、何と言ってもオーストリアだと思います。
特に、これから外国切手を集めようと考えている人には、最初の1つ目としては絶対にお勧めします。
世界には、デッドカントリーも含めて数百の切手発行国と機関がありますが、知識ゼロの段階から集めることを考えると、その中の1つの頂点がオーストリアでしょう。

オーストリアには、多種類の性格(新聞と軍事とか・・・)の切手が発行されていますし、1つのシリーズでもバラエティに超富んだ切手もあるので、奥の深さを追求できますし、集め方しだいでは安価な楽しみ方(その逆もあります)もできます。
そして、クラシック切手だって、日本切手とは比べられないくらい安価に入手できます。
また、第一次世界大戦までは、その歴史的な背景から郵便史的要素を取り入れると、これまたバラエティに富んだ使用例を楽しむことができます。

マテリアル以外では、伝統的な国なのでこれまでに刊行された豊富な文献が、文献市場から入手できますから、その点からも外国切手入門には適しています。

このような収集環境なので、オーストリア切手で外国切手の基礎を学ぶと、全く知らない他国の切手に興味を持った時に、その時の経験がとても役に立ちます。

単片で分類可能なカタログコレクションで十分。
オーストリア切手は、絶対にお勧めです。
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「ドイツに於けるアルバムの発達小史」三井高陽 [文献]

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本文は、1962年7月号の『切手研究』142号に収載されています。
当時の郵趣界において、タイトルのような解説を執筆できたのは、三井高陽氏以外にはちょっと考えられないのではないでしょうか。
氏の収集範囲は多岐にわたっていますが、特にドイツは、ご自身が留学していた関係もあるのだと思いますが、他の分野よりも更に一段高い感じがします。

本文は、「ドイツ」となっていますが、必然的に特に最初期のアルバムについては、フランスなど他国のものにも触れられており、テーマの確信に進むに連れてドイツを詳しく述べるという展開になっています。
話しの展開は、ほぼ19世紀の範囲のものですが、伝統的な著名メーカーがこの時期に既に活動を開始しているので、郵趣の一般教養的な知識を身につけるという点においては、本文を熟読すればよいのではないでしょうか。

切手のことについて執筆できる人は数多くいらっしゃいますが、こうしたテーマで執筆可能な人となると、極めて少ないと思います。
こうしたことがが執筆できることが、知識の厚さを示しているのだと思います。
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鎌倉 [日本郵便史]

僕は、今は北陸の地方都市に住んでいるけど、生まれも、育ちも神奈川県の鎌倉。
今でも、鎌倉には親と兄弟が住んでいます。

そんなことで、僕にとってご当地消印と言うと鎌倉局。
で、下の画像がそれ。

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鎌倉局と言う名前は意外と新しくて、明治21年9月16日から。それ以前は長谷局と言っていましたが、長谷局としては明治8年1月の開局。
長谷局の不統一印は未確認だと思いますし、たぶん二重丸印も。

鎌倉局の名前は丸一印以後ですから、ご当地物を集めるのもお気軽なのです。
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トピカル [雑記]

僕が属している「外国切手出品者の会」で、ちょっとばかりトピカル・コレクションが話題になりました。
と言うのも、メンバーの1人がトピカル切手展に出品し、入賞したことによります。

日本では、長いことトピカルが定着していて、テーマチクと一般的に呼ばれるようになったのは、ここ30年ばかりのことだと思います。
海外では、古く50年以上前からテーマチクという考えが定着していたようです。

皆さんもご存知のとおり、トピカルとテーマチクは似ているようで、実は全くの別もの。
僕は、両方とも集め方としてOKだと思います。どうせならF.I.P.も両方の存在を認めて、国際展にもトピカル・クラスとテーマチク・クラスを併存させてほしいと思いますね。

個人的には、切手集めとしてはトピカルの方が親しみ易いと思います。
ただ単純に図案に即して集めるだけ。でも、これって切手収集の本質的なことではないでしょうか。
テーマチクだと、「ストーリー性をどうする?」という、切手集めとはちょっと違った部分に多くの労力が必要になってきます。

国内では、JPSのスタンプショウのみにトピカル部門がありますが、これはぜひ続けてほしいですね。
誰が見ても解り易いトピカルって、切手収集の普及にも大切な部分を占めていると思うし。
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『郵趣仙台』第200号記念 [文献]

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仙台(東北か?)の重鎮氏から『郵趣仙台』の200号記念をご恵贈いただきました。
2ヶ月に1冊の刊行で、創刊は昭和52年とのこと。
地元の郵趣会と言えば少人数のはず。国内で規模が大きい所で、せいぜい数十人まででしょうか。
こうした地域密着形の郵趣会で会報を継続発行することは、なかなか大変なことと思いますが、例会の記録であるとか、輪番制の勉強会の内容とか、ある程度定形化してしまうと、その流れに乗って行けるのだと思います。

今回、一緒に198・199号も頂いたのですが、それらに掲載されている例会記録を拝見すると、なかなか活発なご様子。
だから、うまいこと発行出来るのだと思います。

話しを戻して200号ですが、「郵趣仙台の記憶 200号までの歩み」が掲載され、会報発行の足跡を振り返り、時々の発行事情や裏話が記録されています。
実は会にとって、こうした記録はとても大切なことだと思います。時間の経過とともに古い人が抜け、新しい人が入り、世代交代が図られて行くと、そのうちに解らなくなってしまうことですからね。

一読して、こうした記念誌が作れること自体が全く羨ましい限り。
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ルーマニア・1872年新図案シリーズ [外国切手]

ルーマニアでは、切手の需要が高まったので、それまでの図案を改正し1872年から新通常切手を発行しました。それが下の切手。

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パッと見て、どこかの切手に似ていると思いませんか?
あるいは、外国切手に詳しくない人は間違えるかも知れませんね。
そうです。フランスの通常切手、特にナポレオンに似ていると思いませんか。

種を明かせば、似ていて当然。
何しろ、パリのフランス造幣局で作った切手ですから。
この切手は凸版印刷なのですが、その当時ルーマニア国内では設備が無かったので、フランスへ発注したとのことです。
上の画像でパリ印刷は、左の切手なのでお間違え無く。

では、右の切手は何なのかと言うと、1876年のブカレスト印刷です。
額面は同じ10B。
他の額面もそうなのですが、色を合わせようとしても、ちょっと違いますね。
そして印刷は、並べて見比べるとよくわかります。
ブカレスト印刷は、やはり見劣りがします。

日本には、ルーマニア切手の熱心な収集家が過去にも、現在にも何人もいらっしゃいますが、収集対象としては面白いと思います。
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世界の有名機関車・フジェイラ [外国切手]

小学校2年の時から集め始めた鉄道切手。
僕の切手入門です。残り少なくなりましたが、今でも残骸が・・・。
でも、変ですね。大部分の切手はどこに行っちゃったのでしょうかね?

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画像は、フジェイラが1969年に発行した「世界の有名機関車」。
あの頃ラベル扱いどころか「切手ではない」と言われた土侯国切手も、今から見るとフツーの切手です。
って言うか、今の切手より良いかも知れません。

鉄道切手でありながら、2R以上の高額3枚は航空切手。
フジェイラは、この後に「鉄道の歴史」を描いた切手も出しています。
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" Korean Empire " タカハシ・スタンプ・オークション [文献]

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手彫のタカハシも、元を正せば外国切手から走り始めたはず。
その名残りでしょうか。1980年10月開催の旧韓国のオークション・カタログです。
でも、変ですね。外国切手と言ってもヨーロッパが強かったはずですが・・・。

中を見ていておもしろいのが、記事は英文活字なのですが、消印の局名部分が漢字の手書。
全266ロットの中には、フランス船内印付のスイス宛や、ロシア切手貼りのパクボー便で "GENSAN " の年号2字欧文印など、本物だとしたら興味深い使用例が幾つも掲載されています。
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信州松代 [雑記]

6月15日の日誌で、長野の収友の所に遊びに行って、松代へ連れで行ってもらったことを書きましたが、今日、本を読んでいたら、なんと樋畑雪湖が松代の出身だったと知りました。

生まれたのは松代藩の江戸屋敷なのですが、その後、松代の本宅に引越し、藩校である文武学校で教育を受けていたとのこと。
町中散策中にたしかに文武学校があったので、そうと知っていればもっとマジメに見たのになぁ。

切手関係人の足跡を訪ね歩くのも楽しいかも。
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貴重な資料なのですが・・・ [雑記]

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『切手趣味』3巻5号(昭和6年5月)に、興味深い図版が載っています。
掲載文のタイトルは「葉書の語義に就て」(十二)で、筆者は山下武夫氏。古くからの収集家には馴染みの名前だと思います。

画像の物の正体なのですが、「二つ折りはがき半銭」の完封包装紙。
Aの方には「端書半銭百枚」で、Bの方には「郵便半銭端書百枚」とハンコが押されています。

この記事中には、所有者についての情報が掲載されていなかったのですが、後に他の記事にて所有者が吉田一郎氏であったことが明かされています。

単なる包装紙と言えども、貴重な資料だと思います。
戦後、実物を見たことがある人っているのでしょうか?
少なくとも僕は知りませんし、もしかしたら、戦災で焼けてしまったのかも知れません。だとすると、極めて残念な話です。
せめて、どこかに鮮明な画像として記録されていないでしょうか。

意外と、この図版に注目している人っていませんね。
ステーショナリー関係の郵趣書でも見ませんし、郵趣界から忘れられている気がするので、ご紹介したしだい。
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" The Queen's Stamps " [文献]

切手収集家にとってロイヤル・コレクションは、世界の郵趣界の至宝として特別な存在とされています。
このコレクションが、バッキンガム宮殿の奥深くに眠る決して閉鎖的なものでないことは、各国の国際展に展示貸し出されていることからもわかります。もちろん日本でも何度か展示されています。

本書は、そのロイヤル・コレクションのあらましを安価に知ることが出来る良書です。

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本書を開けば、素晴らしいカラー図版の数々がパッと目に入ります。
そこには、歴史的に重要なスケッチやエッセイ、プルーフ、使用例として貴重なカバーなどが解説付で展開します。

また、本文はコレクション全体の成り立ちに留まらず、実際にコレクションの管理を任されている切手管理人のことにまで言及されているなど、1954年に刊行された超豪華本とはまた違った展開になっています。

アマゾンからも入手できる、お買い得の一書です。
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お帰りは、ごゆっくり [日本郵便史]

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画像は、首都高速道路10円×2枚と魚介シリーズ10円×2枚を貼った、第2地帯宛航空便料金の40円です。
抹消印のデータは、兵庫・宝塚局1966年3月12日の欧文印で、裏面には、宛先である米国・スプリング・バレーの3月18日の機械印が押されています。

ところがこのはがき、宛名人には届かないで、差出人戻しとなって日本に帰って来ており、表面に「差出人戻し」の付箋がつけられています。それが下の画像。

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紫色の欧文櫛形印は、神戸港局のものです。日付はと言うと5月23日。
ということで、行きは航空便で、お帰りはゆっくり船便で。
サービスで返送してくれるのでしょうから、安い船便なのでしょうね。

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連敗です [雑記]

切手収集で「連敗」と言えば、オークションと相場が決まっています。
ebayは、皆さんもよく使ってらっしゃると思いますが、僕も小物専門ですがよく使っています。
米国、英国、フランス、ドイツ、オーストリアなどなど、目的によって各国のebayを使い分けています。

ebayで困るのが閉め切り時間。
大抵の出品者が、自分の生活時間帯にあわせて出品しているので、締切時間が日本の明け方、3時とか4時とかが多いですね。
それこそ、大物ならば眠いけど頑張って起きてもよいのですが、さっきも書いたように小物ばかりなので、毎回そこまでしていたら毎日眠くて仕方ありません。
ただでさえ、午後は眠いのにねぇ・・・。

と言うことで、寝る前に「ここまでなら」という額で入れておくのですが、朝起きるとぜんぜん話しにならない額で終っていることが多いですね。
ここ数日は、連戦連敗です。

今日も、昨日の夜まで4.9ポンドだったので、寝る前に15ポンド入れておいたら、起きたら48ポンドでした。
日本の皆さんは時差の関係で、こんな感じが多いのではないでしょうか。
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