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肉屋郵便 [外国郵便史]

昨日の大学郵便は、今の感覚からすると変なものですが、今日ご紹介する肉屋郵便は、更に一段と変な存在だと思います。

肉屋郵便の肉屋とは、そう、あの食べる肉を扱う肉屋です。
肉と郵便、そんなもの、普通に考えると結びつきませんよね。
ところが、そう考えるのは、現代の発想に独占されているからなのです。

15〜16世紀と言えば、もちろん冷蔵庫も冷凍庫もありません。
でもヨーロッパの人達は肉をよく食べます。これはその時代の絵画にも食卓上に肉の塊がよく描かれていることからもわかります。
では、その肉を各地に配送するには、どうしたでしょうか?
そこで登場するのが、肉屋独自の輸送手段なのです。馬であったり、馬車であったり。

特にこの肉屋郵便はドイツで発達しました。
手紙を一緒に運ぶ契約を肉屋組合が受けるのですが、その各地の肉屋組合は各々が事務所を持ち、相互に連絡を行い手紙の受け渡しをするので、全国的な逓送手段となるわけですね。
肉屋組合は、この逓送を請け負う代わりに、数々の組合義務から免除されていたと言われています。

今でも郵便マークとしてポストホルンが使われていますが、このラッパの起源も肉屋郵便だそうで、郵便逓送を請け負う前から、立ち寄った場所で肉屋到着を知らせるために角笛を吹く習慣があったとのこと。

この肉屋郵便は、17世紀の終り頃まで存続していました。
肉屋と郵便の関係。言われてみると納得出来ます。
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