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『日本切手の模造品に関するメモ』 [文献]

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昨日は、模造品のカタログを紹介したのだけど、今日は、それとセットをなすと考えてもよい解説書の紹介。
1982年に刊行された本書は、『切手研究』誌の1975〜79年の5年間に連載された記事を一書にまとめたもので、私家版のような性格のものです。
発行部数は不明ながら、そんなに多くはないと思われます。定価は3,500円。

タイトルにもあるように、外国人により模造された日本切手(手彫・小判)に特化しているため、和田とか上方屋といった日本製には触れられていません。
特に中心となっているのはスピロの製品です。スピロは英領関係を中心に多くの国の模造品を製作していますが、そうしたスピロ製品群の中で日本切手の模造品を位置づけている点が、著者の見識の豊かさを物語っています。

模造切手に興味が無い人でも、けっこう楽しく読めると思います。
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『日本模造(手彫・小判)切手カタログ』 [文献]

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手彫切手の模造品も、オークションなどを見ているとそれなりに売れているみたいですから、この分野に興味を持っている人は、たぶん20年前よりもかなり増えているのではないでしょうか。
僕が、せっせと集めていた頃よりも、今はだいぶ高くなっている気がします。

1982年に日本風景社から出たのが、タイトルのカタログで、奥付には1,000部発行とはなっていますが、巷で見かけることが少ないので、実売はかなり少ないと思います。
デットストックとして、かなり埋もれているのではないでしょうか。

全体の出来としては、切手商のプライスリスト的な仕上がりなので、できたら版を重ねて研究成果を反映できるような仕組みになっていたならば、なかなか面白いアイディアのカタログとして成長できたのではないでしょうか?
その意味で、初版で終ってしまったのがちょっと残念な結果です。
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『風景スタンプワンターランド』 [文献]

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昨日、『新・風景スタンプ集』とともに届いたのが『風景スタンプワンターランド』。
まだ読んでなくて、パラパラと見ただけなのですが、今どきの本らしくてビジュアルでなかなか楽しそうな雰囲気です。

サブタイトルに「郵便局にある風景入り消印の楽しみ方」と書かれているだけあって、風景印とは縁の無い人にもわかりやすそうです。
局メグに準備すると便利なものとか、風景印の基礎知識、収集スタイルなど、風景印のイロハがわかる内容です。
「そんなこと知ってるよ」という人も、楽しそうな本なので一読する価値はありそうに思います。

こういう本は、一般書店にデンと目立つように平置きして売って欲しいですね。
郵趣とは縁の無い人に読んでもらって、興味を持ってもらうには良い本です。
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『新・風景スタンプ集』関東甲信越 [文献]

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今日は、アマゾンより『新・風景スタンプ集』関東甲信越編が到着。
前版が出てからだいぶ経っているので、何年も前から「新版が出ないかなぁ」と待っていたもの。
その間は、鳴美から出ている『風景印』で繫いでいたのですが、版形は大きすぎるし、厚すぎて使い難いという欠点が。郵趣出版のものも以前は1冊完結だったのですが、前回から分冊になって使いやすくなりましたね。

A5判1ページに縦8段、横2列で合計16個も収録されているので、印影が小さいという欠点はありますが、これも仕方ありません。それでも、やっと193ページに収まっています。
全部で4巻構成だそうです。
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" SCOTT Standard Postage Stamp Catalogue 2013 " [文献]

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『スコットカタログ』2013年版1巻がアマゾンから到着。
しかし、ズッシリと重いですね。取扱にはちょっと不便です。手のデカイ米国人は何とも無いのかも知れませんが・・・。日本人には、重過ぎです。

『スコット』は、10年振りの買い替え。中間にクラシック版を買ってますから、現代物に興味が無い自分としては、10年間隔でも全く問題ありません。それ意外に『ギボンズ』国別版、『ミッヘル』、『イベール』を順番に買い替えるので、10年でちょうどよいローテーションになるのです。

現代物の毒々しい切手も、ショールームとかで実物を見るとドン引きしてしまうのですが、こうしてカタログで眺めると図鑑を見ているようで、意外と面白いですね。
しばらくは、『スコットカタログ』で暇つぶしができます。

アマゾンで買うと、税込み8,646円。安いです。
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『KEIO PHILATELIST』 [文献]

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今でも忘れた頃に刊行が続いている『KEIO PHILATELIST』。
今の書き手は大物OB。つまり、現役が居ないということ。

画像の22号は手元にある一番古いもので、昭和48年発行です。21号以前になかなか遡れません。欲しいのですが・・・。
22号以後のものを見ただけでも、さすがに郵趣界最大の学閥(?)慶応さん。
現役でご活躍の方の若い頃の報文がズラズラと載ってます。それで驚くのが、収集テーマが学生時代と今が重なっていること。つまり、数十年の長きに渡ってテーマを追求していることですね。僕にとっては頭が痛い。見習わないといけません。

毎号のように取り上げられている外国ものの解説は、僕のような外国好きにはよい勉強になりますし、意外なことに桑野先生の現行ものがよいのです。
現行ものは全くの門外漢なので、古い研究成果から順を追って読んで行くと、なぜ現在のような結論に至ったのかが、よく理解できるのです。
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" THE RICHARD W. CANMAN COLLECTION OF JAPAN " [文献]

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1988年12月14日にニューヨークで開催されたリチャード・チァンマンの日本切手コレクションのオークションカタログです。
思い返すと、日本ではほとんど話題にならなかったオークションだったと思います。そのせいか、新しい割にはカタログもあまり見かけません。

オークションの内容は、龍から小判・菊・一部は田沢まで記念をも含む内容ですが、その中心はもちろん手彫切手で、特に龍がメインになっています。
龍がメインと言っても、有名コレクションには付きもののメジャーなバラエティは含まず、素直なコレクションという印象を受けます。

僕が当時注目していたのは、カタログの最も後ろにリストされていた文献のうち『ペプロー・シート写真集』のオリジナル本で、限定25部のうちのNo.15のもの。参考値3,000ドルで、日本円だと約39万円。手数料などを加えると40数万円になってしまいます。
今だったら支払いの算段は後で考えるとして、とりあえず入札してしまうところですが、結婚したてで一番貧乏な時だったので、さすがに手が出せず・・・。残念!
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「消印と父の思い出」『切手文化』吉田一郎追悼号 [文献]

今日、よくお世話になっているある方よりメールをいただきました。
用件は、郵趣以外のところにあったのですが、補足として4月21日付の本ブログで触れた、吉田一郎さんが在日外国局関連カバーを長崎にて多量に入手された件について、ご教示いただきました。

吉田氏が入手した経緯ですが、『切手文化』吉田一郎氏追悼号に息子さんである吉田利一氏が「消印と父の思い出」として書かれています。
このことを教えていただき、早速、本棚から該当書を出して来て読み返したしだいです。下の画像がその掲載号。

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ご教示いただいたおかげで、モヤモヤが解消されました。
ありがとうございました。
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" Plating of the 20 Centimes, Blue Issue 1863 " BILLIS'S PHILATELIC HANDBOOK 12 [文献]

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ごく稀に、フランスのナポレオン20サンチーム切手のリコンストラクションを見ることがあります。
最近の例だと、2001年の東京国際展で見たような・・・。果たして正確に復元されているのかどうか分かりませんが。

BILLIS'S PHILATELIC HANDBOOKは、日本切手オンリーの人は知らないとは思いますが、外国切手収集家の間では超有名なハンドブックです。
古今東西あちこちで発表された解説記事やカタログが英文で収録され、今までに膨大な巻数が刊行されています。もちろん日本切手関係もあって、不統一印やボタ印、風景印なんてのまで収録されています。

そのハンドブックの12巻に、ナポレオン20サンチームのプレーティングに関する記事が収録されているのを、最近になってから発見しました。
半分疑っていたのですが、この切手のリコンストラクションって可能なのですね。ちょっとだけ納得しました。
あまりに膨大な量の解説が収録されているので、いつもは索引を見て欲しい情報を集めていたのですが、何気に12巻を手に取ったら発見したしだいです。

フランス辺りには、もっと詳細な解説書があるのかも知れません。
まぁ、あったとしても読めませんが・・・。

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「明治維新前後の十数年間を通じ我国にありし英、米、仏三国の郵便局に就て」 [文献]

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まぁ、なんて長ったらしい題名なのでしょうか。
僕がお世話になっていた学会の長老先生曰く「論題で一番良いのは簡潔的であること。それプラス、できうれば文学的であること。」とおっしゃっていました。その観点から見れば、この論題はちょっとねぇ・・・。

昭和22年8月発行の『切手文化』第31巻第1号から連載が始まった本文は、在日外国局関係の論文としてあまりに有名、かつ重要なもの。
今読んでもインパクトがある内容で、繰り返し熟読するに値するものなのですが、残念なことに原本の入手が難しいためか、読んだことのある方は少ないようです。

著者である吉田一郎氏は、戦前に長崎の古書店からごっそりと在日外国局のカバーを入手して、調査・研究を始められたということを何かで読みました。はて、何で読んだったのかなぁ・・・。
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" Collect BRITISH Postmarks " [文献]

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ギボンズから出版されている有名な消印ハンドブックで、国際展でも数々の受賞歴があるだけに、使い勝手の良い優れた本だと思います。
初版は1979年で、昨年の11月に刊行された最新版は8版ですが、7版が出たのが1997年なので14年振りの改訂版です。
JPSから出ている『日本郵便印ハンドブック』は、たぶん本書がモデルなのではないでしょうか。

内容は、クラシック(ビシップの郵便印)から現行までの全ての消印について、簡潔な解説と評価がされています。
特に僕が気に入っているのが機械印のタイプ別局名リストと、軍事郵便印の番号リスト。特に後者はイギリスの派兵範囲が世界中に散らばっているので、それが国別にグルーピィングされているのが重宝しています。

僕は例によってアマゾンで購入して送料無料3,786円でしたが、今日確認したら僅かに値下がって3,732円になっていました。
イギリス関係収集家は、必携のハンドブックです。
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『大韓帝国末郵逓所日附印』 [文献]

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本書は、4月16日に紹介した『韓国使用日本機械日附印』の姉妹編。
日本切手収集家では、特に菊切手の収集家には馴染みの深い「郵逓所」関係の資料集成です。丸一形印から櫛形朝鮮型印までを豊富な使用例写真で紹介しています。
便利なのは、巻末に郵逓所配置図と当時の郵便線路図が付いている点で、特に郵便線路図は行政単位で収録されているので、大きさもほどよく貴重な資料となっています。
画像の右は、「高敞臨時郵逓所」の実物写真。

1984年の出版で、133ページ。
日本では、いまだに集成されたことがない分野だけに貴重な資料集です。
特に菊切手収集家は、手元に置いて損はしないと思います。
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『サー・ローランド・ヒルの生涯とペニー郵便の歴史』 [文献]

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題名からもわかるとおり、ローランド・ヒルの自叙伝。
けっこう有名な本なのだけど、日本ではほとんど無名ですね。上巻434ページ、下巻373ページという大冊で、逓信協会から昭和63年に発行されました。

1860年代までの郵便事業について、細かな項目立てにより事細かに書き記されており、この時期のイギリスの郵便制度や数々の制度が設けられた経緯が記録されています。
切手収集家の立場で書かれた、いわゆる郵便史本とは異なり生の状況を知ることができます。
訳も読みやすく仕上がっていて、大冊ではありますがスラスラと読める内容です。

こうした本は、いわゆるハウ・ツー本ではないので、収集家からは受けが悪くて読まれないのですが、一般教養として読むべきものだと思います。
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" St VINCENT " [文献]

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4月13日にセント・ビンセントの基本文献として1895年発行の " Saint Vincent " を紹介しましたが、今日、ご紹介するのは1971年にロブソン・ローから出版された " St VINCENT " で、これも基本文献です。
基本文献というのは、最新のものだけを読めばいいというのではなくて、最新版の考え方のベースになっている古い基本文献も読む必要があります。その意味で、 " Saint Vincent " と " St VINCENT " は対になったものと考えてもらえれば良いと思います。

本書は、戦後進んだ郵便史の考え方を大幅に取り入れられており、現地の歴史的な解説のほか、プレスタンプ時代に始まり、クラシック切手の解説、消印データ、郵便局のロケーティング、印紙、ステーショナリーまでを含んだ内容で、ほぼ20世紀初頭までを扱っています。

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上の画像は、セント・ビンセント切手分類の基本となる目打解説からの1ページで、丁寧に解説されており、100年前の " Saint Vincent " には見られなかったものです。
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『韓国使用 日本機械 日附印』 [文献]

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本書は、1981年に韓国で発行されましたが、日本国内でも日本風景社を通じて販売されていたので、お持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

タイトルが示す通り、韓国で使用されていた日本の機械日付印の使用状況をまとめたもので、そのスジの収集家には、まとまった資料として重宝します。
分類方法は日本で行われているものとは異なりますが、それは大したことではなくて、画像のように実例がズラリと紹介されているところに本書の強みがあります。それもそのはずで、表紙に「資料集」としっかり書かれています。

機械印収集家や在朝鮮日本局関係あるいは郵便史の収集家は、1冊持っておいて損はしない資料集です。
僕の所持しているのは、限定250部の内、115番。
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ブログ名変更 [雑記]

昨日、風呂に入っている時に何気に思ったのが、
「そう言えば、ブログも引越しを重ねて4ヶ所目だなぁ」
「そうだ!タイトルに四代目を付けよう」
ということで、今までのタイトルの前に「四代目」を付けました。

初代「収集日誌」はホームページの中に「収集日誌」として始めたのが最初で、2003年12月1日のこと。二代目からは、ホームページから分離独立させてブログに移行しました。
「収集日誌」を始めた2003年当時には、既に幾つもの日誌形式のものがありましたけど、その多くが現在では閉鎖されてしまっています。

最初の頃は1日のアクセス件数が100前後でしたが、今ではコンスタントに300代で、日によっては400アクセスを越すようになりました。

勝手気ままに書いているので、凡そ役には立たない記事ばかりだと思いますが、ちょっとの合間に見てもらえるようにダラダラと書かないで、コンパクトにするよわうに心がけています。
その成果ではないとは思いますが、午前の早い時間(9〜10時)とか昼時に意外とアクセスがあるようです。出勤してすぐとか、昼休みとかにサッと見て下さっているのだと思います。

最近では文献関係の記事が多くなっていますが、それはそれでこのブログの特徴だと思っています。
「四代目 郵趣手帖の収集日誌」を今後とも、よろしくお願いいたします。
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『郵便線路図』昭和47年版 [文献]

先日、タダで昭和47年版の『郵便線路図』をいただきました。
『郵便線路図』と言うと、あちこちで目にするのも明治時代のものばかりで、事実、僕の手元にある数冊も全部明治時代のものです。

本書は、最初に「日本国郵便線路幹線図」があり、その後に県別の線路図が続き、最後に局名索引で終ります。また、都市部の込み入った所については、拡大図が別図として付いています。
下の画像は、福井県の一部分をスキャンしたもので、数種の線で描き分けられているのがわかると思いますが、線路の性格別に色別、線種別になっています。

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新しい時代の郵便線路図もよく見ると知らなかったことがたくさんあって、例えば、福井から大野へ送るには国鉄の越美北線ではなくて、私鉄の京福電鉄を利用しているのですね。これなどは、国鉄よりも先行して私鉄の方が開業していた名残りなのでしょう。
それとか、昭和47年になっても、ちょっと交通不便な半島の先の方へは、道路ではなくて海路の線路があったり、「へぇー」と思うことが色々とあります。

なかなか面白い資料をいただきました。
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" Saint Vincent " [文献]

英領切手の中でもセント・ビンセントは好きな切手。
セント・ビンセントと言っても、どうでもいいような現代物ではなくてクラシックです。当然ですね。

セント・ビンセントの基本文献と言えばギボンズから1895年に出版された" Saint Vincent "でしょう。最も基本的な分類は、本書から出発していると言ってもよいと思います。
しかしながら、1895年出版ということで原本を市場で探すのは骨が折れますが、僕が興味を持った頃には、ちょうどよい具合に下の画像のような原本をコピーして印刷したものが出ていました。

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この復刻版は、2ページを1ページ分にまとめた簡易的なものだったのですが、取りあえずは入手しやすかったので重宝しました。
そのうち、ギボンズから本格的な復刻版が安価な値段で発行され、早速それを入手。それが赤いハードカバーの下のものです。

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この頃、ギボンズから古い時代に刊行された専門書が何種類か復刻され、そうした一連の流れのものでした。
さすがに写真版も綺麗で、コピー版では不鮮明で見難かったところもよく見えます。

ただ、コピー版の方はノートのように気軽に書込みとかができるので、これはこれで役立っています。
同じものが2冊あるように見えますが、使い方によっては2冊がムダにはなりません。
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『たて書丸一印考』 [文献]

縦書き丸一印の解説書と言うと、多くの人が浅見氏による『たて書丸一印の分類』を思い浮かべると思うけど、僕のばあいは田中氏の『たて書丸一印考』の方が印象が強い。この田中本の出版は昭和50年で、浅見本よりも2年先行しての発売。

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本書が発売された昭和50年というと、僕はまだ小学生。
今と比べたらまだまだマテリアルの価格は安かったけれど、それでも丸一印でさえ良い消印となると小学生には痛い値段だった。たぶん小学生の身で買えるといったら郵便使用なら大局しかなかったと思う。

ところが、非郵便印である縦書き丸一印だとそれよりもだいぶ買いやすくて、もちろん高価なタイプや局もあったけれども、郵便使用よりも遥かに入手が容易だった。
それに小学生のことだから、郵便使用でも非郵便使用でもどちらでも安ければ構わないというスタンスだったので、自然と縦書き丸一印が多く集った。

そんな時に発行されたのが、この田中本。
本書は、JPSのショールームでは売ってなくて、地下の切手街で入手しました。あの頃はショールームで扱わない郵趣文献が切手街ではよく扱われていましたね。例えば、『全日本郵趣』や『スタンプレーダー』など、JPSでは絶対に扱わない雑誌も地下に行けば毎号買えました。

郵便消の丸一印よりも安いからという不純な理由で買っていた丸一印にも、幾つものタイプがあって分類ができるということが本書に書いてあり、それはそれはビックリしたものです。
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『遠州便り 如水』より [雑記]

戦後の早い時期に刊行されていた郵趣誌として有名な如水クラブの『遠州便り 如水』。
その第2号(昭和21年12月1日発行)に下の画像の記事があります。

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内容は、30年余りも収集を続けていた在満州の収集家が、敗戦となり着の身着のままで京都まで引き上げて来れたのだが、それまでの収集品は一切持って来れなかったとのこと。
これと類する話しは、南方方面からの引き上げでも聞いたことがあるし、実際そのような目にあった収集家が多く居たものと推定できます。

まぁ、命があっただけでも良かったと思わざる得ない状況だったのでしょうけど、自分が実際にそのような状況になったならば、恐らく長いこと、たぶん死ぬまで「戦争さえ無かったならば・・・」と、かつて自分が作り上げたコレクションに思いを馳せ、悔やむことと思います。

これも日本郵趣史の一コマです。
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" UNITED STATES POSTAGE STAMPS " [文献]

米国切手は、種類が多くしかも奥行きが深いので、その全容をコンパクトにまとめるのはなかなか大変なことだと思う。事実、解説書の多くは専門的なものに偏っている。
特定のシリーズ、更には特定の切手の解説書には有名なものが多いけど、専門的すぎて一般的ではないし、また、19世紀とか20世紀全般を扱った解説書だと大冊になってしまっていて、これもコンパクトではない。

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上の画像は、僕が見た狭い範囲ではあるけれども、米国切手のコンパクトな解説書としては、なかなか良くまとまっていると思う。
菊判で本文336ページに索引付。
リバティ・シリーズまでの通常切手のほか、記念や特殊・セミポスタルなども扱っています。ただ1つ難点なのが図版が少ないこと。まぁ、図版を多量に必要としない構成なのでそれで良いのですが、郵趣本にはやっぱり多くの図版が欲しいなと。

日本切手の解説書で言うと『日本切手の集め方』と『日本切手とその集め方』の中間的な位置づけと言うと、わかりやすいかも知れない。
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手彫切手収集のスタイル [雑記]

子供の頃に抱いていた手彫切手収集は、「一部のお金持ちが集める特別の分野」ということ。このような感想を持っていた人ってけっこう居たと思います。
なにしろ、全日展やジャペックスに出品される手彫切手と言えば、シートが何枚もあって、未使用や使用済満月がズラズラと並んでいましたからね。
こちらは1枚数百円までの使用済や、カバーでも2,000円程度までですから。

そんな手彫切手収集の認識を改めさせてくれたのが、コレイボ・コレクションを知ってから。
単片満月に惑わされない、普通の使用済を製造面を中心に徹底的に調べ整理していくという、それまでの日本には見られないスタイルでした。
もちろん素晴らしい未使用や、貴重な消印物もたくさんありましたが、普通の使用済をどのように料理すればよいのかを教えてくれるものでした。

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画像は、『スタンプ・レーダー』に掲載されたコレイボ・コレクションのリーフの一部。丁寧に切手を分析して、それを注記しているのがよくわかります。

それと、銀座の手彫切手専門店での経験もまた、同じように衝撃的。
まだ学生だった僕が言われたのが、「ピカピカの手彫切手はアンタでは無理だから、多少の難は許容範囲として、製造面から集めなさい。たとえ難のある切手が多くても、数を集めて体系的に分類整理すれば、手彫切手の楽しさを一生かかっても十二分に楽しめるから」と。

僕の手元にある手彫切手コレクションはバランスは超悪い(なにしろ安物しか買わないので・・・)ので、人様に見せれるものではないですが、確かにマイペースで楽しめています。
仮に日本切手を処分することになっても、手彫切手だけは手元に残すでしょうね。
最終的には、「安価に楽しむ手彫切手」というスタンスで切手展に出して、「あっ、こんな楽しみ方もあるのか!」と示せたら幸せです。
まぁ、20年後位い後の話しですが。
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グルックナーのバロン・モンテ [文献]

4月1日のブログに日本宛のバロン・モンテについて書きましたが、今日はその続編で、国内で初めてオークションにかけられた日本宛のパロン・モンテです。

グルックナーと言えば、前代未聞の巨大な日本切手コレクションを作った人物として、今でも語り継がれていますが、金井スタンプがそのコレクションの入手に成功してオークションにかけたのは昭和42年のことで、4・6・12月の3回にわけてセールがおこなわれています。もちろん、セールではコレクションのエッセンスのみが売られ、その他の部分はプライベートで売られたり、売られなかったりしたようです。

そのグルックナーコレクションに含まれていた日本宛のバロン・モンテ・カバーは3回目のオークションに出現しました。

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上の画像がオークションカタログに掲載された写真とノートです。
ノートには「世界的珍品カバー」" Very Rare Cover "と書かれ、参考値40万円に対して、54万円で落札となっています。
このカバーを詳細に見たい人は、松本純一『フランス横浜郵便局』99ページをご覧下さい。鮮明なカラー図版が掲載されており、バックサイドの中継印や到着印も観察出来るようになっています。

落札値の54万円ですが、当時の国家公務員1種の初任給が25,200円なので、その約21.4倍ということで、今の感覚で言うと400万円強というところですかね。
当時の郵趣各誌を見ても、このカバーについては意外とアッサリとしたもの。まだまだ郵便史的な要素が普通の収集家には、あまり浸透していなかった状況を知ることができます。
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なにの行列でしょうか? [雑記]

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『国際グラフ』に掲載された行列写真。何の行列だと思いますか?
答えは、古典芸能シリーズ第1集が発売された、1970年7月10日の東京中央局の売り出し前の行列。先頭の人は午前4時に並び、発売時刻には300メートルの長さになっていたそうです。

僕の子供の頃にも近所の特定局には、数十人が並んでいたのを登校時に見ていましたけど、生でこんな写真のような状態を見たことはないですね。
不思議と子供の頃も新切手というのには、ほとんど興味が無かったので、親に買っておいてもらったことも無かったですね。ある意味、健全だったのかも・・・。
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『フィラテリスト』終刊号 [文献]

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1985年12月号で終刊となった『フィラテリスト』。
それまで、『フィラテリスト』とそのオークションの赤字体質は聞いていたけれども、実際に廃刊となってしまうと聞くと、残念でならなかった。
あの時代、文化関係者の間では「カルチャア」をもじって「軽チャア時代」と呼ばれていたほどの軽薄短小が受けていた時代だったから、その中に埋没してしまったようなものだった。

その『フィラテリスト』を発展的に受け継ぐ雑誌として『日本フィラテリー』が創刊されたけれども、グラフ誌を真似た内容と大きさ。創刊前に「これはダメだわ」と思っていたら、案の定、5〜6年であっけなくこれまた廃刊に。
そもそも、日本人の間でグラフ誌の体裁が定着するわけがない。グラフ誌は欧米文化のもので、大きな机の上に広げて見るもの。つまり、日本人には定着していない文化領域なのである。

今では『郵趣研究』が、その流れを汲むような感じで刊行されているけれども、やっぱり『フィラテリスト』とは全くの別物。
今でも思うけど『フィラテリスト』の果たして来た17年間の意義は大きいな。と。
その『フィラテリスト』も稀に完揃いで見かけるけど、安値安定で、その価値について不当な扱いを受けているように思えてしまう。
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「ブラッドショウ セール」 [文献]

カナダのブラッドショウと言えば、大の親日家として知られています。
「鳥居とJAPAN」をデザインしたヘッドが印刷された、あの独自のリーフが奥様のデザインであるということを、何かに掲載された氏へのインタビュー記事で読んだ記憶があります。
今でも、そのリーフのまま市場で流通しているのに出会う時がありますね。

有名だった氏の青一コレクションは、アレン大佐のコレクションを吸収して出来上がったものであり、その主要部分は、その後に市田左右一氏へと動いています。

昭和39年にファインスタンプがブラッドショウ・コレクションの一部を入手し、それを昭和40年に『全日本郵趣』誌上で4回にわたりオークションにかけています。

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上の画像が、その第1回目のもので、先にご紹介した鳥居のリーフを見ることができます。
このオークションを見るたびに残念に思うのが、誌上オークションのため、なんだか『全日本郵趣』のオマケのように見えてしまうこと。せっかくの著名収集家だったので、独立した冊子として後世に残る形で作って欲しかったですね。
日本でのオークション黎明期でもあるので、ある意味こうした形になってしまったのも、わからないでもないですが・・・。

それにしても、画像も少なく、所々に不鮮明なものもあるので、せっかくのコレクションが残念な結果になってしまっています。
セールの規模は4回で505ロット。在日外国局にはじまり、手彫が90パーセントぐらい、あとは田沢や、字入り、戦前記念・特殊を若干含んでいます。
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がん征圧 [日本切手]

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画像のようなリーフレットを持ってます。
1966年10月21日発行の「がん征圧」に伴うもので、(財)日本対がん協会が発行したもの。
ご存知のとおり、この切手は図案をめぐって散々すったもんだしたあげく、ようやく発行にこぎつけたもので、その様子がこのリーフレットで読み取れます。

一番上の左の図案は、発行された切手でないことは、すぐにわかります。当初はこの図案でいく予定だったのですが、後にこの図案が米国のデザイナーであるチャールズ・ゴスリンの作品に似ていることかわかり、採用を取り消して、他の入選作品から選定し直したところ、その作品もフィンランドのデザイナー、オンニ・ブオリの作品と似ていたことから、それもボツ。

そして、再々検討の結果選ばれたのが、写真を用いたコバルト照射機の応募作品でした。
そしたら今度は、その写真が特定メーカーのもの(あたりまえ)だったことから、これもまた紛糾したところ、コバルト照射機をイメージして描き直したのが下の画像の白黒のもので、これなら皆さんのお手もとにある切手と同じでしょう。

この話しは、超有名なので日本切手収集家なら誰でもご存知だと思うけど、画像のリーフレットの存在を知っている人は少ないのではないかな。
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日本宛のバロン・モンテ [雑記]

フランスのクラシックを集めていると、資金的なことを考えないとしたら、ぜひ1通でも欲しいと思うのがバロン・モンテのカバーではないだろうか?
それだけ郵便史的にも面白く、フランスクラシックを代表するようなカバーの1つだと思う。あとは、在外局のカバーかな。

バロン・モンテの使用例には気球別、宛先別に様々な評価がされていて、ただでさえ貴重なバロン・モンテ・カバーなのに、更に日本宛は最高評価の一群に含まれています。

しかし、この日本宛のバロン・モンテ・カバーの存在を日本人が知ったのは、さほど古い事ではなくて1960年代後半になってからのこと。

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上の画像は、ギボンズが1966年10月に開催したオークションに出品したもので、1870年10月25日のパリ市内局(Palestro)の消印が押されており、その左隣には "PAR BALLON MONTE" と準備よくハンコが用意され押されています。
本カバーは、松本純一『フランス横浜郵便局』99ページの表1 no.3に該当します。
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