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スラニア [外国切手]

以前にも、何度かスラニアの作品を紹介したことがあります。
下の切手は、フェロー諸島が1988年に発行した「観光切手」4種セットの中からの1枚。
4種全てがスラニアの作品なのですが、その中から選択するとこの1枚になります。

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クリックするとより大形の画像になるので、そちらをご覧ください。
廃墟となった石積建物が素晴らしい作品に仕上がっていて、凹版印刷の芸術性を見ることができます。
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小判切手のエッセイ [日本切手]

下の画像は「小判切手のエッセイ」として、超有名なマテリアルなので皆さんもよくご存知だと思います。
このエッセイは、1977年に刊行された『日本切手名鑑 小判切手』に、大きなカラー図版で採録されたことから、誰もがいつでも見ることができるようになりました。

画像は、多くの日本人が初めて図版として見ることができたロブソン・ロウのオークション・カタログからのものです。
オークションは1968年9月の開催でした。
参考値は100ポンド。
今だったら、たったの100ポンドですが、同じオークションで売られた和紙カナ無し4銭のプレート6の未使用シートが参考値85ポンドですから、やっぱりお高い。

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競売の1年後になりますが、沢護氏が『フィラテリスト』1969年10月号に「小判切手のエッセ」と題して解説を書かれ、性格的な位置付けを明解にされています。
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ハンガリー・小麦の収穫10F [外国切手]

画像は、ハンガリーが1916年から発行を開始した通常切手シリーズである「小麦の収穫」。
このシリーズは、ハンガリーの通常切手の中で、それ以前のシリーズと比べると、ちょっとと言うか、かなり地味な存在です。

それ以前のシリーズは、目打とか用紙のバラエティーに富んでいるのですが、そうした派手な要素は持っていません。
それゆえ、人気がないシリーズです。

ただ、発行された時代がハンガリーの社会体制が目まぐるしく変化した時代でもあるので、加刷や国名表記の違いによる分類には、いくつもの変化があります。

僕がこの切手の中で面白みを見つけて集めているのが、色と印面のバラエティです。
ハンガリーのカタログや専門書では、代表的なバラエティは採録してあるのですが、特に印面のバラエティについては、超代表的なものが申し訳程度に掲載されているだけ。

安物切手なので、ドッサリ買って見つけたものから数枚を下の画像でご紹介しましょう。
赤丸で囲った部分が、通常品と異なる部分です。

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10Fの単片で見つけた多くの中から、特に派手なバラエティを6枚だけお見せしました。
「小麦の収穫」シリーズはこんな調子ですから、どんな単片でも必ずルーペで観察する必要があります。
お金は全くないけど、有り余る時間がある方にオススメのシリーズです。

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釜山京城間の鉄郵印 [日本郵便史]

画像は、旧大正毛紙3銭切手の使用済み。
消印がちょっと弱くて見難いのですが、それでも目を凝らしてよく見ると、なかなか良い使用例だとわかってもらえると思います。

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鉄郵印なのですが朝鮮使用のもので、データは「釜山京城間/上二/4 .10 .25/京城発后7■」です。
残念ながら最後の■の部分が読めませんが、D欄で「上二」便であることがわかるので、必要となったら時刻表を見れば特定はできます。

画像と同じタイプの鉄郵印を使用した路線は6路線が知られていますが、釜山京城線は大動脈であるので、最もポピュラーな使用例です。
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ワイルディング・1977年作成のリーフから [外国切手]

皆さんご存知のとおり、ボストークのリーフには製造年が印刷されています。
ですから、何十年も放ったらかしのリーフでも、そこを見れば大体いつ頃のものかを知ることが出来て、けっこう便利。
ということで、下のリーフは1977年5月の製造なので、たぶんその年のうち、もしくは翌年に作ったリーフであることがわかります。

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当時はワイルディングの紙付きをせっせと水剥がしして、こんなリーフを作っていました。
このリーフで注目して欲しいのは、上段中央の切手。
こうして見ただけでは他の切手と同じですが、この切手はグラファイト・ラインなんです。
裏側をお見せすると、下の画像になります。
ついでに、ヒンジは懐かしいデニソンですね。

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郵便自動化実験用に作られた切手なのですが、当時は紙付き切手の中からも、稀にグラファイト・ライン切手が見つかったものです。
他の額面のグラファイト・ラインも紙付きから出て来て、それで揃えることができました。

このグラファイト・ライン付き切手が紙付きから得られたのは、この頃が最後だったと思います。
70年代末になるとワイルディング紙付きの内容が急速に悪くなったので、紙付き購入は必然的にマーチンへと移っていきました。
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ネパール・ネガティブプルーフ [外国切手]

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上の画像は、僕の年賀状をご覧の方は、ご記憶かも知れません。
昨年入手したマテリアルの中では、一番の収穫品でした。

ネパールのセカンドシリーズは、1907年の発行以後、何回かのマイナーチェンジをしながら、最終的には1941年発行のローカル印刷に落ち着きます。
ローカル印刷とはカトマンズ印刷のことで、それ以前のものはイギリスのパーキンスベーコン社の凹版印刷。

第二次世界大戦が始まると、イギリスからの切手供給が難しくなるので、急遽カトマンズで印刷をすることになり、カトマンズの財務省で保管されていた、1907年発行のパーキンスベーコン社の実用版から印刷をすることになりました。
それが画像のプルーフで、ネガティブ・プルーフと呼ばれています。

結局、ご覧の通りの出来の悪さだったので、新しく凸版印刷で印刷されることになったのが、最初に紹介したローカル印刷です。

このネガティブ・プレートですが、セカンド・シリーズではキーマテリアルになります。
国際展の出品作品を見ても、これが入らない作品は多いですね。
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「井出家五代」展 [雑記]

目白の切手の博物館で、長野県佐久地方で明治7年から海ノ口郵便局を営んでいる井出家資料の特別展示が開催されます。
今回の企画のように、一つの郵便局の歴代資料が展示されることはなかなかありません。
しかも、初期郵便の時代からの移り変わりを示す一級資料の展示ですから、郵便史にご興味のある方は必見の展示ではないでしょうか。
もちろん、僕も見に行きます。
これに合わせて、3月末には図録も刊行されるとのこと。

開催期間は4月18日(水)から24日(火)で、23日(月)は休館。
ちょうどスタンプショーの開催とも重なりますから、参観しやすい日程ですね。

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ルクセンブルグ・鉄道開通100年 [外国切手]

画像の切手は、ルクセンブルグが1959年に発行した、同国の鉄道100年記念切手。
僕がこの切手を知ったのは、子供の頃に読んだ名著『切手集め大作戦』に紹介されていたことによります。

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鉄道100年記念切手と言うと、多くの場合は初期の機関車が描かれるのが一つのパターンで、この切手にも下部にはそれが描かれています。

問題は上部に描かれた楽譜。
鉄道切手に楽譜というのは珍しい取り合わせなのですが、この楽譜は鉄道開通に合わせて作られた曲の第1小節なんですね。
まぁ、日本風に言うと鉄道唱歌みたいなものでしょうか。

この曲、昔なら楽譜を見て「ふーん」で終わってしまうのですが、世の中便利になったもので、今ではネット上でこの曲を聴くことができるのです。

ところで、この切手のリーフは今から40年ほど前に作ったもの。
あの頃の定石通り、切手の周囲には枠線が引かれています。
ちょっと懐かしい作り方です。
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第1次昭和切手50銭 [日本切手]

雪かきの毎日です。
明日から小中学校が再開するというので、今日は市内で通学路の一斉除雪日。
町内会ごとに分担が決まっていて、住民総出で歩道の除雪を行います。

さてさて、今日ご紹介するのは京都の金閣寺。
いつ行ってもすごい人出で、「1日の拝観料収入っていくらなの?」なんてゲスな勘ぐりをしてしまうような所です。

第1次昭和切手の50銭として発行されたのが昭和14年6月1日で、後継の第3次昭和切手の50銭採炭夫が発行されたのが昭和21年の春ですから、発行期間は7年弱になります。

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上の画像は色調違いで olive-bistre と olive-sepia ですが、右端の切手がかなり暗いのがよくわかると思います。
と、刷色違いを言いながら、見て欲しいのは目打ちの状態。
左端の初期の綺麗な抜け方から、段々と抜けが悪くなっていく様子がわかると思います。olive-sepia は後期印刷なのでグズグズの目打ですね。

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この切手、昭和18年11月の行政機構改革を受けて、19年に「内閣印刷局製造」銘版から「印刷局製造」銘版に変わったことは、皆さんもよくご存知のはず。
上の画像の左の切手が古い「内閣印刷局製造」銘版で、右が新しい「印刷局製造」銘版です。
右の切手をよく見てもらうとわかるのですが、この切手は普通の「印刷局製造」銘版ではなくて、俗に「内閣削り」と言われているタイプ。
ちょっとお高いですが、これが有るのと無いのとでは大違いなので、未入手の方は現物が目に入ったら入手されることをオススメいたします。
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西ドイツ・札幌オリンピック [外国切手]

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画像は、西ドイツが1971年6月4日に発行した札幌オリンピックを記念した切手なのですが、実際はミュンヘンオリンピックのための募金切手で、第4次発行のもの。

4種セット(ジャンプ、スケート、滑降、アイスホッケー)で発行されたのですが、単片4種のシート切手と、横連刷になった小型シートがあります。
これらは単片になっても区別が容易で、右下に「1971」と年号が入って入ればシート切手。何も入っていなければ小型シートからの切り抜きです。
したがって、上の画像はシート切手に由来するもの。

実は、この切手のデザインは日本人デザイナーの杉浦康平氏によるもので、西ドイツが自国の切手を外国人にデザインさせた最初のものだそうです。

シンプルなのですが、たぶん当時は斬新なデザインだったのだと思います。
この切手に対する杉浦氏のインタビュー記事が、『切手マンスリー』1972年2月号に掲載されています。
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第1次昭和5厘の初期使用 [日本切手]

消印の読み難い切手というのが何種類かありますが、第1次昭和の5厘切手も読み難い切手と言われています。
それに加えて、単片のばあいデータの完読できるものが少ない切手でもあります。

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上の画像の切手は、局名、日付が読める押され方なのですが、局名がイマイチ。
たぶん駒込だと思うのですが・・・。
日付はバッチリと12年12月31日ですね。

5厘御朱印船の発行日は12年11月1日ですから、ギリギリ発行年使用でしかも発行2ヶ月以内です。
初期使用としてリーフに書き込めると思いますが、昭和切手の専門収集となると11月使用が意味があるのでしょうね。
まぁ、僕のアルバムにはこれで十分ですが。
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パソコンとiPadとiphone [雑記]

一般的に郵趣とパソコンが切っても切れない縁となって、随分と経ちます。
僕が初めて入手したパソコンは、NECのPC-98VFでした。
今でもよく覚えていますが、5インチ2DDのペラペラのフロッピーディスクで、RAMは256キロバイト。
ソフトは一太郎バージョン1とデータベースにdBASE2を使っていました。
ですが、根っからの文系である自分としては「もっと使い良いものはないか」と日々思っていたところに出会ったのが、MacことMacintosh。SEという機種でした。
それ以来30年間ずっとMacを使っています。

iPadもiPhoneも日本発売の初代から使っていて、今ではそれらとMac2台が全てがクラウド上で繋がっているので、どこでも作業ができます。

リーフはPagesで作り、ファイルメーカーでデータベースを作り、iBooksでPDFを管理、Keynoteで講演用のスライドを作り、そしてメモで文字通りメモを書き溜めています。

リーフ作成とデータベース作成はMacで行いますが、その他の情報収取はお手軽なiPadで大部分を行なっています。
ホテルやスタバ、プロント、マックなど街中のいたる所でWifi接続ができますし、移動中の電車などではポケットWifiでネット接続ができます。
iPadやクラウド上にギッシリと郵趣情報が詰まっているので、どこにいても郵趣ネタと繋がることができます。
10年前にはパソコンが中心だったので、ここまではお手軽ではなかったのですが、iPhoneとiPadのお陰で、以前には考えもしなかった郵趣環境を得ることができました。
こうした環境は、積極的に郵趣に使うべきだと思います。
企業の設備投資のようなものと考えればよいかと。
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逓信記念日小型シート [日本切手]

雪で大変な目にあってます。
仕事に行こうと玄関を開けたら、新雪が積もって道路まで出れません。
1時間ほど除雪をして、ネットで交通情報を見たら鉄道もバスも全てが運休で、国道8号線では車1500台が身動き取れないと。
で、あっさりと年休で休みました。
昼過ぎには、130センチを超える積雪。

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画像は「逓信記念日小型シート」。
戦前の記念・特殊の中でも、お高い切手として有名ですね。

大学生の時にカメリアのメール・オークションでの落札品。
ボストーク図入りアルバムの穴埋めですから本来は未使用が欲しかったのですが、予算との関係で状態に難のある超格安の特印付きとなったわけ。

図入りアルバムの穴埋めをしている方のアルバムを見ると、大抵この切手は空白となっています。
発行枚数は2万枚と超少ないのですが、収集用にはかなり残されているので入手には困らないはず。
やっぱり、お値段がネックですかね?
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「小判をあつめる方々に」 [文献]

郵趣界でドクターと言えば、今も昔も市田左右一氏と相場が決まっていて、このことは伊藤由巳さんが何かに書かれていました。
郵趣界には、物理や工学、更には文学などの博士号を持たれた多くの方がいらっしゃいますが、今後もドクター=市田氏というのは郵趣界では誰もが認める不動の地位でしょう。

そんな市田氏が、手彫切手にある程度の目処を立てた次に開始したのが小判切手の研究でした。
しかしながら、道半ばで亡くなられてしまったので大成とまではいきませんでしたが、その一端は『全日本郵趣』に発表されています。

1976年と言えば小判切手が発行されて100年の年で、子供だった自分でもこの年のことはよく覚えています。
もちろん春の全日展でも小判切手の特別展示がありました。
その時のカタログの表紙が下の画像です。

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カタログには、下に示す市田氏による「小判をあつめる方々に」と題する解説が6ページに渡り収録されています。
本稿は、用紙、実用版、目打、刷色、消印という小判切手の面白さである要素が、限られたスペースの中で表や図を用いて要領よくまとめられています。

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当時あまりこうした情報がなかった小判切手、特に旧小判切手については、本稿を読んで初めて収集の方向性を知った方もいらしたのではないかと思います。

展覧会カタログという参観された方のみしか入手し得ない媒体であったため、意外とその存在を知られてはいないのですが、小判切手の研究史には欠かせない一文だと思っています。
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埼玉北本局の風景印 [風景印]

風景印には歴史的資料が多く描かれていますが、その中でもかなりマニアックな題材を選んだのが埼玉県に幾つかあります。
下の画像は、その中の一つで北本局のもの。

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僕が注目したのは、局名の下に並んだ石造物。
これを見てすぐにわかる人は、歴史好きでも超マニアックな人ですね。
この石造物は「板碑」という中世に造立されたもので、形を変え、数の多い少ないはありますが全国的に分布しています。
その中でも「板碑」中の「板碑」と言えば、旧武蔵に分布する緑泥片岩を素材としたもの。
用途は主に供養塔なんです。墓石ではありませんよ。
僕も学生時代にたくさん調べました。

どんなものかと実物をお見せすると、こんな感じの石造物なんです。

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まさか、こんなものまでが図案となっているとは、当時は思いませんでした。
風景印って、やっぱり面白いですね。
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