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『北陸郵趣』716号 [文献]

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『北陸郵趣』716号が、購読者の皆さんの所に届く頃と思います。
今号は、トップに今年の全日展入賞作品の中から、俘虜郵便を主題とした郵便史作品を掲載しました。
俘虜郵便は興味深いテーマで、僕も集めてみたいと思ったことがあるのですが、資金的に見ると最終的に行き詰りそうな感じがしたので、思っただけで終ってしまいました。
でも、こうして作品を見るとやっぱり魅力的なテーマですね。

軍事郵便には全く興味が湧かないのですが、俘虜郵便は歴史としての視点から見てもなかなか興味深いものが有ります。
来月号に続く連載です。

あとは、インドネシア展参観記と、僕の全日展参観記が3回連載でようやく終りました。
前者の参観記は、肩の凝らない記事として面白いと思います。これもいただいた原稿が長文なので連載です。

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マーチンのアルバムより [外国切手]

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画像は、マーチンのアルバムに収められている1/2pの切手帳からの1リーフ。
昨日の日誌で、2000年頃にリタイアしてしまったと言ったもの。

僕のマーチンは、シート切手、コイル切手、切手帳が数リーフずつで1額面を構成するというパターンが基本でした。

80年代の頃までは、紙付きを剥がして変種調べなどもしたのですが、だんだんとバカらしく(早い話しが根気が無くなった)なったので早々にそれは止めてしまい、今でも仮貼に貼ったり、ストックブックに入れた残骸が残っています。

画像の1/2pですが、数あるマーチンの中で最も好きな切手の一つです。
明るくて、いい色してると思いませんか?

マーチンもロングセラーなので、最近では使う色が無くなってしまったのか、感心しない色が多くなりましたね。
80年代までは、良い切手が多いです。
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『英国切手部会報』191号 [文献]

『英国切手部会報』191号が到着。
封筒の中が何やらゴワゴワしています。「何だろう?」と思いながら開封をすると下の図のDVDが入っていました。

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今年開催されたミニペックスの作品集で、20作品がPDFファイルで収録されています。
それと、特典として1年分6冊の『部会報』もPDFで入っているという太っ腹です。
これはいい企画です。
ありがとうございました。

そもそも、PDFだとiPadに入れてどこででも見れますから、便利ですね。
出張などにも持って行けますし、紙媒体でこれだけの内容を持って歩いたら、それだけでカバンが膨れちゃいますから。

ただし、あくまでPDFはサブとしての存在にしかなりません。
基本は、あくまで紙媒体です。
僕のように全ての雑誌を集め、数十年前の記事なども資料として使う身にとっては、本棚からすぐに取り出せて閲覧できる紙媒体以外は考えられません。
例えば、現在所有している数万を越える雑誌記事がPDFでしか無かったと考えたら、そのファイルを探すだけでもゾッとします。

さてさて、今回の『部会報』で気になるのは、DVD収録作品とも連携している梅澤和男氏による「目指せ!プチ完集」。
これだけでは、何が「プチ完集」なのかわかりませんが、あの超ロングシリーズのマーチンのことなのです。
2000年位でマーチンにギブアップした身にとっては、「あー、変なものを見ちまった」というのが、正直なところ。「忘れかけてた女を思い出しちまった」とでも言いましょうか。
なんか気になり出しちゃいましたね。マーチン。どうしましょう。

何事も、収集には工夫が必要ということなのでしょうね。


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" SCOTT Standard Postage Stamp Catalogue 2013 " San-Z [文献]

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アマゾンから『スコット・カタログ』の最終第6巻が到着。
今回のお値段は8,150円ですが、全巻では49,860円(送料無料)になります。これが郵趣サービス社で買うと76,800円(送料込み)ですから、その差は26,940円にもなります。
これだけの差額が出ると、切手がたくさん買えますね。

第6巻は1,600ページのボリュームで、全巻を並べると25.6cmにもなります。1冊づつ持っても、ちょっと限界に近い重さと厚さのため、数年後には7分冊化になっているかも知れません。

こうして、各国がズラッと並んだ状態で見ていると、自分の興味の無い現代物にも「あっ、こんなのがあったんだ」と気付くことが多いですね。
今回、感心したのはスロバキア。
あの伝統的な凹版切手のチェコ・スロバキアの流れを汲むだけに、感心する切手がズラリと並んでいます。
こういうのを見ると集めたくなってしまうので、結局はカタログを見ながら自分の首を絞めているようなものですね。
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遅々として進まないよ(スロベニア) [外国切手]

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もう何年も放ったらかしのスロベニアのチェーン・ブレイカーズ。
10年以上前に入手したまま、大形ストックブック1冊分は仮貼りしたものの、まだ、超大形ストックブック1冊が未整理のままの放置状態。
こんな状態を見ていると、「切手収集には向かないのでは?」などと自分でも思いますね。

画像は、その仮貼りリーフからの1枚で、赤丸の中が版欠点です。
この切手は、印刷、用紙、版欠点ともに、その異常とも思えるバラエティが楽しめますが、最近はカバーの値段が昔と比べるとだいぶ値上がって来た感じがするので、使用例をどうするか考えもの。

それにしても楽しい切手です。
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やっぱり昔はすごいなぁ [雑記]

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明治時代には、受取人転居などのために、その受取人を追ってあちこちへと転送を繰り返している使用例を見かけることがあります。
そんな使用例を見ると「古き良き時代だな」なんて思いますね。

上のカバーは、昭和25年の使用例なのですが、東京の千歳局で抹消されて山口県へ送られた通常郵便物です。どこにでもある使用例ですね。
この宛先が「山口県田布施局区内」と配達局だけを書いて、あとは受取人の氏名だけです。
今だったら、配達してくれるかなぁ・・・。
田布施局の配達件数がどの程度なのかは知りませんが、昭和25年当時はこの程度でも大丈夫だったのですね。

配達局名が書いてあるので好きなカバーです。
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『駅逓局統計書』 [文献]

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明治19年発行の『駅逓局統計書』の復刻版。
書名が示すとおり、駅逓局の様々な統計が網羅されています。収録範囲は明治4年から17年までなのですが、編纂当時に既に古い記録が散失してしまっていたと考えられ、データの中心は小判切手の時代となります。

僕がこの本で一番面白く感じるのが、各郵便局の定員表で職名ごとの定員が細かく掲載されている点です。これなどは各郵便局の格付けを比較するのによい資料となります。
また、各郵便局が管轄する売り下げ所や郵便函の数などもなかなか興味深いデータです。

外国郵便物なども、局別、線路別、方面別、種類別など色々な視点からのデータが網羅されていて、こちらもなかなか役立ちます。

こうした本は、人気が無くて買い求める人は少ないのですが、マテリアルの表面のみではなく、ちょっと突っ込んだ歴史的な事情などを考える時には、本書のような資料はとても役立つと思います。

ヒマな時に眺めるにも、面白い本だと思いますね。
必ず「へーっ」と思うことが載っているはず。
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三五六葉書の6銭使用済 [日本ステーショナリー]

ステーショナリーの難関、三五六葉書。
そして、その中でも最難関として有名なのが6銭葉書ですね。

長いことその6銭葉書の使用例は公にされませんでしたが、それが突如現れ、金井オークションに掛けられたのが、1977年4月22日。下の画像が、そのオークション誌からの写真とノートです。

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それがどれだけセンセーショナルなことであったかは、『郵趣』5月号に巻頭カラーで「三種揃った〈三五六〉の使用済」として紹介されていることからもわかります。
そこで思ったのが、オークションが4月22日開催なのに、それよりも早く印刷に入っていると思われる『郵趣』誌にカラーで紹介されていること。うーん。なぜだろう。オークション主催者の好意かも知れませんが、記事には主催者名が出てきませんね。

最低値は50万円。
そして、落札値は125万円でした。
美しいカラー図版が、『天野安治コレクション』下巻の巻頭カラーに掲載されており、解説には「日本はがき類の王様」と記されています。
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菊外信用切手帳 [雑記]

初期の頃の切手帳って「そんなに沢山綴じてあって、なんでそうなるの?」
と思うのが幾つもありますね。

で、ちょっと数字遊びで、今だったらどのくらいだろうということで、ちょっと計算してみました。
最初は、蕎麦の値段で比べようかと思ったのですが、どうせなら郵便料金で考えようかと。

材料は、菊切手の外信用切手帳で発行は明治40年。
ちなみに、蕎麦の値段は1杯3銭です。
綴じられている内容はというと、以下のとおり。
2銭×12枚、4銭×36枚、10銭×18枚で、売価は3円50銭。

この枚数をもとに平面路便料金で考えると、
70円×12枚=840円、60円×36枚=2,160円、90円×18枚=1,620円で、額面合計が4,620円にもなります。

額面4,620円分の切手なんて、家庭で置いておく金額ではないですね。
会社だったら、シート買いでしょうから、やっぱり企画が中途半端としか考えられません。
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大統領シリーズ [外国切手]

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画像は、大学に入った頃まで比較的熱心に集めていた大統領シリーズから2セントの切手帳ペーン。
あの頃に集めたものは、ほとんど手元に残っていなくて、他のマテリアルに化け損なった残骸がチラホラと残る程度です。

これまでにも何回か、大統領シリーズを復活収集しようかと考えたことがあるのですが、今一つ踏ん切りが付かなくて、依然としてそのままの状態なんです。

例えば、まとまったコレクションをちょっと奮発して買ってみるとか、誰かに背中を押されるようなことがあると走り出してしまうと思うのですが、幸か不幸かそのような状況にはならないでいます。

このシリーズの時には、米軍が世界中に展開しているので使用例的にも興味深いとは思うのですがねぇ。
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『鳴美スタンプ10周年特別オークション』カタログ [文献]

平成2年開催だから、もう22年も前。
早いですね。オヤジになるのは・・・。
よく考えると「次男が生まれた年だったのだなぁ」と。

ジャペックスのブース内で、数人が集って開催されたオークションだったと思います。
「どんな様子だろ」と思って、チラッと覗いたのを覚えていますね。

僅か69ロットのオークションなのですが、出ている物がスゴい。
フレッチャー旧蔵の手彫切手のエッセイ。(このカタログの方が、ロブソンローのカタログの写真より美しい)
和紙桜20銭政府印刷。
青一8版のサドルペア。
小島勇之助旧蔵の和紙4銭7版のシート。
ウィリアムズ旧蔵のサザーランド切手1/4分。
そして、下の画像の墨六カバーの超名品。

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上のカバーは最低値1,250万円です。
表紙がまた、いいですね。
日本のオークションの表紙では一番良いと思っています。
「切手は美術品だ」みたいな感じで。
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『日本郵便切手明鑑』昭和29年版(その2) [文献]

9月3日の日記で『日本郵便切手明鑑』昭和29年版を紹介したのだけど、この29年版から重要な分類が採録されています。

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画像の富士鹿切手のページがそれで、横2段組みの右側がその部分です。
もう、おわかりですね。
富士鹿改色旧版の分類がカタログとして初めて採録されたのが、この『日本郵便切手明鑑』昭和29年版なのです。

これって、けっこう忘れられちゃっているのですよね。
豆知識として覚えていて損はないと思いますが。
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地元の丸一形印 [日本郵便史]

地元と言っても、僕のばあいは仕事の関係でたまたま住んでいるだけであって、別に死ぬまで住むわけではないので、その点からすると愛着というのは全くありません。

郵趣の世界でご当地物となると、切手展なのでよく目にする「●●の郵便印」ということで、その初期消印となると、往々にしてとんでもないほどの出費となります。
地元の人から見ると、やっぱり愛着が有るので高くても手に入れたくなるのでしょうね。

そんなのを横目で見ながら、資金をかけずに多少地元の雰囲気にでも浸ろうかと、十年ほど前から始めたのが、丸一形印による収集です。
地元局の全局揃いを目指してもいいし、単一局で年代を追ってもそれなりに楽しめます。

初期消印のように競争にはならないので、マイペースで進められますし、現在までに小局も含めてそれなりに進行中。

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画像は、同一はがきからの抹消印と配達印で、データは「越前福井/21年11月16日ニ便」と「越前吉江/21年11月17日イ便」。

ご存知のように丸一形印は、明治21年9月1日から全国で一斉に使用が始まっているので、その初日例にどれだけ近づけられるのかを一つの目標としています。
現在のところ、上のデータが手持ちでは一番古いもの。全国レベルではなくて、地元レベルでこうしたものを追いかけるのは、ちょっと骨が折れます。
福井局なんてのは県下で一番の大局なので、そのうちに初日使用の入手も夢ではないと思っているのですが、こういうのは即売も含めて、どれだけ量を見るかに左右されますね。
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「青一エンタに話題を求めて」 [文献]

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1977年3月発行の、切手文化会『モダン・フィラテリー』2号に掲載された、伊藤由巳氏の「青一エンタに話題を求めて」。
青一病の重傷患者と自他ともに認められていただけに、なかなか面白い記事です。
それぞれ特徴のあるカバー4通を例題に解説が進むのですが、特に気に入ったのが画像に並んでいるうちの、左側の明治5年8月27日に土浦から勝沼に宛てられた龍200文と青一との混貼カバー。

土浦局は、明治5年7月の開局で、同年3月から7月にかけて我孫子から土浦付近の各局を小田氏という郵政官吏が巡回し、切手を配給している記録が残っているそうで、このカバーに貼られた200文切手も、その小田氏が土浦局の開局にあわせて配給したものと想定されています。

こうした面白い切り口から解説されるのは、伊藤由巳氏ならではの発想とユニークさだと思いますね。
なかなかできることではありません。

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『カナイ・パブリック・オークション』第137回 [文献]

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9月12日の日記で、146回『カナイ・パブリック・オークション』を紹介したので、137回も紹介しないと片手落ちの気がするので、今日ご紹介するしだい。
なぜ片手落ちなのかというと、137回も146回と同じイタリア・トリノの外科医ロジア氏のセールです。

前回は手彫で、今回はガラッと変わって南方占領地。
もちろん彼のコレクションは、日本の近代物までズラッと揃えた、いわゆる日本ゼネラルでした。日本ゼネラルを目指しているコレクションは多いですが、南方占領地まで含んでいるのは少ないと思います。ましてや外人さんてせすから、ここまで徹しているのは珍しい。

今回の南方占領地は各地区が揃ってはいるものの、ちょっと難しいマテリアルは含まれていません。
例えばマラッカだと統一加刷以後であり、それ以前は含まれていません。また、海軍担当地区になるといっそう寂しさが増します。
ただ、ビルマ地区は他と比べるとまとまっており、画像右は孔雀加刷の図版ページです。

日本市場で、南方占領地切手の絶対量が少なかった1976年当時では、貴重なセールだったのではないかと思います。
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『思い出の消印集』 [文献]

消印好きなら、皆さんお待ちの荒井国太郎氏『思い出の消印集』。
氏は、コレクションというよりも資料として消印を収集していたと見え、自身が考案した特注用紙をせっせと各郵便局に送って押印をしてもらっていました。

そうして得られた印影の中には、貴重なデータも多く、その用紙ごと掲載して編集したのが本書で、『思い出の日附印集』と2冊にまとめられています。
しかし、刊行された経緯が経緯だけに、恐らくそれまでに失われてしまったデータも多く「実際は、もっと貴重なデータがあったのでは?」と勘ぐりたくなる気持ちもあります。

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そんな貴重な印影が残された中から2題です。

左は、南洋群島フアイス局。
南洋と言うと、ポピューなサイパンとかトラック。そして、ヤルート、クサイならよく聞きますが、フアイスと言うと聞いたことが無い人が多いかも知れません。ヤツプ支庁に属する島なのですが、これは珍局ですね。
題切手が乃木2銭なので、今ではそのスジの大家のコレクションに収まっているはず。

右は、一転して北の端である樺太の豊原。
和文印ならあちこちに有りますし、僕も入手済。それが欧文印となると、この他にも有るのかしらねぇ・・・。どうなんでしょ?

こんな感じで、珍印が色々と載ってます。
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昭和切手と昭和白紙 [日本郵便史]

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画像は、第1次昭和切手4銭と昭和白紙30銭を貼った速達便。
4銭は封書料金で、30銭は市外8キロまでの速達料金ですね。消印のデータはと言うと「福井・鯖江/13. 3. 9/后4-8」。
昭和13年の使用例なので、まだ厳島神社30銭の発行前なので田沢型30銭でぴったりです。

意外と、こうした異なったシリーズの切手が貼ってあると嫌がる人が居るのですが、僕は好きですね。
切手発行の歴史的な背景がわかって、面白いと思うのです。
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鉄道郵便の臨時便 [雑記]

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『いずみ』をパラパラ捲っていたら昭和51年の145号に画像のような記事がありました。
「年賀特別郵便列車について」と題して、大阪鉄道郵便局で年賀輸送に対応するために、多くの臨時便を開設したという報告で、臨時郵便列車の一覧が掲載されています。

言われてみれば、「あぁ、そうだよなぁ」「こういうのがあって当たり前だよな」と思うのですが、実際は、こうした記事を目にするまでは考えもしませんでしたね。

郵便マークを付けた列車、懐かしいですよねぇ。
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『カナイ・パブリック・オークション』第146回 [文献]

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金井スタンプ商会のネームセールと言えば、グルックナー、コレイヴォ、ペプロウ、ワイスブレムなどがよく知られたところ。
それらと比べると知名度において数段落ちるのが、今日ご紹介する第146回オークションのイタリア・トリノの外科医、ロジア氏のセール。

ロジア氏は、フィラ東京71で特別賞付金銀賞、そして74年のストックホルミアでも金銀賞を受賞している。
カタログを見ていると派手さはないものの、ヨーロッパでコツコツと努力をしながらコレクションを作って行ったのがよくわかります。
青一では19版がありませんが、そんなことはいいでしょう。
僕は、派手なコレクションよりも、こんな感じのコレクションを目指したいですね。

右の画像の和紙10銭の15枚ブロックは小エラーを含んだもので、レビー旧蔵品。本コレクションの中でも光っています。

その他、在日外国局に『沿革志』を含む各種贈呈帳、ステーショナリーなど、捻ったものはありませんが、広く浅く集められた手彫切手コレクションと言えます。
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『日本の占領切手 英領地区の解説とチェックリスト』 [文献]

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本書は、1969年に南方切手研究グループが編集し、金井スタンプ商会から300部限定で刊行されたものです。

本書以前には、同会から「日本の南方占領切手の研究」として、1962〜67年にかけて『関西郵趣』とそれを統合した『全日本郵趣』に連載された記事があり、これは以前に本ブログ(2012年3月14日付)でも紹介したことがあります。
1970年代までの占領地切手を詳細にまとめた記事で日本語のものだと、上記の2冊だけだと思います。というわけで基本文献ですね。

本書の良いところは、B5判という大きさを生かして、単片と加刷の図版が実物大であるところです。
加刷などは拡大すれば良いというものではなくて、やはり実大が一番比較しやすいですね。
拡大しすぎると変に強調されてしまい、本物のイメージというか感覚が死んでしまうのです。その点、本書はよく考えられていると思います。

分類の大枠は現在でも踏襲されているので、『日専カタログ』に馴れてしまっている人でも読むのに困らないと思います。
各切手の解説も要領よくまとまっており、本書の内容を理解していれば、なかなかの南方ツウになれるのではないでしょうか。
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「青は藍より出でて」 [文献]

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画像は、1966年1月発行の『JPC-UWA フィラテリック ダイジェスト』No. 98より伊藤由巳氏による「青は藍より出でて」。

伊藤氏の文章はいつも軽快で、僕には絶対に真似の出来ない文章なので、読んでいて楽しいから好きですね。
本文もいかにも伊藤氏らしい文に仕上がっています。

タイトルだけでは、中身まで想像することは難しいかも知れませんが、「青」と「藍」がキーワードとなれば、勘が良い方なら桜切手和紙青1銭のことだとピンと来られるかも知れません。

伊藤氏は、自他ともに「青一病」と称せられていましたし、最終的には『和桜青一集』という写真集まで発刊されています。
その写真集が最終形態とすると、本文には青一に対する最初の一歩が記されています。

市田博士から聞いた講義が元で、青一病が発症し、それが段々と重傷化していく過程が面白く記されています。
それにしても、切手商の店頭でで青一を50〜60枚買って2〜3万円とは羨ましい限りですね。物価を考慮しないでの話しですが・・・。

郵趣史の一コマとして読むと、なかなか面白いですよ。
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配達局名の記載 [日本郵便史]

以前の日記に、震災葉書の配達局名記載について書いた事がありました。
手持ちの震災葉書百数十枚のうち、きちんと書かれていたのは4枚だけという結果だったと思います。

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画像は、ずっと新しくなって2円の議事堂葉書。
消印データは、「福岡/25. 8. 28/後0-6」で日本ゴムの広告印です。
この葉書には、きちんと「羽犬塚局区内」と配達局名が書かれていますが、この時期の葉書を見ても配達局名の記載率は、かなり少ないですね。
手元のものを見ても、100枚の内1枚なんて無いのではないでしょうか。
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震災10銭の欧文ローラー [日本切手]

いつも、色々とお世話になっている知人から、『たんぶるぽすと』にご自身で連載中の「神戸郵便局の欧文ローラー印」掲載号をいただいた。

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上の画像は、「そう言えば、手元にも欧文ローラーがあったはず」と震災切手の仮貼リーフを出して来たところ、やっぱりありました。
10銭のタイプ1に「KOBE2 JAPAN/20. 6/24」のデータです。

氏によると欧文ローラーで他局は未見とのこと。
「へぇー、そうなんだ」とびっくり。
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" Ryukyus Handbook " [文献]

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子供の頃は、沖縄切手は好きでは無かった。
どうも、あの独特のトピカル的なところが受け入れられませんでした。
それが一転して興味を持ち出したのは、20代も後半になって、たぶん30歳近くになってからだと思います。

沖縄切手関係の本が色々と出版されるようになったのは、ここ十数年のことだし、それまでは沖縄切手のまとまった概説書と言えば、『沖縄切手ハンドブック』と本書だけでした。
本書の歴史は古く1962年なので、『沖縄切手ハンドブック』よりも11年も古いということになります。

本書はA4判238ページという大冊の中に、琉球略史に始まり、戦後のスタンプレスや加捺時代を経て、正刷切手時代の切手とステーショナリー、小型印や戦前の風景印、変わったところでは公式初日カバーのカシェなども収録されています。また全郵便局の開局・廃局リスト、米軍の軍事郵便局リストという大変有益な資料も採録されています。
ただ、戦前の日本郵便時代についての専門的な記述は記されていません。これは、1962年という刊行年の時代背景を考えると仕方がないものと思われます。

沖縄関係にご興味のある方は、ぜひ手元に置かれておくとよい1冊だと思います。
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スイス・ゴッタルド線開通75年 [外国切手]

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久人ぶりに切手の紹介です。
画像は、スイスが1957年2月27日に発行した「ゴッタルド線開通75年記念切手」です。

ゴッタルド峠の下にトンネルを掘って作った鉄道線の開通75年を祝ったものですが、トンネル工事では200人以上の労働者が亡くなったとか聞いています。

スイスには、このトンネルとか、シンプロン・トンネルなど幾つもの長大トンネルがありますが、今でこそ電化されているものの、初期の頃は蒸気機関車による運転だったとか。
そこで、こうした長大トンネルを実際に自分が列車に乗って通過している時に、「こんな長大トンネルを蒸気機関車で走って、煙でよく窒息しなかったなぁ・・・」と思ったものです。
実際はどうだったのでしょうかね。

昨日の日記に書いた、探していた本が見つかりました。
子供部屋の間借りスペースに平置きだったです。
見つけた時には、嬉しかったなぁ。
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全くムダな2時間 [雑記]

今日は、代休で休み。
というわけで、午前中から郵趣誌に掲載するための原稿を書いているので、確認するためにある本を探すこと2時間、どこへ行ったやら全く出てきません。

机上の本の山の下の方にあるはずが、いくら山を崩しても出てきません。
どうしちゃったのでしょう。

押し入れなどには入れてないはずです。もし、入れてしまっていたら、もう出てきませんね。
部屋の床に積み上がっている本の山をどこかへ(そのどこかがまた問題)移動して、押入を開けて順番に段ボールを開けてなんて、とてもじゃないけどやってられません。
ほとんど、引越しのような作業です。

で、探している本ですが、部屋の中に積んであるのを見ても見つからないし、隣の部屋(子供部屋にも間借り中)かと思って見てもありません。

1階に下りて、リビングの本棚にも無いですし、廊下の本棚にもありません。

どうしようかなぁ・・・。本格的に困っています。
せめて、パッと見れる程度には整理しておけばよかったです。
今さら後の祭りですが・・・。
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『袋井郵便御用取扱所史料』 [文献]

大形検査済印を押しても、どこで取り扱われたのかがわからないので、その欠点を解消するために大形地名入検査済印に変更されたという話しは、皆さんも「どっかで聞いたな」程度には、ご存知のことと思います。

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上の画像は、東海道の「袋井郵便御用取扱所史料」に出て来る、大形地名入検査済印への変更を伝える文書です。
しっかりと「地名がないので不都合」「各駅で作りなさいよ」と書かれています。
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『日本郵便切手明鑑』 [文献]

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一昨日の日記で『大日本郵便切手類鑑』の内容が、意外にも専門的であったことを紹介しました。
今日、ご紹介する『日本郵便切手明鑑』は、これまでに最も権威ある専門カタログとして位置づけられていますが、最終版が昭和42年に出版されてから45年も経つので、けっこう忘れられた存在のカタログだと思います。

上の画像は最終版では無くて、昭和29年の第3版です。
もちろん最終版も所持しているのですが、なんでわざわざもっと古い版の画像を持って来たのかと言うと、昭和29年と言えば、他のカタログが単なる値段表の域を出ていなかった時代に、このようなカタログであったという事を知ってもらいたかったからです。

本文画像は、一例として手彫和紙黄色2銭切手のページです。
どうです?
これが昭和29年のカタログです。その内容に驚きませんか?

記念切手のページには、バラエティの採録はもちろん、発行の経緯なども全て記録されています。
つまり、『日本切手専門カタログ』とは言いませんが、『新日本切手カタログ』のスタイルがこの時点で確立されていたのです。

本文は、昭和29年版で236ページ。昭和42年版で358ページです。
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『北陸郵趣』715号 [文献]

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購読者の皆さんのお手元に『北陸郵趣』715号が届く頃と思います。
今号の「タイトルリーフの作成方法」については、競争展出品者には必読の記事です。海外の優秀なタイトルリーフを材料にして解説してありますので、わかりやすい内容に仕上がっています。

国内展では、タイトルリーフに問題がある作品が目につきますので、ぜひ本記事を熟読していただきたいと思います。

いつも不思議に感じるのですが、マテリアルにはすごい資金をかけるのに、自分の努力で改善できるタイトルリーフには、全く興味を示さない出品者が多いですね。

新たな購読希望者は下記までご連絡ください。アットマークは@に直して送信してください。
stamp2000アットマークmac.com
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『大日本郵便切手類鑑』 [文献]

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元祖『日本切手カタログ』ですね。
画像のものは、大正6年の初版です。初版といっても「増補訂正」となっていますが、一番最初のものは『郵楽』の付録として出されているので、独立してからの初版ということ。

大正6年というと、今から95年も前ですが、その割にはよく出来ていると思います。さすが郵楽会と言えます。

例えば、和紙桜切手1銭には、用紙に無地紙と縞紙、目打のバラエティは15種、変種は2種が登録されていますし、原版数は9面と記されています。
内容的な正確さを今のレベルと比べるわけにはいきませんが、大正6年当時でこのレベルまで分類されているのは、ちょっと驚きです。

各切手には、それぞれ解説が付いていますし、日本切手収集上の注意なども書かれており、その後に続く『日本切手明監』などの専門カタログの初源に位置づけられるものです。
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