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大統領シリーズ [外国切手]

大統領シリーズと言えば、米国の通常切手。
入りやすい切手ではあるのですが、製造面ではやや面白味に欠ける切手です。
その代わり、使用面では米国が世界展開していた時期でもあるので、ワールドワイドな展開になります。

下の画像は、その大統領シリーズを図案とした切手。
発行したのは米国ではなくて、マーシャル諸島で2005年の発行です。

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マーシャル諸島も、人気図案である「切手の切手」として適当に発行したわけではなくて、米国の信託統治領時代に実際に使用していたので、こうして発行する理由はあるのです。

ただし、出来は悪くて「なんだかな」という感じです。
このシートの面白いところというか、注目されるのは左上にあるズラリと並んだカラーマーク。
数えたら18個ありました。

もしかしたら、世界最多のカラーマークかも知れません。
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旧版改色富士鹿8銭 [日本切手]

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日本切手を、カタログコレクション的に集めている人は多いと思います。
というか、大部分の収集家はそうでしょうね。
また、あるシリーズを専門的に集めている人でも、専門以外の日本切手全般を程度の差こそあれ、カタログコレクション的に集めていることと思います。
(まぁ、最近は稀に自分の専門以外は全く見向きもしない、収集家もいらっしゃいますが・・・)

カタログコレクションでは、大抵は安価な入手しやすいマテリアルから手に入れていくのがスタンダードで、最初は面白いように揃っていきますが、あるところに来ると壁に突き当たります。
おそらく、それが画像の旧版改色富士鹿8銭ではないでしょうか?

カタログコレクションの1つの節目が、旧版改色富士鹿8銭だと僕は思っています。
「たかが富士鹿の単片に数万円」と思うのが、正直なところですね。
でも、これを入手してしまうと収集に弾みがついて、続く大物、例えば昭和11年年賀シートや冠10銭、逓信記念日小型シートなどの入手への足場となります。

旧版改色富士鹿8銭。
収集を進めて行くにあたっての、キーポジションに位置する切手ではないでしょうか。
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韓国・革命1周年小型シート [外国切手]

画像は、韓国が1962年5月16日に発行した「5・16革命1年」からの1枚。
この2枚の小型シート。一見すると同じに見えますが、左が最初のもので、右が修正再発行のものです。
さて皆さんは、なぜ修正再発行されたのか、おわかりになりますでしょうか?
とりあえずは、じっくりと見比べてください。

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わかりましたか?
一番上に書かれているタイトル文字の、しかも一番最初の単語。
最初の発行は " POSTAG " で、修正再発行は " POSTAGE " になっていますね。
そうです。最後の " E " を抜かしてしまったわけ。
それで修正の上、再発行になったんですね。

正確に言うと、用紙も違うのですが、それは二次的なことなのでいいでしょう。
この時に小型シートは3種発行されたのですが、全てにこの修正が見られます。
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富士山頂 [風景印]

先日、同僚から「これいりませんか〜」と声をかけられました。
手にしていたのが、下の画像のもので富士山頂局の風景印。

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業者さんからいただいた暑中見舞いだそうです。

こうしたものに風景印、しかも山頂局を利用するなんて、どんな方なんでしょうか。
葉書も会社のお手製を使っているので、偶然ではなくて、最初から計画的に風景印で発送するつもりで用意しているところがマニアック。

何通発送したのかはもちろん知りませんが、来年から季節局シリーズで、あちこちと場所を変えて発送してくれないかなー。
なんて思っているのは、たぶん僕だけでしょうね。

それにしても、職場で郵趣家であることが認知されていると、皆さん気をつけてくれて、色々といただけるのが有難いですね。
中には、わざわざ家に来たものを持って来てくれたりもしますから。
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竜5銭 [日本切手]

手彫切手は好きだけど、それは桜切手であって、どうも竜切手は好きになれません。
そもそも、「日本」とも「郵便」とも入ってないし。
まぁ、興味がない切手はそんなに買わないので、竜銭切手なんてのは各額面1枚ずつしかありません。
カタログコレクションの必要最低枚数ですね。
そんな中にある、5銭切手が画像のもの。

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一番ポピュラーな青色の脆弱紙で、ポジションは32。
ホントはもうちょっと頑張って色を増やすと、この切手の特徴が出ていいのでしょうけど、ゼニが無いので、好きでも無い切手に義務で散財する必要もないかと。
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文革切手 [外国切手]

22日の記事で解放区切手を紹介したら、孫文さんから
「今じゃそんな値段ではとてもじゃありませんが入手出来ません」
とコメントをいただきました。

中国切手の値上がりは知っていましたが、解放区もそうだとは知りませんでしたねー。
てっきり、建国以後の1970、80年代までのことかと・・・。

実は、こんなのもあるんです。

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中国切手は、それこそ1種1枚のボストークの図入りコレクターで、しかも未済混合です。
ですが、収歴は長いので文革切手レベルまでなら、なんとか揃っています。
もちろん、以前の安い時に買ったもので、今だったら、とてもとても買う気がしませんね。
まぁ、その程度の集め方ですから。
そんな集め方で、気が向いた時に集めるだけでも40年続ければ、ここまではなんとか集まります。

画像の切手もヒンジ付きを、安く買ったもの。
以前(80年頃)は、神保町の中国書店でも中国切手を扱っていました。
お値段は切手商で買うよりも、かなりリーズナブルだったと記憶しています。

あとは超難関「梅蘭芳舞台芸術」ですが、これはムリ。
永遠に、図入りリーフはブランクのままでしょうね。
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モンゴルの赤い新幹線 [外国切手]

昨日、モンゴルの話をしたので、モンゴル繋がりで今日は切手ネタです。
下の画像は、1979年に開催されたハンブルグ国際運輸通信博覧会の記念切手で、モンゴルが発行したもの。
9種セットで、蒸気機関車から実用化前の実験車両まで様々な車両を描いており、その中に日本の新幹線も入っているのですが・・・。

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ご覧の通り、有り得ない赤い新幹線。
色々な国から新幹線を描いた切手が出されていて、その中には、よく見ると本物とはだいぶ異なる切手もけっこう有ります。
ですが、色を間違えた切手は、たぶんこれだけではないでしょうか?
それにしても赤とはねぇ。
どこを、どう間違えればこんなことになるのでしょう?

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『水原明窓モンゴル切手展』パンフレット [文献]

水原明窓氏と言えば『華郵集錦』ですね。
その中で、僕がもっとも好きなのが「モンゴル郵便史」。
この本が出るまで、モンゴルのことは全く知らなかったのですが、その解説を読む度にモンゴル郵便史の魅力に引きつけられていきました。まさに名解説だと思います。
幸い、集めようなどと言う、無謀な気持ちにはなりませんでしたが。

そのモンゴル郵便史が、1991年にウランバートルで展示された時の解説パンフレットが画像のもの。

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僅か8ページのものなのですが、局別の消印データ(しかも地図付き!)とか、ロシア、中国、モンゴルの事業主体別の初期郵便史が、カラーのマテリアルとともにまとめられています。
こんな限られたスペースに、これだけの内容を盛り込んだ有益なパンフレットを見たことがありません。

パンフレットにこれだけのアイディアを考え、割付した水原氏の思い入れが伝わる貴重なものです。
この種のパンフレット作成の見本としても、教科書的な存在とも言えます。
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中国解放区 [外国切手]

中国解放区切手というと、ハッキリ言って、複雑すぎて何が何だかわからないというのが正直なところ。
たぶん、専門家でない多くの収集家は、僕と似たようなものだと思います。

解放区切手というと、見栄えのしない貧相な切手というイメージが強くて、逆に平均的な完成度の切手だと解放区切手という感じがしません。
僕が解放区切手に興味を持ったのも、いかにも物資が無くて、間に合わせ的に作ったという感じに魅力を持ったからです。
下の切手も、そんな感じが漂う、僕に言わせれば魅力的な切手です。

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図案は、毛沢東(右)と朱徳(左)を描いたもので、解放区お得意の図案の1つ。
1946年に東北解放区の安東省郵政局が発行したものです。
この切手は第一版と二版があって、印刷所が違うのですが、画像は第二版で安東日報社印刷のもの。
用紙が何種類かあるのですが、最も入手しやすい薄灰紙で、たしか1000円程度のお買い物だったんじゃないかな?
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浜松局 [風景印]

暑いですね〜。
子供の頃の夏は、なんて過ごしやすかったんでしょう。
今日なんて、朝の7時に30度でしたからねぇ。

こんな日はウナギに限ると思いますが、ウナギも高くて年に2〜3回しか口に入りません。
ということで、ウナギの風景印です。
もちろんウナギと言えば、浜名湖で浜松ですね。

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浜松局では二代続けてウナギを図案に入れていますが、先代よりも現行のこちらの印の方が良いですね。
ウナギを使った変形印で、なんとも愛嬌があってGOODです。
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旧韓国 [外国切手]

2003年12月から始めたこの日誌の中で、旧韓国切手を取り上げたのは初めてかも知れません。
初物ということで、画像はやっぱり一番最初の文位切手。

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旧韓国は、図入りリーフで全体の4分の3程度の穴埋めでしょうか。
もちろんカタログコレクションなので、目打のバラエティや加刷タイプを考えないでの話です。
それでも残されたのは、数万とか10万円以上のものがゴロゴロとしているので、ほとんど限界に近い状態。
これ以上の穴埋めは、現実問題としてほとんど無理かなー、なんて感じですね。
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昭和25年用年賀小型シート [日本切手]

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通称「応挙の虎」を描いた、昭和25年用年賀小型シート。
構成も変則的だし、目打も印刷で表現という変わった小型シートなので、気に入っています。

画像を見てもらうと、画像の切手が普通とは違う、変な切手であることが一目瞭然でわかると思います。
一番下の切手に大きく緑の縦線が・・・。
何でしょう。これは?
取り敢えず一部拡大が下の画像です。

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この緑色は、地の色と同じ色なのですが、拡大画像を見ると緑線の中央に細い引っ掻き傷のような線が入っているのがわかると思います。
この線、緑色と同じ長さで入っているので、緑色と同時に入ってしまったことを示しています。
また、注目すべき点は、この傷の中にしっかりと赤色の虎が印刷されていること。

なにかの拍子に偶然このようになってしまったのでしょうけど、あまりに目立ち過ぎなので、状態はイマイチなのですが大切にしているものです。



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全日展 [切手展]

昨日は、1日全日展会場で過ごしました。
まぁ、とにかく暑かったですね。毎年のことですが・・・。
究極は昼ご飯でしょうか。
レストラン階の冷房の効きが悪くて、汗を掻き掻き男6人でパスタを食べていました。
なんでパスタ食べながら、汗だくにならないといけないんでしょうかねー。

展示の方はというとズラリと力作が並んで、見ごたえ十分。
もっとも興味深く見させてもらったのが「大型ボタ印」。
集めているわけではありませんが「永遠の花形ボタ印」ですからね。
印影でポイントになる高松や尾道などは、スッキリといい消印が。
こういうところが専門家は違いますね。
これだけ良い印影って、どのくらいあるのでしょうか?
ちなみに僕の持っているのは、以前にブログで紹介しましたが、こんな感じです。
http://stamp2000.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13
http://stamp2000.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
専門家から見れば、失格!!
でも、高松ってこんなのが普通ですよね。
まぁ、でも外国切手収集家の自分としては、持っているだけで上出来かな。

実は、今回はあるところに注目して作品を見て回りました。
それはフォント。
中には「なんだろう。このフォントは」と感心するのが幾つかありました。
作品の中でのフォントとポイントの使い分け。
これが意外と難しい。

全く同じ切手を使って同じレイアウトをしても、フォントによってガラリと見え方が違います。
実際に自分が他人の作品を見る時も、ごちゃごちゃして読みにくい作品はほとんど見ません。

そんなことが最近の興味の1つなので、今回はもちろんマテリアルもちゃんと見ましたが、文字の方も興味を持って拝見させてもらいました。

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明日は [雑記]

お江戸では、今日から全日展ですね。
世間では三連休なので、多くの方は今日から参観されていると思います。
僕はと言えば、今日は出勤日で、このクソ暑いのに朝からマジメに働いていました。

明日は朝一の電車で参観します。
10時ちょっと過ぎには会場に着いて、17時の閉場までじっくりと見させてもらいます。
翌日も出勤なので、19時半の電車で帰宅という忙しいスケジュール。
たった1日で作品を見て、収友とダベリって、そしてブースを覗いて。

明日だけは、仕事のことを忘れていい1日です。
どうか携帯に、職場からの電話がありませんように。
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チリ・国有鉄道100年 [外国切手]

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画像は、チリが1984年1月4日に発行した「国有鉄道100年記念」。
描かれているのは、先頭から1929年当時の蒸気機関車とその炭水車、そして2軸の職用車と一番後ろは1911年製の大統領専用車両だそうです。
職用車というのは、乗客を乗せるものではなく業務用、例えば保線員を乗せるとかに使用する車両のことです。

この図案、多くの鉄道切手とは異なり、側面から描いた形式図っぽい感じが好きで、気に入っている1枚です。
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収集家が亡くなると・・・ [雑記]

昨年末に、ある方から電話がありました。
「お父さん、●●さんって方から電話だよ」
と家内に呼ばれ
「誰だぁ?またマンション投資の勧誘か?」
などとブツブツ思いながら電話に出ると、全然違いました。
「いきなりの電話で申し訳有りません。切手を集めていた●●の息子ですが・・・」
とおっしゃる。
実はこの●●さん、郵趣会でも特に親しかったわけではありません。
例会で顔を合わせると、話をするくらいの関係でした。

話を聞くと、●●さんは2年前に癌でお亡くなりになっていました。
最後の入院前に、ご自分で身の回りのものを整理されて入院され、そのまま亡くなられたとのことです。
残された物の多くは処分して片付いたのだけど、切手類が全くの手付かずで残っており、●●さんが最後に書き残されたメモの中に、切手類の処分については僕に相談するようにと電話番号なども書かれていたので、電話をしたということでした。

なんで、●●さんは僕に相談するように書き残したのか?
理由はわかりませんが、そのように書き残されたのなら見に行かないと、息子さんにも悪い。

ということで、とりあえずお邪魔して見させていただくと想像以上の量にビックリ。
几帳面な性格な方(郵趣会でのお付き合いで、その点は知っていました)でしたので、綺麗に整理され、気持ちのよいアルバムが80冊前後もありました。
ただ、専門コレクションではなく、オーソドックスなカタログコレクションとして集められていたので、今流行りの収集とは大きく内容が異なります。
とても1回では見きれなかったので、日を改めて2回になりました。

息子さんには率直な話として、収集品として高価に評価されるものでは無く、切手商では一括で引き取ってはもらえるものの、評価は二束三文になってしまうこと。
業者のオークション向けでもないこと。
シート切手は額割れで業者の買い取ってもらうよりも、通信用としてヤフオクで処分した方が高価に処分できること。
などを話しました。

息子さんが言うには、収集を引き継ぐつもりはないし、このままでは廃品として処分してしまうようなものだが、せっかく父が集めたものなので必要な人に使ってもらいたい。
このまま保管するとしても、湿度管理などとてもできないので、このままではカビたりシミが出てしまうと思う。
従って、金銭的な評価は全く気にしてないので、なんとか処分の仲介をお願いできないだろうか。ということでした。

とりあえず、僕の自宅に全てを移すことになったので、近日中に運び込むことになりました。
困ったのは、我家での一時保管場所です。
家内と寝室として使っている和室を倉庫がわりにして、我々はリビングで寝るしかないかと。

たまたま、今回は僕に処分の仕方を相談するようにとのメモが作られていたので良かったのですが、もし、それが無かったとしたら厄介者として紙くずと同レベルで処分されていたかも知れません。

どんな収集レベルであっても、自分にもしものことがあったならば収集品をどうすれば良いのかを、家族に伝えることが重要です。
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『呉ポスト』739号 [文献]

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かなり前に来ていた『呉ポスト』739号を、やっと読むことができました。
その中で、一番面白かったのが岡藤氏の「沖縄ドル暫定50セント切手」。
氏は様々なテーマで面白いことを毎号書かれていますが、沖縄のドル暫定切手についても何回か書かれています。

今回は、ドル暫定切手の中でも変わり種である50セントの100番切手。
下の画像が、その100番切手なのですが、引っ掻かれたような「×」記しがわかりますでしょうか?

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この切手は50セント切手の中でも第2刷のものだけにあります。
それで、岡藤さんの話題はこの50セント第2刷100版切手のカバーが欲しいというわけです。

そりゃ、僕だって欲しいです。
どこかにありませんかねー。
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" Priced Catalogue of Postal Stationery of The World " [文献]

先日、ある方から「ステーショナリーの世界カタログはないのか?」という趣旨のメールをいただきました。
その時に「ブログで紹介しなかったかな?」と思い、過去14年分のブログのデータを見直したのですが、ありません。
でも、確かにどこかで紹介した記憶はあったのです。
それが、ようやく今日になって『The Philatelist Magazine』の8号であることが判明しました。
やっぱり、ブログでは未紹介だったのですね。

" Priced Catalogue of Postal Stationery of The World " は全体が19セクションに分かれて発行された、世界ステーショナリーカタログです。
残念ながら、今は絶版になってしまい入手は不可能ですから、古書として入手するしかありませんが、全セクションが揃ったものでも年間に数回は売り物を目にしますから、こまめに探せば入手可能です。
ただし、違法コピーした海賊盤も出回っているので、その辺は偽物を掴ませられないように注意が必要です。

本書は、海外のオークションカタログなどでもよく "H & G No ● " なんて記載されているものです。著者の Higgins & Gage から取った記号ですね。
このカタログ、世界版にしては意外と詳しくて、切手カタログで言うと『ギボンズ』の親版くらいの内容があります。

下の画像は、日本の部の2ページ目。

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小判葉書では、重要な分類要素である銘版の違いを図版を用いてタイプ1(紙幣寮銘版)と
タイプ2(印刷局銘版)に分類してあり、最低限の基準が示されています。

また、初めての外信葉書である三・五・六葉書では、3銭が中国・香港・米国宛、5銭が米国経由の各国宛、6銭が香港経由の各国宛であることを注記で記しており、こうした細かな注記を読むと、本書が単なるリストの羅列的なカタログではなく、専門カタログ的な方向性を持っていることがわかります。

分類についても同じことが言え、手彫封筒におけるエンボスのバラエティや、議事堂葉書の料金改定に伴う料金収納印付葉書など、国内で編集された一般的なカタログには記載されていない事柄も図入りで記録されています。

日本の部を一例として紹介しましたが、このことから本書の傾向を具体的に知ってもらえたと思います。
切手の収集家であっても、葉書に加貼された使用例を扱うことがあります。
その際に台葉書の由来なども知る必要がありますので、そうした意味で本書は外国切手収集家の方にも広く使用してもらいたいカタログです。
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フィンランド・第二次ライオン紋章切手 [外国切手]

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フィンランドは、1930年に新しい通常切手シリーズを発行しました。
第二次ライオン紋章切手と呼ばれるタイプで、上の画像がそれです。
このシリーズは1950年代まで発行が続くので、日本で言えば田沢、風景、富士鹿、昭和、新昭和、産業図案、昭和すかしなし、第1次円単位切手の時代に相当し、この間に66種が発行されています。

この切手の発行期間にフィンランドはインフレに悩まされ、郵便料金は17倍になっています。
日本の330倍に比べれば無きに等しいものかもしれませんが、同じ北欧のスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどが2倍程度だったのに比べると、やはりフィンランドのインフレは特筆されるでしょう。

インフレが起きれば、もちろん郵便料金が値上げされ、全面改正・一部改正を合わせると10回ほどになります。
画像は、図入りアルバムから額面2mの3枚で左から
1930年発行 青 外国宛封書料金
1931年12月1日料金改正 紫 国内宛封書料金
1936年11月1日料金改正 赤 外国宛葉書料金

2mはこのほかに、黄色(1942年9月1日改正で国内宛葉書料金)、緑色(1945年9月1日改正で外国宛印刷物)があります。

図入りアルバムやカタログでは、その出版社の編集方針によって上の画像のように1つのシリーズをまとめてしまい、発行日よりも額面ごとに配置する方法があります。
たしかに、この方法だとまとまりが良いので鑑賞には適しているかもしれませんが、じゃぁ、その切手が発行された理由とか意味とかを考えようとした時は、この並べ方では全くわかりません。

僕は、自分でリーフを作る場合は発行順で郵便史がわかるように並べるのですが、皆さんはどちら派でしょうか?
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『Railway Stamps』192号 [文献]

数日前に到着した『Railway Stamps』192号。
今号から、鉄道郵趣研究会と発行団体名が変わりました。
前号までは鉄道切手部会でしたが、JPSの部会再編の中で名称が一律に研究会になったわけです。
どうもしっくりしませんね。研究会というのは。
なんでもかんでも「研究」と付ければいいわけではありません。
やはり看板と内容が一致していないとね。
鉄道切手部会という名称が、一番実態を素直に表していると思いますが・・・。

例えば、たった1人で鉄道切手を少しずつ集めている一般的な収集家がいたとしましょう。
ある日、本会の存在を知った時に、名称が鉄道切手部会ならば「鉄道切手収集家の集まりなんだな」と素直に思えます。
ところが研究会となると、やはり敷居が高くなるものです。「えっ、研究!」「難しいことはできないよ。単純に集めているだけだから」という先入観が必ずあると思います。
これは競争展と同じ理屈です。競争展は難しくなく銀賞狙いまでならば誰もが参加できる敷居が低いものですが、名前から来る先入観だけで自分には無理と拒否する収集家が多いのです。
JPS本体は、そうしたことまで考えて一律に研究会を名乗らせているのでしょうか?
なにも先細りしそうなことを、わざわざしなくても良いと思いますがねぇ・・・。

さて、『Railway Stamps』ですが、本誌には毎号必ずリーフの写真が掲載されています。
今号は下記のものでした。

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どのようなマテリアルか。
どいう整理をしているのか。
書き込みはどうか。
他人のリーフには興味が尽きませんね。
大昔の『郵趣』の裏表紙が、こんな感じでした。
これが有るのと無いのとでは、本誌の印象がガラリと変わります。
郵趣雑誌は、こうでなければいけません。
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関釜間連絡船 [日本郵便史]

菊切手のコレクションに加えたいものに関釜間船内印があります。
「欲しいな〜」と思い始めて、もう30年近くになるのではないでしょうか。
決して珍しいマテリアルではないので、お金さえ払えば入手できるチャンスはこれまでに何回もありましたが、自分の中で納得価格ではなかったし、なんとなく入手しそびれて月日が経っちゃたというわけです。

皆さん、消印としての関釜連絡船はよくご存知だと思いますが、じゃあ、その船がどんな船だったのかというと、意外とご存知ない方が多いと思います。
下の画像が、その船の1隻。

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関釜連絡船には歴代合計15隻に船内局が置かれましたが、画像は薩摩丸です。
薩摩丸は1939トンで、明治41年4月21日に雇船として関釜航路に就航しています。

僕の印象ですが、平べったくて、なんだか貧相な船ですね。
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ポーランド・1924年 [外国切手]

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画像は、ポーランドが1924年に発行した通常切手シリーズで、通称「ワシ切手」と呼ばれているもの。
発行理由は、額面単位が改正されたことによります。

この切手の楽しみというか分類の基準は、用紙と目打。
用紙は薄紙と普通紙の2種に分ければいいし、微妙な感じの切手もありますが、さほど分類には困らないと思います。
薄紙が先行して発売されて、普通紙は1925年に入ってからの発行です。

で、問題は目打。
目打ピッチは10〜13.5まであり、当然ながらコンパウンドもありますから、その数20数種類にもなります。
櫛形目打もあることはあるのですが11.75×11.5が1種だけで、種類が多いのは単線目打。
その単線目打もゲージが常に一定ではなくバラつきがあるので、老眼には辛い切手です。

画像は15grの薄紙の単線11.5目打のものですが、上記の分類を突き進めると、この切手だけで40数種類を集めなけれないけません。

使用済ならどの額面も極めて安価なので、物量で分類を楽しむ切手と言えます。

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第1次円単位35円の変種 [日本切手]

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画像は、昭和27年5月10日に第1次円単位切手の第1号として発行された35円金魚。
かすれたローラー印が汚い、使用済単片です。
まぁ、普通だったら見向きもしないで捨てる切手だと思います。
ですが、そこは要注意!

ルーペで覗くと、こんなのや

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こんなのが見えます。

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以前『Variation』誌に、この切手の変種が若干報告されていましたが、探すとたくさん見つかるのでしょうね。
初期のグラビア印刷の通常切手は、画像のようなつまらない切手でも、処分の前にじっくりとルーペで観察することをおススメします。
そして「なんか変だな?」と思った切手は、残しておくべきでしょう。
将来出世する可能性がゼロではありませんから、夢を買ったと思って。
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戦前の風景印・藤沢局 [風景印]

画像は、神奈川県藤沢局の戦前の風景印。
藤沢局というのは、実家の隣町みたいな所にあるので馴染みがあります。
高校時代は、小田急線の藤沢駅を利用して通学していたくらいですからね。

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図案は、東海道の松並木と遊行寺、そしてゴルファーを描いたもので、優秀な図案が多い戦前の風景印としては「駄作かな」なんて思っています。

それでゴルファーなんですが、これは戦前に名門倶楽部だった藤沢カントリー倶楽部を現しているんですね。
同倶楽部は、昭和7年にオープンしたのですが、戦争の影響を受けて昭和18年に閉鎖され、海軍藤沢飛行場となってしまいました。
戦後は、東洋航空藤沢飛行場となって、これも昭和39年に廃止。
今は、荏原製作所の工場と県立高校、県立体育センターなどになっています。

古い風景印を辿ると、今は無い地域の歴史を知ることができます。
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