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雑誌の大きさ [文献]

スタンプペディア社から、いつもより重たい封筒が到着。
いつもならオークション誌だけなので、こんな重たいはずはありません。
「なんでー??」
と思いながら開封すると、先頃発行された『フィラテリストマガジン』20号の印刷バージョンが入っているではありませんか。

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僕はいつもiPadで読んでいるので、印刷版ははじめて。
しかも嬉しいA5判。

以前からの僕の持論なんですが「郵趣誌は、A5判またはB5判に限る」と。
ところが残念なことに、A4判で発行されているのがけっこうあります。

僕の持論は、日本人の体格や生活環境からの視点に立っています。
日本人は、欧米人と比べると体格的には明らかに小形です。
生活では、田舎は車社会ですが、多くの人が住む都会は公共交通が主要な移動手段ですね。
そして、住んでいる家は小さくて、その大きさに合わせた本棚とテーブル。

こうした事から考えると、日本人にはA5判やB5判がピッタリサイズ。
例えば『フィラテリスト』『スタンプコレクター』など、成功した雑誌はA5判でした。
逆に失敗した『日本フィラテリー』は、大きなグラフ誌サイズ。
A5判なら電車の中でも広げて読めますが、グラフ誌サイズはとてもじゃないけど、電車の中では広げられません。迷惑行為みたいなものですね。
そもそもグラフ誌というのは、欧米の大きなテーブルの上で広げて読むサイズ。ですから日本でグラフ誌サイズが成功した試しがありません。

最近流行のA4サイズも同じことで、馴染めない大きさですね。
あれは書類なら仕方がありませんが、趣味誌の大きさではありません。
たしかに本文文字の大きさを大きくしたりして、読みやすくできる利点はありますが、それはB5判でも対応できる内容です。
公文書等の書類で始まったA4判化が、なぜ郵趣誌にまで波及してしまったのでしょうか??
僕にとっては、以前からの謎なのです。

A5判版『フィラテリストマガジン』。
なかなか良い試みだと思います。
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ストックブックの中から [日本切手]

もう何年も開いていない、ドイツ製の大形ストックブックを開きました。
中身は、戦後日本切手の使用済が雑多に突っ込まれたもの。
なにか無いかと物色していたら、ありました、ありました。
こんなのが。

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栗駒国定公園からの1枚で、唐草印がナイスな感じです。
データーは、赤羽局で昭和47年7月8日。
この切手は47年6月20日の発行なので、発行18日目の使用例ですから、まぁ自然な感じで良い使用例だと思います。

今は、記念・特殊切手が発行と同時にバンバンと使用されていますが、僕の昭和40年代後半の記憶では、記念切手の消費はすごく少なかったのが実感です。

私の家は郵便物(あの頃は平日は午前・午後の2回配達でした)が普通の家よりも多かったですが、貼られているのは普通切手ばかりで、記念・特殊切手が貼ってある郵便物は、ほんとに少なかったですね。

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ペニーレッド プレート66 [外国切手]

イギリスのペニーレッドは大きく分類すると、
1 無目打シリーズ
2 目打入り ”Star" シリーズ
3 4コーナーシリーズ
の3種がありますが、下の画像は無目打シリーズからの1枚で、プレート66。

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ペニーレッドには、龍切手の腕落ちのようなギョッとする派手なバラエティはありませんが、小さなバラエティなら、てんこ盛り。
例えば、上の画像の切手ならこんな感じで、黒丸が付いたところが下の拡大です。

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これは左上の部分で、枠を超えて縦線が上に伸びてしまっています。

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こちらは、下部の額面表示。
"ONE PENNY" の "O" が汚れていますね。
このバラエティは『ギボンズ専門版』第1巻にもプレート66のバラエティとして図入りで採録されています。

さて、ここで思ったのがペニーレッドの収集における、バラエティの難易度。
難易度と書いてしまうと堅苦しいのですが、つまり、どの程度の確立で市場で出会えるのかということ。
ペニーレッド自体は膨大な枚数が市場に流通していますが、それを分母とすると、けっこう出会いは少ないのが実感です。

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ドイツ・ベルリン〜ポツダム鉄道 [外国切手]

ドイツが1988年に発行した、「ベルリン〜ポツダム鉄道150年記念」切手。
大きく拡大した下の画像を見れば、この切手の良さが伝わると思います。

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ここに描かれている蒸気機関車は、イギリスのスチーブンソン父子社が製造した「パテンティー」形と呼ばれるもの。

画像をよく見ると、中央に大きく描かれた動輪の前と後ろに、やや小さな車輪が描かれているのがわかると思います。
これが、この機関車の特徴なんですね。
それまでは、後ろの車輪(従輪)が無かったのですが、これを追加することによって、より安定した走行が可能になるとともに、牽引力も大幅にアップしました。

この形式が確立したことによって、ヨーロッパ各国に誕生した鉄道の1号機関車に「パテンティー」形が選ばれ、普及していくことになりました。
そうした意味において、この切手に、この機関車が題材として選ばれた意義があります。


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フランス・ガンドンのマリアンヌ [外国切手]

第二次世界大戦の終了直後である1945年に、フランスが発行した通常切手シリーズ。
「ガンドンのマリアンヌ」と言えば、フランス切手の収集家でない方でも聞いたことがあると思います。

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ちょうど戦後のインフレが進行した時期と重なるので、4次に渡る発行により、カタログによって採録が異なりますが40種以上が発行されています。

他のフランス切手と同じく、この切手にも目打のバラエティはありませんが、戦後の物資不足の時期でも有り、用紙(白紙、黄色紙、縞紙、薄紙、厚紙、極厚紙)や、色調、版欠点など製造面では多くのバラエティが楽しめます。

このシリーズ、集めて面白いはずなのですが、国内展では随分と前に一度しか見た記憶がありません。

そう言えば、今年のJAPEXにはフランス展が併設されるそうですが、このシリーズのようにあまり出品されることがない作品が見れればいいのになぁ・・・。
なんて思っています。
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スウェーデン・鉄郵印 [外国郵便史]

これまでにも数回、スウェーデンの鉄郵印を紹介しました。
今日ご紹介するのは、1885年から発行が始まったオスカー2世シリーズに押された鉄郵印。

スウェーデンでは、オスカー2世シリーズで消印を楽しむことが多いらしく、本シリーズに特化した消印のチェックリストが出版されています。
日本で小判切手で消印を楽しむのと、似ているのかも知れません。

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見ての通り、完全印影ではありませんが、これで十分情報は得られます。
スウェーデンの鉄郵印は種類が多くて、大きく十数種類に分類されるのですが、画像のものはタイプ3と呼ばれるもの。

左に少しだけ見えるのが "PKXP" という文字列で鉄道郵便を示す略語。
"No 8" は路線番号なのですが、スウェーデンではこの路線番号の再編が度々行われて、時代が違えば路線も全く異なります。
この辺が、日本のように直接路線名を示しているところとの大きな違いですね。
タイプ3の消印を使用した1898年の路線は、"Läxa〜Göteborg" の区間。

路線名の後に "A" とあるのは便名で、同区間には1日に3便(A〜C)がありますから、画像の切手は1便目の使用例であることがわかります。

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エジプト・1933年国際航空会議 [外国切手]

エジプト切手のアルバムの中で、以前から気になっていたのが画像の切手。
「気になっていた」と言っても、それは切手そのものではなく図案の飛行機のこと。

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大形の飛行艇で、たくさんのプロペラが付いています。
このプロペラの多さが、特に気になっていました。

古い飛行機切手を調べるのに重宝するのが、木村秀政氏の『飛行機の切手』。
これで調べると、ありました、ありました。
ドリニエDo X という飛行艇だそうです。

1929年というから昭和4年の初飛行で、全長40m、全幅48.05m、重さ50トン、定員150名という当時としては超ジャンボ機として作られたそうです。
こんな大型機を飛ばすのですから、エンジンだって強力でないと飛びません。
しかし、大形エンジンが作れなかったことから、図案のように沢山のエンジンを積むことになってしまいました。
その数、なんと12基。

結局、エンジン出力が足りずに結果として失敗。
3機が作られただけで、乗客を乗せて飛ぶことはなかったそうです。
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『日本切手精集』 [文献]

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ちょっと熱心な収集家ならば、誰もが知っている『日本切手精集』。
日本切手関係では、僕が最も気に入っている郵趣書の1冊で、表紙の色彩いろいろ、そして賑やかでいい感じを出しています。

本書にはカラー版と白黒の普及版がありますが、本書の性格から考えて、もし1冊を持つならカラー版に限ります。
カラーと白黒では、コレクション本としての味わいが雲泥の差。

僕は両方を揃えていて、じっくりと味わいたい時にはカラー版を。
そして、手軽に読みたい時や旅行などに持ち歩く時は、普及版を使っています。

実は、書架にはカラー版が2冊に普及版が3冊ありますが、そのうちの普及版の1冊は手あかで汚れて、かなり年季が入った状態。
天野氏による解説は、本書に先行して刊行された『日本切手とその集め方』を受けて書かれています。
後年、天野氏自身のコレクション集が出版されたましたが、解説文としての力の入れようは、本書の方が上の感じがします。

村田氏自身の郵趣収集史も、文としての読みやすさに加え、各所に隠れたエピソードが記されており、何回、何十回と読んでも新鮮さが落ちません。

田辺猛、水原明窓両氏の長い「あとがき」も、興味深い。
普通「あとがき」なるものは、つまらないのが定番なのですが、本書は「あとがき」までもが面白い。

本書は、郵趣書として極めて真面目な文献であるのに、内容がとんでもなく面白い。
よい意味で異端な郵趣文献だと思います。
では、なぜ本書のような文献が出来上がったのか??
それは村田氏の人柄なのではないでしょうか。
刊行から40年が経ちますが、僕にとっては今でも重要な文献です。
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新小判5厘 [日本切手]

下の画像は、新小判5厘の後期印刷のリーフからの2枚。

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なんとなく眺めていて気がついたのが、印面の状態。
左の切手の印面はスカッとして、綺麗な印刷。
印象としては硬い感じで、キリッとしています。

対して右の切手は、くたびれた感じでボヤッとしています。

両者の印面を詳細に観察すると、左の切手は傷もなく均一な印刷なのに対して、右の切手は細かな傷があちこちに見えます。
画像ではわかりにくいかもしれませんが、ルーペで覗くと右の切手は細かな傷だらけ。
この傷だらけの切手は、消印を見ると明治31年の使用であることがわかりますから、小判切手の最終時期の切手です。

今まで、小判切手に対してこのような見方をしたことがありませんでした。
今日、たまたま気がついたことなのですが、ちょっと新鮮な驚きでしたね。
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ペニー・レッド

画像は、ペニー・レッドのプレート163の未使用。

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ペニー・レッドは大きくわけると、

1 無目打シリーズ
2 Star シリーズ
3 4コーナーシリーズ

がありますが、画像の切手は4コーナーシリーズです。
4コーナーシリーズというのは、四隅にアルファベットが入ったもので、ペニー・レッドでは最も入手しやすいタイプですね。

お値段的にも大変リーズナブルで、色々と楽しめます。
画像の未使用は、状態もマズマズで気に入っているもの。
4コーナーは、プレート71〜225までありますから、163は中間くらいのプレートで1872〜73年頃に印刷されています。
日本で言えば桜切手が出始めた頃ですが、そんな時代の未使用が2000円弱で買えてしまいます。
なんとも魅力的ではありませんか。

もちろん、本格的に集めようと思ったら大変な金額になってしまいますが、気軽に、気ままに集めるには良い切手だと思います。
なんてたって、クラシック切手を物量で楽しめるんですから。

上の拡大画像を見ると、クラシック切手の品格が感じられませんか?
良い切手です。



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スウェーデン・イェータ運河 [外国切手]

スウェーデンが1979年に発行した観光切手「イェータ運河」が、僕のスウェーデン切手収集のきっかけになったことは、以前に紹介したことがあります。
下のリンクがその時の記事。

https://stamp2000.blog.so-net.ne.jp/2016-03-21

今でも、良い作品が多いスウェーデン切手の中でも、名作の一つだと思っています。

で、前回の記事ではリーフの画像が採用されているので、デザインであったり、凹版彫刻であったりする、つまり切手そのものに対する素晴らしさを伝えることに欠けているのではないかと思います。

そこで、今日は拡大画像を準備しました。

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クリックすると、更に拡大画像で見れます。
特に、横長の上の2枚は拡大してご覧下さい。
素晴らしいデザインを、芸術作品とでも言える作品に仕上げた、冴えたビュランの動きが素晴らしいですね。

誰もが納得の芸術作品だと思います。
巨匠スラニアの作品。
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『私の「会報投稿文」集』 [文献]

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これまでにも多くの著作を刊行されてきた、行徳氏の著作集。
本書のタイトルがいいですね。
有る意味、斬新です。
しかも、内容を直接的に示しているのでわかりやすい。
内容は、氏がこれまでに郵趣誌に投稿してきた記事の再録で、連載も1本と数えると41本の記事が収められています。

僕もある郵趣誌の編集を長期間担当していましたが、行徳氏には随分と助けていただきました。
「こんな資料があるから」と、走り書きと一緒に有り難い原稿を送ってくださるのです。

たぶん、僕が氏の著作に初めて接したのは、普及協会の『切手』に平成4年から連載された「エンタイア収集の視点」だと思います。
これには「郵便の種類で集める」という副題が付いていました。
毎号連載ではなく不定期連載だったのですが、掲載されていると嬉しかったものです。
内容は氏の収集スタイルを表現されたもので、現行切手を体系的に収集したことが無く、適正1枚貼にウンザリしていた自分にとっては、とても新鮮な内容でした。

今回の著作集には、そうした傾向のものは含まれていませんが、氏が得意とされる公文書資料調査をベースにした有益な解説が収められています。
「犬のマークは郵政省から始まった?」などは、氏ならではの視点と解説でしょう。

まだ入手されていない方は、お早めに入手のうえ一読をお進めいたします。

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『占領中国郵趣資料1 華北五省、蒙彊編』 [文献]

たぶん、中学1年生の時だったと思います。
新宿の郵趣会館地下の切手センター街に行った時に、ある切手商(中川スタンプだったような・・・)の店先で「旧中国切手300種」というパケットを見つけました。
値段は確か1500円だったと思います。

300種で1500円という値段と、それまで買ったことがない旧中国に惹かれて購入。
家に帰って開けてみれば、蟠龍やジャンク船など、見たことがある切手も有りましたが、それまでに見たことが無い加刷切手がドッサリ。
というか、加刷切手が主体でした。

当時は、中学生が手軽に調べられる旧中国関係の文献も無く、調べるのには当然限界が。
それでも「中国占領地の切手らしい」という当たりだけはつきました。
そんなわけで、取りあえずリーフに貼っただけの状態でしたが、しばらくして偶然入手したのが本書。

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最初に目に飛び込んで来たのが、巻頭折込みの中国地図。
これに各占領地加刷の地名が記されていたので、初めて使用地区を知ることができ、感動もののインパクトだったことは、今でも覚えています。

そして、全く未知の世界だった消印の解説。
これは、本書入手当時は未入手だったのですが、後日、安価なカバーを切手センター街で購入した時に役立ちました。

そして圧巻は、各切手の解説です。
加刷の種類ごとに構成されているので、その切手の性格が手軽にわかりましたし、また各加刷ごとの台切手一覧が有り、これも有益な資料でした。

このように本書は、中国占領地切手について全く知識的にゼロだった自分にとって、初めて概要を知ることができた文献として、今でも大切にしています。

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