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" The Encyclopedia of British Empire Postage Stamps " Volume 1 [文献]

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4代続いたこの日誌でも1度も扱ったことがないのが、別名『ロブソン・ローの百科事典』と呼ばれている " The Encyclopedia of British Empire Postage Stamps " 全6巻。
これほどの文献を、なぜ今まで紹介したことが無かったのかと言うと「恐れ多くて紹介できない」と言うのが正直なところ。
まぁ、でもいつまでも放っとくわけにもいかないので、いつものように触りだけの簡略紹介ですが、取りあえず第1巻のみを紹介しましょう。

第1巻は、ヨーロッパ版としてイギリスのヨーロッパ関係が収められています。初版は1948年ですが、1952年に大幅に増補された第2版が出されています。
この第2版では、巻末の索引を入れて450ページのボリュームで、17世紀〜1951年までの郵便史、切手、消印、その他あらゆる郵趣的事項を扱っています。

切手関係は、現在でも出版されている『ギボンズ専門版』の方が、切手のみに特化した大冊なのでそちらの方が詳しいですが、郵便史の側面からのアプローチは、ロブソン・ローのお家芸なので、現在でもその要領よくまとまった内容は第一級と言え、各論の専門書を購入する前に、大要を理解するために一読するべきものでしょう。

本書の正しい使い方は「百科事典」とは言うものの、ある一部分の小項目のみを読むのではなくて、全体を読んだ上で、特に郵便史としての中で理解するのが正当な使い方だと言えます。
つまり、『平凡社大百科事典』のような小項目を読んでお終いという使い方ではなくて、『ブリタニカ大百科事典』のような大項目の流れの中で理解する使い方と言えば、わかっていただけるかもしれません。

本書は、絶版になって久しいため、今となっては古書市場で入手するしかありませんが、発行部数が多いためか、特に入手が難いものではありません。
他の第2巻〜6巻については、またの機会にご紹介したいと思います。
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イギリス・エドワード8世切手帳 [外国切手]

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画像は、イギリスで1936年に発行したエドワード8世切手帳を1冊解体してリーフに整理したもの。
糸綴じ切手帳は、簡単に解体できるので全て解体して全ペーンを貼っています。
この時に気をつけなければいけないのは、ペーンが綴じられている順番に整理できることで、ペーンの順番がゴッチャになっては絶対にいけないのは言うまでもありませんね。

イギリスの切手帳は、けっこう切手以外の余分な付録が多いのが面白いところで、この切手帳には航空ラベル、企業広告、郵便料金案内が収められています。

こうした広告入切手帳を見ているといつも思うのですが、その収入金額です。
両面印刷ですし、月ごとに換わったりしますから、それなりの金額にはなっていたのだと思います。
それにイギリスは切手帳王国なので、消費量も多いですから広告を出稿する方もそれだけのメリットがあったのでしょう。

日本だと、戦前の乃木とか東郷切手帳はそれなりの消費量があったと思うので、広告入りを作っていたとしたら、別の角度での収集の難しさが出ていたかもしれませんね。
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JAPEXの作品発表 [切手展]

昨日、一昨日とブログをお休みしました。
金曜日に仕事場で、コンテナに入った本を持って腰を曲げたら体の中で「グギッ」と音がして、もうそれからどうにもなりません。
家に帰ってからは、自室でイスに座ることができないので、そのまま何もせずに布団へ直行です。
土日は、椎間板ヘルニアの時に使っていたコルセットで腰を固定してなんとかごまかして出勤して、今日は休みだったので病院に行って来ました。
腰の捻挫だそうです。腰って捻挫するんですね。初めて知りました。

JAPEX直前でなくて良かったです。
あと2週間あるので、東京に行く頃には完璧に直っているでしょう。

そんなことで、布団の中でiPadを見ていたら(やっぱりiPadって便利ですねぇ)JPSのホームページでJAPEXの作品が発表になっていました。
お馴染みさんの出品が目につきます。
全日展でもそうですが、新しい出品者が3割程度は欲しいところ。
ベテランばかりの競争展はレベルが高くて良いのですが、やはり新規出品者がそれなりに目立たないと、切手展としての魅力を感じないのは僕だけでしょうか?
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防湿セロファン袋 [雑記]

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僕らの世代だと、防湿セロファン袋というものがあったことは知っていますが、自ら使ったことのある人はいないと思います。
多分、60才代以上の人の中にはせっせと使った経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか?

こんな物を使う理由がよく判らないのですが、以前には、古い収集家のコレクションの残骸の中に防湿セロファン袋に入った切手が、中で伸び切ってシワシワになっているのを見ることがありました。
もうああなったら、郵便に使う程度しか有効な使い道は無かったでしょうね。

古い雑誌を見ていたら、上の画像の広告を見つけたしだい。
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" The Cancellations of the 1841 Penny Red " [文献]

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「ペニーレッドで消印集め」というコンセプトによって書かれたのが本書で、1991年の出版。
日本にはちょっとこの系統の本はありませんね。

ペニーレッドの集め方に始まり、消印の基礎知識、そして各局ごとの解説がロケーションと共に載っています。
もちろん重点的に解説されているのはマルタ十字印で、微妙な見分けが必要なものも、正確なトレース図と実物の印影とによってわかりやすく表示されているなど、本のレイアウトも見易く工夫された、なかなか優れものの本です。
それ以外の日付印とか番号印も、もちろん掲載されていますから、ペニーレッドの使用済を集めるには取りあえずこれ1冊で用が足ります。
巻末には、局ごとにランク付けされた評価一覧も。

僕は、この本を発売と同時に入手したのですが、その理由は本のコンセプト通り「ペニーレッドで消印集めをしようかな」と考えたからなのですが、結果は本の入手で終ってしまいました。
決して諦めたわけではないので、いつかは集めてみたいと今でも思っているのですが、そのいつかが、いつであるのかは全くもって不明です。
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第2次昭和2銭木造船 [日本切手]

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第2次昭和切手は、イメージ的に暗い感じを持っているのは僕だけでしょうか?
そんなイメージの切手達の中で、最も好きなのがこの2銭木造船。

夏の入道雲をバックに建造中の木造船を描いており、何となく古き良き時代(本当は、そんなことは無いのだけど・・・)みたいな印象があります。
ご存知のとおり木造船は、戦争による物資不足から造られたものなのですが、そうした能書きがなければ、印面を見る限りからは「夏の日の、のどかな木造船造り」に感じてしまいます。

2銭と言えば、この時代は乃木さんと相場が決まっているのですが、なぜかそこに割り込んで木造船が入り込んでいます。変な切手ですね。

僕の昭和切手の貼込帳には、まともな使用済はありません。
使用面が難しい切手ですね。
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フランス・サビーヌ切手帳 [外国切手]

フランスのクラシック物が続いたので、一気に新しくなって1978年から発行が始まったサビーヌ。
僕は、フランスの現代物ではこのサビーヌと、この次に発行されたリベルテが好きですね。
共通しているのは、図案よし。印刷よし。バラエティよし。の三拍子が揃っています。ただ、難しいのは使用例。

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上の画像は、1980年発行された1.4フラン切手に対応した切手帳で、10枚構成のペーンが2ペーン綴じられているもの。
この切手には、5枚構成1ペーン、5枚構成2ペーン、10枚構成2ペーンの3種類があるのですが、表紙違いで分類すると8種類にもなります。

以前にパリの切手商を巡って色々と探し求めたのですが、約30種ほどあるサビーヌの切手帳を揃えることはできませんでした。
発行からそんなに経っていないにもかかわらず入手難のものもあって、その辺がまた面白い対象でもあります。
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ナポレオン20サンチーム [外国切手]

昨日に引続き正体不明の1フレーム作品から、1862年発行のナポレオン20サンチーム切手。

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この切手は、日本では龍切手が発行される前の切手でありながら、とても安価に楽しめる切手の1つです。
その見本として、最もわかりやすい印面のバラエティを紹介したのが上のリーフ。
手彫切手で、1リーフにこれだけの切手を貼ろうとすると最低でも15,000円前後はするでしようが、ナポレオンだと2,000円程度で楽しめます。
パリの切手市では、この切手を貼ったカバーなんかはゴソッと束になって置いてあったりします。

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リーフのままだとよくわからないと思うので、1枚だけ抜き出してアップにしました。
リーフ右上の切手の拡大画像です。
この切手には大きな欠点が次の2ヶ所に見えます。
・ナポレオンの首の後ろ、フレーム寄りの所に横線。
・右下額面「20」に白線。

たぶん、専門書を読めばポジションとかその他色々なことがわかると思いますが、なにしろフランス語は1文字もわからないので、カタログを眺める程度の知識では、版欠点と思われるものをリストアップするのが精一杯。
将来の解明へ向けての先行投資みたいなものと思っています。
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フランス初期の1フレーム作品 [外国切手]

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久しぶりに数冊あるフランスのアルバムから、1冊を取り出して来て驚きました。
そのアルバムの最初に、全く覚えのない1フレーム作品らしいものが飛び出してきました。
セレスとナポレオンで1フレーム。
一体なんでしょう?
いつ、どこで出品したのか、どうしても思い出せません。

画像は、その中からタイトルリーフの次ぎに来るページです。
書込みを読むと、フランス切手についての概説的なことが書かれていますから、どこかの郵趣会の切手展向けの作品だと思います。

フランスのクラシック切手も、資金の必要な切手は最初から無いものと放っといて、手に届く切手だけを集めてもなかなか奥が深くてハマります。
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第1次昭和7銭 [日本切手]

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第1次昭和7銭、金剛山。
昭和切手は好きなのですが、どうもこの切手はいつまで経っても好きになれません。
子供の頃から嫌いでした。

岩山を描いているので図案として判り難いのと、色もちょっとねぇ。地味な図案に、地味な色でなんだかお婆さんみたいです。
それに集めてみれば難しいですから、ちっともいいところがありません。

画像のリーフは、92年4月の製造年月が印刷されていますから、ちょうど20年前に作ったまま。
実は、僕の7銭はこれがほとんど全部で、まともな使用済とかカバーが無いのです。
この切手の使用済って高いですからね。
外国切手収集家が余興で集めるには、ちょっと荷が重い額面です。

目標は、リーフの下半分に収まる(できれば横形)カバーが1通欲しいです。そうしたら上半分に画像のブロックと銘版ストリップを配置して、下半分にカバーを置いて1リーフ出来上がりです。
それ以上は、僕には必要ないですね。専門収集ではないので。
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「大森の停車場印」 [文献]

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画像は、1971年11月に発行された『JPC』No. 162から、郵便史界の重鎮であった田辺卓躬氏による「大森の停車場印」。

記事の主題は、赤二のカバーに押された「大森」停車場印なのですが、その内容よりも興味深かったのが、下の画像である「汽車郵便物送致証」。
こんなのがあるのですね。これは大森郵便局が大森駅から郵便車に積み込んだ郵袋の明細なのですが、この時は横浜行きがたったの1袋のみでした。

残念ながら使用年代がわからないのですが、田辺氏は明治17・18年頃と推定されています。
大森は、現在ではあれだけ賑わっていますが、明治時代には東京の外れということでかなり落ち着いた所だったのでしょうね。
汽車に乗せた郵袋の数が、それを物語っているように思います。

よい資料を紹介してくれています。
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切手商 [雑記]

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画像の一覧表は、昭和46年の東京郵便切手商協同組合加盟店。
東京の組合なので東日本だけですが、北海道2社、宮城1社、東京71社、群馬1社、千葉4社、埼玉3社、神奈川2社。
支店は含まれていないので、実際はもっと増えます。

それにしてもスゴい数ですね。組合に入っている店だけでもこれだけありますから。

それが、今はどうかというと北海道1社、宮城1社、東京43社、群馬1社、千葉5社、埼玉2社、神奈川3社。
東京は没落は大きいですが、意外と地方は健闘していますね。

大都市で店舗を構えるよりは、地方でネットなどを利用した通販を主体とした方が良いのかも知れません。あとは大規模な催事への出店ですかね。全国切手展や切手まつりとか。

僕が横浜で時々顔を出す切手商は、それなりに広い雑居ビルの事務所でイスは2〜3ありますが店舗営業ではないですね。数人の事務員も通販対応で、客が来た時だけカウンターで対応みたいな所ですから、これでよいのかも知れません。
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第1次昭和50銭 [日本切手]

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第1次昭和50銭の未使用のリーフですが、下の方がスカスカでカッコ悪いですね。
手っ取り早し話しが貼れる切手が無いということなのですが・・・。

かなり以前は、未使用と使用済を同居させてスペースを埋めていたのですが、ある日思い立って分離して作ったのが画像のリーフ。

上の横1列は印刷時期別に並べたもので、一番左が発行当初の美しい仕上がりのもので、右に行くほど目打の不整や印面のアレが進んでいきます。

下の銘版は、単片が通常の銘版で、ストリップは「内閣」削りのものです。
「内閣」削りは、入手してしばらくは気がつかないでそのままになっていたものを救出したもの。
たぶん、何かのアキュムレーションに入っていたのだと思いますが、それすらも定かではありません。

さて、下半分の空白をどうやって埋めましょうかねぇ・・・。
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鳥12銭ダイヤ落ち [日本切手]

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画像は、手彫鳥12銭「イ」。
ただし、どこにでもある「イ」ではなくて、右上隅のダイヤ落ちです。
と言っても、そんなに威張れるほどのエラーではありませんが・・・。

でも、僕には不釣り合いな格の切手ですね。
この切手の入手は、20代後半の時のJPSオークションです。もちろん会場は新宿の郵趣会館。
カタログには、別に注記がありませんでしたから、オークショナーは普通の鳥12銭としか評価していませんでした。ですから、カタログを読んだだけでは全くわからない状態。

この時は、他に惹かれる切手があって参加したのですが、「どうせ時間はあるし」と思い下見をしたのが運が良かったのです。そこで発見したのがこのダイヤ落ち。
あの頃のJPSオークションでは、手彫については注記ミスと言うか、見落としがよくありましたね。

「他に誰が気付いているかなぁ・・・」と思いながらドキドキしていると、誰も札を上げないし、メールの札も上がっていません。
そこで、パッと上げて最低値で入手。最初から競争するつもりはなかったので、思いもかけない拾い物。
センターも良いし、状態も良いでしょ。この切手。
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『切手研究会創立60周年記念論文集』 [文献]

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日本で最も硬派な郵趣団体である切手研究会の創立60周年を記念した論文集で、郵趣史、日本切手、外国切手、郵便史、コレクションなど34本の記事が本文344ページにギッシリと詰まっています。

正直なところ「論文集」とタイトルにはなってはいるものの、正当な論文は少なく、お題に負けている感じは拭えませんが、それを割り引いても読む価値は十二分というか、多くの方に読んでもらって知識を深めてもらいたいと思います。

僕のオススメは、鈴木孝雄氏「平川式元祖印エンタイアの出現」と、正田幸弘氏「ブラジル郵便史コレクションの成長」の2本です。この2本は読みやすい文章で書かれており、素直に頭の中に入っていきます。

「平川式元祖印エンタイアの出現」は、歴史的な発見を過去の研究史を紐解きながら、実物資料を紹介するという手法をとっており、唯一と考えられている印影が鮮明な画像で紹介されています。

「ブラジル郵便史コレクションの成長」は、筆者のコレクションの成長過程を振り返るものですが、そのステップアップは単なる戦力増強ではなくて、緻密に練られた戦略の上に建てられていることが、よく理解できます。自分の今後を考える上で大いに刺激になるものです。

本書は、春に刊行された後に巷で大いに話題になったので、既に読まれた方も多くいらっしゃると思いますが、まだ読まれていない方はぜひ読んでいただきたいと思います。
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鉄道切手展 [切手展]

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昨日は、目白の切手の博物館で開催中の鉄道切手部会のミニペックスである鉄道切手展に行って来ました。
楽しかったです。
ミニペックスなので自由な発想の作品が幾つもあり、競争展とは違った面白さを堪能してきました。

美しかった作品は、年代順に各国の鉄道駅を紹介したもので、これは当該切手をカラーでグルーピングして明瞭に示してあり、また、作品自体が年表のように仕上がっていて「なるほどね〜」と感心したしだいです。

東京駅関連の作品も、「東京駅単独で、こんな作品が作れるのか」と、ミニペックスならではの展開を充分に堪能しました。

今回の展示の中で最大の驚きは、「思いでの中の東京駅」という作品の5リーフ目に入っていた震災切手3銭の使用例で、「東京神戸間/大正12年11月16日」という東海道本線復旧後の初期鉄郵使用例が含まれていました。
この使用例は、震災切手関係の人は要チェックではないでしょうか。
よい物を見せていただきました。

鉄道切手部会のことは全く知らないのですが、なかなか活動的な部会であるように見受けられました。
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『世紀の悪党ども』 [文献]

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タイトルからすると、切手収集とは全く関係ない本と思われますよね。
本書には、45人もの悪党による色々な犯罪が紹介されているのですが、その大部分が詐欺とか経済犯罪的なもので、いわゆる血なまぐさい事件は含まれていません。その点、安心して読める本です。

で、なんでこんな本を紹介するのかというと、先ほど「詐欺」と書きましたが、あのスペラティが「切手偽造の名人」というタイトルで収録されているのです。

本文が、B. P. Aによるスペラティの全ての道具と在庫品の買収の件から記されているという点に好感が持てますし、B. P. Aの広報担当の取材にも触れているので、真面目に取組んで書かれた文章であることがわかります。
それにしても、スペラティに偽造を止めさせる手だてが買収だったとは面白いですよね。日本人には無い発想だと思いませんか?

この手の本としては、完成度は高いと思いますし、日本語で手軽に読める利点がありますので、全ての収集家に一度は読んでもらいたいものです。
ただし、切手収集家による翻訳ではないので、郵趣用語の不適格な訳が所々にあり??という部分があるのが残念といえば残念です。

本書は、リーダースダイジェスト社が1969年に刊行したものです。

明日から所用でお江戸へ参りますので、次回の更新は日曜日です。
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『琵琶湖の鉄道連絡船と郵便逓送』 [文献]

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良い本なのだけど、不思議とほとんど話題にならないというのがあります。
『琵琶湖の鉄道連絡船と郵便逓送』も、その一つではないでしょうか。
琵琶湖ということでローカル的な色彩が強く、全国的に敬遠されたのかも知れません。

しかし、本書で述べられていることは、場所さえ異なりますが全国的に当てはまることだと思います。
現代に生きる私たちは、ごく普通に鉄道や車を利用しているので、水運を利用するということを、ついつい見逃してしまうものですが、近代交通が発達する前までは、多量の荷物を一度に安価に運ぶ手段として、ちょっとした川や湖には水運があり、それを郵便逓送にも利用していました。

例えば、関東だと霞ヶ浦が有名ですし、東京湾沿岸にも発達したルートがありました。
横浜から横須賀、浦賀方面は陸路ではなく海路で運んでいたなんて、今ではちょっと考えられませんね。

しかし、水運によって運ばれた郵便物の大部分は、マテリアル上にその痕跡(消印など)を残さないので、理論的にはわかるのですが、目に見える形として提示する難しさがあります。

本書は、平成15年の刊行で、A4判、本文159ページ。
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現金書留 [日本ステーショナリー]

現金書留の使用例って人気無いですね。
まぁ、見栄えが今一つなので、不人気なのもわかります。
僕も好きではありませんから。

なぜ不人気なのか考えてみると、封筒に毒々しく色が入っていて派手だし、引受番号とか差出人の枠なんかも印刷してあって、肝心の切手よりも封筒の方が目立っちゃっているからではないでしょうか?
現行関係の作品など見ても、ごく稀にしか入っているのを見たことがありません。

そんな中でも、「これならいいかなぁ・・・」と比較的納得しているのが下の使用例。

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見てのとおりの郵趣家便と言うよりも、業者から業者への広告原稿料を速達で送った封筒です。
立山航空85円が4枚と松20円コイルが1枚、所狭しと貼ってあります。特に立山航空が大形なのが現金封筒を圧倒する迫力があって好ましいと思います。
これなら合格でしょ。

ローラー印のデータは「東山/49年11月22日」。
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昭和透かしなし24円 [日本切手]

昭和透かしなし切手って、ホントに持ってません。
恥ずかしいくらいありません。
で、仮貼リーフの24円のページにポツンと有ったのが下の切手です。

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左下の消印を読むと「新橋」となんとか読めます。そして、右の消印で「26年2月21日」「後0-6」と読めます。
2ヶ所の消印を読んで、何とかデータが完読できました。

こんなのを持ってたことを思い出すと、もう少し集めてみようかと・・・。
今さらですが。
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『日本郵便切手史論』 [文献]

一昨日の日誌で『続』編を紹介したので、やっぱり『正』編も紹介しないとスッキリとしません。
と言うことで、今日は下の画像の樋畑雪湖『日本郵便切手史論』です。

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本書は、昭和5年発行で発行部数は1,000部です。凄いですね。
ただ、売れたかどうかは知りませんが、『続』編は一気にその半分の500部に落ち込んでいます。

本書は、手彫から震災、新高額までの通常・記念切手について、その発行の経緯から題材選定、発行までの経過を発行に携わった人間の目を通して紹介しているので、なかなか興味深い内容になっています。
挿図にも明治初期の印刷機や切手の下絵スケッチ、参考写真などがあちこちに散りばめられており、それだけでも貴重な資料です。

切手発行物語り的な単行本は何種類も発行されていますが、本書を読んでしまうと、他の本はどうも中身が薄く感じられてしまいますね。
本書の文章の一つ一つは、そんなに長くはないのですが、製造に近い人間ならではの濃縮ジュースみたいな文章にまとまっています。

切手史の中で、本書が提供している材料には計り知れないものがあります。
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おしどり5円・観音10円切手帳 [日本切手]

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画像は、第1次円単位切手のアルバムから「おしどり5円・観音10円切手帳」のリーフ。

一番上が灰色のザブトンのままで何も入っていませんが、このリーフを作った当時は初期印刷の切手帳を挿入するつもりで場所を確保したのだけど、いつとはなしに興味が失せてしまったので、そのままの状態です。

下の開いた切手帳は後期タイプのものなので、やっぱりブランクを埋めないと締まりが悪くてどうにもなりません。

稀にこうやって古いアルバムを引っ張り出すと、「あっ、そうだ」と放置したままの状態を思い出しますね。
いくら専門外と言っても、少しは前進しないといつまで経ってもまとまりません。
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『続日本郵便切手史論』 [文献]

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昨日、『日本の郵便封皮、帯紙及葉書』を紹介したので、今日は、それとちょっと関係する『続日本郵便切手史論』について紹介しましょう。

本書は、書名の中に「郵便切手」と入っているものの、主体となっているのはステーショナリーで、切手関係は、後の方に切手帳や飛信逓送切手、電信切手、そして郵便貯金台紙などが掲載されているのみです。
本文217ページの内、ステーショナリーが179ページを占めています。

『日本の郵便封皮、帯紙及葉書』は、収集家が書いた本なので、実戦的な分類など収集的な側面から書かれたものですが、本書は樋畑雪湖の著書であるだけに、製造者としての側面からのアプローチになっています。
そのため、公文書の実例や廃案となった事柄、製造上の裏話的なことまで、企画や製造にタッチしていないと知り得ない事柄が所狭しと記されており、こうした記録の少ない日本切手やステーショナリーについて貴重な記録として残してくれています。

こうした記録物は、発行後何十年経っても色あせないものですね。
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『日本の郵便封皮、帯紙及葉書』 [文献]

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中田実氏による『日本の郵便封皮、帯紙及葉書』は、ステーショナリーの古典的基本文献として有名ですね。
発行は昭和4年で、本文100ページに切手付封筒は菊まで、葉書は手彫葉書までが採録されています。

手彫時代のステーショナリーが中心とあって、規則書や印面のバラエティなども細かく採録されています。
画像右は、切手付封筒の貼り合せ方法と、封じ目のエンボスの解説ページで、こんな細かい分類にも触れられているのはさすがだと思います。

昭和4年の段階で、現在の基礎分類が確立されているとはちょっと驚きますが、それだけ中田氏の観察眼と分類能力が確かだったのでしょう。


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20年振りの発見 [日本切手]

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画像は、第2次新昭和切手30銭の分割目打12枚ブロック。
入手してから20年になりますが、今日初めて分割目打であることを発見!

この切手、カメリアが閉店する時に買った新昭和の在庫まとめ買いの中に入っていたもので、購入後に主要なものはリーフに貼ったのですが、それから除外されていたグループに入っていたもの。
というわけで、20年間ストックリーフの中で眠り続けていたことになります。
中央の縦目打に分割目打の特徴が綺麗に出ています。

手元にはリーフに貼られた、上部40枚ブロックの分割目打があるのですが、今回発見のブロックでもう1リーフ作れることになりました。

デッドストックも見直すと新たな発見があるという見本ですね。
皆さんも、稀には重品の見直しを。
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『呉ポスト』682号 [文献]

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『呉ポスト』682号が到着。
「第二次新昭和切手とその使用例」という記事が連載されており、毎号いろいろなカバーを拝見させてもらっています。
今まで、カバーばかりに気をとられていて気がつかなかったのですが、よく見ると「JAPEX '90 大金銀賞作品」となっています。

90年というと、今から22年も前の作品です。
そんな昔の作品が、今頃拝見できるとは考えもしなかったですね。
あっ、別に悪いと言っているのではなくて、驚いているのです。雑誌だと通常、直近の切手展出品作品が掲載されるのが普通なので。
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