SSブログ

第1次ローマ字入り45円の使用例 [日本切手]

15313.jpg

画像は、第1次ローマ字入り45円ミズバショウ。
発行目的は、第1種定形外郵便の101〜150グラムまでと、外国郵便で第2地帯宛の航空葉書が主なところですね。
画像の使用例は後者のもの。
局名は「IMPERIAL HOTEL」ですから、帝国ホテル内で1972年8月2日。

米国宛の航空便葉書ですから第2地帯宛なわけで、ピッタリのものですね。
日光東照宮唐門の絵葉書で、局名、切手ともにちょうど良い使用例として気に入っています。
45円ミズバショウの航空便葉書は、第2地帯宛なので馬に食わせるほどありそうなものですが、気が利いた使用例となると、意外と少ない気がします。
コメント(1) 

「通常切手の新旧交代期間について」 [文献]

15312a.jpg

『切手趣味』73巻1号に掲載の三島良績氏による「通常切手の新旧交代期間について」。
なかなかユニークな発想で、さすが三島氏と納得の一文です。

新通常切手が発行されると、どの程度の期間で旧切手と交代するのか。
伝統郵趣で初期使用を考える時に重要な視点です。
それを三島氏は、自分宛の郵便物で統計を取りました。
月刊入手数が最大80通なので、統計としてはいいところだと思います。

データとしては、東郷4銭から基柱4銭へと、上高地5銭から東郷5銭への切替時期です。
どちらの場合も発行から1ヶ月半ほど経った頃に新旧が逆転するようで、東郷4銭は3ヶ月で、上高地5銭は5ヶ月で0近くまで下がっています。
コメント(0) 

チョロ消しも無駄にはできない [日本切手]

23日に、琉球の単位暫定切手についてご紹介しました。
あの時は第4コーナーの銘版付きブロックでしたが、今日は単片です。
しかも日本切手収集家ならば、多くの人がバカにするチョロ消し。
でも、このシリーズではどんな切手であれ1枚も無駄にはできません。
結論から言うと、下の10セント切手は第1版のポジション62の切手なのです。

15311a.jpeg

そう、このシリーズ最大の楽しみはリコンストラクションが可能なこと。
ですから、どんな切手でも無駄にはできないのです。
この切手のばあい、大きな赤丸には派手な実用版のキズが見えますね。そして、小さい方の赤丸の中には、画面では見えないかも知れませんが、小さな点があるのです。
この2つの特徴からポジションが確定できるのです。

日本では、この切手の専門コレクションを手彫切手、特に青一の収集で有名だった伊藤由巳さんが全日展に出され、その後に国際展へも出品されています。

昭和33年発行の切手でありながら、リコンストラクションが出来て、その他に用紙と目打も絡んでくるという興味深い切手です。
コメント(0) 

『中国郵票蔵品展覧』 [文献]

15310.jpg

1981年の秋と言うと、東京の晴海でPHILATOKYO81国際展が開催されましたが、それとほぼ時を同じくして、中国では水原コレクションの公開が北京と上海で行われました。
辛亥革命70年記念行事の一つとしての開催だったそうです。

その時に会場で販売されたカタログが画像のもので、展示構成順に解説とともに代表的なマテリアルを、オールカラーで採録しています。

展示は全体が下記に示す7部構成となっており、それぞれが中項目、更には小項目に分類される展開となっています。
1 清朝時代の郵政と切手
2 外国侵略者の在中国郵政
3 辛亥革命後北洋軍閥の時期
4 中国人民革命戦争時期
5 国民党統治期の中華郵政
6 中華人民共和国初期の切手
7 テーマテックコレクション(山東近代郵便史、東北近代史)
これらが、200フレーム、リーフ枚数では2400リーフにのぼる展示だというのですから、大変なものです。
そうした内容の濃縮エキスが、僅か32ページのカタログに掲載されています。

個々のマテリアルは『華郵集錦』で見ることができますが、記録として貴重なカタログと言えます。
展覧会場では、初日に完売であったと伝えられています。
コメント(0) 

青函連絡船 [日本郵便史]

青函連絡船。
懐かしいですね。
北海道を歩くのに、学生時代によく乗りました。
船内食堂の名物、海峡ラーメンを食べたことのある方も多いのではないでしょうか?

下の画像は、そんな青函連絡船の鉄郵印です。

15309.jpg

潰れてしまって読み難いですが、路線名は「青森函館間」。
日付は昭和11年3月4日で、便名は下二便。

青函連絡船の鉄郵印は探すとなると意外と無くて、思い立って直ぐに入手できるものではありません。
上下便を合わせて青函航路の最新使用例は、本例と同じ下二便で昭和11年10月8日となっています。
便号によってバラつきが大きく、上二便だと昭和6年1月10日が最新なので、5年ものバラつきがあります。
やはり、データ数が少ないのでこうなるのでしょうね。
コメント(2) 

琉球・単位暫定 [日本切手]

画像は、琉球が1958年に発行した、通貨切替に伴う通常切手の中から3セントです。

15308.jpg

この切手の発行経緯などは、皆さんもよくご存知だと思います。
画像は左下コーナーの6枚ブロックなので、99番切手には「旭堂印刷所謹製」の銘版が付いています。
秀山堂切手の銘版もそうですが「謹製」ですよ。謹んで作るって感じですからスゴイもんです。

3セントは一番版数が多くて4版まであるのですが、この切手は1版のもの。
できたら同一ポジションで4版を揃えたいのですが、これがなかなか上手くいきませんね。
コメント(0) 

コスタリカ・1922年加刷切手 [外国切手]

画像は、加刷王国の一つであるコスタリカが1922年に発行した通常切手からの1枚。

15307.jpg

台切手は、1910年と1921年発行のアメリカン・バンク・ノート社製の凹版切手を使用しています。
加刷は、コヒー豆を入れる麻袋に「COFE DE COSTARICA」。

コヒー豆の販売促進のための加刷切手ということで、お国柄が出ていますね。
コーヒー関係のテーマテック作品では、きっと定番の切手なのだと思いますがどうでしょうか?

日本だったら、何の販売促進切手を作るかなぁ?
コメント(2) 

『ワード エクセル パワポでできるパソコン・リーフ』 [文献]

15304.jpg

皆さんの中にも、既にご覧になった方も多いのではないかと思います。
切手展に限らず、普段のリーフ作りにパソコンを利用されている方は、とても多くいらっしゃるはずで、伝統的な手書きリーフは最早化石化と言ってもよいくらいでしょう。

パソコン通信時代の頃には『Vリーフ』というリーフ作り専用のソフトが日本でも売られていましたし、インターネットの時代になると外国製のリーフ作り専用ソフトも出回りました。
しかし、これらはいつの頃からか姿を見せなくなりました。

それはパソコンの普及とともに、汎用性のあるソフトの機能が充実し、それらが利用されるようになったためです。
僕について言えば、最初はワープロで文字だけ打ったのを切り抜き、それをリーフに貼っていました。1990年前後の話です。
その後、仕事で使っていた『QuarkXPress』というDTPソフトを使うようになり、『Adobe InDesign』を経て、現在は『Pages』を使用しています。

『Pages』は、MacやiPadに標準で付いてくるApple純正のワープロソフトですが、DTP機能を非常に強化したもので、DTPソフトに近いワープロソフトです。
リーフ作りに高度な機能は必要ないので、『Pages』のようなワープロソフトを使ってもDTP専用ソフトと比べて遜色のないリーフを作ることができます。

パソコンの定番ソフトと言えば、ワープロ、表計算、プレゼンテーションの各ソフトで、これらが最初からインストールされているパソコンも多く、誰もが気軽に使えるものです。
本書もそうした点から作られており、特にマイクロソフト社のWord、Excel、PowerPointを主題としていますが、Windows、Macを問わずに他社製のワープロ、表計算、プレゼンテーションの各ソフトでも同じことが実現できます。

本書は、編者である江村氏がテーマテック収集家であることから、テーマテックを中心に展開されており、内容に著しく偏りが見られます。そのため伝統郵趣や郵便史の収集家の視点に立つと、物足りなさを感じるのが難点ではないでしょうか。
CDが納められたパッケージを見ると、江村氏が著者ではなく編者となっているので、伝統郵趣、郵便史にはそれぞれ専門の方の協力があったならば、よりよい成果品になったのではないでしょうか。

本企画は、たぶんパソコンリーフ入門者向けに、リーフを作るに際してのソフト操作を解説するところが目的なのだと理解していますが、収録されている解説の中には、切手展出品へ向けてのものも含まれています。

その解説の中で、ダブルリーフ以上の大きさのリーフについて記されているのですが、この扱いについては伝統郵趣や郵便史では慎重であるべきで、その辺の扱いがテーマテック作品と一律にされてしまっている点が、入門者への誤解を招くものと考えられます。
ダブルリーフ以上の大きさについては、伝統郵趣や郵便史では、その大きさのリーフでなければならない、合理的な説明のつくばあいに限って使用するべきものでしょう。

本企画は、パソコンリーフ初心者にとっては、その作り方のテクニックを学ぶ上で有益なものと言えます。
価格も本体価格2200円と良心的なお値段なので、そうした方達にはお薦めできるものと思います。
できうれば、今回のものをベースに各分野の方々の参加を得て、よりよい改訂版として版を重ねていただきたいと思います。
幸い電子データとして作られているので、紙ベースの書籍よりも改訂版への取り組みはし易いのではないでしょうか。
コメント(0) 

図入りリーフ [雑記]

下の画像は、今から約40年前に作ったリーフです。
「作った」と言っても、図入りリーフですから単に貼り付け作業だけ。

15303.jpg

ボストークの図入り米国切手アルバムです。
買ったのは、藤沢の江ノ電百貨店(現小田急百貨店)の切手売り場で、1975年頃だったと思います。
確か900円位じゃなかったかな。

今は、ネット上に有料、無料を問わずに図入りリーフが幾つも公開されていますから、こうした既成の図入りリーフの時代ではないのかも知れません。
もちろん出来上がった時のクオリティーは、きちんと印刷された既成のものの方が上回っていますが、お手軽で、しかも安価という点においてはネット公開のリーフの方が利便性が高いでしょう。

思い出せば、この米国アルバムを買う時も小学生にはややハードルが高かった記憶があります。
今から思えば安価な値段ですが、当時の小学生にとっては思い立ってすぐに買える値段ではありませんでした。

ここ5〜6年の間に頓に増えた郵趣家未満の切手愛好家。
こうした人たちに、ネット上に存在するお手軽図入りリーフをご利用願えないものかと、よく思います。
切手愛好家から、もうワンステップ上がるのに図入りリーフを使ってもらえると、切手がさらに楽しくなると思うのですが。

郵趣家未満の人たちに、そういうヒントを公開する場があってもいいのではないかと。
コメント(0) 

第1次新昭和切手1円の使用例 [日本郵便史]

下の画像は、昔から持っている年賀葉書の使用例なんですが、今までなんとなく見ていたので、加貼切手まで頭がまわりませんでした。

15302.jpg

この葉書は昭和33年用の寄付金付き年賀葉書で、年賀状以外の使用なので1円切手を加貼しているわけですね。

使用は、神奈川国府津局で昭和33年5月12日。
この時期というと、第1次円単位の1円切手が現行で、その一つ前だと昭和すかし無し、その前には第2次新昭和の1円切手だってあります。

ところが、加貼切手は第1次新昭和の1円切手で、昭和21年の発行です。
なにしろ無目打!!

昭和30年代前半に局内使用された無目打の第1次新昭和切手を見ることがありますが、こうしたまともな使用例となるとどうでしょうかね。
4世代前の使用例ということで、物持ちがいいというか。
コメント(0) 

中国開国1周年記念 [外国切手]

中国切手。
僕のような『スタンプマガジン』『スタンプクラブ』世代だと、その頃は外国切手と言えば中国(中華人民共和国)切手が身近な存在でした。
なにしろ「安くて身近な中国切手を集めよう!」「中国切手はこんなに素晴らしい!」キャンペーンみたいでしたからね。

まぁ、僕もそれに引っかかった1人なんですが・・・。
でも、抜けるのは早かったですよ。

その頃に作ったアルバムからの1枚が下の切手です。

15301.jpg

「中国開国1周年記念」切手から400円です。
小学5年の時の『スタンプクラブ』に、「この切手の変な切手を見つけました」という質問がQ & Aのコーナーに載りました。
どこが変なのかというと、画像の切手は正常なのですが、これよりも高さが6ミリ高い切手があるというのです。
国旗の上端と上辺の目打との間が広いそうです。
そこで担当の今井修さんが、水原明窓さんと多数のシートを調べたところ、ごく稀にシートの第1列目の切手に見ることができるということがわかりました。

『スタンプクラブ』に寄せられた素朴な質問が、ジュニアが見つけたエラー報告だったのです。
当時、僕も「もしや!」と思って確認したのですが、画像を見ての通り普通の正常品でした。
コメント(4) 

『切手研究』332号 三井高陽会長追悼号 [文献]

15300.jpg

1983年10月発行なので、もう33年も前になります。
追悼号と言えば、色々な方たちからの追悼文がメインで、それに故人の略歴やちょっとした思い出アルバムと相場が決まっています。
本号もそうした定型化された内容を基本的には踏襲しているものの、僕の見方からすれば、それは脇役。
じゃあ、何がメインなのかと言えば、本書後半にまとめられた「三井高陽 論文・随想目録」ですね。
本文74ページのうち、30〜72ページまでがそれに充てられています。しかも、細かい字でビッシリと。
最初は1916(大正5)年の『郵楽』3巻1号ですから、16歳の時の著作。
そして最後は、1983(昭和58)年の『切手研究』329・330合併号で、亡くなる2ヵ月前のものです。
この間のおびただしい著作量といったら、ものすごい量です。数えてはいませんが千本を超えているのではないでしょうか。
そして、この種の集成作業には、必ず収録漏れがあるのが常なので、本来は更に多いものと思います。
恐らくこれほど多くの記事を書くことができる郵趣家は、今後は現れないでしょう。

氏の著作を概観すると、当たり前の事なのですが外国切手の記事が多く目につきます。
これは、日本人にとっては有難いことで、外国切手収集入門的に各国のアウトラインを掴むという視点にたてば、氏の著作は極めて有益な存在になります。
そして、海外の郵趣史的な著作も多く含まれている点も有難い存在と言えるでしょう。

また、郵趣随筆も多いことが特徴と言えますが、こうした記事は、土台が広くかつ強固なものでなければ書くことができません。

今の若手郵趣家の中には、三井氏の業績はおろか名前すら知らない方がいます。
そうした時代だからこそ、本書の存在は貴重なものと言えます。
コメント(1) 

「第二次大戦後の日本通常切手についての当時の記録」 [文献]

15299.jpg

本文は、切手製造史の研究に多大な功績を残された三島良績氏が、切手文化会の『モダン.フィラテリー』24号に記されたものです。

戦後間もなくの郵趣事情は厳しく、定期的な全国誌の発行が難しかったことから、リアルタイムな情報の中心は各地で発行されていた小規模誌が中心でした。
三島氏による製造面の記録は『青森郵燈』に毎月記録されていますが、今となっては同誌を見ることはほとんどありません。
本文は『青森郵燈』に記録された記事を再録し、注を加えたもので昭和21年8月〜22年9月まで、すなわち新昭和切手発行時の記録をリアルタイムで追いかけたものです。

一・二例を示すと、塔30銭単線12目打入切手については、21年8月下旬より一部の切手に対し目打を施し始め、それが10月に入って名古屋方面に配給され、東京では10月下旬になってから日本郵便切手会を通じて、ようやく入手できるようになったと記しています。

また、塔30銭の凸版ゲーベル印刷については、ゲーベル印刷機1台が復旧した昭和29年1月25日から印刷を開始し、30日に1回目の製品が納入されたこと、初期には枠線の奇偶反転のものが認められるが、やがて正常なものが出現したことなどを指摘しています。

こうした生の記録が24ページにわたり再録されていることから、当該シリーズを収集する者にとっては必読の内容となっています。
コメント(0) 

ハンガリーの変な切手 [外国切手]

画像は、ハンガリーが1972年に発行した鉄道切手で、タイトルは「各国の有名機関車」。
この切手は、僕が切手収集を始めた小学2年の時に入手した鉄道切手の1枚ですから、発行後間もなく入手した(正確に言うと父親が買って来てくれた)もの。

15293.jpg

この手の切手は、当時は洪水のように出回っていて、駅のキオスクなどでも売っていましたね。
まぁ、なにしろ切手収集を始めたばかりの小学2年生ですから、切手の内容よりも枚数を集めるのに熱中していたのは、どの小学生収集家にも共通したものです。

時は過ぎて、鉄道切手に興味がなくなり国別取集へと乗り換え。
もういつだったか記憶も定かではありませんが、ふと昔集めた鉄道切手の残骸を見直していて気がつきました。
「この切手、JAPANって書いてあって、しかもバックには富士山や鐘つき堂があるけど、こんな機関車は日本に無かったはず」
調べてみると、この蒸気機関車はアメリカのメーカーが森林鉄道用として開発したものでしたが、日本の森林鉄道では採用実績がないということがわかりました。

日本人なら「ハンガリー郵政が、日本ものとして適当にデッチ上げやがったな」と、とりあえず変な納得で終わりそうですが、外国の収集家にはそうもいかないかも知れませんね。
日本の蒸気機関車として扱われてしまう可能性が十分あります。

それにしても、どうしてこんなミスマッチになってしまったのですかね。
その理由に興味がありますねぇ。
コメント(0) 

塔30銭マ版 [日本切手]

塔30銭は、三島氏による『東海郵趣』の連載を経て『五重塔30銭切手の研究』として総括され、それが新井氏に引き継がれ『昭和切手研究』、そして近年の『30銭塔切手の版別分類』へ、というのが大きな流れですね。

下の画像は『昭和切手研究』では、マα2版の特徴として紹介されています。ポジションは83です。
赤丸で囲った、塔の相輪が完全に切断されています。
『昭和切手研究』では、この83番切手の変種の有無によって、α1と2に分類していました。

15290a.jpeg

ところが『30銭塔切手の版別分類』では、このマ版を1〜6版に細分し、83番切手の欠損の有無と程度(薄い、半欠け、欠損)と裏乗りの有無により分類し直しています。
この分類によると、上の画像は5または6版になります。

僕の手元には、欠損部分が薄いものや半欠けのものはありません。
ホイホイとすぐに入手できるとは思えませんが、それらを入手して横一列に貼る必要がでてきました。
入手には、きっと苦労するでしょうねぇ。
コメント(0) 

フランス・数字入点菱形印 [外国郵便史]

フランス切手の楽しみ方の一つに消印があります。
セレスに始まり、ナポレオン、サージュ、種まき辺りまでがその中心でしょうか。
このブログでも、以前にタイプ・サージュの消印専門書を紹介したことがありますが、フランスでは色々な本が出版されています。

今日ご紹介するのは、皆さんもよくご存知の数字入点菱形印。
当たり前ですが抹消専用印なので、日付印と併用されています。
ですから、本来はカバーで収集するべきものなのですが、伝統郵趣ではそうばかりは言ってられませんね。
下の画像は、そんな1枚です。

15292.jpg

ナポレオン無目打に「2310」番。
まず、この消印の着目点は数字が大きいか、小さいか。
と言うのは1863年1月1日に、それまでの小数字印から大数字印へと変更されたのですが、その際に番号の割り振りも大きく変更されてしまいました。
ですから、同じ番号でも小数字印と大数字印では違う局での使用となるわけですね。

画像の消印は小数字印で、その時代の「2310」番は「Nuits」局に割り当てられています。
これが、もし大数字印だったら「Mende」局になってしまうわけです。

ちなみに小数字印「2310」の「Nuits」局は、大数字印では「2706」を割り当てられ、大数字印「2310」の「Mende」局は、小数字印時代には「1957」を使用しています。
もちろん両都市は著しく離れており、全く関連性もありません。
コメント(0) 

『郵趣仙台』第218号 [文献]

15289.jpg

東北の重鎮氏から『郵趣仙台』第218号を、ご恵贈いただきました。
表紙のマテリアルは小判長形切手付封筒の外信便で、これはイイですねぇ。
できたらカラーで見たかったなぁ。

「和文ローラー印」は20回目で、昭和18年。
今後、19、20年と続くのだと思いますが、戦時中のことで色々と面白くなってくるのでしょうね。
「神戸中央郵便」というローラー印が紹介されているのですが、関西には「郵便」と入ったものが稀にあるそうです。
今まで、気にもとめていませんでしたが「へぇー」って感じです。

「東北の鉄道郵便印のデータ更新」は25回目で、連載もここまでくると根性ですね。
久しぶりの東北本線の更新分紹介です。
コメント(0) 

秀山堂塔30銭からの1枚 [日本切手]

15288.jpeg

画像は、塔30銭の中から秀山堂印刷の1枚。
秀山堂印刷のばあい、単片であってもポジションが特定できる強みがあります。

画像の切手は、右辺がストレートエッジになっているので、シート右端の縦列のどこかのポジションであることがわかります。
そして、もう一つの特徴はというと、赤丸で囲った縦飾りの欠損。
これはS版のポジション30の特徴です。
ただし、これが無いシートもあるので注意が必要です。

リーフに秀山堂切手が貼ってあるならば、どこのポジションの切手なのか見直すと面白いと思います。
コメント(0) 

『郵史論輯』第一部 [文献]

15287.jpg

松本純一氏の著作集である『郵史論輯』。
刊行は1990年ですから、早くも四半世紀も前になります。
本書は「第一部」とされていることからも、当初より順次刊行していく予定であったことがわかります。
続く「第二部」は、2002年に上下2分冊で刊行されました。

本書は、表紙にも記されているように1970〜1989年にかけて氏が執筆し、郵趣雑誌に投稿された記事53編と、氏の著作に対する書評や紹介、切手展の入賞記録などが収録されており、本書を見ることによりフィラテリスト松本純一を知ることができます。

ザッと主要掲載誌を見ても『全日本郵趣』『スタンプ・レーダー』『郵便史学』『切手研究』『フィラテリスト』『日本フィラテリー』など16誌を数えます。
収録記事は、もちろん氏のライフワークである在日フランス局が中心ですが、郵便史の方法論や軽い読み物として国際展参観記なども含まれています。

氏の著作には数々の有益な記述が多いことから、第一部、第二部ともに今でも読み返すことがあります。
一つ一つの記事を各掲載誌から引き出すには労力を要しますが、そうした観点からも一書にまとまっている本書の存在価値は高いものです。

郵便史に興味のある方は、第一部、第二部ともにセットで揃えられ、熟読することをお勧めいたします。
コメント(0) 

風景印押印台紙 [風景印]

風景印の押印といえば、ほぼ官製はがきと決まっていますね。
僕のような、B8判の名刺サイズのカードを使っている人は少数派。
たぶん100人のうち1人いますかねぇ。

と言っても、僕だって最初からカード派だったわけではなくて、小学生の頃からずっと官製はがきに押印していました。
下の画像がその1枚です。

15282.jpg

これは大学生の時に北海道へ行った時に押印したもので、この頃は経費節約で広告はがきを使っていました。
こうして見てもわかるように、はがきに押印すると空白部分が目立ってしまって、どうにもスッキリしません。
かといって、切断してしまうのもいかがなものかと・・・。

そこで、思い切って導入したのが名刺サイズのカードへの押印です。
もちろん小学生の頃から、カードに切手を貼って押印できることは知っていました。
70年代に刊行された『風景入りスタンプ』集にも、そうした収集法が紹介されていましたからね。
でも、理由もなく「押印は官製はがきにすべし」みたいな固定観念にとらわれてしまい、美観や整理方法もよく考えずにダラダラとしていたのが事実。

下の画像は、カード押印の一例です。

15284.jpg

こう見ると、やっぱり収まりがいいですよね。
僕は現在、A4サイズの名刺ホルダー(横2列×縦5列)に整理しているのですが、これが並ぶと下の画像のようになって実に壮観。

15286.jpg

ただし、カード押印にも欠点が。
それは当たり前ですが、カードを持って行くのを忘れてしまうと、どうにもなりません。
過去に何回か、そんな経験が・・・。
コメント(0) 

うっかり [日本郵便史]

雑多にある色々なものを見直すと、変なものが混じっているのを見つけることがあります。
下の画像もその一つ。

15280.jpg

丸一印なのですが、なんと月表示が入っていません。
たぶんうっかりミスで入れ忘れたのでしょうね。
それで何月の使用例なのかというと、文面を見ると年賀状ですから明治42年1月1日の消印であることがわかります。

こういうのも、話のタネには面白いですね。
コメント(0) 

ペニーレッド175年 [外国切手]

昨日に続いて、ロイヤル・メールが発行した「ペニーレッド175年」です。
取りあえず、画像を見てもらいましょう。

15279.jpg

どうです?
豪華でしょう。
画像が小さくて迫力はなかなか伝わらないと思いますが、実物はA3サイズという大きさです。

ペニーレッドに、レインボー・トライアルを組み合わせた、実に憎い演出をしてくれています。

ペニーレッドに先行して発売されていたのはペニーブラックですが、朱色の消印(マルタ十字印)を洗い流されて再使用されてしまうので、その対策が必要でした。
一番消印に適したインクは黒だということがわかったのですが、切手も黒、消印も黒ではどうにもなりません。
そこで切手の改色を考えたのですが、では何色が良いのか?
それを見極めるのに作られたのが、レインボー・トライアルです。

今回の切手のタブには、そのレインボー・トライアルが使われているので、ペニーレッドに決まるまでの流れを知ることができます。

印刷は、昨日の切手帳とは異なりカルトゥール社のオフセット印刷です。
コメント(0) 

ペニーレッド [外国切手]

画像はペニーレッドの切手帳。
イギリス切手に興味がない方には、「えっ、ペニーレッドの切手帳???」かも知れませんね。

15278.jpg

実は、ペニーレッド発行175年を記念して今年の2月18日に発行された、窓口用切手帳なのです。
ちゃんと印面右上には、エリザベス女王の白抜きが入っています。
まぁ、ある意味これが邪魔なんですけど・・・。(できれば無い方がいいですよねぇ)

もちろん凹版印刷ではなくて、ウォルソル社によるグラビア印刷でシール式になっています。
そんな、現代版ペニーレッドなのですが、いい切手に仕上がっているところがさすがですね。
コメント(0) 

旧議事堂はがき2円 [日本ステーショナリー]

先日、旧議事堂はがきの鉄郵印使用例をご紹介したので、今日は未使用。

15275.jpg

未使用は、リーフに取りあえず目立った紙質違いを2枚貼っています。
右が灰白色粗紙で、左が灰白色紙。
触った感じも、灰白色粗紙はザラザラしていますが、灰白色紙はツルッとしています。

『官葉研究』誌では、原版の違いにまで言及していますが、実際のところはどうなんでしょうか?
コメント(0) 

タイプ・パスツール [外国郵便史]

画像は、フランスのタイプ・パスツールのカバー。
この切手は、地味なので日本ではあまり人気がありませんが、僕は好きなシリーズです。
5〜6年前だったか、もっと前だったか忘れてしまいましたが、JAPEXにこれの素晴らしいコレクションが出品されていました。

15273.jpg

このカバーは、貼られているラベルを見てもすぐにわかるように書留便で、宛先はイタリア。
ですから宛地としてはありふれたものです。
差出地の Marseille の日付印は1926年2月4日で、貼られている切手は75cが2枚と1fが1枚で合計2f50c。
内訳は、書状料金が1f25cで、書留料金も1f25cになります。
このカバーが差立られる少し前の2月1日から、この料金に値上げされたばかりで郵便史的に興味深いカバーなので購入したもの。
改正以前、すなわち1月31日までなら1f50cでした。

しかも下の画像で見るように、裏面の中継印と到着印が賑やかしいというオマケ付き。

15274a.jpg

押されている消印は、Genova 2月5日、Movara 2月6日、Omegna 2月6日。
このうち、Genova と Movara は鉄道駅構内局の書留専用印です。
コメント(2) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。