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福井ボタ印 [日本郵便史]

専門で集めているわけではないので、同一局のボタ印をしげしげと見比べることが、ほとんどありませんでした。
今日、福井ボタ印を何気なく眺めていたら「アレレ」と。

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見やすいように、画像を切り抜いて正位置に並べたのが上の画像です。
左は末梢部の左に日付部があり、そして、右はその反対に末梢部の右側に日付部があります。
つまり、日付部が逆位置に移動しているわけですね。
データを見ると左は明治18年11月、右は20年5月です。

そこで手元の福井ボタ印を見てみると、20年3月までは日付部が左で、20年5月から右になっているようです。
残念ながら4月の使用例が手元に無いので、切り替わった時期の特定はできません。

他局ではどうなのでしょうか。
手元には徳島ボタ印が多少あるので、後日見てみようかと。

明日から6泊7日の出張に出ます。
更新が出来るかどうかわかりませんので、念のため。
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スウェーデン・イェータ運河 [外国切手]

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以前にも切手帳の中身を紹介したことがある、スウェーデンが1979年に発行したイェータ運河。
僕にスウェーデン切手の美しさ、素晴らしさを教えてくれた思い出の切手です。

上に切手帳、閉じた状態で表紙を見せています。
そして下には初日カバー。
初日カバーで切手が見えるので、切手帳は開かないで多彩な表紙を見せることにしています。
これが、僕が気に入ったスウェーデン切手の基本的なリーフ構成です。

1979年というと中学3年の時で、巷にあふれていたグラビア印刷の切手にウンザリしていた頃。
そんな時に出現した凹版の大形切手ですから、その時の衝撃と言ったら大変なものでした。
「世の中に、こんな美しい切手があるのか」と。

イェータ運河というのは19世紀に作られた運河で、バルト海沿岸の小さな町メームからスウェーデンで一番大きな湖であるヴェーネルン湖まで190.5kmを繋ぐ運河で、途中に58ヶ所もの水位調整用の水門があります。

ヴェーネルン湖から先には、イェーテボリまで流れるトロールヘッテ運河があり、イェータ運河とトロールヘッテ運河を使って、バルト海から北海へと横断する6日間の運河クルーズがあるそうです。

スウェーデンには何回か行ったことがあるのですが、イェータ運河を見たことがありません。
定年退職後の楽しみに、ぜひ6日間の運河クルーズを体験して、切手に描かれた原風景を満喫したいものです。
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蘭印スマトラの正刷葉書 [日本ステーショナリー]

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画像は、なぜか1枚だけ持っている南方占領地のステーショナリー。
たしか、25年位前に購入したロット物の中に混じっていたと記憶しています。
下部にファイリングの綴じ穴がありますが、まぁ、良しとしておきましょう。

メダン在住の中国系人が、日本に住んでいるドイツ人宛に差し出したものなのですが、通信文を読むとローマ字で、おかしな日本語がタイプで打ってあります。
日本からの書留便を受け取ったことが書かれているのですが、細かい内容は意味が通じないのでわかりません。
日付は2603年12月28日となっています。
2603年とは、皇紀ですから昭和18年ですね。

葉書の消印データは下記のとおりです。
「メダン/19. 1. 13/スマトラ東海岸」
つまり、この葉書は差出してから検閲を受けて消印されるまでに16日を要しています。

裏面には、受取人が押した受領日付印が押されているのですが、こちらは2月23日なので逓送日数に41日掛かっています。

当時の状況を考えると、普通の逓送日数と考えられるのでしょうか?
明治初期でも日仏間がこの程度の日数なのですがね。
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『南方占領地の切手と郵便』 [文献]

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郵趣モノグラフ25として刊行されたのが本書。
だからといって今までと同じ傾向の文献だと思って手にすると、大きく出鼻を挫かれます。
従来のモノグラフ・シリーズは、概説書的な要素が大きかったのですが、本書は南方占領地切手のトピックスを集めたものという編集になっています。

南方占領地切手については、モノグラフで素晴らしい概説書(『南方占領地切手のすべて』)が2分冊で出版されています。
この2分冊があるからこそ、本書が活きてくるのです。
つまり、本書は3分冊セットの内の1分冊と考えることもできます。

本書はオールカラーで、マテリアルが大きく収録されており、解説は長くもなく短くもなく程よい長さで、読者を飽きさせません。
南方占領地の全地域から選び抜かれた希少なマテリアルが、ページを捲る度に目に飛び込んできます。
解説の中にさり気なく書かれている貴重な情報に、色々と教えてもらいました。

楽しみながら2日感で読破です。
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イギリス・マーチンの貼込帳から [外国切手]

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手元に、こんな感じの貼込帳がたくさんあります。
こうのように貼込まれていればまだ良い方なのですが、手付かずの貼込予備軍がその何倍もあります。

画像は、イギリス・マーチンの3ペンス切手からの1ページ。
いつ作ったのかは全く記憶に無いのですが、たぶん中学生の頃だと思います。
この切手は1971年発行なのですが、このページの切手は1971〜73年の消印のものばかりで、発行年使用が多数あります。
と言うことは、比較的初期に回収された使用済切手で作られた紙付きミクチャーを剥がしたことになります。

当時は大沢スタンプの紙付きをよく買っていたので、たぶんこの時もそうだったのでしょうね。

今では、こんなことは全くしないのですが、あの当時はこうして外国切手を勉強していました。
紙付き切手の整理は一見回り道のように思われてしまうので、収集にも効率化が導入(?)されてしまった現代では、紙付き切手の整理をこまめにする人は少なくなってしまいました。

でも、紙付き切手を整理して体感的に理解できることも多いと、僕は確信しています。
切手展出品作品とは別の次元で、紙付き切手を単純な収集として楽しむ人が増えてもらえると、郵趣の世界も広がるのだと思いますが、いかがでしょうか。
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太い丸一形印 [日本郵便史]

子供の頃から丸一形印の枠に太いのと、細いのがあることに気がついていました。
その頃「どうしてだろう?」と思い、某切手展に併設されていたジュニアQ&Aコーナーで質問したことがありました。小学4年か5年の時だったと思います。
その時の答えは「摩滅して潰れたから」というもの。

で、月日は経って大学生になってから、消印のバラエティとして細いのや太いのがあることがわかりました。
細い端正な顔立ちの丸一形印や、太っとい田舎のおばちゃんのような丸一形印。
下の画像は、僕が持っている数百枚の丸一形印の中から、太さでは一、二を争うもの。

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データは「越前大森/廿九年五月十二日ハ便」。
リングの太さは3ミリもあります。
細いのだと1ミリほどですから、その約3倍もありますね。

丸一形印、地味ですがなかなか面白い消印です。
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尾道ボタ [日本郵便史]

昨日の『尾道の郵便』に絡んで、手持ちの尾道ボタ印を調べてみました。
それが下の画像で、見やすいように横位にしてあります。

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2枚ともに明治21年の1月使用で、左が6日で右が7日です。

尾道ボタはタイプA〜Bの3種に分類できるそうですが、本例は両方ともにタイプAであることが、字体の特徴からわかります。
『尾道の郵便』では、タイプAの最新使用例について「明治21年の1〜2月頃と思われるが、いまひとつ明確でない」と記しています。
とすると、本例はタイプAの後期使用例となるわけで、ただなんとなく持っていた尾道ボタ印にも多少の位置付けが明確になってきました。
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『尾道の郵便』 [文献]

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昨年の夏以来の超多忙が、ようやく収束してきて少しだけ余裕が出てきました。
そこで、配本にはなったものの全く読まずにいた本を、ボツボツと読み始めています。
そうした中の1冊がこれ『尾道の郵便』。

読む前までは「郵趣モノグラフ」というシリーズの中に、ある1地方のローカル郵便史を入れたことに対して甚だ疑問を感じていたのですが、一読して「まぁ、これも有りかな」と思うようになりました。
本書は、いわゆる地方郵便史ものとはやや感じが違う出来上がりになっており、その平易な解説から郵便史に疎い人でもよく理解できる内容だと思います。

じゃあ、全体的に簡潔な内容なのかと思うと、僕などが読んでも脚注を中心に始めて知ることが、多々ありました。

ただ残念だったことは、誤植が散見できたことですね。
しかも、それらはちょっと気をつければわかる部分なので「よほど急いで校正作業をしたのかなぁ」などと、お節介なことを思ったりします。

特に1章〜5章までは素晴らしい解説で、またカラー図版のリーフも効果的です。
全体的に非常にわかりやすく、読みやすい郵便史本でした。
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セント・ビンセント加刷の加刷 [外国切手]

加刷と言えば、僕が先ず最初に思い浮かべるのはコスタリカ。
このブログでも何回か紹介したことがありますね。
それに次いで思い浮かべるのが、セント・ビンセントです。
ここは、19世紀のクラシック物に加刷が意外と多くて、下の画像はその一枚。

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この切手、元々は1882年発行の1 Penny 切手だったのですが、それを翌1883年に加刷で2 1/2 Penceに、そして1885年に再び加刷をして1 Penny 切手に。
つまり、回り回って元の額面に戻ったわけ。
こんな数奇な運命を辿った切手も珍しいですね。

ところで、画像の切手はオフセンターでよろしくありません。
セント・ビンセントの19世紀物は、他の英領諸国と比べても数段オフセンターが多いのです。
「なぜなんだろう?」といつも思うのですが・・・。
状態の良い出物に当たれば貼り替えて行くのですが、オフセンターばかりでなかなかですね。
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『郵趣仙台』第216号 [文献]

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昨日、画像の『郵趣仙台』216号をご恵贈いただきました。
ありがとうございます。

毎号楽しみにしている「和文ローラー印」は18回目で昭和16年です。
縦書ローラーの「大本営内」局のカバーは、全くもって素晴らしいの一言です。
評価一覧を見ると、さすがに南洋は別格ですね。でも昭和切手のアルバムに1枚欲しいなぁ・・・。
以前に紹介したトラック局の櫛形印みたいに、駄物を集めたロット物の中から出て来ないかしらねぇ。

編集後記を読んでいたら、今年のJPS全国郵趣大会は盛岡だとか。
盛岡には年に何回か行くんだけど、ちょうど6月にも行く予定があるし、全国会員大会に合わせて行こうかしら・・・。
しかも、斎氏のローラー印の公演もあるとか。
で、会場はどこのホテル?
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こんな切手でも・・・ [日本切手]

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画像の手彫切手、普通の収集家なら集めようと思わないかも知れません。
和紙の青一銭の18版でポジション19の切手です。

僕は、手彫切手の王道的収集なんて、とてもじゃないけど資金的に不可能。
でも手彫切手は好きだから集めたい。
それなら、人が集めないような方法で自己満足で集めればいいじゃないの。って方針で適当に集めています。

画像の切手は、一見して印面の荒れがひどくて、カタログコレクション的に良品1枚を集めるならば、まず買わないものでしょう。
しかし、手彫切手を語るコレクションには加えたい切手なのです。
彫線の明瞭な切手の隣に貼って、版が潰れる直前の切手として。
特に七宝周辺とか、桜葉の潰れ具合なんか惚れ惚れとするほどで、印面全体のインクの乗りの悪さもいい感じです。

左辺の目打が甘いですが、こんな切手でも手彫切手を安価に楽しむなら必要な切手です。
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『英国切手部会報』211号 [文献]

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先日、一足先に配信になった『英国切手部会報』211号の紙版が本日配達。
電子版、紙版ともに読めるのがいいところで、最先端の部会報です。

本号も読み応え有りの36ページ。
しかも、
「Great Britain One Penny Black and Red-Brown from Black plates 1840-1841」
「ペニーレッドで始めるイギリスクラシック切手入門 製造面編」
のクラシック2本立てを中心とした内容。
前者は前号に引き続いて切手展出品作品の詳細な解説記事で、後者はタイトル通りの有益な解説です。こうした内容を日本語で読め、しかも図版や表を適切に挿入してあるので理解が高まります。

イギリス切手やクラシック切手の収集家、そして興味がある方は必見の部会報です。
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サウス・オーストラリアのミニ切手 [外国切手]

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画像は、サウス・オーストラリアが1883年に発行した通常切手。
見るからに、小さなミニ切手であることがわかりますね。
大きさは10.5ミリ×19ミリ。

こんな切手でも色や目打のバラエティがあって、その組み合わせがかなりの種類になります。
目打だけでも、10、10×12、12×10、12、13、15の6種類です。
そして色が5種類。

それにしても、こんな小さな切手をよく作りましたね。
手が大きなオーストラリアの人には、さぞ扱い難かった切手だと思います。

現代の我々にして見れば、小さすぎてリーフの穴埋めに苦労する切手。
なにしろ1リーフに貼る切手の枚数は、普通の通常切手の倍くらいは必要でしょうから。
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赤2銭の後期印刷使用例 [日本切手]

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画像は、新小判2銭の目打13。
つまり後期印刷のものですね。左上コーナーにはトンボの一部が見えてます。

皆さんご存知のとおり、僕は日本切手の収集家と呼べるものではありませんし、ましてや小判切手なんて言うと「高嶺の花で、積極的に集めるものではない」と思ってましたから、まともに買ったことがほとんどありません。
そんないい加減な集め方をしていると、後期印刷の切手というと丸一印のオンパレードになってしまいます。
事実、だいぶ昔の話ですがリーフを作ったら見事に丸一印がズラリと。

画像の消印は、敦賀局のKB2型印。
目打13の後期印刷と言えば明治19年末〜20年以降のものですし、二重丸印は明治21年9月に丸一印に変わってしまうので、ただ何となく集めていると未入手になってしまう組み合わせ。

僕も、上記のような経緯があってから意識して入手しました。
後期印刷のリーフに二重丸印があると、いい感じになります。
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『Railway Stamps』No.184 [文献]

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今日、仕事から帰って来たら『Railway Stamps』No.184 が到着していました。
今号も楽しく読んでいます。
『Railway Stamps』の特徴の一つは、1号当りの執筆者数が多いことで、裏を返せば短編の記事が多いことです。
長文の記事は読むのが大変だし、程よい長さの記事が多い方がバラエティがあって楽しく読めます。
今号は17の記事や報告がリストされています。

樽井氏と三浦氏による「大戦と列車 生きた証人」では、フランスが1978年に発行した第一次世界大戦の休戦協定締結式に使用したワゴンリー社の食堂車を描いた切手を題材として、この車両がその後辿った数奇な運命を紹介しています。知らなかった事柄も多く記されていて、今号で最も興味深く読みました。

「愛蔵のマテリアル紹介」は、エジプトが1933年に発行した秀作「第12回国際鉄道会議記念」4種貼り書留カバー。僕の好きな切手の使用例なのですが「こんなカバーが欲しいなぁ」って感じの魅力的なマテリアルです。
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