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『世紀の悪党ども』 [文献]

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タイトルからすると、切手収集とは全く関係ない本と思われますよね。
本書には、45人もの悪党による色々な犯罪が紹介されているのですが、その大部分が詐欺とか経済犯罪的なもので、いわゆる血なまぐさい事件は含まれていません。その点、安心して読める本です。

で、なんでこんな本を紹介するのかというと、先ほど「詐欺」と書きましたが、あのスペラティが「切手偽造の名人」というタイトルで収録されているのです。

本文が、B. P. Aによるスペラティの全ての道具と在庫品の買収の件から記されているという点に好感が持てますし、B. P. Aの広報担当の取材にも触れているので、真面目に取組んで書かれた文章であることがわかります。
それにしても、スペラティに偽造を止めさせる手だてが買収だったとは面白いですよね。日本人には無い発想だと思いませんか?

この手の本としては、完成度は高いと思いますし、日本語で手軽に読める利点がありますので、全ての収集家に一度は読んでもらいたいものです。
ただし、切手収集家による翻訳ではないので、郵趣用語の不適格な訳が所々にあり??という部分があるのが残念といえば残念です。

本書は、リーダースダイジェスト社が1969年に刊行したものです。

明日から所用でお江戸へ参りますので、次回の更新は日曜日です。
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