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朝鮮専用の標語印 [日本郵便史]

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画像は、朝鮮・平壌の標語入りD型機械印が押された使用例で馬山宛。
消印部分のアップは下の画像です。

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データを示せば、「内鮮/一体は/国語から」「平壌/18/6.30」。
と言うことで、昭和18年6月30日の使用例です。この頃になると時刻活字は取り除かれています。
この標語。解り易く言えば「日本本土と朝鮮が一体になるには、言葉の統一からだよ」ということなので、戦前の体制をストレートに現していますね。
使用は、朝鮮のみで本土では使われていません。

郵趣マテリアルであると同時に、歴史の一資料でもあります。
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昨日の日本経済新聞朝刊 [雑記]

昨日の日経新聞朝刊の文化欄に切手収集家が紹介されていました。
たぶん、多くの皆さんも既にお読みになったと思います。

紹介されたのは、中部ろうさい病院名誉院長の堀田饒さん。
ここまで書くと「あー、あの人ね」とピンと来る方も多いのではないでしょうか。
そうです。『切手にみる糖尿病の歴史』をお書きになった方ですね。

糖尿病の切手は100種ほどしか無いそうですが、それでも各国の切手商を巡ってもなかなか入手困難なものがあるそうです。

1994年に日本で開催された「国際糖尿病会議」の時に発行された記念切手の図案には、学会から切手発行の申請を行い、デザインの提案もされたそうです。
そんなことは、こうした時にでも書いてもらわなければわかりませんね。

紙媒体の紙面だとモノクロ印刷だし、その上紹介されている切手の数も少ないのですが、電子版だとカラーで、しかも多くの切手を見ることができます。
この辺がさすが電子版ですね。

日経新聞朝刊の文化欄は、新聞各紙の中で最もグレードが高いのですが、数年に1回程度は切手収集家が紹介されます。
過去に紹介された中で、よく覚えているのは手彫切手と国際展審査員のテーマで白井二実さん。そして在日フランス局のテーマで松本純一さんですね。

次に紹介されるのは、どなたでしょうか。
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スロベニアのチェーン・ブレイカーズ仮貼り [外国切手]

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スロベニアのチェーン・ブレイカーズは、日本でも有名な切手ですね。
画像は、その仮貼リーフからの1枚で、1919年発行の平版印刷のもの。
この切手には、この他に版式が凸版に変更されたものもあります。

各額面を合わせると、数千枚のチェーン・ブレイカーズを画像のような仮貼リーフに整理して、その中から選別したリーフを作っているのですが、複雑すぎて思うようにまとめられない切手です。

ということで、枚数はあっても、僕には先の見えない切手の代表例です。
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新小判5銭のこんな使用例 [日本郵便史]

新小判5銭の国内使用例と言うと、ボタ印とか二重丸印が貫禄があって良いのですが、そんなのは夢なので、丸一印の使用例でガマンということで、だいぶ昔に買ったのが画像のもの。

店頭でこのカバーを目にした時には、「こんなのがあるんだぁ」と少々ビックリしたと同時に消印の状態がよくなかったので、「どうしようかな」とも思ったのですが、安価な値付けだったので、取りあえず買ったものです。

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左上の「書留」の朱印はよくわかりますね。
その右にある、一部配達印と重なってしまっている朱印はなんだか読めるでしょうか?
これは「訴訟書類」です。

貼付切手は新小判5銭切手が3枚で15銭料金。
抹消印は、読みづらいのですが「信濃上田/丗三年十二月二十二日ホ便」
到着印は、これまた判読に苦労しますが「信濃磯部/丗三年十二月二十二日ニ便」

料金の内訳は、基本料金3銭+書留料金7銭+訴訟書類5銭で合計15銭。
新小判5銭3枚の使い方としてピッタリ。

見栄えは良くないですが、使用例としては気に入っています。
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おしどり5円の仮貼りリーフから [日本切手]

おしどり5円の仮貼りリーフには、その時々に気がついた注記がしてあります。
その内の1つが画像の切手。

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縦ペアの下の方の切手ですが、拡大画像で示すとこんな感じです。

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丸い茶色の点が目につきます。
小さいようですが、意外と大きく肉眼でもよく見えるのです。
スクリーンは茶90度、青45度で、新宿局37年7月の消印が押されています。

中身の無い話しですが、とりあえず「こんなのがありました」ということで。
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" MALTESE CROSS CANCELLATION GAUGES " [文献]

文献と分類するにはちょっと苦しいけど、取りあえず文献ということで。
本来なら、アクセサリーかな。目打ゲージのように。

目先の変わったものがあると、たとえ実用的に??のものでも、安かったら買ってみることが多いですね。
まぁ、見事に使い物にならないものもありますが、「オッ!これはいける」というものも少なからずあります。
アイディア商品への投資みたいなものでしょうか。
言い換えるとギャンブル的でもあります。

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画像のアイディア商品は、「あの複雑なマルタクロスが簡単に分類できる」的な商品です。
ただし、全く万能ではありません。
どんな物かと説明すると、透明のプラシートに代表的なマルタクロスが印刷してあるので、切手やカバー上の消印の上に被せて、一致する消印を探すというもの。

ただし、マルタクロスは膨大な数が存在するので、全ての印影を収録しても実用的ではないので、1シートに15個。それが3シートですから、合計45個しかありません。
個人的には、もう少しあった方が親切かとは思いますが、ポピュラーな所が選ばれているので、初歩者には意外と実用的な部分があります。
実は僕も、このシートを用いて自分の間違った分類を見つけた実績があるのです。
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菊 1 1/2 銭のリーフから [日本切手]

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画像は、菊切手 1 1/2 銭のリーフからの1枚。
上段の未使用は Azure 色がまだ欠けたまま。
未使用は目打分類はせずに、取りあえず色を揃える事が目標で集めていますが、20年経っても各額面に穴が幾つも残っています。それだけ不真面目に集めている証拠でしょうね。

使用済でもAzure は単線12.5で未収。2段目に空欄があります。

使用済では下段の右端が櫛形印の初日で名古屋のもの。下の画像がその拡大です。

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何でこんなのがあるのか、どこで買ったのかも全く覚えていません。
菊切手。子供の頃から好きな切手です。
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『昭和切手資料』1937年〜現行まで [文献]

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昔の『全日本郵趣』には、毎号付録が付いていたことがありました。
例えば、以前に紹介した南方占領地の解説書がそうですし、これなどは、今でも現役の資料として重宝しています。
今日ご紹介する『昭和切手資料』も同じスタイルの付録で、昭和45〜48年にかけて本文とは別刷りで添付されていました。

昭和切手の解説書というと、製造面に詳しい『昭和切手研究』とか、どちらかと言えば使用面に重点が置かれている『昭和切手とその集め方』がありますが、本書はそこまでは詳しくないけど、カタログ・コレクターがもう少し突っ込んで収集してみようとか、『日本切手とその集め方』では物足りない方がもう少し知識を深めるのに適したレベルだと思います。
つまり、概説書と専門書の中間的な存在と言えます。

副題には「現行まで」となっていますが、実際は「昭和透かし無し」切手までで終っているのが残念なところで、せめて「円単位」切手まで連載が続いていたら・・・。と思ってしまいます。
また、本文には図版が多く使用されており、とても上手く編集されている点に感心させられます。

古書市場で『全日本郵趣』の旧号が多く流通していますが、大抵のばあい付録が外された状態であるようです。
本書の揃いを見ることは、新しい割には意外と少ないようです。
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新小判と菊の混貼 [日本郵便史]

新旧切手の切り替わり時期には、当然新旧切手の混貼が出現しますが、郵便局の在庫として自然な形で発生する混貼使用例は、新切手発行後1年〜1年半程度が目安でしょうか。

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画像の使用例は、新小判2銭1枚と菊切手の1銭1枚に1/2銭を2枚貼って4銭料金とした、ドイツ・ベルリン宛のはがきです。
消印は横浜局の和文印で、データは「横浜/35-7-25/后2」。
横浜局なのに欧文印ではなく、和文印です。どういう時に和文印を押すのでしょうか・・・。

明治35年と言うと、菊切手の最初のグループ(本使用例の1銭切手)が発行されてから、3年以上が過ぎています。
この切手の組合せを見ていると、たまたま手元にあった切手を組み合せて貼った感じがしますね。だとすると、新小判2銭は使い残しとして仕舞い込まれていたものだったのでしょう。
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『郵趣仙台』第201号 [文献]

仙台在住の東北の重鎮より、『仙台郵趣』第201号をご恵贈いただきました。

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例会記録を見るとなかなか盛会、活発な様子です。
僕は、こうした郵趣会の会報を見る時には、例会などの活動記録を必ずじっくりと見させていただくことにしています。
当たり前ですが、活動が活発な会ほど充実した例会で内容も豊富。
衰退する郵趣会は、その真逆。

「和文ローラー印」の記事は菊切手。「菊のローラー印カバーが欲しいなぁ」と思いつつ十数年経ってしまった自分としては、全く羨ましい限りの記事。僕なんかは単片1枚持ってるだけ。それも、フラフラで役立たずのようなものです。

「即日速達郵便」の連載は、東京郵政局管内の茨城・栃木県関係。大都市を離れると取扱件数が少なくて、集めるのも難しそうです。鉄道郵便路線と絡めての解説は「なるほどね」と思わせる内容で面白い。
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オーストリア・世界柔道選手権 [外国切手]

オーストリアと言えば、デザインから印刷までの完成度が極めて高い、つまり質の良い切手を発行する国として有名です。
そんな中にあって、日本人から見て「ちょっと待てよ!」と言いたくなるのが画像の切手。

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けっこう有名な切手なので、外国切手に興味が無い方でもご存知かも知れません。
1975年10月23〜25日にウィーンで開催された「世界柔道選手権」大会の記念切手です。
特にモデルはいないと思いますが、東洋系の顔つきだし、柔道の切手なので日本人を意識して描かれたものだと思います。
それにしてもねぇ・・・。ちょっと顔だけアップにしましょう。

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眉毛、太いですね。ヘアスタイルも何と言えばよいのか・・・。
なんか時代劇に悪役の浪人として出てきそうです。

1975年というと、日本人はヨーロッパに怒濤のように行っていますから、日本人の標準的な顔ってどんなものか知っていそうですがね。
それにしても印象悪いなぁ。この顔は。
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「拇太印の評価」 [文献]

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『切手趣味』50巻4号(昭和35年4月)に掲載された「拇太印の評価」は、中川長一、吉田利一、中尾雄三、服部静夫という当時の消印研究を担っていた4氏による共著。

拇太印の希少性をランク付けしたものは、それ以前に小松盛雄氏によるものがありましたが、個人の見解をまとめたものだったため、平均化を図ることから4氏による共同調査・執筆としたものでした。

今回の手法は、コレクションの内容、実際の収集に際しての実感、オークションでの出現頻度などを主なデータとして検討したということです。
例えば、
「希品」としたA級は、根室、若松、奈良、丸亀、那覇、札幌、宮崎。
「入手困難」としたB級は、水戸上市、高松、尾道、鳥取、佐賀。
「入手やや困難」としたC級は、多度津、兵庫、山口、高田、浦和、水戸、松本、長浜、千葉、姫路、神奈川、甲府、盛岡、津、松山、松江。
以下、D級「入手容易」、E級「ありふれたもの」、別格級と続きます。別格級は未確認の山家です。

今だったら、グループ分けをもう少し細分できると思いますが、昭和35年当時の市場状況はこんな感じだったのかも知れません。
消印収集専門家以外の間で、拇太印の局別希少性が収集上の一般的知識として広がるのは、本文が公表された時期よりもずっと後の事ですから、その意味では先駆的な発表だったのではないでしょうか。
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「ペニー・ブラック物語」 [文献]

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同名の冊子が、新書サイズ32ページでJPSから「世界の切手シリーズ1」として刊行されていますが、それとは全く関係ありません。

全日本郵便切手普及教会から『切手』という週刊誌が発行されていましたが、その1359号(1979年3月6日)から16回の連載で掲載されたのが、今日ご紹介するものです。
著者は、イギリス郵便史では国内随一の星野定雄氏。

内容は、プレ・スタンプに始まり、アイディアの公募、マルレディー封筒、原画の作成や彫刻、試刷り、印刷、マルタ十字印、ペニー・レッドや2ペンス・ブルー、チェックレター、目打、その他の事柄を1テーマ1号の連載で掲載し、最後には参考文献の紹介まで含んでいるという丁寧さ。

イギリス初期切手のについて、日本語で読めるコンパクトにまとまった著作として、これほど適切な解説は見当たらないと思います。

特筆するべきは図版の解説で、単なるキャプションに留まらず、図版を読み解かせる内容になっています。
難解なプレ・スタンプに初めて接する人も、本書の図版を見ればよく理解できること間違いありません。
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満州国・第3次普通切手10分 [外国切手]

今日から4連休。
指定休2日+夏休み2日で、今年始めての僕にとっては大形連休ですね。
20代、30代の頃と違って、6連休とか7連休なんて夢のような話し。

満州で1934年から発行された第3次普通切手。図案は「遼陽の白塔」と「溥儀」。
この切手が2つのグループに分けられるのは、ご存知だと思います。
つまり、雲形透かしのグループと、国名透かしのグループです。
前者は15種で、後者は額面10分と13分のたったの2種。
この違いを「単に用紙の違いでしょ」程度に思われている方が意外と多いのではないでしょうか?

下の画像は、その2種の比較で1分が雲形透かし、10分が国名透かしです。

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パッと見た感じでは、違いはわかりませんね。同じものに見えます。
それでは、ちょっと部分拡大して「白塔」の下に描かれている樹木の部分です。

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彫が違うのがわかりますでしょうか。
この切手は、見ての通りの凹版なのですが原版が2種なのです。
雲形透かしは、日本の印刷局で全ての工程を行ったのですが、国名透かしの方は日本の凸版印刷で実用版までを作り、印刷は満州国中央銀行印刷所で行ったのです。
凸版印刷では、印刷局製の切手の拡大写真を元に凹版彫刻を行っているので、細かく観察するとこのような原版の違いが確認できます。
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スイス・ゴッタルド鉄道開通100年 [外国切手]

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画像は、スイスが1982年に発行した「ゴッタルド鉄道開通100年記念」。
この線で有名なのが、大アルプスを貫くゴッタルド・トンネルで、延長は14,998kmあります。
僕が初めてこのトンネルを通ったのは1983年で、まだTEEが元気な頃。その名も特急「コッタルド」でした。
大きな窓からの景色は良いし、食堂車ではコース料理が食べれました。

さてさて切手の話しですが、左右の切手自体はよくわかるので問題ではないのですが、悩んだのが中間にあるタブ。
線画で人がゴチャゴチャと描かれているので、最初は何のことやらさっぱりわからなかったのですが、「建設工事の途中でトンネル内を巡視中に急死した、工事責任者であるルイ・ファーブルの遺体を搬出する様子」とのこと。

タブとは言え、搬出する遺体を描くのはなかなか無いデザインだと思います。
それにしても、わかりにくいですね。
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ペニーレッド・プレート12の使用済 [外国切手]

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今日のペニーレッドは、無目打。
もちろん、後に出された目打有りと比べるとお高いですが、クラシックという時間的な洗礼を考えると普通の版なら安いので、そんなに気兼ねなく買うことが出来ます。

画像の切手はプレート12で、位置はご覧のとおりSCなので、下から2段目の左から3枚目。
この切手の特徴は、下の画像を見て下さい。

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右上の飾りの上辺のラインが途切れていますね。これが特徴になります。

そして、ドンと押されたマルタ十字の消印。
一見同じように見えるこの消印も、局によって特徴があります
この消印は、ロンドン・タイプ1というもので、1844年4月までのテータが知られている一般的なタイプです。
少ないのはタイプ2の方ですね。
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『戦後初期の小型記念スタンプ集』掲載漏れ?

8月6日の日誌で紹介した『戦後初期の小型記念スタンプ集』。
手元にも多少の小型印があるので見てみたのですが、下の画像の小型印が採録されていませんでした。

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画像は、天皇陛下の北陸地方行幸を記念した物で、福井・昭和22年10月24日ですが、他に鯖江、武生の同図案のものを入手しています。
どうやら掲載漏れのようですが、全国的に再確認すると幾つも出てくるのかも知れません。
今一度確認して、再版の時には増補してもらえるとデータ本として嬉しいのですねが。
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地図用紙 [日本切手]

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昭和22・23年頃に発行された記念切手の内、シート切手は灰白紙であったり、粗紙に近い用紙が使われていますが、小型シートは当時としては良い紙が使われています。

この傾向については、たぶん皆さんもお気づきの事と思いますが、どのカタログを見ても小型シートで使われている用紙の正体については触れられていません。

ところが、三島氏の著書である『切手集めの科学』によると、この良質紙は、戦時中の地図用紙の残りであると記されています。
なるほどね。
さすが、印刷局と深い繋がりがあった三島氏ならではの情報だと思います。
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ギボンズ『鉄道切手を集めよう』カタログ [文献]

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画像は、ギボンズが発行するテーマチク・カタログ・シリーズの1冊である『鉄道切手を集めよう』。
テーマチク・カタログと言っても、実質はトピカル・カタログです。そもそも、人によって展開が異なるテーマチクのカタログが作れるわけがないですからね。

海外では、他の出版社からもトピカル・カタログは出ていますが、平易な英文で読めるカタログとして本シリーズは日本人には重宝します。

採録は、おそらくギボンズの親版からではなく、"Stamp of the Word" からだと思います。
ですから、その分簡略化された採録データになっていますが、トピカルのチェックリストとしてや、鉄道切手の大要を知るには不便は感じません。

日本には、日本語で読める『鉄道切手図鑑』が豪華本として出版されていますが、ハード・カバーに上質紙のため、大きくて重いので携帯に不便な時がありますが、本書は軽いので機動性に優れています。

ただ、最近は改訂版が出ていないのが残念なところで、できたらそろそろ新版を出してくれませんかねぇ。
画像は1986年の初版です。
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ペニーレッド・プレート85の未使用 [外国切手]

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ペニーレッドのプレート85の未使用で、位置は最下段のTH。
右辺の目打が、印面内に若干入っているけど、全体的には美しい未使用だと思っています。

最下段ということで耳紙が付いていますが、何やら文字が入っていますね。
単片切手なので一部分しか見えませんが、シートの下マージンには、画像のように文字がズラズラと入っているのです。
さて、何が書いてあるのでしょうか?
下が、その文字列の全体です。

PRICE 1d Per Label. 1S /- Per Row of 12. £1 Per Sheet. Place the Labels ABOVE the Address and towards the RIGHT HAND SIDE of of the Latter. In Wetting the Back be careful not to remove the Cement.

つまり、切手の価格(12枚で1シリングとか、シートで1ポンドとか)と、切手の貼り方の注意書きが書かれていて、画像の文字列に相当する部分は太字の所です。

できたら下1列が揃っているマテリアルが欲しいのですが、高すぎてもちろん僕には手が出ませんね。
画像のような単片なら、版にもよりますが日本円で4,000円弱で買えます。
日本の龍切手発行より前の未使用切手が、この値段で買えるのですから、お得です。
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玉島の色変り [日本郵便史]

備中玉島局に色変り印があるのを知ったのは、1982年に刊行された蒐郵コレクション1『小判切手』に掲載された、大橋氏による「小判切手収集8年」に紹介されたことによってです。
もっとも、その時に紹介されたのは不統一印の色変り印なので、今日ご紹介する二重丸印とは、ちょっとわけが違います。

画動がよく見えるように、消印部分を大きくスキャンした拡大画像でご覧下さい。
このカバーは、旧小判4銭を2枚貼った8銭料金の書留便で、下の画像がその部分です。
データは「備中・浅口・一二・二三」。
抹消印の印色は黒ですから普通ですね。

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それでもって、下の画像は証示印。

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封筒に茶系の模様が入っているので見難いですが、印色は朱色。
データは、もちろん抹消印と同じです。
書留のばあい、「書留」の表示と「書留番号」を赤で書込みますから、それに合わせて証示印も朱色で使い分けているのでしょうか?
使用期間等のデータ的にどうなっているのか興味深いものです。
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東郷4銭ゲーベル版 [日本切手]

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東郷4銭ゲーベル版のリーフからの1枚。
初期印刷と後期印刷の下に大きなスペースが空いていますが、予定としては、ここに銘版付ストリップが入るのですが、ずっとそのままです。
このリーフを作ってから十数年経ちますが、切手展のブースですぐにでも入手できるものがそのままの状態とは、全くやる気なさ全開ですね。
外国切手収集家が作る日本切手コレクションなんて、その程度だと思っててください。

そのくせ、入手がちょっと難しい平面版の方は随分と前に入手済なのが、なんともアンバランスです。
無計画な収集をしていると、こうなってしまうのでしょうね。
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意外と遅くまで使われているのですね [日本切手]

何かブログネタが無いものかと、昭和切手の使用済仮貼りリーフを見ていたら、画像のブロックがありました。

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第3次昭和切手50銭の10枚ブロックですが、もちろん局内使用です。
消印データは「門司港/32.10.27/前8-12」。

昭和32年の使用例ですが、こんな時期まで局内使用とは言え使われていたのですね。
現行切手だと第1次円単位の時代ですから、その間に新昭和や産業図案、昭和すかしなしがあります。
「ちょっと意外だな」と思ったしだいです。
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ドイツ・インフレ・カバー(2) [外国郵便史]

5日の日誌にも、ドイツのインフレ・カバーを紹介しましたが、今日のは前回とはちょっと違うタイプです。

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画像を見ると、切手が2枚しか貼ってありませんね。
前回のは、ベタベタと切手がたくさん貼ってあって、見た感じいかにもインフレ・カバーっぽくて僕は好きです。
それに対して、今日のは随分と貧相に見えます。

が、切手の額面を見ると「10億マルク」です。
ですから、それが2枚で20億マルク。数字で書くと2,000,000,000マルクとなります。
しかも、この使用例は低料金の印刷物。
消印を見ると「フランクフルト/1923年11月17日」で、この時期の印刷物25グラムまでの基本料金です。
参考までに、同時期の封書基本料金(20グラム)を記すと10,000,000,000マルクになります。

こうなってくると、前回の75,000マルクなんて可愛いものですね。
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凹版彫刻の凄さ [外国切手]

今では、すっかり少数派になってしまった凹版切手。
この版式が、切手印刷の最高峰であることに異論を唱える人は居ないと思います。
世の中には、凹版切手を専門に集める収集家も居ますし、中には特定の彫刻者の作品を収集している方もいらっしゃいます。

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画像は、凹版切手大国の1つであったオーストリアで、1954年12月に発行された「国立印刷所150年・ウィーン新聞250年」記念切手。

凹版切手の凄さを知る1つの方法として、彫刻の細かさがあります。
ルーペで覗くと、「アッ」と驚くような芸当を見せてくれる作品がたくさんあり、その内の1枚が画像の切手。
どこの部分が凄いかと言うと、下の画像がそれ。

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印刷物の部分の拡大画像です。
右側の新聞では見出しが読めます(さすがに本文はダメですが・・・)し、左の印刷物では本文までもが文字によって表現されています。
もちろん、1文字の大きさは1ミリ以下。

凹版彫刻者は、社会的にもステータスが高いそうですが、良い仕事をする芸術家として頷けますね。
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『戦後初期の小型記念スタンプ集(1947〜1952)』 [文献]

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新刊の『戦後初期の小型記念スタンプ集(1947〜1952)』が到着。
先に発売になった『戦前の小型記念スタンプ集』と一体をなすもので、基本的スタイルは同じ。
本棚に並べると良い感じです。

小型印は、テーマやトピカルにはよく使われていますし、小型印収集家だっています。
しかし、その割にはカタログとしてまとまった本が無いので、ぜひ続編を期待したいところです。

さて、本書は年代ごとの採録方法であるため、ある特定の県や局で使用されたもののみを見ようとすると、年ごとに見ていかねばなりませんが、小型印の性格上は年ごとの採録で当っていると思います。
この辺が、風景印とは性格を異にするところでしょう。

全部で何個の印が採録されているのかはわかりませんが、記録上認められるものの、印影が確認出来なかったものが3個あるそうです。しかし、これらもきちんと文字情報として記録されており、その辺が親切な編集と言えます。

編集は、横2段にそれぞれ5個づつの採録なので、印影も大きく見易くなっています。
ただ1点残念だったのは、図案説明が省かれている点。大部分の印影は、説明が無くても凡その理解はできるのですが、小型印辞典として使用するにはちょっと物足りないかも知れません。
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ドイツ・インフレ・カバー [外国郵便史]

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何通か持っているドイツのインフレ・カバーの中で、もっともインフレらしいカバーがこれ。
2,000マルク切手が10枚、20,000マルク切手が2枚、15,000マルク切手が1枚で合計75,000マルクです。

この料金は、1923年9月1日から19日までの国内宛書状20グラムまでの料金で、本使用例は9月10日のベルリンの消印が押されています。

インフレらしさが出ているカバーというのは、やっぱり切手がベタベタとたくさん貼ってあるのが景気が良くて好きですね。
リーフに貼っても存在感があるし。
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「「桜切手」脱稿まで その2 松田および政府印刷」 [文献]

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昭和40年5月発行の『全日本郵趣』26号に、「「桜切手」脱稿まで その2 松田および政府印刷」という解説が掲載されています。
著者は、もちろんドクター・市田。

本稿は、英文『桜切手』の発行にあわせて、そのエピソードを紹介すると言う趣旨の連載で、その2回目に、桜切手の分類において極めて重要な松田印刷と政府印刷の分類に、どのようにして気付いたのかが紹介されています。

二次的な引用文などでもよく紹介されているので、皆さんもその経緯についてはよくご存知だと思いますが、オリジナルな記録は本文が始めてのことと思います。

ドクターが、リオデジャネイロのホテルでこの分類に気付くきっかけとなったのは、大柴氏の『日本郵便切手詳解』41ページに記録されている下記の公事によってだそうです。

「明治五年九月四日 紙幣寮は新に彫刻課を設け、従来三井組構内に在りし作業場を本寮に移して之に充つ。
 是より先、郵便切手・紙幣等製造の事は松田敦朝に請負はしめたるが、一私人に委任するの不可なるは勿論にして且つ厳正の取締を為さんが為に、以後版面の彫刻のみ同人に命じ、製造諸般の業務は紙幣寮に於て直接之に従ふこととす。中属佐田清次等之を監督す」

つまり、この記録により、松田が印刷をおこなっていた時期と、政府が印刷を直接行った時期の2時期に分類出来る。そして、それを裏付けるように青1銭、朱2銭、緑10銭、茶半銭などに2種類の色調があるではないかと。
最初の着目は色調の違いでしたが、その後、目打や紙など幾つもの相違があることがわかり、考えが補強されていきました。
この発見は、切手の分類と歴史上の出来事を関連づけて考察するという、今までに無い郵趣研究の成果でした。

その後、この考えに否定的な見解も示されましたが、考えを覆す結果にはなっていないのはご存知のとおりです。

本文は、その重要性からぜひ一読される事をお勧めいたします。
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切手商の販売リスト [雑記]

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部屋の隅のファイルから出て来た販売リスト。
"East Danube Stamps" 社のものですから、思い出すと15年くらい前のものでしょうか。
扱い品目は社名から想像出来ると思いますが、なかなかの専門店で、そのリストも通常のものの他に、別刷りでバラエティ専門版もあります。

こうした細かいリストを作る切手商はヨーロッパに多く、フランスなどには市販のカタログよりも細かなリストを作成しているところもあります。
しかも、ほとんどの所が無料で送ってくれ、一度取引をすると顧客リストに登録され、以後、新版を作る度に送付してくれるところが多いですね。

こうした専門リストは、店の単なる価格表以上の情報が詰まっていて、日本ではなかなか得ることが出来ない分類情報などを、そのリストから読み取ることができます。

こうした専門店のリストは、大切に残しておくと意外と役に立ちます。
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リーフの色々 [雑記]

趣味の郵趣の中でも、更に趣味的なものにリーフ集めがあります。
何かと言うと、古今東西の切手用アルバムリーフの収集です。

それなりに時間をかけているので、けっこうな種類が集っていますし、郵趣界広しと言えども、あまりこうしたコレクションは無いと思います。
古いところでは19世紀のものからありますし、サイズが大きすぎて日本人の体格に合わないものもあります。
ただし、未使用は極端に少なくて、ヒンジを剥がした跡が残る使用済が大部分です。まぁ、参考用として収集しているわけですから、仕様がわかればそれでよいので、使用済で十分用は足りています。

そんな中から、お気に入りの1枚が下のもの。

13411.jpg

画像では、大きさがわかりませんが、とにかくミニサイズ。
用紙全体は14×17.2センチで、方眼部分は11×15センチ。
スプリングバック式のアルバムに綴じられています。
商品名は、そのものズバリの「ミニチュア・アルバム」で、イギリス製です。

この大きさだと、カバーはもちろん貼れませんが、処分用などのアプ帖として使うには、持ち運びに便利でよいと思います。

そのほか、妙に横長のものもあったりして、集めるとけっこう楽しいですよ。
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