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12名の初出品者 [雑記]

サボりにサボって、今年最後の記事になってしまいました。
更新が無くても、毎日覗いてくださる数百人の方にはありがとうございました。

さて、数日前に到着した『郵趣』1月号。
30年前なら、新年号から始まる新企画に心を躍らせたものですが、今年も新鮮味の無い1月号となっての配達です。

記事の中に「JAPEX2017審査総評」というのが審査員長名で掲載されており、その中に「初出品者12名」という記述があります。
この数字は大きな意味を持つ数字であると、僕は考えます。
郵趣人口がドンドン少なくなる中で、郵趣という趣味の中でも特にマニアックな競争展に、12名もの人が初出品したというのですから。

今後のJapexを考える上で大切なのは、初出品者の今後ではないでしょうか。
この方達が、
「やっぱり難しくてダメ」
「ステップアップするには、どうすればいいのかわからないよ」
と言って、せっかく入った競争展の入口から出て行ってしまうか。
それとも、
「次は、もうワンランク。もしかしたらツーランクアップできるかな?」
と思い、奥深くに入って来るのか。

競争展における出品者へのケアに対して、審査評や審査員との対話がありますが、経験の浅い出品者に対しては、一過性のこの限られた方法ではほとんど効果が無いと思えます。

それよりも、長いスパンでの継続的なケアが必要ではないでしょうか。
その辺の仕組みをJPSとして、どう考えているのか。
この問題はJapex審査員の仕事の範囲外であることはもちろんですから、JPS全体の問題として組織として考えるべきことでしょう。
つまりJPS最大行事であるJapexの10年後、20年後の姿を見据えた戦略として、考えるか必要があるということです。

Japex初出品者。
この方達が、将来のJapexを盛り上げる貴重な人材であるという認識をすることが、JPSの将来にとって大切なことだと思います。

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高山本線全通記念 [日本郵便史]

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画像は、高山本線が全線開通したことを受けて、昭和9年(9が潰れて8に見えますが)10月29日に使われた高山局の記念小型印。

先日、僅か60円で有難く入手したものです。

もともと集めていたわけではないのですが、最近になって、こうした○○線開通記念なんてのを集め始めました。
画像のような開通記念が圧倒的に多いのですが、その逆バージョンである「さよなら○○線」なんて廃線物もあります。

こうした、開通・廃線ものを余興で安ければ買っておくと、日本鉄道史の一側面を見ているようで、けっこう面白いですね。

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スウェーデン・船内郵便局 [外国郵便史]

画像は、スウェーデンのグスタフ6世シリーズ50オーレの1枚貼り。

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料金は、1962年7月1日から1964年6月30日までの、スカンジナビア諸国以外からの料金に合致します。
カバー上には2つのハンコが押されていますが、左の青印は船会社の証示印であり、郵便印ではありません。
切手を抹消しているものが船内局印で、1963年1月22日の使用例であることがわかります。
スウェーデンのこの時期の船内局印には、中央上部に船のイラストが入っているので、一目で船内局印であることがわかり、コレクションの中でも目を引く存在で好ましいものです。

本使用例は、Kungsholm号というスウェーデン・アメリカン・ラインの客船で、ニューヨーク航路の定期船です。
下の画像が、Kungsholm号で、21164トンの船です。

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" Collecting Postal History " [文献]

いつもは表紙だけをご紹介するのですが、素敵なので裏表紙もご覧ください。

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本書の著者は、Dimitri Kandaouroff。
名前からすると、たぶんロシア系の人なのでしょう。プリンスが付く方らしいです。
本書の出版は1973年ですから、僕がまだ小学生。というわけで、入手したのは出版から10年ほど経った大学生の時です。

入手は、ロンドンのギボンズ。
その頃のギボンズはけっこう郵趣古書を扱っていて(お店の一角に文献コーナーがあった)、その中にあったものです。

目に止まった理由は単純で、単に書名に惹かれたから。
なにしろ、その頃の日本には『郵便史』を名乗る郵趣書がありませんでした。(『郵便史学』という雑誌はありましたが、郵便史収集とはちょっと違う)
ですからという " Collecting Postal History " を見て「なんじゃい、これは?」となったわけです。

本書は、郵便史収集の方法を記した、いわゆるノウハウ本ではありません。

内容はと言うと、粘土板による文字の伝達に始まり、パピルスを経て、紙の手紙に至るまでを紹介した後に、郵便の逓送方法、なんとこの中には日本の飛脚も銅版画を使って紹介しています。
そして、スタンプレス時代の使用例や消印、郵便切手の時代へと話が進みます。

切手以後の時代では、船内郵便や航空郵便(バロンモンテも当時の銅版画を何枚も使って解説)、鉄道郵便などの郵便逓送の方法、そして軍事郵便などについて、その歴史を紐解きながら解説しています。

本書の読み方によっては、郵便史のテーマチクとして読むことも可能です。

本書は、豊富な図版を大きく掲載していることから、大変に楽しい本に仕上がっています。
図版の解説も詳しく記されており、それを読むだけでも、日本語の文献にはない知識を得ることができます。
刊行後、四十数年を経たものですが、今でも広くオススメできる文献です。
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ネパールのプレートプルーフ [外国切手]

昨日に続いて、ネパールの Sri Pashupati シリーズ。
1935年発行の4 Pice ですが、切手ではなくてプレートプルーフの完全シート。
10×10枚構成なのですが、A3判スキャナに入りきれなかったので最下段が切れてしまいました。

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以前のJapexに Sri Pashupati シリーズを出品した時は未入手だったのですが、その後に入手した物なので次回出品の時には展示しようかと。

けっこうお高かったけど、良い買い物でした。


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ネパール・料金は・・・? [外国郵便史]

先日入手したネパールのカバー。
Sri Pashupati シリーズの中から、1935年発行の16 Pace の1枚貼りです。

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16 Pice は中途半端な額面なので、もともと使用例が少なく、あってもせいぜい他の額面との混貼が普通の使われ方。
ところが、この使用例は見ての通りの単貼です。

なんで単貼なのかなぁ?
さっぱり、わかりませんね。

抹消印は、Birganj 局でネパール暦で1996年2月8日(西暦だと1939年5月21日)。
そして、Lalitpur 局の到着印が押されていますから、普通に逓送されています。

封筒もごくノーマルなもので、普通の紙が数枚までしか入らないようなものです。
こうした普通の手紙なら4 Pice 料金のはずなんですがねぇ。

もちろん書留ではありません。
書留なら24 Pice です。

類例を調べて考えることにしましょう。
楽しみが増えたということで。
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『大日本帝国郵便始末』 [文献]

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『大日本帝国郵便始末』が刊行されたのは、僕が高校生の時。
もちろん、『郵趣』に出版予告が出た時に予約して購入です。

それまでにも、郵便史については『フィラテリスト』に掲載された記事で読んでいましたが、それらはどちらかというと、マテリアルを基本としたものではなく、古文書などの調査結果をベースに語られたものでした。
ですから、切手収集としての郵便史とは異なるものだったわけです。

そのような時に本書を読んだのですから、インパクトが大きかったですね。
それまでとは全く違って、マテリアルの見方を中心とした記述の展開。そして、そこで述べられているマテリアルは身近な存在の昭和切手です。

発行の背景から使用例に至るまでが、一つの川を流れて行くような叙述にまとめられ、戦前、戦中、戦後の郵便が、大河ドラマのように語られていました。

本書の刊行から40年弱。
他の書籍と比べると話題になることが少ないのですが、僕のとってはお気に入りの一書になっています。
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青一 [日本切手]

青一のリーフからの1枚です。
プレート18のポジションは36。

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色調は薄い青ですから、一目で政府印刷であることがわかります。
紙の厚さは、触った感じでは「薄いかな?」と思ったのですが、測定したら0.085ミリだったので、青一では普通の厚さのグループに入ります。

画像をご覧になって、「掠れた印刷で、あまり綺麗ではないな」と思われると思いますが、プレート18はこんな感じの切手が多いかな?

色は画像のような灰色が混ざった感じの薄い青が多いのですが、もっと濃い色調のものもあるのでそれと揃えたいですね。
とは思うものの、なかなか思うように行かないところが切手収集。
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新聞帯紙 [日本ステーショナリー]

明治8年発行の新聞帯紙は、皆さんのアルバムの中で、面白みが無い駄物として扱われているのではないでしょうか。
未使用1枚と使用済1枚を並べて、ハイお終いみたいな感じで。

この帯紙は手彫凹版なんですが、僕のアルバムには3枚並べています。
なぜ3枚かというと、下の画像を見比べていただくとわかるのですが、3枚ともに細部が微妙に異なるのです。
下の画像では、見比べやすいように大きくしてあるので、よくわかると思います。

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この3枚を独立したものとして扱うのかは、まだサンプル数が少なくて確定ではないのですが、取り敢えずは将来的なことも考えて、分けて考えています。
皆さんの手持ちの新聞帯紙はどうでしょうか。
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ベルギー・1859年パリ宛の使用例 [外国郵便史]

画像の使用例は、1859年にベルギーからフランスのパリへ宛てたもの。
もちろん駄物で、3000円ほどで買えます。

1859年と言えば日本では安政6年ですから、皆さんも歴史で習った安政の大獄のあった時代。
そんな時代のカバーが3000円で買えるのは、駄物と言えども魅力です。

貼付された切手は、ベルギーのセカンド・シリーズとも言える1849年発行の朱色の40c切手ですが、この切手は1858年発行のものです。

このカバーの良いところは、幾つかの消印が押されているところで、以下のようになります。

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まず表ですが、
① は、抹消印で85はNAMUR局のもの。
② が、その証示印でNAMUR局1859年6月15日の差立であることがわかります。NAMURという町は、ベルギーのほぼ真ん中に位置します。
③は、これは皆さんもよくご存知の”PD"印で、料金完納を示しています。
④の青印は、VALENCIENNES局6月16日。VALENCIENNESは、フランスに所在するベルギーとの国境の都市で、この印はフランス入国印として押されています。消印内には、ベルギーからの郵便であることが表示されています。

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そして裏面。
先に⑥ですが、これはパリの到着印で6月16日。
問題は⑤。これは鉄道郵便印で、消印内の表示により日中に走っていた列車内で処理されたことがわかるのですが、残念ながら区間が読めそうで読めません。

それにしても、6月15日に差出されて翌16日にはパリに着いているのですから、当時の送達速度の速さには驚かされますね。
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ワイルディングのひび割れ [外国切手]

久しぶりのワイルディングです。

画像は、マルチプル・クラウン透しの白紙で、目打の状態から切手帳を切り取った単片であることがわかります。
この切手を見た時に「あれ?」と思ったのは、印面に蜘蛛の巣状のひび割れのようなものを見つけたからです。
下の画像でも、わかりますでしょうか?

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特に上半分が顕著なので、その部分の拡大画像が下です。

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最初に見た時は、印面が劣化してこうなったものかとも考えたのですが、倍率の高いルーペで観察しても、そうは見えなくて、やっぱり印刷時のものと考えられます。

この切手の入手は、大昔に紙付の水剥がしをせっせとしていた時のものなので、もう40年近く前になりますが、今だに性格不明です。

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