『大日本帝国郵便始末』 [文献]
『大日本帝国郵便始末』が刊行されたのは、僕が高校生の時。
もちろん、『郵趣』に出版予告が出た時に予約して購入です。
それまでにも、郵便史については『フィラテリスト』に掲載された記事で読んでいましたが、それらはどちらかというと、マテリアルを基本としたものではなく、古文書などの調査結果をベースに語られたものでした。
ですから、切手収集としての郵便史とは異なるものだったわけです。
そのような時に本書を読んだのですから、インパクトが大きかったですね。
それまでとは全く違って、マテリアルの見方を中心とした記述の展開。そして、そこで述べられているマテリアルは身近な存在の昭和切手です。
発行の背景から使用例に至るまでが、一つの川を流れて行くような叙述にまとめられ、戦前、戦中、戦後の郵便が、大河ドラマのように語られていました。
本書の刊行から40年弱。
他の書籍と比べると話題になることが少ないのですが、僕のとってはお気に入りの一書になっています。
2017-12-09 20:12
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