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日清戦争・第一軍第十九野戦郵便局 [日本郵便史]

台湾占領の野戦局印に用があったので、雑多なカバーを放り込んである箱を次から次へと物色。
朱色の丸一印を見つけたので「あった、あった」と取り出して、じっくり見ると「あら、こりゃ違うわ」と。

で、「これはなんだっけ」と見ると「第一軍第十九野戦郵便局/廿十八年五月四日」というデータです。

190914a.jpeg

こういう時は、とりあえず大西二郎氏『野戦局印を主とした 日本の軍事郵便』と鈴木孝雄氏『野戦郵便局のロケーティング』を見るのが定石。
両者ともに古典的名著。
前者には、特に目立つ記述はありませんでしたが、後者には開局場所として「蓋平」が記されています。
ただし、これは告知の記載順からの推定である旨の記述があるので、実物による確認ではないことがわかります。

このカバーには、運がいいことに手紙が残っているではありませんか!
この時期の軍事郵便は、後の時代と違って、地名や街の様子、戦闘の事など色々な見聞情報が記されているので「もしかして・・・」と見てみると。
文末の署名の手前に、下の写真のような書き込みが。

190914b.jpeg

「蓋平」。
この兵士は蓋平に駐屯し、そこでこの手紙を書き、そこにあった野戦郵便局で投函したのです。
つまり第一軍第十九野戦郵便局は、鈴木氏が推定した通り蓋平にあったことが確認されました。

実は、上記とは別人が同じ野戦局から差し出した5月5日のカバーも持っているのですが、こちらにも「蓋平」という記述が出てきます。
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