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『切手研究会創立60周年記念論文集』 [文献]

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日本で最も硬派な郵趣団体である切手研究会の創立60周年を記念した論文集で、郵趣史、日本切手、外国切手、郵便史、コレクションなど34本の記事が本文344ページにギッシリと詰まっています。

正直なところ「論文集」とタイトルにはなってはいるものの、正当な論文は少なく、お題に負けている感じは拭えませんが、それを割り引いても読む価値は十二分というか、多くの方に読んでもらって知識を深めてもらいたいと思います。

僕のオススメは、鈴木孝雄氏「平川式元祖印エンタイアの出現」と、正田幸弘氏「ブラジル郵便史コレクションの成長」の2本です。この2本は読みやすい文章で書かれており、素直に頭の中に入っていきます。

「平川式元祖印エンタイアの出現」は、歴史的な発見を過去の研究史を紐解きながら、実物資料を紹介するという手法をとっており、唯一と考えられている印影が鮮明な画像で紹介されています。

「ブラジル郵便史コレクションの成長」は、筆者のコレクションの成長過程を振り返るものですが、そのステップアップは単なる戦力増強ではなくて、緻密に練られた戦略の上に建てられていることが、よく理解できます。自分の今後を考える上で大いに刺激になるものです。

本書は、春に刊行された後に巷で大いに話題になったので、既に読まれた方も多くいらっしゃると思いますが、まだ読まれていない方はぜひ読んでいただきたいと思います。
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