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猪飼昌一「小判五厘切手の珍目打」 [文献]

猪飼昌一氏と聞いて「懐かしい名前」と思われる方は、それなりのお年の方だと思います。
良くも悪くも、いわゆる有名収集家とは無縁の方だったのではないでしょうか。
そんな猪飼氏が「小判五厘切手の珍目打」を『郵便切手』2巻3号に書かれたのは、昭和2年のこと。
小報告ですが、当時としては画期的な内容だと思います。

その当時、旧小判の複合目打10×9.5とか11×10.5のように、今では単独目打とされるものが、実測ゲージにこだわったために複合目打とされていました。
このことについて猪飼氏は、「差異の非常に小さい複目打しか出て居りません」と解説されています。

このような状況下で猪飼氏が報告したのは10×11.5目打のものでした。
これについて「(前略)堂々たる複目打であります。葉書附きの品を剥がして検査したのですから、決して偽物ではないと確信致します」と述べられています。
この目打は、今で言う10×12目打に分類されるものであることに間違いはありません。

氏は、この目打の証明に多くの切手を調査しましたが、「10×11.5、10×11、9.5×11などがあるばかりです」とし、これを踏まえて10×11.5目打の確認調査を読者に呼びかけています。
昭和2年当時に、小判切手に関してこのような報告をされていたとは、ちょっと驚きです。
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