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「拇太印の評価」 [文献]

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『切手趣味』50巻4号(昭和35年4月)に掲載された「拇太印の評価」は、中川長一、吉田利一、中尾雄三、服部静夫という当時の消印研究を担っていた4氏による共著。

拇太印の希少性をランク付けしたものは、それ以前に小松盛雄氏によるものがありましたが、個人の見解をまとめたものだったため、平均化を図ることから4氏による共同調査・執筆としたものでした。

今回の手法は、コレクションの内容、実際の収集に際しての実感、オークションでの出現頻度などを主なデータとして検討したということです。
例えば、
「希品」としたA級は、根室、若松、奈良、丸亀、那覇、札幌、宮崎。
「入手困難」としたB級は、水戸上市、高松、尾道、鳥取、佐賀。
「入手やや困難」としたC級は、多度津、兵庫、山口、高田、浦和、水戸、松本、長浜、千葉、姫路、神奈川、甲府、盛岡、津、松山、松江。
以下、D級「入手容易」、E級「ありふれたもの」、別格級と続きます。別格級は未確認の山家です。

今だったら、グループ分けをもう少し細分できると思いますが、昭和35年当時の市場状況はこんな感じだったのかも知れません。
消印収集専門家以外の間で、拇太印の局別希少性が収集上の一般的知識として広がるのは、本文が公表された時期よりもずっと後の事ですから、その意味では先駆的な発表だったのではないでしょうか。
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