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伝説のオークション [文献]

郵趣界には、伝説的なオークションが幾つもありますが、その多くはネーム・セールです。
今日ご紹介するのは、珍品を集めた内容もそうですが、それよりも会場が一風変わった所ということで、伝説的なんです。
ここまで書くと、古い収集家なら「あっ、そう言えば・・・」とピンと来る方も多いのではないでしょうか?
先ずは下の画像を、ご覧下さい。

15012.jpg

表紙の下半分に、客船が描かれています。
こんな表紙だと、船内印の専門オークションと思われる方が居るかも知れません。
この描かれた船は、イギリスの「クインーン・メリー」号という、全長310.7m、総トン数81, 237トンという大西洋航路の超豪華客船です。

1966年5月21日〜30日まで、アメリカのワシントンで国際展 " SIPEX " が開催されましたが、これに参加するヨーロッパの業者や収集家がまとまって、この「クイーン・メリー」号でアメリカに渡ることになりました。
そして、その船内でロブソン・ローによりこのオークションが開催されたのです。
つまり、オークション会場は大西洋横断中の豪華客船の中ってことです。

表紙をよく見ると " Radio Auction " と書かれていますが、当日は無線電話での入札も受付けるということで、カタログにはロットごとの無線電話の番号が記されています。

オークションの内容は珍品のみの出品で、ブラジル牛の目の18枚ブロック、アメリカの各種逆刷、マラヤ・ジョホールの100ドル田型、イタリア・ステーツの希少なマテリアルの数々など、世界の珍品がズラリと332ロット。
参加者は国際展に行き着く前に資金を使い果たしそうな勢いです。
まぁ、豪華客船に乗るような収集家ですから、何とも無い買物なのかもしれませんが・・・。

1960年代だからこそできたアイディアなのでしょう。
現代では、とても無理な企画です。
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