『記番印宝函』 [文献]
『記番印宝函』は、消印とエンタイヤ叢書No.9として、昭和26年に郵趣研究室から刊行されました。
記番印については、1990年代に数種の文献が刊行され、局番を調べることに限定してしまえば、本書は最早役には立たないと思います。
しかし、視点を変えて郵趣史の側面から見ると、本書はいまだに有益な書と言えます。
巻頭の「記番印研究の歴史」は後進の者にとっては、その流れを知るには非常に有難い存在です。
そして、肝心の局番一覧では、単に最新(昭和26年当時)の番号を比定を示しているのみではなく、伊藤氏の大正12年、山中庄治朗氏の大正6・昭和4・5年、ウッドワード氏の昭和15年のそれぞれの成果も一覧表の中に記されているので、局番の比定がどのような経過を追っているのか、また、どの局がいつ頃に判明したのかなど、研究史的な事を知ることができます。
このような事は、直接的には今の収集には役立ちませんが、知識には厚みをもたらせてくれます。
2014-09-28 22:45
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