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フランス・種まきの使用例 [外国郵便史]

下の画像は、米国宛てのごく普通の種まきの使用例で、消印の日付は1921年11月21日。

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5サンチーム緑、5サンチーム橙、15サンチーム、25サンチームをそれぞれ1枚づつ貼った合計50サンチームは、外国宛て封書料金に合致します。

ここで注目したいのは、5サンチームに2色の切手が貼られているところ。
5サンチーム橙はタイプ1で1921年7月15日の発行ですから、発行4ヶ月目の使用例になります。
対して緑の方は旧タイプのものなので、新旧の5サンチーム切手が貼られたことになり、過渡期を示す好例となりました。

大昔に購入した、種まき切手の小コレクションに入っていたものです。
こういうカバーって好きですね。


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韓国・国連軍参戦15年 [外国郵便史]

画像は、裏面に1965年6月25日に発行した「国連軍参戦15年」を貼付した現金書留封筒。

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残念ながら局名は読めないのですが、日付は1965年6月15日と読めるので初日カバーなんですね。
しかも、自然な感じの好ましい例だと思います。

表面には「植物シリーズ」のチョウセンレンギョウと、「食糧増産7ヶ年計画」がベタベタと貼ってあるところが景気がいい感じ。
このような貼り方を気に入らない方が多いですが、僕は好きですね。
例えば、競争、非競争を問わずに切手展でリーフをフレームに入れた状態で見ると、こうした貼り方は迫力が全然違って目立ちます。

僕の超貧しい韓国切手の使用例の中でも、最も気に入っているカバーの1枚です。
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パリ市内局 [外国郵便史]

画像は、タイプ・サージュに押されたパリ支局印で、1884年から使用が始まった Cachetsa A というタイプのもの。

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上部に " PARIS" と支局番号。下部には支局名。
上の画像のものは、支局番号が51で、局名が "R. LAFAYETTE" になります。

パリの支局数は、抹消印が描星型番号入り印から CACHETS 18 タイプ に変わった1876年には39局でしたが、25年後の1900年初頭には107局にまで増加しています。
この間に支局番号の付け替えが行われているので、下部の支局名が読めない時は、使用年と支局番号のクロスチェックが必要になります。

このような支局の増加は、都市への流入人口が増大し、パリ市内が拡大したことを示しています。
画家が集まることで有名なモンマルトルも、この頃にパリ市内になっています。

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ペニーレッドPL105 [外国郵便史]

久々のペニーレッドです。

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貼付された切手は、プレート105で位置はF - F。
このカバーは、ロンドン市内局(WC17)で1869年3月5日に差し出され、Rhylに送られたものの配達先で宛名人不明となってしまいました。

カバーの宛先が黒ペンで抹消され、そして赤ペンで「宛先不明」と書かれています。
このカバーの裏面には、幾つもの消印が押されているのですが、それを見ていくと3月6日から10日にかけて、Rhyl局管内と近隣のRhyddian局管内を、宛名人を探し求めてウロウロとしているようです。

クラシックカバーでは、このように宛名人を求めてうろつくカバーをよく見ますが、当時は親切なものですね。
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スウェーデン・グスタフ6世の使用例 [外国郵便史]

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画像のカバーは、1955年11月4日にストックホルムから、ドイツに当てた使用例で、裏面に6日のドイツ到着印が押されています。

この時期なので、当然ながらグスタフ6世切手はタイプ1で、改色された10オーレが7枚貼られています。
そして、もう1枚の10オーレ切手は1955年6月6日発行の「国旗の日」記念切手。
ということで、合計80オーレ分の切手が貼られています。

80オーレの内訳は、スカンジナビア以外の外国宛料金が40オーレで、書留料金も40オーレ。
つまり、それぞれが40オーレという、すっきりした料金です。

1枚だけポツンと貼られたカバーより、こうしたカバーの方が見た目が良いので好きですね。
できたら、8枚とも全てがグスタフ6世だったら申し分ないのですが。
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満月消し [外国郵便史]

画像は、ギッシリと詰まったハンガリーの満月消し。
こんな感じで、約3000枚ほどあります。

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これだけの満月消しを集めても、僕は切手展作品の中にこれらを使おうとは思いませんし、事実、使ってもいません。

では、なぜ集めているのか?
答えは単純で、集めて楽しいからですね。
切手の真ん中に100パーセント掛かった消印は、美しくもあります。
これは、切手展作品の中で使用する説得力のあるマテリアルとは、別次元の楽しみなのです。

フランスでは、タイプ・サージュ。
スウェーデンなら、オスカー2世など、各国にはそれぞれ消印収集の楽しいシリーズがあり、それらを台切手として熱心に消印を集めている収集家がたくさんいます。
ですが、切手展で満月消しを主体とした作品を見ることは、皆無とは言いませんがほとんどありません。
この辺が、日本と大きく異なる点です。

よく「満月消し収集は、日本独特の郵趣文化だ」みたいなことを聞きますが、実際はそうではありません。
満月消しで遊ぶ、遊び方が違うのです。
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フランス・数字入点菱形印 [外国郵便史]

フランス切手の楽しみ方の一つに消印があります。
セレスに始まり、ナポレオン、サージュ、種まき辺りまでがその中心でしょうか。
このブログでも、以前にタイプ・サージュの消印専門書を紹介したことがありますが、フランスでは色々な本が出版されています。

今日ご紹介するのは、皆さんもよくご存知の数字入点菱形印。
当たり前ですが抹消専用印なので、日付印と併用されています。
ですから、本来はカバーで収集するべきものなのですが、伝統郵趣ではそうばかりは言ってられませんね。
下の画像は、そんな1枚です。

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ナポレオン無目打に「2310」番。
まず、この消印の着目点は数字が大きいか、小さいか。
と言うのは1863年1月1日に、それまでの小数字印から大数字印へと変更されたのですが、その際に番号の割り振りも大きく変更されてしまいました。
ですから、同じ番号でも小数字印と大数字印では違う局での使用となるわけですね。

画像の消印は小数字印で、その時代の「2310」番は「Nuits」局に割り当てられています。
これが、もし大数字印だったら「Mende」局になってしまうわけです。

ちなみに小数字印「2310」の「Nuits」局は、大数字印では「2706」を割り当てられ、大数字印「2310」の「Mende」局は、小数字印時代には「1957」を使用しています。
もちろん両都市は著しく離れており、全く関連性もありません。
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タイプ・パスツール [外国郵便史]

画像は、フランスのタイプ・パスツールのカバー。
この切手は、地味なので日本ではあまり人気がありませんが、僕は好きなシリーズです。
5〜6年前だったか、もっと前だったか忘れてしまいましたが、JAPEXにこれの素晴らしいコレクションが出品されていました。

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このカバーは、貼られているラベルを見てもすぐにわかるように書留便で、宛先はイタリア。
ですから宛地としてはありふれたものです。
差出地の Marseille の日付印は1926年2月4日で、貼られている切手は75cが2枚と1fが1枚で合計2f50c。
内訳は、書状料金が1f25cで、書留料金も1f25cになります。
このカバーが差立られる少し前の2月1日から、この料金に値上げされたばかりで郵便史的に興味深いカバーなので購入したもの。
改正以前、すなわち1月31日までなら1f50cでした。

しかも下の画像で見るように、裏面の中継印と到着印が賑やかしいというオマケ付き。

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押されている消印は、Genova 2月5日、Movara 2月6日、Omegna 2月6日。
このうち、Genova と Movara は鉄道駅構内局の書留専用印です。
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3つのタイプのフランス鉄郵印 [外国郵便史]

先日、フランス鉄郵印の1例を紹介しました。
日本で、鉄郵印と言えば当たり前ですけど1種類しかありません。
駅構内のポストに投函されたり、直接郵便係員に手渡したりした郵便物を、鉄道郵便車内で抹消印として押印したものです。

ところが、フランスでは鉄郵印には性格の異なる3種類があります。

(1)Ambulant
鉄道郵便車の積み込まれた郵便物を、列車内で仕分けした時に証示印として使われたもの。

(2)Convoyeurs Stations
列車内で郵便係員が直接受け取ったものに使用。

(3)Convoryeurs Ligne
小さな町の駅周辺で集められた郵便物や、駅郵便局の無い駅で直接差出人が鉄道郵便係員に手渡した手紙に押されたもの。

この中で、人々に一番身近な存在だったのが(3)です。
先日ご紹介した使用例もこのタイプのもので、その性格上、比較的短距離でローカル線的な路線での使用例が多いようです。
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フランス・種蒔きの鉄郵印使用例 [外国郵便史]

画像は、フランスの種まきシリーズ10サンチームを1枚貼った極めて平凡な使用例です。

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こうした使用例は、どこか面白みが無いとリーフに貼っても書き込みに苦労というか、下手をすると書く内容が無かったりします。
この使用例のばあいは、鉄郵印。
消印部分を拡大して、見やすいように回転をしたのが下の画像です。

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やたらと文字が多くて、しかも文字がぐるりと一周にわたって並んでいるので、どこで区切ればいいのかわかりませんね。
この区間名は、" CHATEAU-THIERRY A VILLENAUXE " となります。
CHATEAU-THIERRY はパリの東、パリとランスのほぼ中間に位置する都市で、VILLENAUXE はそこから南に下がった地方都市です。

フランスの鉄郵印リストで見ると、本区間の希少度は5段階の中の3。
ということで、多くもなく、少なくもなくってところですね。
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