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『新日本切手カタログ』1961年版 [文献]

『新日本切手カタログ』。
今では、『日本郵便切手明鑒』と並んで収集界では死語に近いですね。
以前に若い収集家と話した時に『新日本』も『明鑒』も知らなくて、『日専』の前身が『新日本』だという話をしたら、大いに驚かれたことがあります。

その『新日本』の最初のものが画像の1961年版。
『明鑒』を意識して製作したのですが、内容的には『明鑒』の周回遅れというか2周、3周遅れの仕上がりでした。
それでも、毎回着実に改善を重ねて今の『日専』の域に達したのですから、大したものです。
まさに継続は力って感じですね。

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当初のサイズは小さくてB6判、95ページ。
龍文は版別・紙質別、龍銭は版別・紙質別・色別、桜はカナ別の評価のみを取り入れ、小判以降は1種1評価のメインナンバーのみの記述でした。
記念は、発行理由などを3〜4行のノートにまとめています。
ステーショナリーは未収録で、付録として琉球切手を再録しています。

通常カタログは1年度に1版で、増刷分は第○刷として対応していますが、『新日本』のばあい数え方が若干ややこっしくて、61年度版だけで4版もあります。
すなわち、1版1960年12月、2版1960年12月、3版1961年2月、4版1961年4月です。最初の1960年12月に1版と2版を印刷しています。

下の画像のチラシは、予約者に配布された1版に入っていたものです。
文面を見ると、いかにもJPSらしい文句が並んでいて面白い資料だと思います。

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これだけ読むと、組合が悪者になっているので公平性のために付記しておきますが、当時『新日本』を扱わない切手商に対して、JPS側はアルバム等の付属品類の卸しを停止して対抗したそうです。
古くからの切手商さんとの話に、昔話として何度となく聞きました。
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