『大日本郵便切手標準型緑』昭和六年版 [文献]
『大日本郵便切手標準型緑』は、日本郵券商組合型緑編纂委員会が編集し、日本郵券倶楽部が発行した戦前の切手カタログの1つです。
こう書くと、今の『組合カタログ』っぽいイメージになりますが、実質は吉田一郎氏の日本郵券倶楽部が取仕切ったカタログと言え、昭和6年版が初版です。
本書は簡略版として編集されているため、目打や版式などの基本情報すら採録されていませんが、凡例を読むと、「細かいことは『日本郵便切手詳解』を読みなさい」という趣旨の記述があります。
同書は本カタログと同じ日本郵券倶楽部の発行なので、商魂逞しい編集方法と言えばそのとおりですね。
本カタログの面白いところは、切手のみではなく『沿革志』をはじめとする各種贈呈帳も採録されているところで、『大日本帝国郵便切手沿革志』には380円という評価がついています。小学校教員の初任給が45〜55円の時代です。
2012-11-03 20:23
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