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『ワード エクセル パワポでできるパソコン・リーフ』 [文献]

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皆さんの中にも、既にご覧になった方も多いのではないかと思います。
切手展に限らず、普段のリーフ作りにパソコンを利用されている方は、とても多くいらっしゃるはずで、伝統的な手書きリーフは最早化石化と言ってもよいくらいでしょう。

パソコン通信時代の頃には『Vリーフ』というリーフ作り専用のソフトが日本でも売られていましたし、インターネットの時代になると外国製のリーフ作り専用ソフトも出回りました。
しかし、これらはいつの頃からか姿を見せなくなりました。

それはパソコンの普及とともに、汎用性のあるソフトの機能が充実し、それらが利用されるようになったためです。
僕について言えば、最初はワープロで文字だけ打ったのを切り抜き、それをリーフに貼っていました。1990年前後の話です。
その後、仕事で使っていた『QuarkXPress』というDTPソフトを使うようになり、『Adobe InDesign』を経て、現在は『Pages』を使用しています。

『Pages』は、MacやiPadに標準で付いてくるApple純正のワープロソフトですが、DTP機能を非常に強化したもので、DTPソフトに近いワープロソフトです。
リーフ作りに高度な機能は必要ないので、『Pages』のようなワープロソフトを使ってもDTP専用ソフトと比べて遜色のないリーフを作ることができます。

パソコンの定番ソフトと言えば、ワープロ、表計算、プレゼンテーションの各ソフトで、これらが最初からインストールされているパソコンも多く、誰もが気軽に使えるものです。
本書もそうした点から作られており、特にマイクロソフト社のWord、Excel、PowerPointを主題としていますが、Windows、Macを問わずに他社製のワープロ、表計算、プレゼンテーションの各ソフトでも同じことが実現できます。

本書は、編者である江村氏がテーマテック収集家であることから、テーマテックを中心に展開されており、内容に著しく偏りが見られます。そのため伝統郵趣や郵便史の収集家の視点に立つと、物足りなさを感じるのが難点ではないでしょうか。
CDが納められたパッケージを見ると、江村氏が著者ではなく編者となっているので、伝統郵趣、郵便史にはそれぞれ専門の方の協力があったならば、よりよい成果品になったのではないでしょうか。

本企画は、たぶんパソコンリーフ入門者向けに、リーフを作るに際してのソフト操作を解説するところが目的なのだと理解していますが、収録されている解説の中には、切手展出品へ向けてのものも含まれています。

その解説の中で、ダブルリーフ以上の大きさのリーフについて記されているのですが、この扱いについては伝統郵趣や郵便史では慎重であるべきで、その辺の扱いがテーマテック作品と一律にされてしまっている点が、入門者への誤解を招くものと考えられます。
ダブルリーフ以上の大きさについては、伝統郵趣や郵便史では、その大きさのリーフでなければならない、合理的な説明のつくばあいに限って使用するべきものでしょう。

本企画は、パソコンリーフ初心者にとっては、その作り方のテクニックを学ぶ上で有益なものと言えます。
価格も本体価格2200円と良心的なお値段なので、そうした方達にはお薦めできるものと思います。
できうれば、今回のものをベースに各分野の方々の参加を得て、よりよい改訂版として版を重ねていただきたいと思います。
幸い電子データとして作られているので、紙ベースの書籍よりも改訂版への取り組みはし易いのではないでしょうか。
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