世界カタログの海賊版 [文献]
画像の、昭和19年3月発行『切手文化』29巻3号所収の「報道と記録」に、ちょっと面白い記事が掲載されています。
「イヴェールの一九四三年上海版」という記事で、一部を下に抜き書きしておきます。
「イヴェールの一九四三年上海版を入手!例によってお粗末な印刷と製本、でも無いよりはましというところであり、あちらの新しい型緑の見られない今日、これでも最近の世界郵趣界を知る上に於て、ツームシュタインの四四年版と共に私共には必要不可欠なものであり(以下略)」
この上海版というのは、もっともらしく書かれていますが海賊版のこと。
当時の上海というのは海賊版のメッカで、『スコット』の海賊版もありましたし、カタログではないですが、ウッドワードの大著にも上海海賊版があります。
当時の熱心な収集家は、中国に渡った知人を通じて、そうしたものを入手する努力をしていたのですね。
いつの時代も、趣味に費やす努力は大変なものです。
2014-04-21 18:00
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