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「泉州佐野 “熊文”印発見」 [文献]

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画像は『消印とエンタイヤ』113号(昭和34年10月)に掲載された報告。
泉佐野のいわゆる「熊文」印については、箱場印ではないかと考えられたりしていましたが、裏田稔氏による調査により、局所印として代用された私印であることが本報告により解明されました。

泉佐野局の初代局長は魚問屋を営む熊取谷文部氏であり、その氏名から一字をとり印鑑としたのが「熊文」印で、本印は問屋の仕切状などに使用されていたということです。

裏田氏は、調査のために同家を訪問するとともに、泉佐野局に初期郵便資料として同家より寄託されていた資料群の中に当該印鑑が現存することを確認されました。
本報告では同印の使用について、開局後にKG型印が配備されるまでの短期間の使用と結論付けています。

また、本報告には堺管轄の明治8年「郵便切手売下人名簿」が掲載されており、それによると魚屋、米屋、農木綿仲買、古道具屋、酒屋、酒造業、質屋などの商人の他に、大工という定位置の職場を持たない職種も売下所に入っていて、初期の郵便売下所の実態を知るには中々面白い資料です。
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