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『地図切手の世界』 [文献]

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高木実『地図切手の世界』は、1981年に日本交通公社からの発行。
僕は、地図切手は集めていませんが、本書は気に入っています。
特に第1章「"集める"愉しみ」は、どのような収集テーマでも共通する事柄であり、必ずしも収集家を対象としていない本書においては、一般の人に切手収集の愉しみを伝えるにはよく練られた内容です。

それ以降の、第2章「"眺める"愉しみ」、第3章「"顧みる"愉しみ」、第4章「"考える"愉しみ」の各章も、一般の人が興味を持って読める内容になっています。
即ち、「地図切手から何が解るのか」「何が考えられるのか」という視点から解説されており、トピカル系の解説書にありがちな、図案の解説に終始すると言う事典風な展開にはなっていません。

本書は、日本で発行されたトピカルをテーマとした解説書の中で名著と言って良いと思います。
A5判、本文198ページに巻頭カラー18ページです。

1985年に旺文社文庫から『小さな地図への旅』として改題され出版されていますが、巻頭カラーなど省略された部分もあるので、これから古書市場で本書を入手される方は、ハードーカバーの親版の入手をおすすめいたします。
文庫版には若干の補筆があるので、興味のある方は両方の版を揃えられてはいかがでしょうか。
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