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軽井沢 → 東京 [日本郵便史]

画像は、以前にも紹介したことがある明治29年6月15日に軽井沢から東京へ宛てたはがき。
驚いたことに、同日着になっています。
今だったら、翌日になると思いますが・・・。
現在より早い到達速度を示すことは、鉄道の発達と共にけっこう目に付きますが、これもその一例です。

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消印部分の拡大が下の画像で、軽井沢は「イ」便で、東京は「ヲ」便です。

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手元に、明治29年の鉄道時刻表が無くて、近接した時期では27年11月と29年9月がありました。
両者を見比べると、ほぼ同じ内容(数分の違いがあるばあいもある)なので、大勢に影響は無いと思います。
それで見ていくと、軽井沢「イ」便に対応するのは12時20分発で、高崎に15時に到着。
そこで高崎15時21分発に積み替えられ、上野に18時40分の到着。

実は、軽井沢発は午前中に2便あるのですが、それらが軽井沢発と長野発の区間便なので、恐らく郵便物の搭載はないだろうと考えています。
仮に午前便への搭載があったとしたら、東京の便号がもっと早いはずですし。

下の画像は、保存されている旧軽井沢郵便局です。

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原稿書き [雑記]

今日は、朝から鉄道郵趣研究会の機関誌『Railway Stamps』向けの記事を書いていました。
幾つかの図版をスキャニングしてトリミングや補正をして、それから原稿書き。
途中、文献を調べるのに1階へ降りたり、2階へ上がったりと本棚の間をウロウロ。
たったの二千数百字なんですが、家の事をしながらだと中断も多くてけっこう時間がかかります。
出来上がった原稿は、数日寝かして手を入れて完成です。
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トルコ・イスタンブール国際鉄道会議 [外国切手]

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画像は、トルコの図入りアルバムから1947年発行の「イスタンブール国際鉄道会議記念」3種セット。

図案は、ヨーロッパとアジアを分けるボスポラス海峡から見たイスタンブール市内を下半に、上半には蒸気機関車が牽引する列車を描いています。

この図案なんですが、「蒸気機関車のシルエット」とか「蒸気機関車が引く急行列車」などと説明されることが多いのですが、蒸気機関車の形やイスタンブールという地名、そして、なによりも「国際鉄道会議記念」という発行理由から想像すると、オリエント急行を図案化したのではないかと・・・。

オリエント急行と言えば、アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』。
恐らく世界中で最も読まれている鉄道小説で、特に鉄道に興味がない人でも「オリエント急行」の名前は、この小説から知っていると思います。

もし、アガサ・クリスティが居なかったとしたら、これほどまでにオリエント急行の名前が世界中に知られることは無かったでしょう。
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『Railway Stamps』202号 [文献]

今春は独立する子供が2人いるので、家財道具を揃えたり、引越やらで大変な目にあってます。
明日は第一段の引越、第二段は月末です。

先日、下の画像のJPS鉄道郵趣研究会機関誌『Railway Stamps』202号が到着したのですが、上記のような次第で、ゆっくりと読む機会を失していました。

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どの研究会報でもそうなのですが、最初に読むのは最終ページに載っている研究会の活動記録。
地方に住んでいると、会の動向や方向性など、気になる情報が多いのです。
そして、本会報の特徴の一つである例会参加者の一言近況報告がまた面白い。
特に郵趣活動に直結しているわけではないけど、これを見ていると皆さんがどのようなことをされたり、考えているのかがわかるわけですね。
ある意味、貴重な情報源。

当会には、90歳以上無料のシルバー制度(?)というのがあります。
90歳ですよ、90歳!!
巷では「70歳以上無料」なんてのをよく見かけますが・・・。
つまり、郵趣の世界で70歳はまだまだ現役ということで、シルバーは90歳からなんでしょうね。

どこも同じだと思うけど「10年後にはどうなっているのかな?」
なんて考えます。
次の世代でどうするか?
40代後半から50代に、切手収集復活組というのがある程度の人数で存在はしていますが、減少数にはとてもじゃないけど追いついていません。

近い将来、大は日本を代表するような組織から、小は研究会のような小規模団体まで再編が行われることになるでしょう。
単に会を解散するのは簡単ですが、せっかく築き上げた財産を、どのような形で受け継いで再編していくのか。
会の動向を読むたびに考えさせられます。
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米国・「輸送機関シリーズ」郵便車 [外国切手]

画像は、米国が1981年から発行を開始した通常切手「輸送機関シリーズ」からの1枚。
このシリーズは、「グレート・アメリカン・シリーズ」と平行して発行されたものですが、「グレート・アメリカン・シリーズ」が人物像ばかりの単調なものなのに対して、「輸送機関シリーズ」は様々な交通機関が描かれているので、良いシリーズにまとまっています。

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左の切手の下端に「1」とある数字は版番号。
米国切手の版番号は、従来だと印面がオフセンターになっていないと読めなかったので、版番号=オフセンターという、版番号優先か、それとも状態優先かというせめぎ合いが悩ましいことではあったのですが、これで解決しました。

画像の21セントは郵便車で、その部分の拡大画像が下。

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側面に"UNITED STATES MAIL RAIL WAY POST OFFICE" と書かれています。
赤丸の中にあるのが郵便車に特徴的な装置で、郵袋をこの装置に引っ掛けて、通過駅などで受け渡しをする装置です。

この「輸送機関シリーズ」は、
米国切手としても良し。
鉄道切手としても良し。
なかなか良い切手です。
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ドイツ・ゲルマニア時代の5マルク [外国切手]

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戦前のドイツ切手といえば、最初に頭に浮かぶのはゲルマニアでしょう。
1900年発行開始なので、数字に弱い僕でも忘れることはありませんし、シリーズ自体が大きいので単片を主体とした使用済の収集でも楽しめます。

ゲルマニア切手は低額〜中額面の切手なので、その時代の高額面切手は横長で大形の他の図案が用いられていました。
画像はその中の1枚で、最高額面であった5マルク。

この高額5マルクは、ドイツ切手の中でもキーマテリアルとして有名です。
つまり、この切手が有るのか、無いのかで、そのコレクションの位置づけが決まってしまうようなもの。

と、ここまで書けば、画像の5マルク切手を持っている自分は「すげーじゃん」となるわけですが、それがちっとも凄くないわけ。
この切手、国名表記が "REICHSPOST" となっているものと "DEUTSHES REICH" となっているものの2種があるのですが、キーマテリアルになるのは最初に発行された "REICHSPOST" の方なわけ。
画像の切手は "DEUTSHES REICH" となっていますね。
だから、ちっとも凄くないんです。

"REICHSPOST" 表示5マルクのタイプ1は、永遠に僕には関係がなさそうな切手。
せめて、タイプ2くらいは穴埋めに欲しいですねー。
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配達局名 [日本郵便史]

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画像の標語印。
左は、
「郵便物には/配達局名を」「目黒/25/9.20/後0-6」
そして右は、
「配達局名を/書きましょう」「中野/26/1.15/後0-6」

増え続ける郵便物に対応するため「郵便物には配達局名を書いてくださいよ」的なことは、意外と古くて明治31年の郵便区記載にまで遡ることができます。
ですが、なかなか人々の間では定着しなかったと見えて、戦前の郵便物を数百通単位で見ても、記載されている例はホントに少ないですね。
これは、田舎で蔵出しをするとよくわかります。

この事情は戦後も変わりはなく、昭和20年代中頃でも10通のうち1通でも書かれていれば、上出来ではないでしょうか。
こうした事情から行われたのが標語印の活用で、左のタイプは昭和24年末から、右のタイプは昭和25年に入ってからの使用開始。
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「青島発行の臨時軍事郵便證票」『郵楽』第7巻11号 [文献]

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日本で最も有名な珍品切手の一つといえば、青島軍事。
その青島軍事切手が初めて報告されたのが、上の画像です。

大正10年6月発行の『郵楽』第7巻11号に報告された「青島発行の臨時軍事郵便證票」で、報告者は前田為之助氏。
本報告は、発見の動機や現地での残存状況などについてを、僅か1ページ半にまとめられたもの。

切手の具体的な入手状況や、その後の郵趣界に流れた未使用切手の素性などについては、後年に前田氏からの聞き取り調査により記録されたものがあり、そうした意味ではそちらの方が有益ではあるのですが、本報告は短文ながらも青島軍事発見の第一報として貴重かつ歴史的な報告です。
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『スコットカタログ・アメリカ専門版』 [文献]

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『スコットカタログ』は、内容が大味すぎて面白味がないので、以前から余り好きではありませんでした。
だから、購入する頻度も少なくて、現在『世界版』は2013年版を使っています。

先日必要に迫られて、本当に久しぶりに2019年版『アメリカ専門版』を購入しました。
実は手元にある『アメリカ専門版』は1999年版なんです。
ということは、なんと20年振りの購入。

カラー化されて紙質もよくなったので、重さが全然違います。
ホントにズッシリとした重さで、ページも579ページ増えて1288ページ。
扱いに不便なので、ぜひ分冊を・・・。

切手帳のページも図版が増えて、しかも構成方法が見やすく変わっているので、古い版しか知らない自分にとっては、衝撃的な見やすさにビックリ。

カタログの中央には、見慣れぬ黄色インデックスが付いたページ。
なんだろう・・・。
と開いてみれば、そこにあるのは8段階のコンディション別切手一覧表。
これが、眺めていると意外と面白い。
コンディションの捉え方というか、考え方というか。
意外と日本人って、こうしたところがアバウトじゃないですか。
ですから、なかなか参考になります。

20年振りの『アメリカ専門版』けっこう楽しめるカタログでした。
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「びくにはし雪中」 [雑記]

画像は、タンザニアが1997年に「広重生誕200年記念」として発行した小形シートからの1枚。
この年、切手でちょっとした金儲けをしている各国から、怪しげな「広重200年」切手が沢山発行されました。
そのお陰で、切手としてのクオリティーを別にすれば、多種多彩な広重作品を切手の中に見ることができるようになりました。
もちろん、下の切手もその中の1枚。

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題材は、「江戸名所百景」から「びくにはし雪中」で、現在の場所で言うと、銀座1丁目の首都高速「西銀座JCT」付近になります。
絵の中央に描かれている橋(屋台を担いだ人が渡るところ)が「びくにはし」で、橋の下を流れる川が京橋川になりますが、この川は埋め立てられてしまって、現在はありません。
現在、高速道路が走っているところが、京橋川の跡地になります。

左に大きく「山くじら」と書かれているのはイノシシのことで、描かれた看板は「尾張屋」という有名な店のもの。

それと面白いのは、右の小さな看板。
それを拡大したのが下の画像です。

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看板には「○やき」「十三里」と書かれています。
これは焼芋屋の看板で、1本丸ごと焼くので「○やき」
そして店名の「十三里」とは、栗(九里)より(四里)旨いので「十三里」。
つまり、店名は江戸っ子の洒落というわけ。

面白い版画です。
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