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もったいない話 [雑記]

先日、ある収集家の遺族の方のお宅に呼ばれました

そのお宅にあるエアコン設備は応接間だけ。
あとの部屋には空調設備は一切ありません。

通された応接間で待つことしばし。
やや間があって、えっちらこっちら運ばれて来たアルバムを開いたらプーンと匂ってきたのが湿気のにおい。
やな予感が・・・。
ページを開いて、やっぱりね。
切手やカバーどころか、リーフまでもが茶色いシミのオンパレード。
なにしろ、リーフそのものが湿気でシットリとしています。
湿気を吸って、ここまでしな〜っとしたリーフは見たことがありません。
手彫りから日本の自然シリーズまで、全てがこんな調子です。
日本の自然シリーズなんて最近の切手でさえ、茶色く変色ですからねぇ。
あまりにひどい。

書斎を見せてもらうと、すごい状態に驚くばかり。
入った瞬間に不快な湿気が。それも尋常ではない湿度と熱気でカビ臭ぇ〜。
聞くところによれば、部屋に唯一ある窓も10年以上は開けたことがないと。
というか、窓の前にもすごい量の書類やら本やらで、窓を開けようにも窓に手が届きません。

床は重みでしずんでボコボコだし、驚いたことに絨毯には白いカビまで生えています。
絨毯の湿気も当然すごくて、ジメジメと足の裏が気持ち悪い。

そんな床の上に、郵趣サービス社の自動頒布品が送られてきたまま積み上げられています。
幾つか取り上げ、中身を見るとビニール自体が湿気で劣化しています。
オマケに触ると手がベタベタ。
そんな所にあったのですから、中身がどうであったかは、お察しください!!

シートファイルには、東京五輪からのシートがごっそりとあるにはあるのですが・・・。
各切手が数シートはありますから大変な量なんだけど、もちろんシミだらけ。
はがきの官封も棚一杯あるのですが、もう面倒なので見ませんでした。

切手については、全くの素人である奥様は「孫でも引き継いでくれればいいのだけど、興味を示さなくて」なんて言ってました。
これでは、引き継ぎようがないですよねぇ。
ハッキリ言って「ゴミ」です。

仕方がないので奥様には、状態が悪すぎて収集品としての価値が全く無いこと、この状態では切手商も引き取ってはくれないであろうことを、収集界の現状を交えて説明して帰ってきました。

あの収取品が、それなりの環境の中できちんと保管されていたならば良かったのですがね。
保管状態にあまりに無頓着しすぎた結果、ゴミの山と化してしまいました。

今年一番のもったいない話です。
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