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『祖父江義信コレクション 手彫切手』 [文献]

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本書は、既に多くの方がご覧になったのではないでしょうか。
手彫切手のコレクション本は、これまでにも数多く出版されていますが、その多くが僕のような一般的収集家にとっては夢のまた夢の内容で、正直なところ記録としては有難いのですが、あまり参考にはなりません。
それとは一線を画したコレクション本が、本書だと思います。

祖父江氏の手彫切手は著名ですが、長い年月をかけて少しずつ成長したものであることは、僕と同世代の方ならば、リアルタイムで見られていると思います。
ですから、氏のコレクションは身近に感じられるのです。
もちろん、僕などが一生掛けても入手できないマテリアルがズラズラと入っていますが、地道な収集を続ければ「ここまでは出来る」みたいな感じを読者として受け取れます。

表紙は、改色カナ入り30銭。
普通だったら、絶対に表紙には使わない切手だと思います。
ところが、本コレクションのオリジナルスタディがこの切手であり、本書では象徴的な切手になっています。
正直なところ、僕も今まではこの切手に対して良い印象は持っていませんでした。
「高額面なくせにチンケな切手で、色も悪い」
「つまらない切手」
といった感じです。
ところが、本書に収録された「改色桜紫30銭の版別」を読んで、気持ちが新たになったのが事実。
手元に「つまらない切手」として仮貼されていた本切手を、見直そうかという気にさせてくれました。

少しでも手彫切手に興味を持っている方は、一度ご覧になると良いと思います。
定価7407円+消費税です。
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