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『日本の郵便消印』 [文献]

国内で売られた消印関係本の数は、かなりの冊数になります。
皆さんも、最低でも数冊はお持ちなのではないでしょうか。
それらの多くは、消印を形式・型式別に分類して解説を加えたもの、つまり収集に直接役立つ文献だと思います。
例えば『日本切手百科事典』であったり、『初期消印集成』であったりするわけです。

今日ご紹介する『日本の郵便消印』は、それらと比べるとちょっと系統が異なる消印本です。

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著者が吉田景保氏であることから、本書は歴史的な視点からまとめられています。
ですから、目次を見ても布告ごとの章立てになっていることから、形式別分類により何かを調べようとする方には不向きな内容です。
それとは逆に、ある消印の制定記録を知るには、極めて有益な内容になっています。恐らく、そうのような事を簡単に調べるには、本書が最も適しているのではないでしょうか。

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上の画像は、大形地名入り検査済印に伴う駅逓司から各郵便役所へ宛てた記録で袋井のものです。本書には、こうした地方の記録も必要に応じて収録されています。

また、僕が明治43年4月22日に出されたローラー印(逓信広報では「コルク日附印」となっている)の告知内容を初めて知ったのも本書によってです。

消印好きの方には、1冊備えられることをお勧めいたします。
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