SSブログ

フォークランド諸島・キャンバー鉄道 [外国切手]

画像は、フォークランド諸島が1985年に発行した「キャンバー鉄道70年」記念切手4種セットからの1枚。

19021.jpg

この鉄道、島の山上にあるイギリス軍の軍事施設と港を結ぶために、軌間600ミリというミニ規格で1915年に作られました。
その用途は、軍事施設で使用する発電用石炭を運搬するためのもの。
ただ、その目的だけで使用されただけなら、普通にそこらにある軍用鉄道と同じなのですが、この鉄道が面白いのは、島民の娯楽用として週末に専用の列車、その名も「フォークランド急行」が運転されていたことですね。

画像が、その「フォークランド急行」。
名前は立派ですが、ちょっとねぇ・・・。
という感じの列車。

それでも車両には等級があって、切手では前から1等、2等、3等です。

日本では、今では多くの列車が全席禁煙ですが、僕が子供の頃は都市部の通勤圏を除けば、禁煙なんてありませんでした。
特に急行や特急は、オール喫煙車。

この「フォークランド急行」は、1等と2等が禁煙で、3等のみが喫煙車両だそうです。
そこで、3等車を拡大してみました。

19022.jpg

なるほど!
たしかに喫煙車ですね。
乗客がパイプを咥えています。
1等、2等の乗客は咥えていません。

一応、念のため1等車も拡大しておきます。

19023.jpg

細かいところにも気を配って図案化したことに感心です。
こうして見ると、地味だけど面白い切手。
コメント(2) 

インド・初期の1/2アンナ [外国切手]


ビクトリア女王を描く切手は、ニュージーランドやセイロンに代表されるような、素晴らしい凹版切手が多い中、その反対にモーリシャスやインドに見られるような、現地で印刷された素朴な切手もあります。
僕にとっては、そのどちらもそれぞれに魅力的で甲乙つけがたい存在。

下の画像は、インド初期の1/2アンナ切手で発行は1854年。
一連のシリーズとして捉えられる4アンナ切手はお高いので、1/2アンナ、1アンナ、4アンナの各額面でまとまったコレクションを作るのはとても難しいのですが、1/2アンナ切手に限定すれば、自分で楽しむ分には面白い切手です。

分類の最低ラインの基本はDie違い。
一番代表的な部分を赤丸で囲ってあります。

Die1
髪の毛の束の部分に毛の表現が見られます。
19015.jpg

Die2
1と違って、髪の毛がほとんど描かれていない。
19016.jpg

Die3
王冠のバンド部分の縦線の表現が不完全。
19017.jpg

上の3枚の切手で該当部分を見比べるとわかりやすいと思いますが、いかがでしょうか。

この切手、1シートは横8枚×縦12枚の96枚構成。
国際展ではリコンストラクションを含むのが定石なのですが、96枚となると超絶的な努力が無いと完成できません。
リコンストラクションは、枚数が進めば進むほどに穴埋めが大変なのは、皆さんもよくご存知だと思います。
以前に著名な手彫切手収集家から「最後の3枚が大変なの」「最後の1枚は人徳がないとね」と聞いたことがあります。
この「人徳」というのは仲間の協力と言う意味だと思いますが、40枚構成の手彫切手でもそうなのですから、96枚構成となったら・・・。
コメント(0) 

米国・1922年シリーズ赤2セント [外国切手]

米国の1922年シリーズ、中でも赤の2セントの本格的な解説記事を読んだのは、『郵趣』1976年6・7・9月号に連載された、「1922年シリーズ2セント切手」という魚木五夫氏による記事でした。

それ以前に『スタンプクラブ』で米国切手の啓蒙記事を読み、多少なりとも興味を持ってパケットや貼込帳を漁っていた子供にとって、この記事はタイムリーかつ刺激的な内容で、熟読したものです。

中でもタイプ2の解説の後に「珍品のタイプ2を(中略)手あかに汚れた貼込帳の中から20円で買うことができたのです。これは、郵趣会館地下の切手センターでの話です。」
という一文が有り、子供心に「自分にもチャンスが・・・」などと、アホなことを思ったものです。
当たり前ですが、そのような奇跡が起こることはなく、後年、タイプ2の切手として、まともに買うことになりました。

比較のために、普通の切手とあわせて下に紹介します。
こちらは普通のタイプ1。

19001.jpg

それで、こっちがタイプ2です。

19002.jpg

区別の仕方は、超有名なので多くの皆さんがご存知だと思いますが、一応、下の画像でご確認下さい。
これ以外にも特徴があるのですが、消印が掛かっていたりして見難いので、一番わかりやすいというか、一番ポピュラーな部分を拡大しておきます。
リタッチによる、髪の毛の太さに注目です。

19003.jpg

今から思えば、そんなに特別な切手というものでは無いのですが、子供にとっては特別な切手だったのですね。
今では何枚も所有しているのですが、1枚目を入手した時は、なんだか自分が一人前に思えたものです。

皆さんにも、きっとそのような切手があるのではないでしょうか。
コメント(0) 

ネパールの初日カバー [外国切手]

画像は、ネパールが1959年4月に通常切手を新シリーズへと切り替えた時に作られた初日カバーです。

18060.jpg

初日カバーを嫌う収集家は意外と多いのですが、僕は専門コレクションを作っているテーマについては、郵趣品として集めています。
特に嫌う理由はありませんからね。

入手した初日カバーは、当該切手の未使用ページと同じか、貼り切れない時には次のページに貼り込んでいます。
もちろん競争展出品には使えませんが、初日カバーがあると一見地味な伝統郵趣のアルバムが華やかになって、楽しくなる効果があります。
画像のカバーも派手で目立つカバーなので、気に入っています。

また、これは意外にも隠れた使用法なのですが、同一の切手で印刷時期が問題になった時に、初日カバーの切手を初回印刷のメルクマークとして使う利点もあります。
コメント(0) 

中国・天安門シリーズ5版 [外国切手]

画像は、ボストークの中国図入りアルバムからの一部分。
新中国最初の通常切手である「天安門シリーズ」から、上が4版で、下が5版です。

18056.jpg

「天安門シリーズ」は7版まであって、それ以外に東北貼用と旅大貼用がありますが、未入手なのは上の画像の3枚。

この5版は高額面切手で、特に未入手の3枚(額面5万、10万、20万円)は超高額。
額面20万と30万円は、未使用だと各々が数十万円というシロモノ!!
僕などは、右端の額面3万円が入手できてる点だけでも、上出来だと自己満足しているレベルです。

コメント(0) 

ネパールのコレクション [外国切手]

僕のネパールのコレクションは2つに分かれます。

1つは専門コレクションで、ファーストシリーズとセカンドシリーズ。これは両者を合わせて何度か全日展に出したのと、セカンドシリーズのみでJAPEXに出品しています。
あと、難物である初期のステーショナリーもここに入りますね。

そして、もう一つはカタログコレクション。
これは1990年までの切手を1種1枚と田型で揃えていて、こちらは完収済み。
初期以外のステーショナリーの方は、若干の穴が残っています。

下の画像は、田型のカタログコレクションから1954年発行の通常切手のリーフ。

18054.jpg18055.jpg

田型をこんな感じで揃えています。
単片のみでなく、田型でも揃えるところがこだわりの一つ。

田型でも揃えておくと、意外と助かることがあるのです。
例えば、非競争展にネパール切手の概説的な作品を出品するときに、単片ばかりでは単調になってしまうのですが、田型があると変化のある作品に仕上がります。

昔のジュニア向け入門書には、田型の大切さが必ず書かれていましたね。
コメント(0) 

ネパール・ファーストシリーズ1anna [外国切手]

超久しぶりのネパールです。

競争展に出す時に悩むのが、下のようなシートです。
ネパールの場合、その性格上どうしてもシートが多くなります。
というのは、ネパールのファーストシリーズは中国の大龍切手と同じように、印刷時期のセッティングを示すのは、シートでないと無理だからなんですね。

下の画像は、1annnaで、セッティング22。

18051.jpg

クラッチを逆位に入れてしまったポジションは8、9、19、48。
これでセッティング番号が特定できます。

問題なのはここからで、セッティング22は郵便用ではなくて電信用に印刷したもの。
ですから、使用済は画像のような三日月形の電信消しかありません。

これを競争展の作品の中で、どう位置づけるか?
入れないとファーストシリーズとしては中途半端だし、でも電信用の印刷だし・・・。
扱いに難しいですねぇ・・・。
どうしたものかと。
コメント(0) 

ペニーレッド プレート73 [外国切手]

画像は、ペニーレッドのプレート73なのですが、印面左下の黒丸にご注目ください。
なにやら「O」の中心部にシミらしきものが見えますね。

18020.jpg

その部分を拡大したのが下の画像です。
ここまで大きくすると、よくわかります。

18021.jpg

このバラエティはポジション「O-B」に見られるもので、『ギボンズ専門版』第1巻にもちゃんと記録されているメジャーなもの。

このプレート73は1847年に作られたものですから、日本の龍切手よりも24年も早いもの。
そんな実用版のメジャーバラエティが、ペニーレッドなら日本円で約1000円で楽しめます。
コメント(0) 

スウェーデン・ライオンシリーズ [外国切手]

前回ご紹介したグスタフ5世シリーズ円形フレームに続いて、1920年から発行が開始されたのが本シリーズです。
スウェーデンの通常切手シリーズの中でもポピュラーなシリーズなので、ご存知の方も多いと思いますし、どこかで見たことがある切手ではないでしょうか。

18018.jpg

グスタフ5世シリーズ円形フレームでは民間会社での印刷でしたが、ライオンシリーズからは政府印刷へ変更され、コイル切手と切手帳という現在まで続くスウェーデン切手の基本的スタイルが、確立したのもこのシリーズです。
つまり、この切手の発行はスウェーデン切手の一大変革期になります。

ライオン切手を印刷したのは、有名なステックニー印刷機です。
1919年に第1次世界大戦が終ると、時の郵政大臣が米国へ視察に出かけ、そこで見た高速印刷機であったステックニー印刷機の購入契約を結びました。

購入した印刷機は、1919年9月にストックホルムの印刷局に到着したのですが組立図が無くお手上げ状態だったところに、ステックニー氏が到着。
これで完成かと思いきや、部品の組合せがなかなか上手くいかずに、ステックニー氏も手間取る始末でしたが、なんとか12月には完成したものの動作不良が続出したということです。

実際の印刷でも、初めての高速印刷機だったのでインクの調整や用紙の強度不足などから来るトラブルが多く、その結果として専門カタログで見られるような多くのバラエティを生む結果となりました。
コメント(0) 

スウェーデン・グスタフ5世シリーズ円形フレーム [外国切手]

18017.jpg

スウェーデンで、1910年から発行が始まった「グスタフ5世シリーズ円形フレーム」。
印刷していたのは、ヤコブ・バッゲ紙幣印刷株式会社という民間会社です。

このシリーズの発行中に、スウェーデンでは切手の発行枚数が1915年には1億9千万枚だったのが、翌1916年には3億6百万枚へと大増大してしまいました。

この間、印刷はアメリカン・ホー社製の2台の印刷機で対応していたのですが、老朽化した旧型印刷機だったので印刷能力の限界から、バッゲ社では工場での残業が増大し、それが経営を圧迫するようになってしまいました。

このため、バッゲ社では切手印刷からの撤退を政府に申し出たのですが、その変更先も見当たらないことから、政府はかなりの割増金を支払い、なんとか1919年までバッゲ社に請け負わせました。

この「グスタフ5世シリーズ円形フレーム」発行中の出来事がきっかけとなり、スウェーデンでは政府直営印刷へと体制が変わっていくのです。
コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。