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『太陽』1968年2月号 [文献]

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一般紙に組まれた切手特集号の中でも、『太陽』1968年2月号は、最も著名な特集号のうちの1つだと思います。
特集のタイトルは「名画切手のすべて」。
巻頭から36ページまでカラーで世界各国の美術切手がズラリと並び、その後55ページまでは各種記事が掲載されています。

全体の構成は以下のとおり。
「名画切手のすべて」、「名画切手への招待」山下武夫、「切手の出来るまで」、「世界の絵画切手」中島健蔵、「国王と争った一枚の切手」市田左右一、「郵便の文化史」春山行夫、「切手づくりあれこれ」木村勝、「切手に生きる国」野上素一。

巻頭の「名画切手のすべて」は、美術史の区分と流れに沿って展開されたもので、一般の人には美術切手による美術館として、切手の楽しみ方の1つをアピールするには良い仕上がりになっています。

また、他の記事も美術切手オンリーではなく、ほどよいバランスで切手収集の楽しみについて記されています。特に「国王と争った一枚の切手」では、市田左右一氏の独特で軽妙な筆に、氏の経験豊富なエピソードが綴られています。

巻末の編集後記が、本特集の真面目さを語っています。
カラー図版には、何枚かのアラブ土侯国切手も採録されているのですが、そのことについて「主要画家の代表作をもらさないように、また、なるべく印刷の美しい切手を選ぶようにしたため、アラビアの土侯国などで発行されたものも採用しました。」ときちんと断り書きがしてあります。
郵趣雑誌でさえ、こんな断り書きをすることはありませんからねぇ・・・。
さすがに『太陽』。真面目です。
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