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『毛沢東大躍進秘録』 [文献]

今日のは、郵趣本ではありません。
まぁ、書名を見ればわかりますよね。

1950年代末〜1960年代初頭に中国で起こった「大躍進」ですが、実体はその逆で大混乱です。
なにしろおびただしい数の餓死者の山を築き、正確な数字がわからないほど。
おまけに、人民公社や公共食堂というシロモノが社会混乱を引き起こしたのですが、この歴史は今の中国では子供達に教えないし、また一般の人達が知ることもできません。
中国現代史の正に闇のような存在で、この「大躍進」の延長線上に「文化大革命」があります。

で、この本ですが、ちょびっとだけ当時行われていた郵便検閲のことが出てきます。
先ほど書いたように、この「大躍進」では中国全土にわたって餓死者がドッと発生したのですが、各省では自分のところの実情を他省には知られたくないわけ。
つまり、自分の所は「発展(大躍進)している」と。なにしろウソどころか、大ウソを10倍にしたような、全くのおとぎ話の報告を中央に送っているのですから・・・。

そのため、他省へ出て行く郵便物の中に「餓死」とか「生活が苦しい」などが書かれていると都合が悪いわけで、そのために郵便検閲をおこない郵便の差し押さえをしていたそうなのです。
僕は、中国郵趣については全く知識を持ち合わせていないのですが、もし、この時のカバーが残っているのなら見てみたいものです。

本書は、591ページ。文藝春秋社からの発売で、定価2,950円。
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