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『親郵』 [文献]

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4月16日のブログで親郵会の五十周年記念誌を紹介しましたが、今回のは十五周年記念誌です。
刊行は1954年ですから、昭和29年。

内容のスタイルは五十周年記念誌と共通していて、例会の記録、会員の紹介、解説記事が3本の柱になっています。
正確に言うと、五十周年記念誌の方が本誌を踏襲しているのですが。

本書の中で特筆すべきことは「ブラック・ペニーの版別に就いて」の収録だと思います。
筆者は、市田左右一氏。
氏は、手彫切手の大家であり、小判切手でも先駆的な業績を残されているのですが、もともとは英領や米国クラシック切手の収集家。
その市田氏が、ペニー・ブラックの版別について18ページにわたり解説しています。

それまで日本にあるペニー・ブラックは、版別がされないことが普通で、また多くの収集家は版別の方法を知ることはありませんでした。
市田氏は、それを解決する手段として、本稿を執筆されたようです。

本稿は、日本において初めてのペニー・ブラックの本格的な解説として、強いて言えば日本における本格的なイギリス切手収集のスタートとして、郵趣史に残る解説だと思います。
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