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越前国谷口局 [日本郵便史]

2016年8月15日の日記で、越前国今立郡谷口局の二重丸形印の使用例について紹介しました。
その時の画像が下です。

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この記事の時には、当時の郵便線路図を示して、谷口局が山間の小局であることを紹介しました。
そして今日ご紹介するのが下の画像。

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同じ谷口局の丸一形印です。
小局なので便号は入っていません。
これで、二重丸形印と丸一形印が目出度く揃いました。
23年4月の使用例なので使用開始から2年弱の使用ですが、使用頻度が少なかったと見えて細くて美しい印影をしています。

特に地元の局を集めているわけではないのですが、こうして揃うと嬉しいものです。
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40年前の青島軍事カバー [日本郵便史]

今週末は全日展ですね。
このブログをご覧の、多くの方も参観されると思います。

それに引っかけて、何かネタは無いものかと1978年の『全日展出品目録』を引っ張り出して来ました。40年前ですね。
あの頃ですから、もちろん会期は4月。
成人クラスに限っても、外国切手部門に9作品もあります。しかもイタリア、スウェーデン、フランス、スイス、ポーランド、北ローデシア、バングラデシュ、その他など多彩な内容。
もちろん、僕は会場で見たはずですがこれらの作品は何一つ覚えていません。
ですが、大型地名入検査済印のカバーをズラリと並べた特別展示だけは、強烈なインパクトで覚えています。

そんな40年前の全日展ですが、目録を見ていたら金井スタンプ・オークションの広告が目に止まりました。
全日展の会期中である4月22日に、銀座の産金ビルで開催される東京オークション。
その目玉として紹介されていたのが、青島軍事のカバーです。
「161回のオークション誌ならあるかも」と探したら、やっぱりありました。
それからスキャンしたのが、下の画像です。

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青島・済南間の鉄郵印ですが、不鮮明で日付は読めないそうです。
それでも最低値は、貫禄の250万円。

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明治18年の小浜発・大坂宛 [日本郵便史]

画像は、新小判2銭のごく普通の使用例なのですが、先日ご紹介したマテリアルと同じく琵琶湖ネタです。

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データは「若狭・遠敷・五・六/小浜」→「一八・五・六・リ/大坂」。
当時、小浜からは小浜 → 日笠 → 熊川 → 今津という郵便線路があり、今津からは琵琶湖汽船で大津へ。
そして、鉄道で大津から大坂へ逓送されました。

小浜局はKG型なので時刻はわからないのですが、前日の夜の投函だったのではないでしょうか。それを小浜局で早朝に処理をして今津へ。
今津からの汽船は日中便と夜行便があるのですが、10時発の日中便であったことは間違いありません。

大坂局がリ便なのは消印から確定しています。
この時期の大坂局はリ便が最終なのですが、当日配達の最終便の後にチ便とリ便を使用しています。
当日の最終便であるト便は19時15分なので、それに間に合わなかったとすると、大坂20時17分着の列車であったはずですから、大津発は17時45分です。
と言うことは、やっぱり今津10時発の汽船で間違いありません。

消印だけを見てしまうと、小浜 → 大坂間が同日配達のように見えてしまうのですが、実は違うのです。
そして、北陸に住んでいると琵琶湖の逓送経路が意外と大切。
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スタンプショウでのお買い物 [日本郵便史]

下の画像は、スタンプショウのブースで買ったものの1枚。
琵琶湖関係のマテリアルなんですが、北陸から他地方宛の逓送経路にも関係するので、こうしたものも懐に優しい範囲で購入しています。

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大津から海津に宛てたもので、地名に「津」が入ることから、港関係の地名であることがわかります。
例えば、大津もそうですし、今津や塩津もそうですね。

東海道本線の関ヶ原・馬場(現在の膳所)間が開通するまでは、琵琶湖の湖上輸送が大動脈となり、人や物の輸送にあたっていました。
もちろん郵便物も同じで、この辺のことについては佐々木義郎さんの収集成果で広く知られています。

上の使用例も湖上輸送によるもの。
大津16年6月21日ホ便で抹消され、その日の最終便である大津20時10分発の琵琶湖汽船塩津行き(勝野、今津寄港)に搭載されました。
宛地の海津には琵琶湖汽船は就航していないので、近くの今津で降ろされたと考えられ、今津から海津までは郵便線路が伸びているので、陸路で送られたことがわかります。

このカバーが搭載された便は夜行便なので、今津着は翌22日の朝。
その後は陸路で海津まで逓送され、その日のうちに海津局から配達となりました。
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盲人用郵便物 [日本郵便史]

当たり前ですが、春は異動のシーズン。
僕も異動になったので、明日からは他の部署へ移ります。
新採用の時以来の職場に異動ですから、双六的に言えば「振り出しに戻る」ですね。
研究職なので、本や資料の荷物が大変なんです。
ダンボール箱に100箱はありますね。
でもこれは研究職としての生命線ですから、仕方がありません。

職場でエッチラ、オッチラと、そんなものを片付けていたら、遠い所に勤務している非郵趣家の友人から電話。
出てみれば、
「盲人用って書いてある封筒が出て来たけどいる?いらなければ捨てるけど」
とのこと。
「いる、いる、いるから捨てないでー」
という感じで入手したのが、下の画像のカバー。
わざわざ送ってきてくれました。
あまり目にしない「盲人用」の書き込みに目が止まり、とりあえず電話をくれたのでしょう。
有り難いことです。

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盲人用点字郵便ですが、赤いラベルが2枚。
「配達日指定」と「10月14日(水曜日)」。
貼られた切手は、10円が3枚で30円です。

普通の手紙なので無料なのですが、30円は配達日指定料金で平日用の30円ですね。
これが日曜・休日だと200円になります。

よい使用例をいただきました。
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隠岐・西郷港 [日本郵便史]

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新小判1銭ペアに丸一形日付印。
一見、珍しくもない使用例ですが、データを示すと「隠岐 西郷港/二一年九月十五日ホ便」。

この局は改称が激しくて、以下のようになります。
明治5年7月1日 西郷郵便取扱所
  7年     目貫
  8年10月   西郷港
  23年4月1日  西郷

ここで注目してもらいたいのが、丸一印の日付と局名の関係。
丸一印は、ご存知のとおり明治21年9月1日の使用開始ですから、「西郷港」表示は1年半ほどになります。

しかも、このカバーは丸一印使用開始初期のもので、都市の大局ではないところがミソ。
使い込まれていない印影が美しいですね。
普通の丸一印の使用例ですが、気に入っているマテリアルです。
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釜山京城間の鉄郵印 [日本郵便史]

画像は、旧大正毛紙3銭切手の使用済み。
消印がちょっと弱くて見難いのですが、それでも目を凝らしてよく見ると、なかなか良い使用例だとわかってもらえると思います。

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鉄郵印なのですが朝鮮使用のもので、データは「釜山京城間/上二/4 .10 .25/京城発后7■」です。
残念ながら最後の■の部分が読めませんが、D欄で「上二」便であることがわかるので、必要となったら時刻表を見れば特定はできます。

画像と同じタイプの鉄郵印を使用した路線は6路線が知られていますが、釜山京城線は大動脈であるので、最もポピュラーな使用例です。
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高山本線全通記念 [日本郵便史]

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画像は、高山本線が全線開通したことを受けて、昭和9年(9が潰れて8に見えますが)10月29日に使われた高山局の記念小型印。

先日、僅か60円で有難く入手したものです。

もともと集めていたわけではないのですが、最近になって、こうした○○線開通記念なんてのを集め始めました。
画像のような開通記念が圧倒的に多いのですが、その逆バージョンである「さよなら○○線」なんて廃線物もあります。

こうした、開通・廃線ものを余興で安ければ買っておくと、日本鉄道史の一側面を見ているようで、けっこう面白いですね。

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黒ポスト [日本郵便史]

調べものがあったので、福井の明治時代の街中が写った絵葉書を見ていたら、こんなのを見つけました。

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写っている場所は片町の通りで、今では飲屋街になってしまっています。
写真は、たぶん明治20〜30年頃ではないでしょうか。
その写真の片隅に郵便ポストを発見!
というわけで、赤枠で囲ったのが黒ポスト。

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ポストの部分を拡大すると、交差点の所にポストがあるようですが、よく見ると今なら道路際に立てるポストが、意外と道路の中に食い込んでいます。
特に右端の家との距離を見ると、その状況がわかりますね。
ポストを据える土台も、随分と立派で頑丈そうです。

今度、明治時代の市内図を見ながら、ポストの場所を特定しましょう。
わかったら、またブログでご報告。
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秀山堂の使用例 [日本郵便史]

画像は、塔30銭のアルバムから、秀山堂の使用例。
リーフ上では2通が貼られているのですが、画像は基本料金としての使用例です。

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データは、東京の赤坂局22年1月14日の消印で、宮城県の岩沼町に送られています。

このような普通の使用例は、リーフに書き込むことが余り無いのですが、秀山堂切手のばあいは版やポジションの特定が可能なので、そうした情報を書き込むことで、その切手への知識度をさりげなくアピールすることができます。

画像のリーフでも、消印データの下にN1版のポジション6であることを記しています。
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