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『日本切手精集』 [文献]

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ちょっと熱心な収集家ならば、誰もが知っている『日本切手精集』。
日本切手関係では、僕が最も気に入っている郵趣書の1冊で、表紙の色彩いろいろ、そして賑やかでいい感じを出しています。

本書にはカラー版と白黒の普及版がありますが、本書の性格から考えて、もし1冊を持つならカラー版に限ります。
カラーと白黒では、コレクション本としての味わいが雲泥の差。

僕は両方を揃えていて、じっくりと味わいたい時にはカラー版を。
そして、手軽に読みたい時や旅行などに持ち歩く時は、普及版を使っています。

実は、書架にはカラー版が2冊に普及版が3冊ありますが、そのうちの普及版の1冊は手あかで汚れて、かなり年季が入った状態。
天野氏による解説は、本書に先行して刊行された『日本切手とその集め方』を受けて書かれています。
後年、天野氏自身のコレクション集が出版されたましたが、解説文としての力の入れようは、本書の方が上の感じがします。

村田氏自身の郵趣収集史も、文としての読みやすさに加え、各所に隠れたエピソードが記されており、何回、何十回と読んでも新鮮さが落ちません。

田辺猛、水原明窓両氏の長い「あとがき」も、興味深い。
普通「あとがき」なるものは、つまらないのが定番なのですが、本書は「あとがき」までもが面白い。

本書は、郵趣書として極めて真面目な文献であるのに、内容がとんでもなく面白い。
よい意味で異端な郵趣文献だと思います。
では、なぜ本書のような文献が出来上がったのか??
それは村田氏の人柄なのではないでしょうか。
刊行から40年が経ちますが、僕にとっては今でも重要な文献です。
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