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『切手研究』332号 三井高陽会長追悼号 [文献]

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1983年10月発行なので、もう33年も前になります。
追悼号と言えば、色々な方たちからの追悼文がメインで、それに故人の略歴やちょっとした思い出アルバムと相場が決まっています。
本号もそうした定型化された内容を基本的には踏襲しているものの、僕の見方からすれば、それは脇役。
じゃあ、何がメインなのかと言えば、本書後半にまとめられた「三井高陽 論文・随想目録」ですね。
本文74ページのうち、30〜72ページまでがそれに充てられています。しかも、細かい字でビッシリと。
最初は1916(大正5)年の『郵楽』3巻1号ですから、16歳の時の著作。
そして最後は、1983(昭和58)年の『切手研究』329・330合併号で、亡くなる2ヵ月前のものです。
この間のおびただしい著作量といったら、ものすごい量です。数えてはいませんが千本を超えているのではないでしょうか。
そして、この種の集成作業には、必ず収録漏れがあるのが常なので、本来は更に多いものと思います。
恐らくこれほど多くの記事を書くことができる郵趣家は、今後は現れないでしょう。

氏の著作を概観すると、当たり前の事なのですが外国切手の記事が多く目につきます。
これは、日本人にとっては有難いことで、外国切手収集入門的に各国のアウトラインを掴むという視点にたてば、氏の著作は極めて有益な存在になります。
そして、海外の郵趣史的な著作も多く含まれている点も有難い存在と言えるでしょう。

また、郵趣随筆も多いことが特徴と言えますが、こうした記事は、土台が広くかつ強固なものでなければ書くことができません。

今の若手郵趣家の中には、三井氏の業績はおろか名前すら知らない方がいます。
そうした時代だからこそ、本書の存在は貴重なものと言えます。
コメント(1) 

コメント 1

渡辺達夫

私の父の友人ですので、生前何度かお会いしております。現在の方様は
無理かと考えます。
by 渡辺達夫 (2016-07-01 11:38) 

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