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「第二次大戦後の日本通常切手についての当時の記録」 [文献]

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本文は、切手製造史の研究に多大な功績を残された三島良績氏が、切手文化会の『モダン.フィラテリー』24号に記されたものです。

戦後間もなくの郵趣事情は厳しく、定期的な全国誌の発行が難しかったことから、リアルタイムな情報の中心は各地で発行されていた小規模誌が中心でした。
三島氏による製造面の記録は『青森郵燈』に毎月記録されていますが、今となっては同誌を見ることはほとんどありません。
本文は『青森郵燈』に記録された記事を再録し、注を加えたもので昭和21年8月〜22年9月まで、すなわち新昭和切手発行時の記録をリアルタイムで追いかけたものです。

一・二例を示すと、塔30銭単線12目打入切手については、21年8月下旬より一部の切手に対し目打を施し始め、それが10月に入って名古屋方面に配給され、東京では10月下旬になってから日本郵便切手会を通じて、ようやく入手できるようになったと記しています。

また、塔30銭の凸版ゲーベル印刷については、ゲーベル印刷機1台が復旧した昭和29年1月25日から印刷を開始し、30日に1回目の製品が納入されたこと、初期には枠線の奇偶反転のものが認められるが、やがて正常なものが出現したことなどを指摘しています。

こうした生の記録が24ページにわたり再録されていることから、当該シリーズを収集する者にとっては必読の内容となっています。
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