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旧料金から新料金へ [外国郵便史]

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画像のカバーは、ハンガリーのプレ・スタンプです。
使用年は1806年ですから、日本では文化3年で、江戸時代後期の町人文化である化政文化の頃です。有名な『東海道中膝栗毛』が書かれた時代と言えば、イメージが出来るでしょうか。

右上に " Pest " の局所印が見えますが、大事なのは紫でペン書きされた郵便料金。
右と左の2ヶ所に書かれていますが、右は上書きされて消されています。この消された料金は " 16 " で、書き直された左は " 24 " です。

Pest 局では、郵便料金を間違えて記入したのですが、それに直ぐに気が付いて書き直したと思われます。
通常、こうした場合には逓送距離を間違いて、それを訂正したように考えますが、この使用例の場合はそうではなくて、新旧郵便料金の間違えなのです。

重さ1Loth までの郵便料金は、1803年11月1日〜1806年10月30日までは16Ftだったのですが、11月1日からは24Ftに値上げされたのです。
つまり、それまでの馴れた旧料金をうっかり書いてしまい、あわてて新料金に書き直したと思われます。

このカバーは、某 Pest 局員の不注意を物語っていますが、郵便料金改定にからむ使用例として面白いものと思っています。
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