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大谷流切手整理カード [文献]

大谷流の大谷とは、あの最強カタログコレクターの大谷博さんのこと。
氏は、世界中の切手をカタログコレクターの目で見て収集していたので、その知識は素晴らしかったし、今の郵趣界を見ていると、今後、氏のような収集家は恐らく現われないのではないかと思います。
子供の頃に買って読んだ『切手集め大作戦』は、今読んでも面白いし、国内で初歩者向けに書かれた郵趣書としては、歴代最高の出来だと思っています。

氏のコレクションを見たことのある人なら、大抵は同じことを思うのではないでしょうか。
それは、リーフへの書込みが極端に少ないこと。
例えば、10種1セットの切手があるとしたら、シリーズ名と発行年月日、それと確か『スコット』のカタログ番号が書かれていたと思います。

書込みは鉛筆じゃなかったかな?記憶が曖昧ですが・・・。
印象としては、なんだか仮貼リーフのような感じでした。

浅草を拠点とした郵趣会として、雷門郵趣会というのがあり、大谷氏は主要メンバーの1人。
この郵趣会のメンバーには、後の蒼々たる人達が名を連ねています。

その機関誌である『雷郵』10号(1955年11月)に、「私の切手収集白書」と題して大谷氏が投稿しており、その中で、氏のリーフ作りに対する考えが次のように述べられています。
「説明文は全体の美しさを損ねるのでなるべく省略する。その代わり下図のような整理カードを作りカタログ順に並べておくのである。これが完成すると切手百科辞典が出来る」と。

14180.jpg

あの、あまりにあっさりしたとしたリーフの原点はこれだったのですね。
ただ、ここまでくると切手収集というよりも、カタログ作成とか百科辞典作成の作業みたいな気がしないでもありません。
でも、あの膨大な知識の裏を垣間見たような気がしますし、読者として間接的にこのシステムのお世話になっていたのですね。
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