『千葉晋一コレクション 手彫切手』 [文献]
既にご覧になった方も多いと思います。
『千葉晋一コレクション 手彫切手』。
この企画を耳にした時は、非常に嬉しく、そして早く出版されないものかと、首を長〜くして待っていました。
その理由は、千葉氏のリーフ作りにあります。
手彫切手コレクションのばあい、その多くは似たような作品の仕上がりで、名前を伏せられていたらリーフを見ただけでは、誰のコレクションであるのか解りません。
しかし、その唯一の例外と言ってもいい作品が千葉氏のもので、氏の作品は無記名でもすぐに解ります。
その個性的で多々参考になる千葉氏のリーフが、手元でいつでも見ることができるというのは、本当に有り難い企画。
氏のリーフ作りは、レイアウトやテキストがとても美しく、また書き込みや図の処理方法などのテクニックも多いに参考になります。
こうした作品作りが可能になるのは、たぶんセンスの問題なのでしょう。
僕が作るリーフは、どうしても野暮ったく、見栄えがしないのです。
ですから、氏の作品を見るたびにそのセンスを羨ましく思っていました。
本書は、日本切手や手彫切手の収集に関わらず、伝統収集を目指している収集家にはテーマに関わらず広く見ていただきたい作品集です。
2018-07-07 21:42
コメント(1)
大昔、まだ日本では手書きでリーフへの書き込みを行っていた時代に、彼と一緒に英国製のインスタントレタリングを購入して、アルファベットを1文字1文字リーフに貼り付けて作品を作っていたのを懐かしく思い出します。今はPCやプリンターの性能が飛躍的に発達してリーフ作りが簡単になりました。しかし、美しく見ごたえの有る作品を作るには適切なマテリアルや郵趣知識だけでは駄目で、最終的に求められるのは美的センスですね。彼はとても良いセンスの持ち主です。
by 伊藤昭彦 (2018-07-08 09:37)