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「小判をあつめる方々に」 [文献]

郵趣界でドクターと言えば、今も昔も市田左右一氏と相場が決まっていて、このことは伊藤由巳さんが何かに書かれていました。
郵趣界には、物理や工学、更には文学などの博士号を持たれた多くの方がいらっしゃいますが、今後もドクター=市田氏というのは郵趣界では誰もが認める不動の地位でしょう。

そんな市田氏が、手彫切手にある程度の目処を立てた次に開始したのが小判切手の研究でした。
しかしながら、道半ばで亡くなられてしまったので大成とまではいきませんでしたが、その一端は『全日本郵趣』に発表されています。

1976年と言えば小判切手が発行されて100年の年で、子供だった自分でもこの年のことはよく覚えています。
もちろん春の全日展でも小判切手の特別展示がありました。
その時のカタログの表紙が下の画像です。

15787.jpg

カタログには、下に示す市田氏による「小判をあつめる方々に」と題する解説が6ページに渡り収録されています。
本稿は、用紙、実用版、目打、刷色、消印という小判切手の面白さである要素が、限られたスペースの中で表や図を用いて要領よくまとめられています。

15788.jpg

当時あまりこうした情報がなかった小判切手、特に旧小判切手については、本稿を読んで初めて収集の方向性を知った方もいらしたのではないかと思います。

展覧会カタログという参観された方のみしか入手し得ない媒体であったため、意外とその存在を知られてはいないのですが、小判切手の研究史には欠かせない一文だと思っています。
コメント(1) 

コメント 1

長田 伊玖雄

この冊子のことは聞いたことありますが、見たことはありません。全日本郵趣に掲載されたことは何度も読み返しまして、収集の起点になったことは確かです。機会があった一度拝読してみたいと思います。
1979年秋、市田先生に一度だけお目にかかることが出来ました。つたない収集品を見てもらいました。良いものがあるので国際切手展の出しなさいとおだてられ現在に至ってます。
by 長田 伊玖雄 (2018-02-06 20:59) 

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