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『駅逓局類聚摘要録』から [日本郵便史]

明治18年に出版された『駅逓局類聚摘要録』。
郵便史に興味のある方は、基本文献の一つですね。原本の入手は難しいですが、有難いことに復刻版が出ており、ほぼ100パーセントの人がこれを利用しているはずです。

休みの間に暇に任せてペラペラと捲っていたら、面白い記事というか物騒な記事に出くわしました。
舞台は大阪の古市。

明治9年当時、河内国古市郵便局に取扱役として吉田耕太郎という人が居たそうで、なんとこの人が明治9年5月1日〜22日間分の為替金を横領したのですが、その横領額が凄い。凄すぎます!
1,124円96銭7厘。

参考までに、明治8年の給与所得者の年収平均が160円ですから、一つの目安として今だと2,900万円弱でしょうか。
吉田耕太郎さん、明治時代にこんな大金を何に使ったのでしょうかね?

結局この人、裁判で懲役終身刑(上告も大審院は却下)となったのですが、収監中の13年1月12日に獄中で病死してしまいます。

横領金弁済のため家財、土地、建物、切手、葉書と共に、衣類雑品という項目も見られます。本人の命以外全て売却といった感じですね。
家族はどうなったのでしょうか?
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