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ストックホルム号の船内印 [外国郵便史]

3月18日の日記で、ヨーテボリ〜ロンドン間の船内郵便について紹介しましたが、今日ご紹介するのはオーシャン・ライナーである「ストックホルム号」のもの。

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1953年9月6日の使用例で、料金25オーレは外国宛葉書料金で本使用例であるアメリカ宛に合致します。
日付の上には " STOCKHOLM " と船名があり、外縁に沿って下部にはニューヨーク〜ヨーテボリと就航区間が記されています。

実は、この「ストックホルム号」、大きな事故を起こしたことで有名なんです。
下の画像は、この使用例の表面で船の全景が描かれています。

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「ストックホルム号」は、全長160.4メートル、12,165トンの客船ですから、大西洋横断客船とすると小形の船に入ると思います。
ニューヨークを出港した「ストックホルム号」は、濃霧の立ち込めた1956年7月25日、ヨーテボリへ向けての航海の最中でした。

それに逆航する形で、イタリアの豪華客船「アンドレア・ドーリア号」は、翌日のニューヨーク入港を控え西へ向けて最後の行程の最中でした。
「アンドレア・ドーリア号」は、イタリア・ラインが1953年に新造船として大西洋航路に投入した全長213.4メートル、29,083トンの大形船です。

両船がお互いに視認し回避行動をとったものの衝突。
大形新造船であった「アンドレア・ドーリア号」が沈没してしまい、小形の「ストックホルム号」は船首部分の破損のみでした。
なぜ、トン数で見ると倍以上もある大形船が沈没し、小形船が破損ですんだのか。
「ストックホルム号」は流氷の多い北洋での航行を考えて、船首部分が通常より丈夫な構造になっていたそうです。
事故の原因は、「ストックホルム号」がレーダーを誤って見ていたことが原因であるとされています。

本使用例は、その事故の約3年前の使用例です。
ごく普通の使用例なのですが、いわくつきの船の使用例として大切な1枚です。

なお「ストックホルム号」は、その後修理されて現在も客船として稼働しています。
対する「アンドレア・ドーリア号」は、沈没の様子が最後まで動画として記録され、船は横倒しの形で原形をとどめたまま、海底に沈んでいるのが知られています。
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