SSブログ

「国立公園切手の発行について」『郵便切手』第1巻第1号 [文献]

12197.jpg12198.jpg

戦前の官製郵趣会だった、日本郵便切手会が発行していた雑誌で昭和14年3月発行の創刊号。
手元には創刊号から終刊号まで揃っているのだけど、この創刊号が状態が悪く、一部のページはホッチキスから離れてしまっているし、表紙の背も破損が進行しています。取扱注意の本です。

本誌は、さすがに官製郵趣会だけあって、新切手発行に伴う解説が詳細な読み物として記事になっており、当時の発行事情を振り返るには一番の文献だと思います。

その創刊号には、国立公園切手発行事情が記されています。その大略は、
・日華事変により、世界的に対日感情が悪化していること。
・その国の事情を理解してもらうには、実際に国を見てもらうのがベストなこと。
・そのためには海外からの観光客誘致が一番であること。
・大形の美麗な国立公園切手を発行し、観光客誘致の一端を担うこと。
などが記されています。

また、小型シートについては、世界的に評価されるべき出来映えとしながらも、全くの手工業的な製造工程のため、原価は明言できないものの、従来の切手とは比べ物にならないほどの高コストであったことなども、述べられています。

その他、通常の新切手発表では得られない情報が色々と記されており、貴重な報告となっています。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。